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<title>mooの再構築</title>
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<description>映画とかお話とかいろいろ</description>
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<title>エンドロール</title>
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<![CDATA[ <a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20130104/10/uberlin/7e/31/j/o0199015012362067044.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20130104/10/uberlin/7e/31/j/t01990150_0199015012362067044.jpg" alt="mooの再構築"></a><br><br>映画のクライマックスに相応しく、地球は木っ端微塵に粉砕した。<br>虚無と帰した真っ暗なスクリーンに、出演者たちがスクロールしていく。<br>お馴染みのアルファベット。漢字。見馴れぬ民族文字。<br>無音のまま、いつ果てるともなく続くエンドロール。<br>誰も見る者のないエンドロール。
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<pubDate>Tue, 31 Dec 2013 10:38:10 +0900</pubDate>
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<title>リバーシブル</title>
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<![CDATA[ <a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20130204/21/uberlin/cf/c1/j/o0250020912405750297.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20130204/21/uberlin/cf/c1/j/t02200184_0250020912405750297.jpg" alt="mooの再構築" border="0"></a><br>オヤ？なんだか暗くてなまあたたかい場所に閉じこめられて･･･<br>ボクってだれ？なにがあったんだっけ？<br>思い出しました、思い出しました。ボクは子ぶた三兄弟の長男です。<br>オオカミにワラの家を吹き飛ばされてペロリと食われちゃったんでした。<br>アア困ったなあ･･･と思っていたら、上から何やら落ちてくるぞ。<br>ドスン！･･･おやおや次男じゃありませんか。<br>「兄さん、ボクも食われちゃったあ。木のお家もダメだったよ」<br>「そっかあ。でも大丈夫、かしこい末っ子が助け出してくれ･･･」<br>ドスン！･･･あれあれ、末っ子ぶたも落っこちてきたじゃありませんか。<br>「やあ、兄さんたち。思った以上にずるがしこいオオカミでさあ、このザマだよ」<br>「とんだおまぬけ三兄弟だな。アッハッハッハ」<br>大笑いしてると、またなにやら落ちてきます。<br>次から次へと･･･おやおや七匹の子やぎではありませんか。<br>「なんでまた七匹まとめて食われたんだ？末っ子やぎは上手に隠れてるはずだろ」<br>末っ子やぎは頭かきかき、<br>「イヤ～いとも簡単に見つかっちまって。面目ねえ。あとは母さんの救出を待つしか･･･」<br>ドスン！母さんやぎです。<br>子ぶた三匹、母子やぎ八匹のしめて十一匹。ブーブーメーメーにぎやか、にぎやか。<br>ドスン！今度は赤ずきんちゃんのおばあさん。<br>ドスン！ほどなく赤ずきんちゃんご本人もご登場。<br>「大丈夫よ、まもなく猟師がオオカミのおなかをかっさばいて･･･」<br>ドスン！その猟師も落っこちてきました。<br>「いやはやこれはもう救いようがない。十一匹と三人、なかよく暮らすとしよう」<br>すると、その晩。<br>ワォーーーーン。<br>ワォーーーーン。<br>オオカミのやつ、さびしげに遠吠えなんか始めます。<br>「気の毒にさ、からだの中はこんなににぎやかなのに」<br>「みんな食っちまうからさ。自業自得ってやつだ」<br>でも悲しい目をした赤ずきんちゃん、オオカミに声をかけます。<br>「さみしいオオカミさん、あなたも仲間に入れてあげる。いらっしゃいなっ」<br>なんてよい子でしょう。<br>でも、どうやって？<br>「自分で自分を食べるのよっ」<br>んなアホな、とは思いつつ、ものは試しと自分で自分を食べちゃって、オオカミは裏返しに。<br>十一匹と三人は自動的に無事外側面へ。<br>「オオカミさん、これでみんなお友だ･･･」<br>赤ずきんちゃん、裏表逆転したオオカミのあまりのグロさに思わず「ウップ」<br>するとオオカミの改心したはずの心も翻意してリバース！！<br>再びボクから食われちゃってお話もリバース！！
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<pubDate>Mon, 04 Feb 2013 21:14:59 +0900</pubDate>
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<title>ハンカチ</title>
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<![CDATA[ 「キミに涙は似合わないよ。このハンカチを使いなさい」<br>通勤電車内で涙を流していた私に、ハンカチを差し出したのは阿部寛そっくりの紳士だった。<br>どぎまぎしてハンカチを受けとると、男は苦み走った笑みをひとつ、電車を降りていった。<br>ほんの一瞬のできごと。お礼を言う間もなかった。<br>ハンカチを頬に押し当てると、さわやかな香りがした。<br>彫りの深い顔立ち、よく響く低音ボイス。なんて素敵なのかしら、阿部寛。<br>それにしても私、電車の中で涙なんか流しちゃったのかしら。<br>私は、昨晩の『志村どうぶつ園』の感動シーンを思い出していたら、つい･･･。<br>でも、涙が出てなかったら、出会いはなかったわけだから、結果オーライかな。<br>とにかく、お礼をちゃんと言ってハンカチをお返ししなければ。<br>てなわけで、私はハンカチをお洗濯してアイロン掛けて、通勤バッグに忍ばせた。<br>阿部寛との再会を期して。<br>ハンカチと一緒にお礼のチョコレートも入れてある。<br>チョコの包装紙には、私の会社の名刺が挟んであるわ。<br>そして私は再会の日を待った。来る日も、来る日も。<br>だがなかなか会えない。<br>郊外を走る通勤電車内はさほど混んでいるわけでもないのに。<br>ああ、どうしちゃったんだろう、阿部寛。<br><br>もう半分あきらめかけていた、ある朝。ついに阿部寛を発見！<br>彼は車内を見回している。私がバッグに手を入れて近づいていくと･･･。<br>彼は、あらぬ方向へとツカツカ進み、ひとりのＯＬにハンカチを手渡した。<br>「キミに涙は似合わないよ。このハンカチを使いなさい」<br>そして、彼は別の車両へ。<br>ど･･･どゆこと？<br>ハンカチを渡された娘は頬を染めてハンカチを握りしめている。私のとそっくりのハンカチを。<br>私はハンカチ出してじっくり見た。<br>ハンカチには刺繍文字･･･よく見たらブランド名なんかじゃなくて企業名だ。<br>つまりこれは、ただの広告？･･･ティッシュ配りみたいなもの？<br>そーゆーことか･･･。<br>すっかり脱力して、座席に腰を下ろした。<br>バッグからチョコを取り出してボリボリ食ってやった。<br>あ～あ、期待してソンしちゃった。ま、別のターゲットを探すとするか。<br>うん、あ、けっこうイケるじゃないの、うちの会社のサンプルチョコ。
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<pubDate>Thu, 24 Jan 2013 04:42:17 +0900</pubDate>
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<title>得体のしれないもの</title>
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<![CDATA[ 「ねぇ、コレ、何だと思う？」と、ボク。<br>「オレもちょっと気になってたんだ」と、同僚。<br>新しくなった病棟の出入り口横にスチールのシューズロッカーが並んでいた。<br>病棟に勤務する職員、見舞い客、外来者、皆そこで靴を履き替えなくてはならない。<br>朝な夕なロッカーを利用するたびに、『コレ』が気になっていた。<br>ロッカーの視線の高さに貼り付けられた、白い板状の物体である。<br>20センチあまりの幅広の定規みたいな。<br>左には液晶の小窓があって、アルファベットが点滅している。<br>出始めの頃のようなモノクロのくすんだ液晶文字が、ただひたすら点滅しているだけ。<br>小窓上部には卓上計算機同様の太陽電池が付いていた。<br>右には、また別のもう少し長いアルファベット。<br>以上、それだけ。手にとってみても、他にスイッチや蓋といった類のものは一切ない。<br>磁石棒にしては、ムダにでかすぎる。<br>時計機能付きなのか？タイマーなのか？いや、温度計？湿度計とか？文字が打ち込めたり？<br>だが、そいつはいつ見ても同じくすんだ文字列を点滅させているだけなのだ。<br>一ヶ月も眺めただろうか、文字列を検索にかけてみた。<br>点滅していたのは、ある医薬品の名称だった。<br>右の少し長い文字列は、その医薬品を作っている製薬会社。<br>う～む･･･。解決したわけではないが、広告つきのムダにでかい磁石棒として納得するしかないか。<br>数日後、ロッカーで上司と出くわした。<br>ボクが気になっていた『得体のしれないもの』をじっと見つめている。<br>「なあキミ、コレ何だと思う？」<br>得体のしれないものの、得体のしれない効果だけは絶大だ。
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<pubDate>Thu, 24 Jan 2013 03:47:59 +0900</pubDate>
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<title>福笑い</title>
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<![CDATA[ とある焼肉チェーン店を展開する企業の会議室。<br>「で？どうだ？お客様に牛肉に親しんでもっと食べていただけるようなアイディアを思いついたかね？」と社長。<br>「ハイ！牛をモデルにしたキャラクターを作ってみてはどうでしょうか。牛の着ぐるのヒーローです」と広報担当社員。<br>社長が興味を示した。<br>「スライドをご覧ください。これが『ウッシッシ仮面』です！！」<br>映し出されたのは、火焔をバックに仁王立ち、筋骨隆々のマッチョなヒーロー、ただし顔は牛。<br>「われらが『ウッシッシ仮面』が人気キャラになれば焼肉売り上げアップまちがいなし！」<br>「よ～し、それいってみよう！」<br><br>さて。ここは、地球から遥か数十万光年離れた惑星ブラック。<br>地球に地球人が暮らしているごとく、惑星ブラックにはブラック星人が暮らしていた。<br>ただし、彼らの形態は人間とは著しく異なっていた。地球で似ている生物は･･･<br>う～む、生物じゃないけど、アレ。ゲゲゲの鬼太郎に登場する西洋妖怪バックベアード。<br>輪郭のはっきりしない黒い球体の周囲に枝分かれした触手、中心部に巨大な眼球がひとつ。<br>基本的に生活ぶりは地球と似たりよったり。<br>違う点といえば･･･地球人が牛を家畜するように、ブラック星人は地球人そっくりの『ヒト』を飼育してその肉を食べていることくらいか。<br>「で？どうだ？消費者に『ヒト』のお肉をもっと食べてもらえるようなアイディアを思いついたかね？」と社長。<br>「ハイ！『ヒト』をもとにしたキャラを作ってみてはどうでしょう。『ヒト』の着ぐるみみたいな」と社員。<br>「よ～し、それいってみよう！」<br>というわけで、薄茶色全身タイツのバックベアード登場。<br>「えっと、『ヒト』は目がふたつだから目をもうひとつ横に描いて･･･うわっバランス悪ぅ～！」<br>「消化器官を詰め物をしたら、なんか『ヒト』の鼻っぽいですよ･･･いや、曲がっててグロいなあ」<br>「肛門を赤く塗ったら･･･あ、なんか『ヒト』の口っぽ～い！」<br>「眉毛は墨で･･･キャー、マロみたい～」<br>かくしてキャラは完成したが、部品がビミョーにズレてて不気味。<br>「よ～し、これで『ヒト』の売り上げアップ、まちがいなし！･･･かなあ？ま、とにかく今年もよいことがありますように！！」
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<pubDate>Sat, 19 Jan 2013 03:56:44 +0900</pubDate>
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<title>幸福の猫</title>
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<![CDATA[ ネットを見ていて、変な記事を見つけた。<br>朝起きたときに猫を撫でながらある呪文を唱えると、その日必ず幸福なことが起きるのだそうだ。<br>まさか。一笑に伏したつもりだった。<br>だが翌朝、目が覚めると目の前にうちの飼い猫が丸くなっていた。<br>ものはためしだ。<br>ボクは猫を抱きかかえてパソコンに向かい、サイトを呼び出し猫を撫でながら呪文を唱えた。<br>朝食のとき、妻がボクの顔をのぞきこんだ。<br>「どうしたの？朝から嬉しそうな顔して」<br>「いや、なんでもない。なんか今日はいいことありそうかなって」<br>「バッカみたい。でも、いつもの辛気臭い顔よりずっといいよ」<br>職場に向かう電車の中でもワクワクしていた。<br>いつ幸福が舞い込んできてもいいように心の準備をしておかなくては。<br><br>その日の晩。<br>「で、どうだった？いいことあったの？今日」<br>妻から聞かれて、朝の呪文のことを思い出した。<br>会社に着いて仕事に没頭してしまい、すっかり忘れてしまっていたのだ。<br>で、今日一日をふりかえってみて･･･<br>特別、幸福なことって何もなかった。いつもとおんなじ、平凡な平日にすぎなかった。<br>いい年して呪文なんて。<br>「どうしたの？なに笑ってるの？」<br>ボクは妻に猫の呪文のことを話した。話の途中から妻がけたけた笑った。<br>「なにがそんなに可笑しい？」<br>「フフフ、ゴメンナサイ。平凡な一日って、けっこう幸せなのかもよ」<br>そういう考え方もないではないなあ。<br>「あのね、今朝あなたがご機嫌だったから、あたしは今日一日とっても幸せな気分だったわ」<br>そう言ってボクの肩に頭をのせた。<br>ボク自身でなくボクと接した人が幸せになる･･･なるほど、そういう呪文だったんだ。<br>妻の肩に手をおいて、結果的にボクも幸せ気分に満たされて･･･<br>「それでね、買い物に行ったとき、つい奮発してネコ缶買っちゃった。いつもより高級なヤツ」<br>足元で丸くなっていた猫が、幸せそうに目を細めて口の周りを舐めた。
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<pubDate>Sat, 19 Jan 2013 03:23:33 +0900</pubDate>
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<title>時間が止まる日</title>
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<![CDATA[ 田舎道を軽トラで走ってＫ町に着いた。買い出しはいつもＫ町で済ませている。<br>が、様子が変だ。<br>道路を行き来しているはずの車が走行車線で止まっている。<br>車の間をぬいながら止まった車の中を覗くと、どの車にも人が乗ったまま動かない。<br>何やってんだ、こいつら。<br>いつもの店の駐車場に車を止め、店内へ。<br>店の前に数人が歩いている。<br>いや、歩く姿勢のままで停止している！まるで一時停止ボタンを押したみたいに。<br>店内も同じ。<br>店内はしんと静まり返り、カートを押す客もレジ打ちの娘も、みんな動作の途中で静止している。<br>時間が停止した世界に、ボクひとり取り残されてしまったんだ！<br>ど、どうしよう･･･。<br>店内を見渡しているうちに、今なら好き放題持って行けるなあ、なんて魔がさしてしまった。<br>どうする？バレるなんてことあるだろうか？<br>数分間の葛藤ののち、ボクが商品棚の品に手をかけた瞬間。<br>店員の腕が、ほんのかすかにピクリ。<br>･･･<br>動いたよな？今。<br>店員をじっと観察した。すると、店員の後ろの客がまばたきをひとつ。<br>ボクは鳥肌が立った。<br>こいつらみんな、時間停止したフリをしている！<br>特殊効果で処理できなかった頃のＳＦ映画で時間停止した場面と同じ。演技の時間停止だ。<br>しかし、なんのために？<br>･･･まさしく今、映画の撮影の現場に入り込んでしまったのか？<br>いやいや、それならとっくにカット！の声がかかっているはず。<br>･･･これはもしかして町あげての、『だるまさんがこ～ろんだ』企画なのでは？<br>いや、それならボクはとっくにオニにつかまっている。<br>･･･そのうち、みんなが一斉にハッピバースデイのハミングをはじめて、ボクの誕生日を祝福･･･。<br>いや、今日はボクの誕生日じゃないし！<br>商品に手をかけた姿勢のまま、ボクは考え続けた。<br>すると、ふと別のアイディアがよぎった。<br>『ボクもまた、この姿勢のまま、みんなと同じように止まってしまうのはどうだろう？』<br>そしてボクはホントに、そのまま動くことをやめた。<br>しばらくすると、血相を変えた女が店に飛び込んできた。ボク以上にマヌケな感じで。<br>一瞬、彼女に声をかけようかとも思った。<br>だが、他の誰も彼女に声をかけずに止まっているのには理由がありそうだ。<br>時間が止まってない連中のほうが増えて優勢になった頃に合流するのが得策だろう。<br>そう思って声をかけるのはやめた。<br>そしてそのとき、みんなが停止してしまった理由がなんとなくわかってきた。
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<pubDate>Sat, 19 Jan 2013 02:41:42 +0900</pubDate>
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<title>星人の日</title>
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<![CDATA[ 『成人式なんて誰が行くものか。<br>生まれて20年間経ったという、その単なる時間の長さになんの意味がある？<br>長い睫毛をつけたケバい振袖ギャル。酒を飲んで羽目をはずす羽織りのヤンキー。あんな奴らと一緒にされたくない。<br>本当に値打ちのあるオトナになってこその成人だ。タテマエだけの儀式なんて御免蒙る･･･』<br>キーボードを叩いていると、部屋の外から母親の声がした。<br>「今日は大切な日なんだから出てきておくれ」<br>「うっせーババア！」<br>部屋から出ないのも選択なのだ。ここから出るときは自分で決める。<br>「頼むよ。お客さんなのよ」<br>客？俺に？俺のほうに会う用などない･･･<br>次の瞬間、俺の部屋のドアが蹴破られた。<br>止めようとする母親をふりきって入ってきたのは、軍服姿の大男だった。<br>「出て行け！ここは俺の部屋だ！」<br>大男がギロリと睨んだ。<br>「ここがどこだって？」腹の据わった低い声。<br>「俺の部屋だ！」<br>俺の胸ぐらをつかんで軽々と持ち上げる。<br>「違う。ここは地球だ。そして地球は隣星と交戦中なのだ。成人になった貴様に徴兵命令が下ったのだ」<br>大男が手を放すと、俺はどかりとその場に崩れ落ちた。<br>俺の部屋を見渡し、棚に掛けてあったワンショルダーを俺に投げてよこした。<br>「これに荷物を詰めろ。10分以内だ。いいな」<br>「ムチャだ。これっぽっちじゃ･･･」<br>「遊びに行くんじゃない。グズグズするな」<br>俺が口を開こうとすると、男は拳銃を取り出し、俺に銃口を向けた。<br>「おまえに選択の余地はない」<br>俺は慌ててパックに下着類を詰め込む。<br>こいつに何を言ってもムダだ。こいつは上官の命令でここに来ているにすぎない。<br>とにかくここは従っておくしか･･･。<br>10分後、俺は軍用トラックの荷台に載せられ、大勢の若者たちとともに訓練キャンプへ向かった。<br>･･･<br>「むりやり前線に送られてから二十年になるかなあ。今じゃよかったと思っているよ。あの日を境に、俺も星人になれたわけだから。自分が何かに属している、この感じが最高なんだよな」<br>「実を言うと、俺もその昔強制的に徴兵されたのさ。歴史は繰り返すってわけだな」<br>戦場で言葉を交わす二人。そのどちらが、あるいはどちらかが、あの時の誰かなのだろうか。<br>まあいい。誰も彼も似たりよったり。<br>確かなことは星人であることだけ。
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<link>https://ameblo.jp/uberlin/entry-11450777608.html</link>
<pubDate>Thu, 17 Jan 2013 05:40:27 +0900</pubDate>
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<title>ロボット？</title>
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<![CDATA[ 平日の午後、さすがに風呂屋に客は少なかった。<br>サウナ室に入る。先客はなかったが、ボクの後ろからもうひとり入ってきた。<br>テレビの前にボクが座る。少し離れた位置で男が胡座をかいた。<br>ボクは12分計を見上げた。<br>この時計の長針が一周して同じ数字になる12分後がちょうどいい頃合いなのだ。<br>テレビでは、ロボットが補助教員として学校に配備されたニュースをやっている。<br>ロボットの社会進出が著しい。<br>最初は介護や工事の現場などの重労働を手伝うことから始まった。<br>だが今や教育現場のみならず、そこかしこでロボットを見かけるようになっている。<br>胡座をかいていた男が腕組みをして話しかけてきた。<br>「各教室、担任の先生とロボット教師がチームで児童生徒の指導に当たるそうですよ」<br>「それに安心感をもってしまうから不思議ですね」とボク。<br>「ロボットのほうが信用できるってのが皮肉ですよねえ。次は警察ロボらしいですよ」<br>「その次は政治家ロボですかね」<br>軽口を叩くボクの顔を、男がしげしげと見た。<br>「おや？汗をかいてませんね？」<br>「汗をかきにくいんですよ。特に冬場は。さすがにサウナにロボットはないでしょう？」<br>男が笑った。<br>「そうですねぇ。ア･･･でも刺青の客にお引き取り願う役とか。あれはロボットにお願いしたいな」<br>「さすがにまだそれは」<br>いつのまにかボクも男も汗をポタリポタリ。<br>「ほら、出てきたでしょう？」<br>「いやいや、サウナの中で人間に混じって違和感がないように汗をかく機能がついてたり」<br>可笑しくなって二人とも吹き出した。面白いことをいう男だ。いい暇つぶしになった。<br>えっと･･･そろそろかな･･･<br>男が頭の上で両腕を組んだ。そして胡座を組んだ姿勢のまま全裸で逆立ちに。ヨガの行者か！？<br>「ハイお客さん、12分で～す」<br>な～んだ、砂時計かあ。
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<link>https://ameblo.jp/uberlin/entry-11450087998.html</link>
<pubDate>Wed, 16 Jan 2013 02:42:49 +0900</pubDate>
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<title>ドーナツの穴</title>
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<![CDATA[ 客足が遠のいたのを潮時に、店に入るとレジで彼女に声をかけた。<br>「あの、注文いいですか？」<br>「はい、どちらでございましょうか」<br>ボクはひとつのドーナツを指さした。<br>「コレ、ひとつ。コレの穴のとこだけ」<br>彼女、しばし停止。<br>「うけたわまりました」<br>おもむろに彼女は白い小袋を取り出し、ドーナツをトングでつまみあげ手際よく収めた。<br>「いや、ドーナツじゃなくて･･･」<br>「５円になります」<br>なりゆきのままに財布の中から金ピカの五円硬貨を出した。<br>硬貨を受け取った彼女は、レジの中へチャリン。<br>そして、いったん綴じた袋の中からドーナツを出してショーウィンドウに戻す。<br>次に、レジからさっきの五円硬貨を取り出してボクに渡した。<br>ボクの手には、空っぽの紙袋と五円玉。<br>「ドーナツの穴の代金として、五円硬貨の穴を頂戴しました。お買い上げありがとうございます」<br>･･･<br>一休さんかよっ。<br>彼女らしいといえば彼女らしい。負けるもんか。<br>「あの、もうひとつほしいのがあるんだけど」<br>「どちらでございましょうか？」<br>「君がいなくなった穴」<br>彼女の営業スマイルが翳った。<br>「そちらの商品は只今切らせております」<br>「君が出てって君の大切さがようやくわかった。君じゃなきゃ埋められないんだ、心の穴」<br>「申し訳ございません。そちらの商品はお時間をいただきませんと」<br>「いくらだって待つ。だから戻ってほしい。お願いだ」<br>彼女、しばし停止。<br>「うけたまわりました」<br>「え？」<br>「ご注文、うけたまわりました。今夜６時、ご自宅のお届けでよろしかったでしょうか」<br>彼女に屈託のない笑顔が戻っている。<br>いや、目もとが少し潤んでいる。<br>「あの、代金は？」<br>「こちらの商品、これほどになりますが」<br>彼女が右手の薬指を掲げた。<br>なるほど･･･リング、か。こればっかりは穴だけじゃ勘弁してもらえまい。<br>「大丈夫、今度はまじめに働くから」<br>店を去りぎわ、ボクの背に彼女が声をかけた。<br>「お客様、よろしかったですね、ゴエンがありまして」<br>ふりむくと彼女がウインクした。<br>･･･一休さんかよっ。
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<link>https://ameblo.jp/uberlin/entry-11446540982.html</link>
<pubDate>Fri, 11 Jan 2013 07:15:31 +0900</pubDate>
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