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<title>variety0116のブログ</title>
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<title>それぞれのそれから</title>
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<![CDATA[ 翌日、２４日。<br>　朝食を大急ぎで済ませた仁は、まずカイナ村へ跳んだ。報告のためである。<br>　マーサの家へ行くと、ちょうど起きたハンナが顔を洗いに出てきたところだった。<br>「おにーちゃん！」<br>　仁を見つけたハンナが駆けてきて飛び付いた。仁はそんなハンナを抱き上げる。<br>「おはよう、ハンナ。ちゃんと終わらせてきたよ」<br>「おはよう、おにーちゃん！　じゃあ、もうどこへも行かない？」<a target="_blank" href="http://www.biyakushop.net/ViewProduct.asp?id=131">FITXスーパー脂肪解消カプセル</a><br>　仁はハンナをそっと地面に降ろすと、<br>「うーん、後片付けがあるから、あと１日、待っていてくれるかい？」<br>「えー……」<br>　そんな話をしていると、声を聞きつけてマーサ、エルザ、ミーネも出てきた。<br>「お帰り、ジン」<br>「マーサさん、ただいま。エルザ、ミーネ、ただいま」<br>「お帰りなさい」<br>「お帰りなさいませ。ご無事で何よりです」<br>　仁は、全員に向かって、統一党ユニファイラーを無力化したこと等を簡潔に説明する。<br>「あとは、統一党ユニファイラーの再編成というか、無力化した統一党ユニファイラーに償いをさせようと思うんだ」<br>　主席、第２席が洗脳されていたことを説明する。エルザは多少知識があったのですぐに納得したし、ミーネも心当たりがあったので理解は早かった。<br>　マーサはなんとなくしかわからなかったようで、ハンナに到っては言わずもがな。<br>「まあ、とにかく今日１日、いろいろと後片付けをしてこようと思うんだ」<br>　そんな仁の説明に、ハンナも渋々頷いたのである。<br><br>　　　　　　<br><br>「さて、それじゃあまずエレナ、お前の役割だ」<br>　蓬莱島に舞い戻った仁はエレナを呼んだ。<br>「はい、ごしゅじんさま。何をすればいいでしょうか」<br>「お前はこれからしばらく、統一党ユニファイラーの顧問として、その組織の解体と再生をだな……」<br>『エレナさん、必要に応じて私も手伝いますので……』<br>　と、老君にも補足してもらいながら指示を出した。<br><br>「それではごしゅじんさま、行ってまいります」<br>　ファルコン４に乗り、アスール湖の浮沈来基地経由でエレナは統一党ユニファイラー本部に戻る。<br>　そこには（元）主席ジュール・ロランと第２席ドナルド・カロー・アルファがいる。<br>　２人とも死にかけたり衝撃ショックの魔法を受けたりで洗脳は解けている。<br>　また、元破壊姫であるエレナの記憶には潜在意識誘導サブリミナルの魔法についての情報もあった。もちろんその解き方も。<br>「うまくやってくれよ……」<br>　研究所裏手の巨大転移門ワープゲートに消えるファルコン４を見て、仁は成功を祈った。<br>　仁の目算としては、以下のようになる。<br><br>　元々統一党ユニファイラーの理念は魔導大戦前のディナール王国を再現することだった。それが黄金の破壊姫によって、大陸の統一へとすり替えられたのである。<br>　そこで、ＴＯＰ２が正気に戻った事を使い、幹部から平党員にいたるまでの洗脳を解き、無害な集団にしてしまおうというのだ。<br>　その際、破壊姫が教えた過去の技術以外にも幾つかを与えて求心力にするつもりであった。<br>　具体的には『魔素通話器マナフォン』を考えている。これは言うなれば魔素通信機マナカムの劣化版で、無線ではあるが、特定の相手とだけ通話できる通信機である。<br>　その大きさも、だいたい大きな机くらいで持ち運び出来るものではない。魔素通信機マナカムのように相手を選択することも出来ない。が、各国首脳間のホットラインになら十分使える。<br>　これの更に劣化版というか、小型だが有効距離の短いものは統一党ユニファイラーでも破壊姫と主席の間で使われていたようだ。だから特に広めて不味い技術というわけでもない。<br>　こういった技術は、新生統一党の求心力にすると共に、周辺国家への詫びも兼ねることとなる。<br>　ジュールやドナルドがどんな形で謝罪をするつもりかまではわからないが、その時にこの技術を供出することで、少しは罪滅ぼしになるだろう。<br>「しかし、でかいな……」<br>　老君が試作したという魔素通話器マナフォンは本当に机くらいある大きさであった。<br>「長距離を繋ぐと言うことは大変なんだな」<br>　大きくなっている原因は、たくさんのパートに分かれているからである。そのパートの一つ一つが高度な魔導具なのだ。<br>　あらためて、自分が作った魔素通信機マナカムの到達距離に感心する仁であった。何せこの星の裏側まで届くのだから。<br>「そうしてみると、俺の作った方は魔力素マナでなく自由魔力素エーテルを使っているんだろうな……」<br>　古代遺物アーティファクトである魔導投影窓マジックスクリーンを解析してその方法を応用した時には気が付かず、うっかり魔素通信機マナカムと名付けてしまったが、実際には自由魔力素通信機エーテルカムとでも言うべきだった。まあ、語呂が悪いので今のままでいいと思っているのだが。<br>　余談だが、小型化には、漢字使用が大きな貢献をしている。言霊でもある魔法語マギランゲージは、表音文字よりも表語文字で書くと効果が数倍になるのだから。<br><br>　閑話休題。<br>　統一党ユニファイラーについてのサポートは老君に頼むとして、各国への補助が残っている。<br>　これは別に仁が悩むことではないのであるが、介入が遅くなったために犠牲者や被害が出ていることから、何らかの援助をしたいと思っているのだ。<br>「偽善でもやらないよりいいよな……」<br>　ということで、まずは一番の被害国と思われるエゲレア王国に、資材として溶けたゴーレムから作ったインゴットを贈ることにしたのである。<br>　その量、鋼鉄がおよそ２００トン、青銅が２００トン、軽銀が５０トン。アダマンタイトとミスリル少々。時価にして約１５００億トール。<br>　同様に、クライン王国テトラダにもその半分を寄贈する予定。<br>　加えて、押収したエルラドライトの中で、国の刻印が刻まれているものはその国に返す事にした。エゲレア王国へは１５個、クライン王国には１０個である。<br>　セルロア王国とフランツ王国、それにエリアス王国の刻印はなかった。<a 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<br>　これら全て、溶けたゴーレムからの素材なので、蓬莱島の懐は痛まない。かかる手間だけである。<br>　エルラドライトも、刻印無しのものが４１個、仁の手元に残った。十分である。<br>　夜中に、消身ステルス機能を追加したペリカン数機を使って運び込んでしまう予定。<br>　朝になって驚く資材倉庫管理官の顔を思うと笑いがこみ上げてくる仁であった。<br><br>　　　　　　<br><br>「……いつになったら出発できるんだ」<br>　帰国途上のラインハルトとフリッツ達は、セルロア王国内のごたごたとかで、更に足止めされていた。<br><br>　　　　　　<br><br>『御主人様マイロード、統一党ユニファイラーの傀儡を教えた各国首脳部の対応ですが』<br>　今、仁は老君からの報告を聞いている。今朝、第５列クインタからもたらされた最新の情報だ。<br>『クライン王国、エゲレア王国は傀儡とみなされた者をとりあえず更迭しました。セルロア王国はまだもめているようです』<br>　セルロア王国は統一党ユニファイラーが最も深く根を下ろしていた国であるから無理もない。<br>『派遣した軍は全てそれぞれの国へ引き上げました。国境線は元に戻ったようです』<br>　それでも、侵略したされたと言う事実は消えるものではない。謝罪や賠償金などのやりとりは各国でやってもらうとして、仁が気にしているのは一般人のこと。<br>「庶民の被害状況は？」<br>『はい、僅少だそうです。事前に避難を始めていたので庶民には死者はいません。重傷者が計２４名、軽傷者が２４９名』<br>「重傷者にはこっそり回復薬与えたいな」<br>『はい、可能です。今夜第５列クインタに指示を出しましょう』<br>「うん、そうしてくれ」<br>　これで仁もかなり気が楽になった。<br>「あとは、やっぱり知り合いの様子が知りたいかな？」<br>　そう呟くと、老君はすぐに反応。<br>『はい。わかっている範囲ですと、クライン王国のリシア・ファールハイトさんはテトラダにいらっしゃいます。救護騎士隊として頑張ってらっしゃいます』<br>　あのリシアが、と仁は思う。やりたいことが見つかったのだろうか。<br>『ビーナさんとクズマ伯爵ですが、伯爵は出兵に加わってらっしゃいましたものの、紛争が終結しましたのでブルーランドに戻られたそうです』<br>　そろそろ結婚式だろうか、と考える仁。<br>『ポトロックのあるエリアス王国は今回の騒動とは無縁なようです』<br>　マルシアは頑張っているだろうな、と仁はポトロックでの日々を懐かしく思い出す。<br>『エゲレア王国首都アスントの混乱はまだ続いているようですが、収束に向かい始めているとのこと』<br>　アーネスト王子やライラとのやり取りは楽しかったなあ、と仁は思い出して笑顔になる。<br>『以上です。なお、セルロア王国のテルルスは今のところ封鎖されており、人の出入りは出来ません』<br>　テルルスと言えば、治癒師のサリィはどうしているだろうか、と思い出す。<br>「そういえば、シーデたち一家もまだいるんだろうか」<br>『あ、その方達でしたら紛争前に帰国されているようです。第５列クインタのカペラ３がディジールで見かけたそうですので』<br>「そうか、それなら良かった」<br>　まだいろいろ気になることはあるが、とりあえず打てる手は打った、と仁は肩の力を抜く。<br>　そこへ礼子がシトランジュースを持ってやって来た。<br>「お父さま、一休みして下さい」<br>「ああ、ありがとう」<br>　良く冷えたジュースを飲みながら、ようやく訪れそうな平穏と、これからのことに思いを馳せる仁であった。<br><br>もしもエレナを見つけたのが仁だったら<br><br>ある日、各地に派遣した第５列クインタの１体から耳寄りな情報がもたらされたと老君から報告があった。<br>『御主人様マイロード、アスール湖西岸に観光地化した古代遺跡があるのですが、その地下に大きな空洞がある模様です』<br>「うん、そこはまだ発見されていないんだな？」<br>『はい。御主人様マイロード』<br>「うーん、面白そうだな。たまには行ってみるか」<br>　仁がそう呟くと、礼子がそれに異を唱える。<br>「お父さま、何があるかわからないそんな場所に自ら行かれるなんて危険です」<br>「んー、礼子もいるし、遺跡だから今回はアンも一緒に行って貰おう。で、強化服と『正宗』『村正』も持っていくから」<br>　礼子はまだ少し渋い顔をしていたが、<br>「仕方ないですね。私も桃花と魔力砲マギカノンを持っていきますから。それと隠密機動部隊ＳＰには麻痺銃パラライザー、超高速振動剣バイブレーションソード、電磁誘導放射器インダクションラジエータをそれぞれに持たせましょう」<br>　と言った。それを聞いた仁は、いったい何と戦うつもりだ、とは思ったが、それを言うとやっぱり危険なので行かないで下さい、と礼子が言いそうなので口を噤んでおいた。<br>「アスール湖の浮沈基地を経由すれば時間はかからない。向こうの夜中に着くよう時間調整しよう」<br><br>　　　　　　<br><br>　仁専用垂直離着陸機ＶＴＯＬ、ペガサス１でアスール湖の浮沈基地から飛び立った仁は、３分ほどで目的の遺跡上空に達した。<br>「第５列クインタが出迎えています。地上に人影は見あたりません」<a target="_blank" href="http://www.biyakushop.net/ViewProduct.asp?id=123">紐斯葆濃縮藤黄果カプセル</a> <br>　遺跡を発見した第５列クインタがいる上、赤外線及び目視で探知した結果、人影は皆無。<br>　目撃される危険は僅少と判断し、ペガサス１は遺跡前広場に着陸した。おあつらえ向きに石畳なので砂埃も立たず、着陸は楽であった。<br>　まず隠密機動部隊ＳＰが出、あたりを警戒。１分後、礼子が、続いてアンが。最後に仁が降り立った。<br>「遠路お疲れ様です、チーフ」<br>　アスール湖西岸担当の第５列クインタが頭を下げた。<br>「出迎えご苦労さん。で、問題の遺跡だが、どこなんだ？」<br>「はい、こちらです」<br>　光の玉ライトボールであたりを照らしてみる。そこには魔法で強化された石材で組まれた柱、建物が点在している。ただ、強化の魔法も切れかかっており、建造物は風化が始まっていたが。<br><br>　第５列クインタに案内され、遺跡の端へ向かう仁。大きな柱と柱の間で立ち止まった第５列クインタは、<br>「この地下に大きな空洞があります」<br>　と地面を指差して言った。<br>　音響探査ソナー魔法で地面を調べた仁は、間違いなく地下に大きな空間があることを知る。そこで礼子に指示を出す仁。<br>「礼子、ここを３０パーセントの力で殴ってみろ」<br>「はい、お父さま」<br>　仁達が少し離れたのを確認した礼子はその可愛らしい拳を振るい、地面に叩き付けた。<br>　同時に轟音が響き、地面がひび割れ、陥没する。礼子は身軽に飛び退き、落下を回避した。<br>　土埃が収まると、そこには大きな穴が開いていたのである。<br>「暗いな。『明かりライト』」<br>　明かり魔法で照らしても、底は見えない。そこで第５列クインタが、<br>「チーフ、私がまず降りてみます」<br>　と言って穴に飛び込んだ。<br>　しばらくして、魔素通信機マナカムで報告が入る。<br>『大丈夫です、異常有りません。どうぞ下りてきて下さい』<br>　そこで仁達一行は穴の中へと向かった。仁は礼子に抱えられて、アンや隠密機動部隊ＳＰは自力で。<br>　下り立った遺跡の穴は小広く、通路が左右に伸びていた。どちらでも良かったが、仁は小さい方の通路へ向かう。<br>　少し行くと通路は下りになる。通路の壁には薄暗いながらも自由魔力素エーテルによる永久発光素子が埋め込まれていた。<br>「研究所のものより低級ですね」<br>　薄暗い光を見て礼子がそう評した。<br>　やがて扉が現れる。鉄製で、赤く錆び付いていたそれを前に、アンがぽつりと言った。<br>「ごしゅじんさま、ここは昔の砦、その非常用避難部屋のようですね」<br>「ふうん、それじゃあこの奥には何かありそうかな？」<br>　仁がアンに尋ねる。<br>「はい、非常用の魔導具とか、武器とかがある可能性が高いと思います」<br>「よし、開けてみよう」<br>　仁が押してみたが重くてほとんど動かない。代わって礼子が押す。蝶番が軋んでいたが、途中で壊れ、扉は大きな音と共に室内へ倒れこんだ。埃が舞い上がる。<br>「ぷぷっ、こりゃひどい。『強風ウインド』」<br>　風魔法で埃を室外に追い出す仁。これでようやく室内を見渡す余裕ができた。<br>　室内には、アンが言っていたとおり、かなりの数の魔導具があった。年月を経て壊れているものもあったが、３分の１はまだ使えそうに見える。<br>　隠密機動部隊ＳＰ達に回収を命じる仁。そして一番奥に見つけたもの。<br>「あれは……」<br>　それは１体の人形であった。仁にはすぐ、それが自動人形オートマタであるとわかる。姿形は少女。だが生気はなく、床に座り壁にもたれかかっている。左腕は壊れ、肘から先が無い。<br>「これは、まさか……『黄金の破壊姫』？」<br>　そう言ったのはアン。<br>「アン？」<br>「おそらくですが、この自動人形オートマタは『黄金の破壊姫』です。魔導大戦初期、私の兄弟姉妹を破壊して回った、謎の自動人形オートマタ」<br>「ふうん、なるほど……」<br>　それを聞いた仁は触れないようにして自動人形オートマタを調べていく。<br>「まあまあの出来だな」<br>　それを聞いた礼子が頬を膨らませたのを横目で見た仁は慌てて言い添える。<br>「……とはいえ、礼子の足元にも及ばないが」<br>　礼子の顔が元に戻る。<br>「うーん、古い魔導具は回収するとして、この自動人形オートマタも惜しいと言えば惜しいな。よし、礼子、お前が持ち帰ってくれ」<a target="_blank" href="http://www.biyakushop.net/ViewProduct.asp?id=137">SUPER FAT BURNING</a><br>「はい、わかりました」<br>　背中に魔力砲マギカノンを背負い、腰に桃花を提げた礼子がその自動人形オートマタを担ぎ上げた。<br>　礼子が発するわずかな魔力を感じ取り、自動人形オートマタの目が開く。<br>「あなたが……私を起こしたの？　……ちょ、ちょっと、なにやってるのですか！？」<br>「あ、起きたな。やっぱり魔力を検知して目を覚ますよう自己設定してあったか」<br>「ちょ、ちょっと、放しなさい！　私は自動人形オートマタの女王！　女王の命令が聞けないの！」<br>　じたばた暴れてはいるが、がっちりと抱えた礼子の腕は万力のようで、いくら自動人形オートマタが振り解こうとしてもまるで意味をなさない。<br>「あ、あなたは、もしかして、アドリアナの……！！」<br>「うるさいですね。確かに私のお母さまはアドリアナ・バルボラ・ツェツィと申します」<br>「や、やっぱり！　は、放しなさいいいいい！」<br>「うるさいですってば」<br>　礼子は自動人形オートマタを抱える手の力を強めた。<br>　バキバキと音がして、自動人形オートマタの骨格が歪んでいく。<br>「ぎゃあああああ！」<br>　ある程度の感覚を持っているのだろう、自動人形オートマタの悲鳴が響いた。<br>「うるさすぎます。お父さま、黙らせて下さい」<br>　礼子に頼まれた仁は自動人形オートマタに近づき、その首筋に手を当てた。そして、<br>「『停止スタンドスティル』」<br>　半ば強引に自動人形オートマタを停止させた。<br>「あ、静かになりました」<br>「やっぱり、この自動人形オートマタは黄金の破壊姫らしいですね」<br>　アンが、礼子に抱えられている自動人形オートマタを見下ろしながら言った。<br>「うーん、なんでこんな性格になっているんだろう。ちょっと興味あるな」<br>　仁はそう言いながらぐったりしている自動人形オートマタを見下ろした。<br><br>　　　　　　<br><br>　帰り道は何事も無く、遺跡を出ることが出来た。穴から出るときは、隠密機動部隊ＳＰが先に上へ登り、綱を垂らして仁を引っ張り上げたのである。<br>　そしてペガサス１に乗り込み、浮沈基地経由で蓬莱島に帰った。<br><br>　今、蓬莱島の研究所にある工房では、持ち帰った自動人形オートマタの解析が行われていた。<br>「うーん、骨格は軽銀、筋肉は魔法繊維マジカルファイバー。魔力炉マナドライバーはあるけど、魔素変換器エーテルコンバーターは無いんだな」<br>「お父さま、ということは？」<br>　危険防止のため、礼子が自動人形オートマタを押さえつけながら聞いた。<br>「うん、礼子達は魔素変換器エーテルコンバーターで空気中の自由魔力素エーテルを魔力素マナに変換して、その魔力素マナを魔力炉マナドライバーでエネルギーに変えているだろう？」<br>「はい」<br>「この自動人形オートマタは、魔素変換器エーテルコンバーターが無い代わりに魔素貯蔵庫エーテルタンクを持っていて、それを自由魔力炉エーテルドライバーでエネルギーに変えているようだな」<br>「そうするとどうなるのですか？」<br>　礼子は構造の違いを理解できるだけの知識を持っているが、効率などの事まではわからない。<br>「普通は魔力貯蔵庫マナタンクと魔力炉マナドライバーの組み合わせにするんだが、こっちの自動人形オートマタの組み合わせだと効率を犠牲にして代わりに出力を稼げるようだ」<br>「なるほど、自由魔力炉エーテルドライバーというのは初めて聞きました。自由魔力素エーテルを直接エネルギーに変えるため効率が悪いということですね？」<br>「そうだ。考えてみれば、魔素暴走エーテル・スタンピードが起きる前は空気中の自由魔力素エーテルが今より濃かったのだろうから、これでも良かったんだろうな」<a target="_blank" href="http://www.biyakushop.net/ViewProduct.asp?id=118">ＯＢ蛋白の繊型曲痩 Ⅲ</a><br>　仁が推測を述べる。<br>「でも、お母さまは私を今のような方式で作って下さいましたけど？」<br>　それに対して礼子の疑問が。<br>「ああ、それは当然、先代の方が技術的にも設計思想的にも上だと言うことだよ」<br>　力技で出力を稼ぐ構造と、繊細な制御で効率良く出力を得る構造。どちらが上かは言うまでもない。<br><br>「あとは、この制御核コントロールコアなんだが、どうもおかしい」<br>「どういうことでしょう？」<br>「うん、中古品に上書きしたみたいなんだ。うっすらと、所々に古い魔導式マギフォーミュラが消え残っている」<br>　仁は比較的大きめの制御核コントロールコアを眺めながら言った。<br>「これがこの自動人形オートマタが狂った原因の１つなんじゃないかなあ」<br>　そう言いながら仁はその古い魔導式マギフォーミュラを完全消去した。<br>「あとは、やっぱり製作者の遺言が何かやらかしている可能性だ」<br>　そう言いながら、仁は読み出しリードと読み取りデコンパイルの工学魔法を駆使して、その部分を探していった。そして探すこと３０分、それは見つかった。<br>「ここだな。『あなたが一番』、か」<br>「『あなたが一番』、ですか、それは確かに、１つ間違えたらおかしくなってしまいますね」<br>　同じく１度は製作者を亡くした自動人形オートマタである礼子にはその危うさを理解することができた。<br>「うーん、『あなたが一番』、か」<br>　仁は首をかしげる。<br>「どうとでも取れる言葉だな。あなたが一番『になりなさい』とか、あなたが一番『素晴らしい』とか」<br>　いろいろ考える仁。そして、<br>「私でしたら、あなたが一番『好きだった』と言って貰いたいです」<br>　と礼子。<br>「まあ、普通ならそう言うかもなあ」<br>　仁も礼子に同意した。<br>「まあ、一応ガタが来たところや劣化した部品を修理してやるか」<br>　仁は自動人形オートマタの不具合箇所を修理した。そして再起動してみる。もちろん礼子の監視付き。というより礼子が拘束した状態で、だ。<br>「……ここは、どこですか」<br>　目を開けた自動人形オートマタ。<br>「あなたが私の腕を直して下さったのですか？」<br>　その口調に狂気はない。<br>「ああ、そうだよ。まだおかしなところはあるかな？」<br>　そう言って仁は礼子の拘束をゆっくりと解かせた。すると自動人形オートマタは身体を動かしてみて、<br>「いえ、どこも。とてもいい調子です。ありがとうございました」<br>　そう言ってお辞儀をした。<br>「直していただいたお礼に、あなたにお仕えしたく思います。どうか私に名前を付けて下さいませんでしょうか」<br>　そう言ってもう一度お辞儀をする。<br>　仁は少し考える。と、不意に名前が頭に浮かんだ。仁にしては珍しいことである。<br>「うーん、そうだなあ、それじゃあ、『エレナ』というのはどうだろう？」<br>　と言った。<br>「はい、私はエレナです。これからもよろしくお願いしますね、ごしゅじんさま」<br>　そう言ってエレナは深くお辞儀をし、礼子とアンに向き直って、<br>「お姉さま方もどうぞよろしく」<br>　と頭を下げた。<br><br>　これは、「もし」が許された世界。仁がエレナを見つけていたら、の世界。エレナにとって、幸せなその後を送れたであろう「もし」の世界の物語である。<a target="_blank" href="http://www.biyakushop.net/ViewProduct.asp?id=116">瑞徳夢減肥茶</a>
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<link>https://ameblo.jp/variety0116/entry-12075982493.html</link>
<pubDate>Tue, 22 Sep 2015 16:40:38 +0900</pubDate>
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<title>魔法技術者</title>
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<![CDATA[ 日付は１１月８日。<br>　イスマルの町の商人、オリヴァーが約束した５日後。<br>　老子はアンを伴い、小さな包みを携えてオリヴァーの店を訪れた。<br>「これはお客さん、再度のお越しありがとうございます」<br>　店にはオリヴァーがいて、老子を迎えた。<br>「そちらは？」<br>　アンを見たオリヴァーが尋ねる。<a target="_blank" href="http://www.coocshop.com/ViewProduct.asp?id=191">御秀堂養顔痩身カプセル第２代</a> <br>「私と同様、主人に仕える自動人形オートマタですよ」<br>　２通りに解釈できる言い方で答える老子。<br>　同様に『主人に仕える』のか、それとも同様に『自動人形オートマタ』なのか。実際は両方であるが。<br>　だがオリヴァーの反応は、普通の人間であれば当然のもの。つまり老子は人間だと思い込んだのである。<br><br>「えええ！　その方が自動人形オートマタですって！？」<br>　傍目にも大袈裟と思えるほどに驚くオリヴァー。<br>　だが、この辺境の町ではこれが普通なのかもしれない。<br>「……初めて見ました……自動人形オートマタとはこれほど人間そっくり、いえ、人間そのものなのですか……」<br>　一般に見られる自動人形オートマタはこれほどではないのだが、老子は余計な事は言わなかった。<br>「私の主人は一流の魔法技術者マギエンジニアですから」<br>　と言うに留めておく。『魔法工学師マギクラフト・マイスター』であると言ってしまっては特定されてしまうからである。<br>「ほうほう、あなたの……そういえばお名前を伺ってませんでしたね、よろしければお教えいただけますか？　私はご存知かもしれませんがオリヴァーと申します」<br>「これは失礼。私は『ローシ』とお呼び下さい。この子は『アン』といいます」<br>「ローシ様、そしてアン様ですね、以後よろしくお願い致します」<br>　オリヴァーが頭を下げ、いよいよ商談という運びになる。<br>「さて、先日お約束いただいた鰹節は入荷されたのでしょうか？」<br>「ええ、もちろんです。今回は５本、手に入れることができました」<br>「ほう、それはそれは。そういうことでしたら、持って来たこれが役に立ちますね」<br>　老子はアンに持たせていた小さな包みを指さした。<br>「何ですか、それは？」<br>「鰹節を料理に使う上で必要になる道具です」<br>　その言葉にオリヴァーは食い付いた。<br>「何ですって？　それは朗報ですね！　見せていただけるのですか？」<br>「もちろんですとも。そのために持って来たのですからね」<br>「そ、それでは奥へどうぞ！」<br>　先日と同じく、オリヴァーは台所へと老子を通した。アンは包みを持って付いて行く。<br>　台所のテーブルの上に、老子は包みから出した物を置いた。<br>「これはいったい何ですか？」<br>　直方体の箱である。老子は黙って蓋を取った。そこには小さな口が開いており、そこから刃物が覗いていた。<br>「鰹節削り器ですよ」<br>「えっ？　これが！」<br>「はい。私の主人が、鰹節とはこういう道具で削る物だ、ということで、急遽作ってみた物です。先日使った鰹節の残りはまだありますか？」<br>　仁の知識を元に、老君が蓬莱島で職人スミスに作らせた物である。<br>「え、ええ。ありますよ」<br>　試しに使ってみせるための鰹節を用意してもらう老子。<br>「刃の出具合はこうして調整します」<br>　刃が付いた鉋部分を持ち上げた老子は、目の前にかざして刃の出具合を確認すると、台を叩く仕草をして見せた。<br>「刃を出したいときは刃の頭を叩きます。木槌がいいですね」<br>「なるほど、刃が傷みませんからね」<br>「で、刃を引っ込めたいときはここの部分、台頭だいがしらを叩きます」<br>「そうなんですか！」<br>　日本式の鉋と同じであるが、オリヴァーは初めて見るようで、感心することしきり。<br>「今回、刃の出具合は調整済みですのでさっそく削ってみましょう。……こうして、押すときに削るのが普通ですが、引いても構いません」<br>　そして、きれいな布に水を含ませ、鰹節の表面を軽く拭う。<br>「わずかに湿らせておくと粉状にならずによく削れます。濡らしすぎは厳禁です」<br>　それだけ説明した老子は、鰹節を削って見せた。<br>　しゃかしゃかという小気味よい音と共に削れていく鰹節。<br>「鰹節が小さくなってきた際に手を削らないよう注意が必要です」<br>　そう言って手を止め、箱の側面に付いている引き出しを開けた。<br>「ほう……！　きれいに削れるものですね！」<br>　そこには透けて見えるほど薄く削れた削り節が溜まっていた。<br>「これを削り節といいます。これを小分けにして売れば、単価を安くできますよ」<br>　その言葉にオリヴァーの顔色が変わる。老子が、買った鰹節を削り節にして売るつもりかとでも思ったのだろうか。<br>　が、続く言葉を聞き、オリヴァーの顔は歓喜に染まることになる。<br>「この鰹節削り器、おいくらで買っていただけますか？」<br>「……え？」<br>　オリヴァーは、その言葉の意味は理解できた。が、意図するところがわからず、面食らわざるを得ない。<br>「私どもは商人ではありません。このような物を作ることはできても、販売する伝手がないのです。それなら、どなたか有望な方を通じて……と考えるのはおかしなことではないと思いますが？」<br>「た……確かに」<br>　その意味する所を直観的に悟ったオリヴァーは、老子の手を取った。<br>「本当に、この道具を売っていただけるのですか？」<br>「ええ、嘘は申しません」<br>　オリヴァーの頭の中ではめまぐるしく計算がなされているのか、数秒間表情が固まり、無言となった。が、やはり商人、すぐに笑みを浮かべる。<br>「５万トール、ということでいかがでしょうか」<br>　卵・野菜系の料理に、鰹出汁が役立つことは先日わかっていた。その効果は己の舌で確認済み。<br>　それを、よりお客が気軽に購入しやすい形で販売できるようになるのだ。オリヴァーとしては願ってもない申し出だった。<br>　とはいえ、払える金額にも上限はある。５万トールというのは、今のオリヴァーが出せるぎりぎりに近かった。<br>　近かった、というのは、老子が不満を持った場合、あと少しなら上乗せできる余裕を持たせた金額と言うこと。だが、そんな彼の目算は意味をなさなかった。<a 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<br>「ええ、それで結構ですよ」<br>　あっさりと老子はオリヴァーが提示した金額を呑んだのである。<br>「そ、それはありがたいですね。い、今お金を用意しますから」<br>　少々慌てているオリヴァーを宥めるように老子は声を掛けた。<br>「いえ、でしたらその中から鰹節をあと２本、購入していきたいのですが」<br>　前回は１本４００トールということであった。ゆえに２本購入して差額の４万９２００トールを受け取りたいと老子は言ったのである。<br>「あ、わ、わかりました」<br>　まだ少し狼狽えているオリヴァーは奥へ引っ込むと、すぐに金貨の入った袋を抱えて出てきた。横には護衛らしき男が付いている。<br>「お待たせしました。彼は私が雇っている警備員です。金額が張りますので、万一のことを考えて付いて来てもらいました。どうかお気を悪くなさらないで下さい」<br>　老子は鷹揚に頷く。<br>「ええ、もちろんですとも。外からどんな者が入ってこないとも限りませんからね」<br>「恐縮です」<br>　そしてオリヴァーは金貨４枚、銀貨９２枚を数え、老子に差し出したのである。老子はそれを一旦受け取ると、巾着のような袋に入れ、アンに手渡した。<br>　次いで鰹節２本も受け取り、それもアンに持たせたのである。<br><br>「さて」<br>　取り引きが済んだところで、仕切り直すようにオリヴァーが口を開いた。<br>「ローシ様、厚かましいとは思いますが、私の話を聞いていただけますか？」<br>　老子としては、今回の鰹節削り器もコネを作るためであるから、オリヴァーからの申し出は大歓迎であった。<br>「ええ、なんでしょうか？」<br>「魔法技術者マギエンジニアのお知り合いがいらっしゃいませんか？　確かあなたのご主人様も魔法技術者マギエンジニアでいらっしゃると仰ってましたし」<br>「そうですが」<br>　そこでオリヴァーは立ち上がり、深々とお辞儀をしながら、<br>「お願いします！　どなたか、フリーな魔法技術者マギエンジニアの方をご紹介下さい！」<br><br>一時帰省<br>　翌朝、仁とエルザは揃って少し寝坊してしまった。時刻は７時半を過ぎたところ。<br>「おにーちゃーん、朝だよ！」<br>　眠りこけている仁を、ハンナが起こしに来たのである。<br>「ん……ああ、もうそんな時間か……」<br>　仁は柱時計を見た。<br>　蓬莱島の時計は、太陽と月の位置を測定した老君が管理しているので正確である。<br>「……そういえば、昨夜は礼子にも何時に起こしてくれと言わずに寝たんだな……」<br>　礼子が起こさなかった理由の一つ。もう一つは、特別急を要する事項がないため、気を遣って起こさなかったのである。<br>「ああ、よく寝た」<br>　６時間以上ぐっすり寝たため、疲れも取れた。<br>「おねーちゃんも起こしてくるね！」<br>　仁を起こしたハンナは、今度はエルザの部屋へと向かう。<br>　ゆっくりと服を身に着けた仁は洗面所へ向かった。<br>　仁が顔を洗っていると、眠そうな顔のエルザがやって来た。<br>「おはよう、エルザ」<br>「……ジン兄、おはよう」<br>　顔を洗うと、台所からいい匂いが漂ってきた。３人が起きたことを知ったソレイユとルーナが朝御飯の仕度を始めたのである。<br>　礼子のアシスタントとして作られたゴーレム、ソレイユとルーナは、最近では研究所ではなく『館』に詰めている。<br>　掃除を初め、維持管理を務めているのだ。更にその部下であるプラネとサテラは家庭菜園や庭の手入れなどが主な業務である。<br>　そして手が空いたときは５色ゴーレムメイドたちの手伝いや、老君と共に新しい本を作ったりしているのだった。<br><br>「お、今朝は大根おろしが付いているな」<br>　献立は朝がゆ、ワカメの味噌汁、梅干し、大根おろし、菜っ葉の漬け物、アジの干物。<br>　大根は先日第５列クインタが見つけてきた。これでカブが見つかると更に嬉しいな、と仁は思っている。<br>　漬け物は糠漬けだ。米が収穫できたので無農薬の米糠が手に入り、うろ覚えの仁の記憶を元にペリドリーダーが再現したもの。<br>　醤油も、少し醸造期間が短いが供給され始めた。<br>「おいしい」<br>　ハンナは梅干しのように酸っぱい食べ物も平気だ。というか好き嫌いが無い。美味しいものも、そうでないものも、喜んで食べる。もちろん美味しいものの方が喜ぶが。<br>　好き嫌いが無いのは仁も同じ。<br>　エルザは、コカリスクという大型のニワトリのような鳥の肉が苦手なだけで、あとはだいたい好き嫌い無く食べる。が、やはりそこは育ちの良さ、不味いものには顔を顰めてしまうことも。<br>　それでも、かつてミーネと共に行った逃避行の経験を思い出し、食事に感謝する気持ちを忘れないところは偉い、と仁は思っていた。<br>「おかわりください」<br>　何にせよ、エルザもハンナも、仁が好む和食や和風レシピを好んでくれているので、仁としても一緒に食事するのが楽しいわけで。<br>「俺もお代わり」<br>　この日も朝食の風景は和やかであった。<br><br>　　　　　　<br><br>「さて、今日はここでお昼を食べたらクライン王国へ行くことにしよう」<br>　時間調整のため、そのくらいなら問題ないだろうと判断したのである。<a 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<br>「俺はちょっとカイナ村へ行って、向こうの様子を見てくることにする。ハンナ、一緒に来るかい？」<br>「うん！」<br>「エルザはどうする？」<br>「一緒に行く。サリィ先生と、少し話もしてみたいし」<br>　ということで、転移門ワープゲートを使い、二堂城ではなく仁の工房地下へと３人は転移したのである。<br><br>「おばーちゃーん！」<br>　マーサのところへ駆けて行くハンナ。やっぱり長いこと家を空けていたので寂しかったのだろう。<br>「おや、ハンナ、お帰り。仁も、エルザも」<br>「ただいま、マーサさん」<br>「ただいま」<br>「今日はどうしたんだい？」<br>「午後からまた王都へ行くんですけどね、時間があるんで寄ってみました」<br>　マーサは大きく頷いた。<br>「そうかい。なんだか王都は大変みたいだね」<br>「そうなんですか？　そういうことを聞いておこうと思って」<br>「それならエリックのところがいいかもね。一昨日、ローランドさんが帰ったばかりだから」<br>「わかりました」<br>　それで、仁はエリックの店へ、エルザはミレスハン診療所へ。ハンナはマーサのところ、と、一旦３人は別行動することになった。<br><br>「あ、ジンさん！」<br>　エリックの店ではバーバラが手伝いをしていた。<br>「いつお帰りに？」<br>　とエリック。<br>「ああ、今さっき、さ。また昼から王都へ行くんだけどな」<br>「アルバンへ、ですか？」<br>「ああ。それで、知っている範囲でいいから、アルバンの様子を聞いておきたいんだ」<br>　それを聞いたバーバラは、黙って椅子を用意し、お茶を淹れ始めた。もう立派な新妻である。<br>　仁は椅子にかけ、エリックの話を聞く事にした。<br>「……アルバンは、いえ、王国の大部分は、飢饉への恐怖がつのり始めています。元々小麦・大麦の不作と、保存中にカビが生えたことで、来年初夏の収穫期までは保たないだろうと試算されていまして……」<br>「そうか、やはりな……」<br>「カイナ村と、お隣のトカ村は大丈夫だと思います。特にここカイナ村は。でも、王国はそういう村から、追加で麦を徴税するのではという噂も出ていますね」<br>「それはやっちゃ駄目だろう……」<br>　仁でもわかる。そういうことをすれば、政府に対しての不信感がつのるばかりでなく、労働意欲が削がれてしまう。結果、国力低下に繋がるのだ。<br>「それを受けて、王都周辺では金持ちによる食糧の買い占めが始まっているそうです」<br>「冷静に見て、本格的な飢饉になるのはいつ頃と見る？」<br>　仁は商人であるエリックの口から見通しを聞いてみたかった。<br>「……そうですね……僕の見立てでよければ。えーと、今年の収穫量は全体で見ると平年の７割。そのうち２割がカビでやられています。つまり、５割６分。これでは春が来る前に備蓄が尽きてしまうでしょう」<br>「……わかった」<br>　かなり先行きが暗い見通しであった。１人あたり年間１５０キロの麦を食べるとして、足りないのは６６キロ。<br>　クライン王国の人口はおよそ１０万人、単純計算で６６００トンの麦が不足する。蓬莱島でも短期間にそれだけの食糧を生産することはできない。<br>　改めてアルバンでも試算してみようと思う仁だが、そう大きく変わることはないだろう、という気がする。<br>　今の仁にできることは何だろうか、と仁は考え込むのであった。<br><br>　　　　　　<br><br>「……何、国王が病」<br>　エルザはミレスハン診療所に行き、サリィと話をしていた。<br>「それで君がショウロ皇国から派遣された、というのか。ふむ」<br>　サリィは難しい顔で考え込む。<br>「経験が浅いことを除けば、君は世界でも指折りの治癒師だろう。それは私が保証する。今、私から助言できることがあるとすればただ一つ。己を信じることだ。周囲の雑音に負けるな」<br>　患者を救うことだけを考え、全力を尽くせば、結果は付いてくる、とサリィは言った。<br>「先生、ありがとうございます」<br>　エルザは頭を下げた。<br>「ふむ、しかし、まったくもってこの村は平和だな。先日、相次いで赤ん坊が生まれたぞ。母体も無事。至って健康だ。産後の肥立ちもいいし、母乳の出も良好。何も問題は無い」<br>　それを聞いたエルザは頬を緩めた。<br>「新しい命の誕生を素直に喜べることはしあわせなことだ。この村に来て良かったよ」<br>　サリィも微笑んだ。<br>　エルザは、仁がいてくれる限り、この村は平和であり続けるだろう、と、窓から晴れた空を見上げるのであった。<br><br>　　　　　　<br><br>「おばあちゃん、それでね、そのシーデちゃんとね……」<br>　ハンナは、好物の干しワイリーを食べながらマーサにこれまでの報告をする。<br>（……よその国の皇帝陛下にお会いしたなんて……あたしの孫は大物だねえ……）<br>　呆れながらも感心するマーサであった。<a target="_blank" href="http://www.coocshop.com/ViewProduct.asp?id=175">新曲美</a> <br><br>ハードル越え<br>「さて、今のやり方では、要するに『砲台』にしかならないわけだが」<br>　研究所内の会議室に戻った仁は改めて仕切り直した。<br>「単に方向を決めて打ち出すだけであるから『砲台』か。まったくだねえ」<br>　トアが変なところに感心したように言う。<br>「でも、人間は飛ばせないだろう？」<br>　これはサキ。<br>「工学魔法は生物に及ぼすことはできない。以前にジンと確認した事だよね？」<br>　魔法で起こした物理現象は人間に影響を及ぼせるが、魔法そのものを人間に、ということは不可能に近い。例外は治癒魔法くらいである。<br>「体内を循環してる魔力素マナが妨げてるらしい、っていうことだったよね」<br>「そうだったな。そっちにも興味はあるんだが、それはまたの機会にしよう」<br>　話が膨らみすぎると纏まらなくなってしまう。<br>「くふ、残念だけどね」<br><br>「さて、人間に、という事はひとまず置いておいて、ゴーレムになら力が及ぼせることが分かったわけだ。これをもう一歩進めたいんだよ」<br>　仁はいよいよ研究の核心部に触れる話を始めた。<br>「ゴーレム自身が、自身を飛ばすことはできないか。……自身に力を作用させることはできないか、だ」<br>「それが仁の最終目的なのかい？」<br>　ラインハルトの質問に頷く仁。<br>「そうだ。これが可能になれば、世界が変わる」<br>　その意味を真っ先に理解したのはエルザだった。<br>「飛行機の推進力……」<br>「その通りだ、エルザ。そしてそれはもっと他のものにも応用できる。宇宙船とかにも、な」<br>　重力魔法で打ち上げた衛星は失敗した。再度挑戦する前に、仁は新たな推進力を開発したかったのである。<br>「これを実用化出来たら、人が自分で空を飛べるかもしれない」<br>「ジン君、それは、自分の身体を念動力で動かす、ってこと？　……そんなことができた人、今まで一人もいないと思うわ」<br>　ステアリーナの言葉に、仁も頷かざるを得ない。<br>「まあなあ。でも、考えてみたい夢ではある」<br>　それについては誰も異議はない。空を飛ぶのは人として見果てぬ夢であるから。<br><br>「まずは、人間ではなく、ゴーレムから、だ」<br>　段階を踏んで行こう、という仁。<br>「でもゴーレムでも自分で自分を飛ばす……ねえ？　そんなことできるのかしら？」<br>　ステアリーナが首を傾げた。要は、自分で自分の身体を持ち上げられない、ということである。<br>「うん。でもそれは、魔法の起点とでも言うべき設定を間違えていたから、だと思う」<br>　その疑問にはエルザが答える。これが、お湯の中で閃いた最大の発見である。<br>「つまり、自分を動かそうとした人は、例外なく自分の『中』に起点を置いていたと、思う」<br>「うーん……どういうこと？」<br>　今一つ理解できていないらしいステアリーナに、今度は仁が代わって説明する。<br>「自分で自分を持ち上げることはできない。それは力点や支点、作用点が全部体内にあるからだ。だけど、魔法は違う。意識的に起点を体外に置けるわけだ」<br>　かつてアルキメデスは、『我に支点を与えよ。されば地球をも動かさん』と言ったといわれている。<br>「あっ！」<br>「そうか！」<br>　ステアリーナとラインハルトがほぼ同時に声を上げた。<br>　力の起点が体外にあればどうなるか、想像がついたのである。<br>「だが、そんなことが……いや、ジンならできそうだな」<br>「うん」<br>　仁は真面目な顔で答える。<br>「魔導式マギフォーミュラを解析できるような魔導士は稀少だから、今までそんな事を考えた者もいなかったんじゃないかな？」<br>「そ、そうね！　それに、科学と魔法を融合させようなんていう試みも！」<br>　とにかく前例がないというのは事実だけど、と仁は前置きして、<br>「やってみる価値はあるだろう？」<br>　と言った。そして仁は実証実験の準備を始めた。<br><br>　もう大分時間は遅かったが、誰も終わりにしようとは言い出さない。それほど、これから仁が行おうとしている実験に興味があったのである。<br>「ここを、こうして」<br>『石つぶてストーンバレット』で石を飛ばす力を発生させる魔導式マギフォーミュラ。それを小さな魔結晶マギクリスタルに刻み込む。<br>　このまま飛ばしたのでは魔結晶マギクリスタルが回転して方向が安定しないから、簡単な模型飛行機に取り付けることとした。<br>　ハンドランチグライダーと呼ばれる、普通手で投げて滑空させる種類の模型飛行機。<br>　仁は施設時代、子供たちに何機も作ってやっていたからお手の物である。<br>「これでよし」<br>　再び研究所の外へ出る一同。研究所の窓から漏れる光だけでは暗すぎるので、『光の玉ライトボール』の魔法を使い、明かりとした。<a target="_blank" href="http://www.coocshop.com/ViewProduct.asp?id=174">日本秀身堂救急箱</a> <br>「それじゃあやってみるよ。『起動』」<br>　仁が魔鍵語キーワードを唱えると、手にした飛行機から、いや、飛行機に取り付けた魔結晶マギクリスタルから推進力が発生するのが分かった。<br>「発進！」<br>　そんな言葉と共に模型飛行機から手を放す。と、飛行機は一瞬高度を落としたものの、速度が乗ってくるに連れ機首を上げ、やがて上昇を始め、暗闇の中に消えていったのである。<br>「成功だ……」<br>　飛行機が消えていった暗闇を見つめていた仁がぽつりと呟く。するとそれに触発されたように、他の者たちも賛辞を口にした。<br>「やったな、ジン！」<br>「おめでとう、ジン兄」<br>「ジン君、すばらしいわ！」<br>「ジン君、これは大発見だねえ！」<br>「ありがとう」<br>　このままでは直線的にしか動かせないし、速度調整もできないが、飛行機の推進力としては使える。最も大きなハードルは越えたといえる。<br>　折から時刻は深夜、２回目の『反動消去魔法検討会』はこれでお開きとなった。<br><br>　　　　　　<br><br>　ラインハルトたちも帰ってしまい、館にいるのは仁とエルザだけ。ハンナもいるが遊び疲れてぐっすりと眠っている。<br>　時刻は午前１時、月は中天を少し過ぎ、西に傾きかけている。秋の月の高度は高く、頭上近くから地表を照らしていた。<br>　静かになった館周辺では、秋の虫が再び鳴き交わしていた。<br>「……静かだな」<br>「……ん」<br>　夜も更けたというものの、先程までの討論の余熱を持った頭はまだ眠気を持たず、仁とエルザは縁側に座って虫の声に耳を傾けていた。<br>　因みに、蓬莱島で鳴いている虫の声は、スズムシに良く似た鳴き声、コオロギそっくりの鳴き声、それにアオマツムシみたいな鳴き声。他にも何種類かいるのだが、仁にも名前がわからなかった。<br>「エルザ、ありがとう」<br>「……？」<br>　小声で仁が告げたお礼の言葉に、首を傾げることで答えたエルザ。<br>「エルザのヒントのおかげで、ずっと悩み続けてきた問題に終止符を打てそうだ」<br>「……ん。ジン兄の役に立てたなら、うれしい」<br>「ああ、役に立ったさ。まあ、まだこれからの部分がたくさんあるけどな。そっちは何とかなりそうだ」<br>「……楽しみにしてる」<br>「うん、どんなものを作り出すか、期待していてくれ」<br>　そう言った仁は大きな欠伸を１つ。<br>「……ふああ、そろそろ眠くなってきたかな」<br>「私も」<br>　エルザも欠伸を１つ。<br>「そろそろ寝るか」<br>「おやすみなさい」<br>　そして館の明かりも消え、明かりといえば空から照らす月だけとなったのである。<a target="_blank" href="http://www.coocshop.com/ViewProduct.asp?id=171">韓国緑素抗脂</a>
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<link>https://ameblo.jp/variety0116/entry-12074541878.html</link>
<pubDate>Fri, 18 Sep 2015 17:17:44 +0900</pubDate>
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<title>運命の出会い</title>
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<![CDATA[ 昭和３８年、東京は、来たるオリンピックに向けて開発が進められていた。<br>　時代は高度成長期に入ったところ。至る所で槌音が響き、町は日々にその姿を変えていった頃。<br><br>　東京都Ｍ区笄町にある下宿屋で、一人の青年が荷作りをしていた。<br>「ちょっともったいないが、さすがに医学部では使わないだろうしな」<a target="_blank" href="http://www.繊之素.com/">繊之素</a> <br>　モノは学術書である。<br>「えーっと、技術史総論、力学大要、初歩の有機化学、数列と行列、基礎数学、機構学入門、構造力学概論、材料科学、それに流体力学の基礎……っと」<br>　それらを紐で束ねていく。<br>「……こんなもんかな。幾らになるか分からないが。ああ、こっちの雑誌も持っていくか」<br>　独り言を言いながら、青年は荷作りを終えた。<br>　風呂敷で包み、抱えて立ち上がる。<br>　下宿前には１台の自転車が。<br>「大家さん、自転車ちょっと借ります」<br>　青年が声を掛けると、中年女性が窓から顔を出した。<br>「ああ、筒井さんね、いいわよ。どこか行くの？」<br>　その質問に、筒井と呼ばれた青年は返事をする。<br>「ええ。使わなくなった本を古本屋に持っていこうと思いまして」<br>「古本屋、というと……ああ、霞町交差点の向こうっ側にある本屋さんね」<br>「ええ、そうです」<br>「お医者さんになったんですものね」<br>「ええ、だからいろいろ物入りなんですよ」<br>「わかったわ。帰ってきたらお昼にするでしょう？　冷や麦作って待ってるから」<br>「ありがとうございます」<br><br>　そして筒井青年は自転車を漕ぎ始めた。<br>　東京都Ｍ区Ａ山にある巨大な公園墓地、その裾野を、自転車を漕いでひた走る。<br>「ここも随分開発が進んだなあ……」<br>　アスファルト舗装されてから、街中は格段に走りやすくなった。<br>「さて、これで幾らになることやら」<br>　彼の通っていた大学では、１、２年が基礎教育課程ということで、学科によらず、広く学問を修めることになっていた。<br>　そして３年以降は４年間、Ｓ町にある医学部に通うことになる。<br>　彼、筒井修基は晴れてこの春、医学部医学科を卒業し、インターンになったのである。<br>　その際、これから更に医学に専念するにあたり、必要がないと思われる学術書（教科書）を古本屋に売りにいこうとしているのであった。<br><br>　笄町から裏通りへ出る。<br>　裏通りとはいっても、去年から始まった工事のため、道幅は格段に広くなった。<br>　いずれ『環状４号線』という扱いになるはずだ。<br>　それまでは、墓地の際を通る、車１台がやっとという細い道だった。<br>　夜などは、タクシーを頼んでも手前までしか行ってくれないという寂しい場所だったのである。<br>　その新しくなった通りを行き、墓地下の交差点を右へ行けば、ほどなく霞町の交差点である。<br>　余談だが、『霞町』という地名は、この頃整備された『霞ヶ丘団地』と混同されやすく、タクシーがしばしば間違えたらしい。<br><br>　その霞町交差点目指して筒井青年は自転車を漕いでいた。<br>　真横には都電の路線が通っている。７系統と呼ばれる、品川駅と四谷三丁目を結ぶ路線で、筒井青年も医学部へ通うため利用している路線だ。<br>　交差点に差し掛かり、その後右へ曲がるために自転車を少し都電側に寄せた、その時。<br>　轟音とともに、筒井青年の上に都電が倒れ込んできたのである。<br>　原因は、右上の坂から暴走して来た信号無視のトラックが都電の横っ腹へ激突したことによる。<br>　悲鳴を上げる暇もなく、筒井青年の意識は暗転した。<br><br>　　　　　　<br><br>「……」<br>　筒井青年は意識を取り戻した。<a target="_blank" href="http://www.漢方ダイエット薬.com/">漢方ダイエット薬</a> <br>　自分がまだ生きていることに驚くと共に、身体がどこも痛まないことを訝しむ。<br>　そっと目を開けてみると、見知らぬ天井……というより、見たことのない部屋にいることが分かった。<br>　見慣れた下宿の天井板ではなく、医学部のくすんだコンクリートの天井でもない。<br>「ここは……いったい？」<br>　身体が痛まないのをいいことに、上半身を起こしてみる。<br>　彼が寝かされていたのはベッドであった。敷かれているのはシーツではなく、毛足の短い動物の毛皮である。<br>　起き上がり、部屋を見回す。窓はない。家具として、サイドボードと呼ばれるものが置かれており、病室にしてはおかしいな、と思う筒井青年である。<br>　自分の身体を見ていると、着ているのは下着のみ。服はと見ると、ベッド脇の小テーブルに置かれていたが……。<br>「……ぼろぼろだな」<br>　ワイシャツとズボンはところどころ破れたり裂けたりしていた。<br>　改めて自分の下着を見ると、やはりかなり傷んでいる。<br>「血は付いていないな……だけど、この惨状はやっぱりあれは夢じゃなかったのか……」<br>　自分の上に倒れ込んできた都電を思い出すと、身震いが出る。<br>　その時、ドアが開いた。<br>「、？」<br>　聞き慣れない言葉を発して、入って来たのは女性であった。<br>　年の頃は１０代後半くらいだろうか。明るい金色の長い髪を無造作に頭の後ろで束ねている。<br>　瞳の色はエメラルドグリーン。鼻の頭にそばかすがちょっとだけ散っている。<br>　身長は１５０センチより少し大きいくらいだろうか。小柄である。<br><br>「えーっと、貴女が助けてくれたのですか？」<br>「？　！　」<br>「きゃにゅーすぴーくいんぐりっしゅ？」<br>「。。？」<br>「かんすとでぅどいちゅしゅぷれっひぇん？」<br>「？　、」<br>　日本語、英語、ドイツ語が通じないようだ。筒井青年は途方に暮れた。<br>　その時。<br>「『。』！」<br>　女性が何ごとかを唱えたようだった。<br>「！！」<br>　その直後、筒井青年の脳に、膨大な情報が流れ込んでくる。<br>　それはこの世界の言語に関する知識であった。<br>「……『知識送信センドインフォ』の魔法はうまくいったかしら？　私のいうことが分かる？」<br>「……あ、あ。わか、る。すこ、し、じかん、を、く、れ」<br>　頭痛を伴うほどの情報量に面食らった筒井青年は、時間と共にその知識が定着し、己のものとなるのを感じた。<br>　しかしそれと同時に、『知識送信センドインフォ』の魔法、という言葉に引っかかりを覚えた。<br>　そして、ごく短時間に異言語の知識を与えることができるという事実に驚愕する。<br>　が、筒井青年は何とか好奇心を抑えることに成功した。<br>「……ふう、おちついた。……ええと、言葉はこれでいいのかな？」<br>　今覚えたばかりの言語を口にしてみる。どちらかというと日本語よりもドイツ語に近い感じがする言語であった。<a target="_blank" href="http://www.強効痩.com">強効痩</a> <br>「僕の名前は筒井修基という。君は？」<br>「チュツイ・シュウキ？　変わった名ね。私はアドリアナ。チュツイが名前、でいいのかしら？」<br>「ああ、そういう意味なら、名前はシュウキ。シュウキ・ツツイだ」<br>「シュウキ・ツュツィね。あれ？　……チュチュイ……チュツイ……ツチュイ……ツェツィ……ええっと、呼びにくいから、シュウキと呼んでいいかしら？」<br>「ええ、どうぞ」<br>「そう。あなたもアドリアナ、と普通に呼んでね。ではあらためましてシュウキ、あなたって何者？」<br>　いきなり核心を突いた質問であるが、筒井青年……シュウキにも、その答えはわからない。<br>「僕は日本人で医学生。今年２５になる」<br>　そんなセリフしか言えないのであった。<br>「日本人？　医学生？　何、それ？」<br>　やはり通じない。シュウキは改めて、自分のことを詳しく説明したのである。<br><br>『アドリアナ』<br>「『アドリアナ』……あとはかすれて読み取れないか」<br>　仁は近付いて文字を確かめたが無理であった。<br>「先代はここに来たことがあるのだろうか？　礼子、知ってるか？」<br>「いいえ、伺ったことはないと思います」<br>「そうか、礼子も知らないか……」<br>　と、その時である。<br>「『アドリアナ』だって！？　『賢者マグス』のそばに、そういう名前の女性がいたという伝説も聞いたことがあるぞ」<br>　グースが小声で、だが興奮気味に呟いた。<br>「賢者マグスとアドリアナの接点か……いや、その前に、グース、君はアドリアナに関して何を知っているか、教えてくれないか？」<br>　ミツホやフソーに来てからというもの、賢者マグスのことに気を取られて、先代については何も聞かずにいたことに気付き、臍を噛む思いの仁であった。<br>「いや、だから、『賢者マグス』のそばに、そういう名前の女性がいたというだけなんだ……」<br>　とはいえグースも、有益な情報はほとんど知らないようなので、仁はがっかりした。<br><br>「お父さま、先へお進みになりますか？」<br>　考え込む仁に礼子が声を掛けた。<br>「あ、ああ。行ってみよう」<br>「では、こちらです。空気は清浄ですのでご安心下さい」<br>　アドリアナの名前が書かれた壁の横に扉があった。礼子はそこをそっと、音を立てないように開け、仁を導いていく。<br>　仁をはじめ、一行は皆、余計な口を利くことなく、粛々とそれに続いた。<br>「ここは……」<br>　そこはきれいに整理整頓された居間のようだった。<a target="_blank" href="http://www.簡約.com">簡約</a> <br>「先程の場所が玄関、ここが居間なのでしょうね」<br>　小さな声で礼子が言った。<br>「ここの空気はとても綺麗です。埃がほとんど無いようです」<br>　確かに、１０００年という年月を過ごしたというには、埃が溜まっていない。<br>「そのうえ、掃除をするものがいるようですので」<br>「何？」<br>　今度は、礼子は部屋の隅を指差した。<br>　そこには箒と叩きを持った、礼子くらいの大きさの人形があった。<br>「自動人形オートマタ……とも言えない出来ですが、定期的に部屋の掃除をしているようです」<br>「ふうむ」<br>　１０００年を過ごした自動人形オートマタである、材質などはかなり吟味されているのだろう。<br>「紫外線で劣化することもなかっただろうしな」<br>　独り言のように呟く仁。<br>　今、仁の前にいる礼子は、１０００年という歳月を超えたその果てに壊れてしまったのだから。<br><br>「更に奥があります」<br>　礼子は、仁を更に奥へと導いていった。<br>　居間の正面奥にある扉を開くと、廊下になっていた。<br>「突き当たりです」<br>　一度確認してあるのだろう、危険がないと分かっているらしく、礼子は仁を奥へ奥へと導いていった。<br>「こちらです」<br>　礼子がドアを開け、仁は躊躇わずそこへ踏み込んだ。<br><br>「おお……」<br>　そこは書斎のようだった。<br>　金属と木材でできた机が中央に鎮座し、その上には花瓶らしき物が載せられていた。活けられていたのであろう花は、最早跡形もなかったが。<br>「本棚の本には名前が書かれた物がありました」<br>「それには、やはり？」<br>「……はい、お母さまの名前が書かれていました」<br>「そうか……」<br>　アドリアナがここに住んでいたことがあるというのは疑いようもない事実のようだ。<br>　しかし、仁は小さな違和感を禁じ得なかった。<br>「……なあ、礼子」<br>　その違和感をはっきりさせるため、仁は礼子と話し合ってみることにする。<br>「はい、お父さま」<br>「お前は、先代がここにいた、と思えるか？」<br>　仁と礼子の間に、よい意味で遠慮というものはない。仁は直球で自分の感じた疑問を礼子にぶつけた。<br>「……はい。わたくしには……断言できませんが、何か違う、と感じます」<a target="_blank" href="http://www.終極痩.com">終極痩</a> <br>「そうか。やはりな」<br>「お父さまにはお分かりなのですか？」<br>「いや、俺にも分からない。だが、これだけは言える。ここには先代らしさが微塵も無い、と」<br>　礼子は違和感の正体がわかり、疑念が晴れた顔をした。<br>「そうです、ここにはお母さまの匂いが……ありません！」<br>「だな」<br>　仁は書斎の中央に置かれた机の引き出しをそっと開けてみた。そこには１冊の本が。<br>「本、か。思い出すな」<br>　仁が初めてこのアルス世界に召喚され、目覚めた日。つまり、魔法工学師マギクラフト・マイスターの後継者になった日。<br>「先代の知識が詰まった本を開くと……」<br>　その内容が知識となって仁の頭の中に雪崩れ込んだのであった。<br>　だが、今仁の目の前にある本はそのような物ではない。<br>「学術書……かな？」<br>　手書きの学術書と思われた。<br>「昔……当時の技術が書かれているな」<br>　仁はぱらぱら、とめくってみた。<br>　丈夫そうな、魔獣の革と思われる皮紙が使われており、１０００年保ったのも納得の品質だ。<br>「……ん？」<br>　所々に、『シュウキ』という名前が散見されたのである。<br>　それは、そこに書かれている技術が、『シュウキ』の協力によって完成されたことが述べてあった。<br>「書いたのがアドリアナ、なんだろうか？」<br>　執筆者に関しては何も書かれていなかった。<br>　それで仁はその本を一旦机に置いた。古い本なので、あまり乱暴に扱うとばらばらになるのではないかと心配したのである。<br>「礼子、他に何か手掛かりになりそうな部屋はないか？」<br>「はい、あります。……こちらです」<br>　それはドアで繋がっている隣の部屋であった。<br>「ここは……客間なのか？」<br>　仁が直観的に客間、と感じたのも無理はない。<br>　荷物が散見されるが、生活感がなかったのである。<br>「ここにも本があるな。薄いけど」<br>　本というよりノートといった方がよさそうな本であった。これにもまた、皮紙が使われていた。<br>　仁はそれをそっと手に取って開いてみた。<br>「……何だって！？」<br>　書かれていた内容に、つい大声を出してしまう仁。<br>　それを聞いて、今まで静かにしていたエルザたちが飛び込んできた。<br>「ジン兄、どうしたの！？」<br>「ジン、いったい何を見つけたんだい？」<br>「おにーちゃん、何があったの？」<br>「仁、何を見つけたのか、教えてくれよ」<br>　皆に言われ、仁はゆっくりと頷いた。<br>「ああ。別に秘密にするようなことじゃない。けど、ちょっとびっくりしたからさ」<br>　そして仁は、本の見返し部分に書かれていた内容をゆっくりと口にした。<br><br>『この記録を見つけた方にお願いする。ここは我が最愛の女性、アドリアナが眠る場所である。願わくばそっとしておいていただきたい。大陸暦２２３１年、筒井修基つついしゅうき、これを記す。』<a target="_blank" href="http://www.終極痩身.com">終極痩身</a>
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<link>https://ameblo.jp/variety0116/entry-12073768266.html</link>
<pubDate>Wed, 16 Sep 2015 15:00:24 +0900</pubDate>
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<title>はじめての炭酸</title>
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<![CDATA[ 半月近く休み無く働いていたので、今日はお休みにした。<br><br>　オレは、中庭の木陰に、自作のデッキチェアを置いて惰眠を貪る。<br><br>　それにしても、これだけ暑いと炭酸が飲みたくなる。たしか、炭酸水がそれなりに残っていたはずだ。ルルに頼んで、ポテチを揚げるように頼んで、飲み物の準備を始める。葡萄ジュースに炭酸を加えてスパークリングワイン風にしてみた。ちょっと甘みがたりない気がしたので、砂糖を追加投入する。<a target="_blank" href="http://www.coocshop.com/ViewProduct.asp?id=155">ＯＢ蛋白痩身素（3代）</a> <br>　リザにも手伝って貰って、皆が学習カードの遊び方を学んでいる場所に、ポテチと炭酸葡萄ジュースを差し入れた。<br><br>「しゅわしゅわり～？」<br>「甘くて美味しいのに、しゅわしゅわと弾けるのです！」<br>「くぅ～、久々の炭酸ね～　できればキョージュペッパーが飲みたいわ～」<br><br>　単純に喜ぶ３人に、驚いて固まる子供達。驚いてゴブレットを放してしまった子もいたが、タマが器用にキャッチしてあげていた。<br><br>「はう、ぷちぷちする」<br>「？！」<br>「ひっく」<br><br>　中にはシャックリが出て止まらない子もいたり、なかなか盛況だった。<br><br>「これは、葡萄山脈の特産品では無いですか？」<br>「良く知っているね。知り合いから貰ったんだよ。珍しいから、皆で楽しもうと思ってね」<br><br>　ミテルナ女史は、小さい頃に先代のシーメン子爵に振舞って貰った事があるとかで知っていた。彼女によると、炭酸水は迷宮都市では非常に高価らしい。このあたりでは産出しない上に、炭酸が抜けないようにするには密閉するしかなく、運搬中の振動で密閉容器が破裂する事が多いので、めったに入荷しないそうだ。コップ１杯で金貨１枚くらいするらしい。その話を聞いていた子供達が固まっていたが、アリサが「飲まなくても、時間が経ったら、ただの水になるから飲みなさい」と言い聞かせてくれた。<br><br>　ポテチと甘い炭酸水という組み合わせが合いすぎたのか、菓子皿は瞬く間に空になった。ポテチの粉を指で丹念に掬う子供達に、「また作ってあげるね」とルルが話していた。<br><br>　後日、練成で簡単に炭酸が抽出できる事が判った。エールなどの酒が微炭酸だった事を思い出してからは早かった。当然、地元の錬金術士達も知っていたが、わざわざ炭酸を分離抽出する意味が無かったからしていなかっただけらしい。<br><br>　あとは、炭酸を安価に取り出せるようになれば、新しい名物が産れそうだ。<br>　オレは、グラスの中で弾ける泡を見つめながら、そんな未来を空想する。<br><br>　迷宮中層に炭酸水の湧き出る場所があるのを知ったのは、この１週間後の事だ。<br><br>ポチとタマのアルバイト<br><br>「おい、そこのお前！　雇ってやるから付いて来い」<br>「別にいらないのです。それに今日はお休みなのです」<br>「せっかく雇ってやるって言ってるのに、生意気だぞ」<br>「むりじ～はダメ～？」<br><br>　ポチと遊んでいたら、犬人の子供達に声を掛けられた。同い年くらいなのに、何か偉そう。<br><br>「ごめんね。こいつ、口が悪くてさ」<br>「ゴンは、可愛い子に意地悪な言い方しかできないダメなヤツなんだ。許してやってよ。僕はケン、こっちの背の高いのがハンって言うんだ」<br>「何だよ、２人して」<br><br>　背の高さで大中小、ハン、ゴン、ケン。３人とも犬人族の男の子。<a target="_blank" href="http://www.coocshop.com/ViewProduct.asp?id=157">排毒養顔</a> <br><br>「可愛いって言われたのです」<br>「ポチかわいい～」<br><br>　ポチは可愛い。でも、３人の男の子は、どこか汚れていて可愛くない。<br><br>「どうかな？　日当は払えないけど、ちゃんと荷物運びをしてくれたら、御飯をご馳走するよ」<br>「ごはん！　肉なのです？」<br>「にく～？」<br><br>　今日は、ご主人様がばーべきゅーするって言ってた。今から楽しみ。<br><br>「判った。僕達も男だ。今日は肉を奮発するよ！」<br>「やったー、なのです！」<br>「いいのかよ、ケン。そんな安請け合いして」<br>「一人でいい格好しやがって」<br><br>　いつの間にか、盛り上がる３人と一緒に迷宮に行く事になってた。ポチを一人で行かせるわけにもいかないもの。だって、お姉ちゃんだから。<br><br><br><br><br><br>「ゴン、戻って、一人でそんなに前に出たら危ない」<br>「へへ～んだ、ゴブリンの一匹や二匹に、びびってんじゃねえよ」<br>「待ってよ、ゴンにケン。あんまり急いだら運搬人の女の子達が追いつかないよ」<br><br>　ポチと顔を見合わせる。さっき３人が倒した跳ね芋ホッピング・ポテトが入った大袋をポチと２人で持っているだけだから、別に大丈夫。<br><br>「大丈夫なのです」<br>「らくしょ～？」<br>「そ、そうなんだ」<br><br>　背の高いハンの方が、息が上がってる。大丈夫？<br><br>「うわ、物陰に２匹いた。ハン、お前も一匹引き受けろ。ケン、オレが倒すまで２匹を捌いていてくれ」<br>「了解。これはきついね」<br><br>　ゴブリンがキーキーいいながら、３人の男の子達に飛び掛る。<br>　投石で援護したかったけど、迷宮に入る時に「後ろから石を投げちゃダメ」って言われたから投げれない。<br><br>　だから、応援しよう。<br><br>「がんばれ～？」<br>「頑張れなのです！」<br>「「「おう！」」」<br><br>　ゴブリンに噛まれるたびに、血がぴゅーぴゅー出て、すごく痛そう。見ていられないのか、ポチが手の平で目を覆って顔を伏せている。<br><br>「手伝う～？」<br>「だいっ、じょうぅぶ、だ！　安心しろ」<br><br>　あんまり大丈夫そうじゃない。<br><br>「おいっ、そこの犬人！　救援は必要か？」<br>「助かる！　２匹取ってくれ」<br><br>　え～、さっきいらないって言ったくせに。<br>　他の探索者達が来たら、素直に手伝って貰ってる。ちょっと複雑。<a target="_blank" href="http://www.coocshop.com/ViewProduct.asp?id=158">大印象減肥茶</a> <br><br>「判った！　ウササ、右端のヤツを」<br>「了解！」<br><br>　ありゃ？　ウササにラビビ。ぺんどら育成隊の卒業生達だ。シュピッのポーズでご挨拶。<br><br>　うう、誰も気が付いてくれない。<br><br>「すごい、あっと言う間に１匹倒しちゃったよ」<br>「知らないのか？　あれが『ぺんどら』だよ。青いマントを着ているから、卒業したエリート達だ」<br><br>　数が減ったゴブリンを、犬人の男の子達が血を流しながら倒しきった。とっても痛そう。ポチが包帯で止血してあげてる。<br><br>「ありがとうございます」<br>「気にするな、困ったときはお互い様だ――えっ？」<br><br>　あ、ウササがやっと気がついた。もう一度、今度はシュタッのポーズでご挨拶。<br><br>「え？　タマとポチの姐さん？　何しているんですか、こんな所で」<br>「あるばいと～？」<br>「荷物運びのお仕事中なのです！」<br><br>　ウササが変な顔をしている。お腹痛いのかな？<br><br>「２人とも『ぺんどら』の人と知り合い？」<br>「いえす～」<br>「知り合いと書いてダチなのです！」<br><br>　あ、子鬼がいる。<br><br>　するりんと移動して、ポーチから取り出した小剣で、さっくりと倒す。影小鬼ゴブリン・アサシンは、いつのまにか近くに来てるから危険なの。<br><br>「えっ？　タマちゃんが消えた？」<br>「あ、あそこ！」<br><br>　気がついたラビビに手を振る。<br><br>「そんな影小鬼の接近に気がつかないなんて！」<br>「しょうじんするる～」<br><br>　注意してないと危ないよ？<br><br>「その剣は何処から？」<br>「気にしたらまけ～」<br>「そ、そうなんだ」<br><br>　あれ？　何か地面が振動してる？<br><br>「タマ、何か来るのです」<br>「いしんでんしん～？」<br><br>　この振動は、六本足。どた、どたたった、だから、兵蟷螂か鉄鋼蟻かな？<a target="_blank" href="http://www.coocshop.com/ViewProduct.asp?id=162">痩身貴族</a> <br>　足音の間隔が、ちょっと広いから兵蟷螂のはず。<br><br>「たぶん、兵蟷螂の足音～？」<br>「さすがタマなのです！　きっと当ってるのです」<br><br>　でも、みんなの顔色が変。間違えたかな？<br><br>「どしたの～？」<br>「ポチさんとタマさんこそ、どうしてそんなに冷静なんですか！」<br>「いつもの御ニ人ならともかく、普段着に小剣一本じゃ敵うわけないじゃないですか！」<br><br>　そう？　兵蟷螂って弱いよね？　ね？<br>　ポチも不思議そうな顔をしている。<br><br>　他のみんなは抱き合って、その場で青い顔をして「どうしよう？」とかドウヨウしてる。勝てないなら、逃げた方がいいよ？<br><br>「お前ら逃げろ、カマキリ野郎がくるぞっ！」<br><br>　４人くらいの大人の男の人が駆け抜けていった。<br><br>　あ～、い～けないんだ～<br>　とれいんダメ、絶対！<br><br>「そ、そうだ逃げないと」<br>「逃げよう、早く立てよ。ゴン、手伝って。ハンを２人で運ぶんだ。ポチちゃんとタマちゃんも、ぼうっとしてないで一緒に逃げよう」<br><br>　倒さないの？<br><br>「倒しちゃうのです！」<br>「おっけ～」<br><br>　曲がり角から姿を見せた兵蟷螂は１匹だけ。ポチと視線を合わせて頷きあう。<br><br>「ぽち～」<br>「たま～」<br><br>　２人で小剣に魔力を通す。<a target="_blank" href="http://www.coocshop.com/ViewProduct.asp?id=164">繊之素</a> <br><br>「魔刃」「ご～」「なのです！」<br><br>　リザみたいに赤い光を残しながら、兵蟷螂の前足をポチと２人でシュパシュパと切っちゃう。関節に上手く小剣を当てると簡単に斬れちゃうの。<br><br>　足を斬り終わったら急停止して反転。<br>　今度は地面に転がった兵蟷螂の背中を駆けて、脆い首をさっくりと切り落としちゃおう。<br><br>　てぃっ。<br><br>「しゅ～りょ～」「なのです！」<br><br>　２人で勝利のポーズを取る。<br><br><br><br><br><br>　兵蟷螂の肉は美味しくないので、あんまり嬉しくない。<br><br>　ウササやラビビにも手伝って貰って、魔核と蟷螂の甲殻を持ち帰った。迷宮の出口で、職員のお姉さんに金貨を一杯貰ったので、皆で肉をいっぱいいっぱい食べた。<br><br>　もちろん、犬人の男の子達も、一緒。<br>　屋台で買った蛙肉の串焼きは、とっても美味しい。<br><br>「いつか僕達も、２人みたいに強くなって見せるよ」<br>「負けないのです！」<br><br>　ポチは男の子達に負けない勢いで、肉串を食べ始めた。肉はベツバラだけど、あんまり食べ過ぎるとご主人さまの晩御飯が食べれないよ～？<br><br>　晩御飯のばーべきゅーは、ムテキにサイキョーでした。まる。<a target="_blank" href="http://www.coocshop.com/ViewProduct.asp?id=165">唯美OB蛋白痩身素第4代</a>
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<pubDate>Fri, 11 Sep 2015 15:50:51 +0900</pubDate>
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<title>絶滅種と私</title>
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<![CDATA[ 光陰矢の如し、とは良く言ったものだと思う。<br>それが充実したものであればあるほどに、驚くほどあっけなく、時間は過ぎていくのだ。<br>・・・私のこの旅も終わりが近付いている。<br><br>宿の窓から、綺麗な朝焼けを見ながら私は目を伏せた。<br>周りに、精霊達が集まってくる。<a target="_blank" href="http://www.superkanpo.com/product/383.html">韓国痩身1号</a> <br>『・・・残り一月ひとつきを切った、ユフィ』<br><br>兄の思念が聞こえてくる。<br>うん。分かってるよ。ちゃんと帰るよ。<br><br>『・・・同族は見付からなかったのだろう？』<br><br>幼い子供に言い聞かせるように、兄は言う。<br>うん。見付からなかったよ。やっぱり現実って厳しいね。<br><br>『ならば、私たちだけで生きていくしか有るまい』<br><br>うん。そうだね。これからずっとお兄様の傍にいるよ。<br>・・・もう離れないよ。<br><br>『・・・帰りますわ。お兄様の所へ』<br><br>だから、もう少し待っていて。<br>私はそう思念を送った。<br><br><br>ーーーそして、早朝のそんな兄とのやり取りから、私はようやく一つの決意を固めた。<br><br><br><br><br>「・・・え？」<br><br>ルークの目が見開かれる。<br>私は思わず彼から目を反らした。<br>宿の食堂でのいつものバイキング形式の朝食。美味しいはずのその味が、緊張のあまり全く分からない。<br><br>それでも私は必死に彼に伝える。伝えなければならない。<br><br>「だから私、家に帰らなきゃいけないの。・・・この旅は始めから１年間だけの約束だったから」<br><br>ルークは何も言わない。・・・言えないのかも知れない。<br><br>言わなくちゃ、言わなくちゃと思いながら、なかなか言い出せず、気がつけばタイムリミットまでもう一ヶ月を切ってしまっていた。<br>もっと早く伝えるべきだったのに。<br>この関係が居心地良くてずるずると引き伸ばしてしまった。ーーーでも。<br><br>「・・・お兄様が待っているから。帰らなきゃ、いけないの」<br><br>「そっか・・・」<br>そう言いながら、ルークは明らかに納得がいかないという顔をしている。<br>それはそうだと思う。私は、彼の私に対する思いを知っている。<br>何度も何度も繰り返し伝えてくれた。<br>それに応える事はできなくても。<br><br>「ねえ、君の家の場所は教えて貰えるのかな？」<br>静かな声で、ルークは言う。<br>私はただフルフルと首を横に振った。<br><br>「・・・どうして？」<br>ルークの顔が歪む。テーブルに置かれた彼の握り締めた拳が、力を込めすぎて白くなっていた。<br><br>「・・・どうしても。」<br>何とかそれだけを言う。色々考えてみたが、上手い言い訳が思い浮かばなかった。<br>彼を傷付けたくなかった。彼に嫌われたくなかった。<br>そんな自分勝手な弱さのために。<br><br>「ーーーそれは、君が抱えている秘密のせい？」<br><br>わずかに憤りを含んだ声で、ルークが聞く。<br>思わず私の肩がビクッと震えた。<br>これでは肯定しているようなものだ。私は俯く。<br><br>ああ、もし私が人間だったなら。<br>なんの迷いもなくーーー・・・。<br><br>栓無きことを考えて私は自嘲する。<br>どうにもならないことを今更堂々巡りしてどうするのだ。<a target="_blank" href="http://www.superkanpo.com/product/392.html">御秀堂養顔痩身カプセル第3代</a> <br><br>「俺がユフィにしてあげられることはないの？」<br><br>そんな言葉をくれる。こんなときまでルークは優しい。<br>でも、私はまた首を横に振った。<br><br>「・・・・・・ないわ」<br><br>そうとしか答えようがなかった。<br>私の抱えているもので、彼がどうにか出来るものなど何も無かった。<br><br>「・・・それじゃあ、いつまで一緒にいられる？」<br><br>縋るように聞かれる。頭を巡らせ日数を数えた。<br><br>「あと二十日間くらい・・・かな」<br><br>私は素直に答える。でももうお前なんかと一緒にいたくないと言われたら、すぐにでも彼の傍を離れるつもりだった。<br><br>「・・・そっか。」<br>それだけ言うと彼は目を伏せた。<br><br>しばらく重い沈黙が続く。<br>彼の次の言葉を待って、私は唇を噛み締めた。罵倒でもなんでも受け入れる覚悟をして。<br><br>「・・・おっし！！」<br><br>すると突然そんな掛け声をかけて、ルークが自分の両頬を手でパチンと叩いた。<br>私は吃驚して目を丸くする。<br><br>「じゃあこの残り二十日間。・・・俺はユフィの抱えた秘密と重荷と戦うよ。藻掻きまくって足掻きまくる。それくらいは良いだろ？」<br><br>ルークはそう言って笑った。<br><br>「ーーーギリギリまで諦めない。俺はやっぱりユフィが欲しいから」<br><br>彼の真っ直ぐな青い瞳が私を射抜く。<br><br>嬉しいのか、悲しいのか。<br>分からない。分からないけれど。<br>胸が痛い。痛くてたまらない。<br>私の目から涙が零れる。<br>きっと彼は私を泣かせる天才だ。<br><br>ーーー私は彼に何かを返したい。<br>彼の為に、この短い間で出来る事は無いだろうか。<br><br>「というわけで、結婚しよう！お兄さんは俺が説得するから！」<br><br>「・・・無理！」<br>ーーー結婚するのも、兄を説得するのも。<br><br>でもいつも通りのルークに、私は泣きながら笑った。<br><br><br>◆<br><br><br>それから数日後。<br><br>「・・・やっぱり一緒に行こうよ」<br><br>ルークが心配そうに私を見る。彼の心配は分かる。<br><br>彼はこの街の竜狩人のギルドに用があり、もちろん私はそんな天敵の総本山などに行くつもりは無く。<br>待っていると言ったのだが、彼は私をひとりにするのが不安らしい。<br><br>別れの期限を告げてから、彼は私が自分の目の届かないところへ行く事を酷く嫌がるようになった。<br>おそらくは、私がそのまま姿を消すことを怖がっているのだと思う。<br><br>正直それも考えなくもなかったのだが、やはり彼に何も言わず姿を消す事は、彼を酷く傷付けるだろうとそれは止めた。<br>彼との別れ際はきちんと笑ってお別れを言おうと決めている。<br><br>「大丈夫だから、行っておいで。私は買い物してるし」<br>なにも言わず、消えたりしないよ。<br>そう言外に言って私は笑う。<br><br>「・・・分かった。１時間後にここの喫茶店の前で待ち合わせよう」<br>私の手を一度ギュッと握った後、心配そうにしながらも彼はその手を離した。<a href="http://www.superkanpo.com/product/388.html">繊之素</a> <br><br>何度も無駄にこちらを振り返る彼の背を見送り、その姿が見えなくなると、私はショッピングに出掛けた。<br>大きな街だ。確かベルフィスとかいう名前だったか。この領地で最も大きいのだそうだ。所謂前世でいうところの県庁所在地みたいな感じだろうか。<br>色んな店が軒を連ねている。私は一軒一軒覗き込みながら進む。<br>やっぱり無性にワクワクする。女って最高！と思う瞬間だ。<br><br>すると、ふと甘い良い匂いが鼻をかすめた。<br><br>まるで蜜に吸い寄せられる蜂の様に、甘党な私はふらふらとそちらへ向かう。<br>そこは色とりどりの飴の店だった。<br>思わず笑みが浮かぶ。<br><br>店内に入り、兄へのお土産と自分用に幾つか見繕う。<br><br>「これなんかどうですか？お客様の瞳の色のようでしょう？」<br>店員の女性に話し掛けられる。<br><br>見せられたそれは、綺麗な紫色。<br><br>私は自分のというより、兄の瞳を思い出した。<br><br>「じゃあそれも下さい」<br><br>沢山の飴を購入し、肩から掛けた鞄に詰める。<br>この飴を食べる兄を想像すると、何だか笑えた。<br>きっといつもの無表情で、でもほんの少しだけ頬を緩めるのだろう。<br><br>なかなかいい買い物をしたなあと、私はルークとの待ち合わせ場所に向かう。<br><br>すると彼は既にそこに着いていて、私の姿を認めると、明らかにほっとしてみせる。<br><br>そんなルークの横に、見知らぬ男が一人いた。<br>彼の知り合いだろうか。<br><br>「ごめん、待った？」<br><br>私がそう声を掛ければ、ルークは笑って首を振った。<br><br>「俺が早く来ちゃっただけだから気にしないで」<br><br>「そうそう、コイツ、ギルドにいる間中ずっとそわそわしちゃってさー。諸手続きが終わったら一目散にここに向かって走り出してさ。」<br><br>隣の男がゲラゲラ笑いながら私に話しかける。<br>何なのだ。じろじろと私を値踏みするように眺めてくるのが実に不快だ。<br><br>「初めまして。俺はセルフィード。セルって呼んでよ。ルークの執着してる可愛い子ちゃんって君のことだろ？」<br>本当に可愛いな～などと言ってニヤニヤ笑う。<br>ルークと同い年くらいだろうか。まあまあなイケメンながらも実に軽薄そうな男だ。<br>そう、言うならばチャラ男というやつだ。<br><br>「初めまして。ユーフェミアです。」<br><br>一応ルークの知り合いと言うことで、思うことはあれど私も顔を微笑みの形にして挨拶を返した。<br>途端にルークの眉間に皺が寄る。<br><br>「・・・こんな奴に笑いかける必要なんてないよ。」<br>そしてそんなことを不貞腐れた様子で言う。<br><br>あら、珍しい。私は首を傾げる。<br>ルークは基本的に人当たりがいい。こんな態度を他人にとることなんてあまりない。<br><br>「わざわざ俺を追いかけて来るってことは、どうせまたろくでもない話を持ってきたんだろ？」<br><br>そう言って、冷たい目で彼を見る。<br>つまり目の前の彼のせいで、ルークは何らかの害を被ったことがあるのだろう。<br><br>「そういうなよ～。本当に良い話なんだって」<br><br>しれっとそう言ってルークの肩に馴れ馴れしく手をかける。<br><br>ルークは軽く溜め息をついた。<br>きっとなんだかんだで腐れ縁なのだろう。<a target="_blank" href="http://www.superkanpo.com/product/302.html">終極痩身</a> <br>私は忍び笑いを漏らした。<br><br>その後、喫茶店に入る。当然の様にセルさんも付いてきた。なんでだ。<br>そしていつもの様にルークは無糖の紅茶を、私はミルクと砂糖たっぷりの紅茶とチョコレートのケーキを注文した。<br>酒が良いんだけどなあ、等と勝手な事を言いながらセルは柑橘系のジュースを頼んだ。<br><br>「・・・ここだけの話なんだけどさ。」<br><br>ジュースを飲みながら、聞いてもいないのに彼は勝手に話し始める。<br><br>「この前、ギルドの前で声をかけられたんだよ。この街の近くのルルド村からきたっつーおっさんに。」<br><br>ルークは素っ気なく話を聞いている。私もケーキを着々と胃に収めながらおざなりに聞く。<br><br>「その村にある鍾乳洞で竜片が幾つか見付かったんだとさ。しかもかなり状態がいいらしい。それの採取を手伝ってくれないかって言うんだ。」<br><br>ルークは少し興味を持ったらしい。視線を上げてセルを見る。<br><br>「・・・鍾乳洞ってのは珍しいな」<br><br>「だろ？俺も最初は半信半疑だったんだけどさ。彼がそこで見付かったって持ってた竜片がまた結構良いヤツだったんだよ。どうやら昔、そこに竜が住んでたんじゃないかっていうんだ」<br><br>だが、ルークの表情はまだ晴れない。<br><br>「・・・しかしどうしてギルドを通さないんだ。ギルドを通せば腕のいい竜狩人がいくらでもいるのに」<br><br>あえて個人に声をかけたということが納得がいかないようだ。ルークは実に真っ当な人間だから理解できないんだろう。<br><br>「ギルド通すと結構な手数料マージン取られんじゃん。だから、個人的に声をかけて山分けしたいっていわれたんだ。」<br><br>うん。やっぱりね。そんな事だろうと思ったよ。<br><br>「・・・その代わり色んな保証がつくだろうが。大体ギルドにバレたらどうするつもりだ」<br><br>除名されても知らないぞ。そう冷たい目でルークはセルさんを見る。<br><br>「ーーーそう言うなよ。どうしても金が必要なんだ。」<br><br>少し唇を尖らせて、彼はそう返した。<br>おや、本音が出たようだ。私は眉を上げる。<br><br>「賭博でちょっと借金作っちゃってさ・・・。その相手がちょっとヤバいヤツで。近いうちに返せないと、首と胴体がお別れしそうな感じなんだよ」<br><br>ふう、と憂い気にため息を吐く。<br><br>うっわー。コイツ本当にダメなヤツだ。私はドン引いた。<br>賭博ギャンブルってのは節度を持ってしなきゃいけないのだ。<br><br>それなのに彼は全財産どころか、借金までしてぶっ込んだ訳だ。<br>完全に中毒だよソレ！ダメ、絶対！<br><br>「だったら自分一人で行けば良いだろうが」<br><br>流石にルークも呆れている。<br><br>「・・・実は探索用の魔具を質に入れちゃってさ・・・。」<br><br>あはは、と笑ってヤツは頭を掻いた。ルークは深い溜め息をついた。<br><br>「・・・つまり、俺の魔具が目当てか」<br><br>「本当は借りれたらいいんだけど、お前の魔剣ガルシア工房製ですっげー魔力食うんだもん。俺には使いこなせないからさ。付き合ってもらおうと思ったんだよ。もちろん見付かった竜片は山分けっつーことで」<br><br>「貸せって言われても貸さねえよ。・・・全く。」<a target="_blank" href="http://www.superkanpo.com/product/314.html">超級脂肪燃焼弾</a> <br><br>ルークは思わず額を手で押さえた。こんなに言葉が悪い彼は珍しい。私はなんだか微笑ましく見てしまった。<br><br>「・・・一日だけだ。個人的に興味があるから探索だけ手伝ってやる。それ以外は自分でなんとかしろよ」<br><br>どうしようもなくダメな男だが、首と胴体が離れてしまうのは流石に心苦しく感じたのだろう。<br><br>「うっわー！ルーク！！恩に着るぜ！！」<br><br>ルークに抱き付いてセルは笑う。本当に調子のいい男だ。<br><br>「んじゃ！明日の朝迎えにいくな！」<br><br>そう言って一気にジュースを飲み干し、私たちの泊まっている宿の場所を聞いた後、嵐の様に去っていった。<br><br>「・・・ごめん。ユフィ。ちょっとだけ付き合ってもらって良い？」<br><br>貴重な時間なのに、と溜め息を吐きながらルークが申し訳なさそうに言う。<br>確かに奴の思い通りなのは気に食わないが、別に私に異存はなかった。<br>ルークと同じく竜が住んでいたと言うその鍾乳洞とやらにも興味があった。<br><br>「うん。いいよ」<br><br>だから私は同意した。<br><br>「・・・軽率で馬鹿で良いヤツじゃないけど、悪いヤツでもないんだよ」<br><br>竜狩人としての腕も悪くないし・・・。そう言ってルークはまた溜め息をついた。<br>確かに借金があるとはいえ、彼はルーク本人から金を借りようとはしなかった。<br>手は借りても、少なくとも自分でなんとかしようとしている点に置いては、一線を守っていると言える。<br><br>私は笑った。やっぱりルークは優しい。そう簡単に人を見捨てたりしないのだ。<br><br>「気にしないで。鍾乳洞、私も見てみたいし」<br><br>ルークも笑った。<br><br>「ありがとう、ユフィ」<br> <br>・・・しかし私とルークは、この時気軽に彼の依頼を受けたことを、その後死ぬほど後悔することになる。<br><br>ーーーそう、どの世界でも、うまい話には裏があるのだ。<a href="http://www.superkanpo.com/product/377.html">紐斯葆濃縮藤黄果</a>
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<link>https://ameblo.jp/variety0116/entry-12071210419.html</link>
<pubDate>Wed, 09 Sep 2015 16:08:26 +0900</pubDate>
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<title>彼の初恋</title>
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<![CDATA[ 　瞬く間に日は過ぎ、最後に参加すると決めた仮面舞踏会の夜がやってきた。<br>　ほとんど義務感だけで魔法で髪を黒くし、城を抜け出して会場へ向かう。<br>　まだついてもいないのに、帰りたくて仕方なかった。<a target="_blank" href="http://www.biyakushop.net/ViewProduct.asp?id=73">日本秀身堂救急箱</a> <br><br><br>　会場に入る前、人目がないのを確認して仮面をつけた。<br>　この日チケット代わりに用意されたのは、趣味の悪い蝶をモチーフとした仮面。<br>　キラキラと金色に光っており、自分の本来の髪の色を思い出し憂鬱な気分になった。<br>　出席者として義務を果たしたら、それで終わりだ。<br>　自分に言い聞かせ、会場へ入った。<br><br><br><br>　遅れて入った舞踏会はすでに始まっており、あちらこちらで仮面をつけた男女が談笑している様が目に入った。<br>　どの顔も今の自分には欲にまみれているようにしか見えなくて、こみ上げてきた吐き気を押さえるのに苦労した。<br><br>　私が到着したと知るや否や、会場のあちこちから秋波が送られる。<br>　目を合わせてほしい。声を掛けてほしい。そんなあからさまな視線を感じた。<br>　今までの私なら、その中の抱いたことのない誰かを適当にチョイスして声を掛けただろう。だが、もうそんなことはしない。<br>　感じる視線を黙殺して、この舞踏会の主催者を探した。一人だけ黒の仮面をつけているのですぐに分かる。<br>　そうして挨拶を済ませ、すぐさま帰ろうと思ったその時。<br>　会場の奥にいる娘にふと目がいった。<br><br>「っっ！！」<br><br>　――――衝撃に息が止まるかと思った。<br><br>　仮面をつけていても遜色のない美貌。華奢な体つきにすっと伸びた背筋。一つ一つが美しい立ち居振る舞い。凛としてそこに存在する彼女は、醸し出す雰囲気からして周りとはまるで違っていた。<br>　ありとあらゆる意味で会場から浮いていた、銀色の仮面をつけた彼女はたった一人でその場所にいた。<br>　周りには誰もいない。それも当然だった。<br>　彼女がいるスペースは食事をとるための場所である。<br>　この夜会に来ている人間は、大抵が見知らぬ他人との性交を求めるような者たちばかりなので、目的外であるその場所には誰も立ち入ろうとはしない。<br>　飲み物はどの場所でも手に入るし、相手を探す方が重要なので皆ホールに集まっているのだ。<br>　飲食スペースは、一応夜会だからと形ばかり用意されているだけ。<br>　そんな場所で一人楽しそうに行儀よく食事を楽しむ彼女は、その姿も相まって妙に目立っていた。<br><br>　今までに見たことのない娘だ。<br>　立場柄一度でも関わった人間は覚えている。<br>　顔を仮面で隠そうと、目や髪の色、服装体つき、仕草などを総合すれば、個人を特定するのは簡単だ。<br>　だが、そのどの記憶を照らし合わせてみても、彼女の姿はなかった。<br>　忘れるなんてありえない。<br>　一度でも会っていれば、こんな印象的な女性の事を忘れる筈がない。<br>　断言できる。<a target="_blank" href="http://www.biyakushop.net/ViewProduct.asp?id=75">新曲美</a> <br><br>　柔らかい素材でできているだろう銀色の彼女のドレスが、身動きするたびにキラキラと光る。薄茶色の背中まである長い髪が、彼女をさらに彩っていた。<br>　ほうっとため息をつき、そこで初めて自分が彼女に見惚れていたことに気が付いた。<br>　夢から覚めた気分ではっと周りを見渡すと、周囲の男共も自分と同じように彼女を意識している事が分かる。当然だ。<br>　どうにか視線を合わせられないかとちらちら彼女を見つめるのだが、食事に夢中な様子の彼女はそんな男共の様子にも全く気付かない。<br><br>　その時、一心不乱に食事をしていた彼女がぴたりと動きを止めた。<br>　彼女の様子がどうしても気になり、そっと観察を続けていると彼女はふわりと口元を緩めた。<br><br>　かわいい……！！<br><br>　その幸せだと言わんばかりの微笑みに、心臓を鷲掴みにされたかと思った。<br><br>　顔は仮面で見えない。<br>　だが、それでも分かってしまう心底幸せそうな笑みに自分の中の何かが大きく揺さぶられた気がした。<br>　目を見張って、ただただ彼女を見つめた。<br>　だが、彼女の笑みを見たのは私だけではなかったようで、それを目にした男たちが彼女に近づこうと動き出す気配を感じた。<br>　自分以外の男が彼女に近づく。<br>　そう思っただけで、怒りが腹の底からこみあげてきたのが分かった。<br><br>　――――そんなことは許さない。<br><br>　反射的にそう思い、男たちを牽制するように視線を送った。<br>　そして、彼女へと歩を進める。<br>　私の視線を受け、男たちは一斉に動きを止めた。<br>　その隙を逃さず、急いで彼女に近づく。<br>　彼女は私に一向に気付かない。<br><br>　心行くまで食事を楽しんだ様子の彼女だったが、はっと何かに気付いたように顔を上げた。<br>　慌ててホールへと移動しようとする。<br>　そんな彼女と私が一瞬すれ違う。<br>　視線を合わせてくれないどころか、私の存在自体気づかない彼女に苛立った。<br>　自分を認識してほしい。<br>　その想いが膨れ上がり、ルール違反だと分かっていながらも、気づけば彼女に声を掛けていた。<br><br>「ご令嬢」<br><br>　私の声に反応し、彼女は足を止め振り返った。<br>　仮面の奥の綺麗なアメジストの瞳と目が合い、一瞬私は固まる。<br>　心臓がどくんと大きく跳ねた気がした。<br><br>「私に何か御用ですか？」<br><br>　軽く柔らかな声が耳朶を打った。その声にも惹きつけられる。<br>　戸惑ったように私を見る目に、マナーを無視した事による嫌悪や駆け引きは全く感じられなかった。<br>　それにほっとした私は、すぐさま膝を折った。<br>　どうしても彼女を逃がしたくない。本能的にそう思った。<a target="_blank" href="http://www.biyakushop.net/ViewProduct.asp?id=77">V26即効ダイエット</a> <br>　人好きのする笑みを意識的に作り、できるだけ丁寧に話しかける。<br><br>「ええ、貴女です。こんばんは、ご令嬢。初めてお見かけするように思いますが、こちらには何度か？」<br>「こんばんは。始めまして。おっしゃる通り、今夜が初の仮面舞踏会ですの。作法もよくわからないもので、こちらに逃げていたのです。でも私が初めてだなんてよくお分かりになりましたわね。何か不作法でもしてしまいましたか？」<br><br>　そう言いながらも、彼女からは自信が満ち溢れていた。<br>　自分が失態を犯したとは露ほども思っていないのだろう。堂々としたその立ち居振る舞いは見惚れるほどに美しく、彼女がかなり高位の貴族令嬢であることをうかがわせた。<br>　どう見ても、このような場所にくるような女性だとは思えなかった。<br>　もう一度必死で記憶を洗うが、どうしても彼女と一致する情報が見つからなかった。<br><br>「不作法だなんてとんでもない。貴女のマナーは完璧ですよ。そうではなく、貴女のような美しい方をお見かけしたのは初めてでしたので」<br><br>　美辞麗句を駆使して、彼女の興味を引こうとする。<br>　彼女の手を取り、唇を落とした。滑やかな肌に触れると、自然と体が熱くなる。<br>　こんなことは初めてだった。<br><br>「……お上手です事。このような仮面に覆われていては、顔の美醜もわからないでしょうに」<br>「それでも。にじみ出る気品と仕草が、貴女がとても美しい人だと私に教えてくれます」<br><br>　もし自分が彼女に気が付かなかったら、他の誰かに彼女を取られていたかもしれなかった。<br>　そう考えただけでぞっとした。<br>　他の男に取られたくない。そして何より彼女の事をもっと知りたい。<br>　その想いで必死に彼女にアピールした。<br>　本気で欲しい女に対してはいくらでも言葉を尽くせることを初めて知った。<br>　だが、彼女は予想外の行動に出た。<br><br>「……それで？私に声をかけたのはどうしてか伺ってもよろしいかしら」<br><br>　話の途中、遮るようにそう言ってきた彼女。<br>　一瞬、断られたのかと思い背筋がひんやりしたのだが、そうではないようだった。<br>　面倒だと言わんばかりの表情で先を促す彼女の言葉に驚きが込み上げてくる。<br>　確かに最初にルールを無視して話しかけたのは私だが、まさか彼女もそうしてくるとは思わなかった。　<br>　今まで見てきたどんな女とも違う。<br>　呆気にとられて彼女を見た私は、自分の中で固まってしまったものが解けていくのを感じていた。<br><br>「ふふ、せっかちな人だな。私はただ、貴女という人をもう少し詳しく知りたいと<br>思っただけだよ。それ以上の目的なんてありはしない」<br>「本当に？」<br><br>　気が付けば、いつもの自分の口調で彼女に話しかけていた。<a target="_blank" href="http://www.biyakushop.net/ViewProduct.asp?id=89">V26Ⅲ速效ダイエット</a> <br>　不快だろうかと躊躇したが、彼女はむしろほっとした様子をみせた。<br>　それに気をよくした私は、ますます熱心に彼女を口説き始めた。<br>　勿論本気だ。これほど必死で女性にアピールしたことなど、ついぞ覚えがない。<br><br>「酷いな。疑うのかい？本当に、貴女を知りたいだけだよ。……実はこの先に休憩用の部屋が用意されているんだ。よかったら、そこで改めて話をしないか？」<br><br>　さすがに直接的すぎたか。後悔が胸をかすめたが、彼女が小さく頷いたことでそれは吹き飛んだ。よかった。<br>　そう思った時、彼女の口からとんでもない言葉が飛び出した。<br><br>「……そうね。私もあなたの事をもっとよく知りたいと、そう思っていたところでしたの」<br><br>　ご一緒させて下さる？<br><br>　そう言って仮面越しに、上目づかいで見上げてきた。<br>　その上目使いに自分の鼓動がまた大きく跳ねたことは置いておくにしても。<br><br>　――――信じられなかった。ここまでルールを無視する女性がいるとは思わなかった。<br>　無駄だと言わんばかりに、とことん作法を破り捨てた破天荒な彼女をみて、何故だか笑いが込み上げてきた。いい意味で裏切られた。<br><br>　その、自由なところも。姿かたちも何もかもが、ついさっき会ったばかりだというのに自分を魅了してやまない。<br><br>　――――もう、自覚するしかなかった。<br>　私は彼女に恋をしているのだ。<br><br>　一瞬にして、彼女に落とされた。<br>　恋は落ちるものとは良く言ったものだ。<br>　あんなに、恋愛を拒んでいたというのに、その全てを吹っ飛ばして叩き落された。<br>　もう、そこから出ようとも思わない。<br>　どうにかして、彼女にも同じ場所に落ちてきてもらいたい。<br>　いや、落とす。<br><br>　――――欲しい。彼女がどうしても欲しい。彼女しか、欲しくない。<br><br>　……これが恋。初めて感じる感情に、らしくもなく翻弄される。　<br>　茹る胸の内とは裏腹に、頭の中の一部分が冴えわたっていく。<a target="_blank" href="http://www.biyakushop.net/ViewProduct.asp?id=91">御秀堂養顔痩身カプセル第２代</a> <br>　今晩だけだなんて言わせない。<br>　これから先も彼女を側に置くためにはどうすればいいかと、彼女を合法的に手に入れる方法を得るべく頭が物凄い勢いで計算を始める。<br>　未だ彼女の名前も身分も分からない。<br>　そんな状態で逃がしてしまうわけにはいかない。<br><br>　ふと、彼女が震えたような気がした。はっと我に返り、話しかける。<br>　荒れ狂う心の内は綺麗に隠す。<br><br>「どうしたの？」<br>「い、いえ、なんでも」<br><br>　不思議そうに首をかしげる彼女の腰に手を回し、自然に見せかけて別室へといざなった。<br>　女たちの残念そうな視線、男たちの羨ましげな視線が自分たちに集まっていることを意識する。<br>　残念だったね。お前たちが彼女に触れることは一生ない。<br>　そう思い、視線を自分の意識から意図的にシャットアウトした。<br><br>　触れた彼女の感触は柔らかく、彼女からは甘い花の香りがした。<br>　その香りに自身の熱がうずく。<br>　信じられないくらい昂ぶっていた。<br><br>　別室へ誘われてくれるという事は、抱いてもいいという事だ。<br>　恋しい彼女が相手なら、どんな単調なセックスでも構わない。<br>　今までが何だったのかと思うほど一瞬で宗旨替えした自分に、苦笑いする。<br>　愛しい人に自分を埋めるという行為は、どんなに満たされる事だろう。<br>　期待に胸が熱く震える。<br>　だが、溺れきってはいけない。少なくとも、彼女の素性を知るまでは。<br><br><br>　そう改めて自分に言い聞かせ、私は彼女と共に用意された部屋へと移動した。<a target="_blank" href="http://www.biyakushop.net/ViewProduct.asp?id=93">韓国痩身一号</a>
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<link>https://ameblo.jp/variety0116/entry-12070102197.html</link>
<pubDate>Sun, 06 Sep 2015 17:12:47 +0900</pubDate>
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<title>文字の使い方</title>
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<![CDATA[ 突如アヴォロスが動きを止めた。何かを察知したように上空を見上げる。そこには月のような輝きを放つ塔が存在している。<br><br><br>　何故急に彼がとうに注目したのか理解できなかった。すると塔のある方角から、キラキラと光る粒子がアヴォロスの頭上へと降り注ぐ。<a target="_blank" href="http://www.coocshop.com/ViewProduct.asp?id=206">三葉減肥茶</a> <br><br><br>（何だ……？）<br><br><br>　小さな宝石の欠片が散りばめられたかのような無数の輝きがアヴォロスに吸い込まれていく。全てを吸収したあと、彼が一瞬目を見開き、鋭い眼差しを見せる。<br><br><br>「……そうか、やはり奴は……。よくやった、シリーズたち」<br><br><br>　少し驚きがあった。彼の呟き。まるで旅立っていく仲間に賛辞を贈るような声音。表情もどことなく柔らかい雰囲気を感じる。<br><br><br>　そのような表情を浮かべる理由が分からないが、考えている暇などなさそうに、アヴォロスが一呼吸のうちに懐へと迫ってきた。彼の右手には魔力で作り出したであろう剣が携えられている。<br><br><br>　確実に頭を狙ってきているその剣を紙一重でかわすが、ピッと頬に赤い筋が走る。かわしたと思ったが、どうやら掠ってしまっていたようだ。同時に髪の毛も数本ハラリと落ちる。<br><br><br>「ちょうどいいっ！」<br><br><br>　その髪の毛をバッと右手でキャッチして魔力を込め投げつける。するとボンボンボンボンッと分身体が出現。分身体がそれぞれアヴォロスに向かって《金剛如意》を上方から振り下ろそうとする。<br><br><br>　しかし次の瞬間、アヴォロスの身体からサボテンのように無数の針が突き出てきて、分身体を串刺しにした結果、分身体は全員消失。<br><br><br>（あれは魔神の技かっ！）<br><br><br>　魔神と一体化したアヴォロスは、魔神の性質だけでなく技まで使える。その長い三本の尻尾を器用に動かして日色を捉えようとしてくる。<br><br><br>　日色は《金剛如意》を振り回し尻尾を断ち切る。だがすぐに切断した部位から新たな尻尾が生えて襲い掛かってくる。<br><br><br>「面倒だっ！」<br><br><br>　魔神に効果的な『削減』の文字を複数作り上げてアヴォロスへと放射。アヴォロスも、その文字効果には黙っていられずに、尻尾をヒュンヒュンヒュンと動かして文字が自身の身体に直接当たらないようにしている。文字に当たった尻尾は即座に切り捨て、トカゲの尻尾切りと同等の行為を行っている。<a target="_blank" href="http://www.coocshop.com/ViewProduct.asp?id=214">強効痩</a> <br><br><br>　日色はその隙に距離を取る―――――が、どうにも決め手に欠ける。何とか彼の身体に文字を当てなければ、一向に手詰まり状態である。<br><br><br>「ククク、どうしたヒイロ？　ずいぶん焦っておるではないか？」<br>「さあな、気のせいだろ」<br>「ほう、まだそのような強がりを申せるとはな。つくづく貴様は諦めを知らぬ男よ」<br>「そんなもんガキの頃に捨ててきてる」<br>「だが、いくら貴様でも現実を知った時、そしてどうにもならない壁にぶつかった時、そこで知ることになる。諦めというものをな」<br>「だからオレにそんなものはない」<br>「ククク、今はな。だが時間もそう残されてはいないのではないか？」<br><br><br>　挑発するように口角を上げて、日色の苛立ちを加速させる。<br><br><br>「あと『天』の一文字だけ……。それが消えれば《天下無双モード》終了、同時に《文字魔法ワード・マジック》の真骨頂もしばらく使用不可能に陥る。一時間は……戦力に大幅な制限を受けるはず」<br><br><br>　内心で舌打ちをする。彼がその《反動リバウンド》を知っているのは、過去の勇者である灰倉真紅からの情報でまず間違いはない。<br><br><br>（ちっ、いくら仲が良かったとはいえ、自分の欠点をペラペラと喋るなよな。どうかしてるぞ先代め）<br><br><br>　日色は自分の仲間たちに《文字魔法ワード・マジック》についてはある程度教えてある。しかしそのリスクや制限、《反動リバウンド》などは細かく教えてはいない。相手に欠点を知られて良いことなどないと判断したからだ。たとえ仲間でも同じこと。<br><br><br>　秘密主義者でもある日色にとっては、真紅の楽観的態度に怒りを通り越して呆れてしまう。<br><br><br>（だが奴の言う通り、このままじゃマズイ。どうにかして奴の隙をつく必要がある）<br><br><br>　日色は『削減』の文字と『必中』の文字を頭上で浮き上がらせる。<br><br><br>「フッ、そろそろ使ってくるとは思ったぞ。しかし『必中』の文字効果は、相手に当たればそこで終わる。先程のように余には便利な尻尾があるぞ？」<br><br><br>　そう、それが問題だ。この文字を使えば確実にアヴォロスには当たってくれるだろう。しかし尻尾で防御されてまた切断されてしまう。それでは意味がない。<a target="_blank" href="http://www.coocshop.com/ViewProduct.asp?id=193">痩身1号</a> <br><br><br>　しかもアヴォロスが文字を読めて効果を知ることができることがすでに痛い。<br><br><br>（ホントに碌なことをしないな先代は）<br><br><br>　漢字を教えるなよなと面と向かって言ってやりたかった。だがふとそこで気になったことがある。<br><br><br>（漢字……漢字……か。奴が先代か、過去勇者に漢字を教わっているのは間違いない）<br><br><br>　過去勇者というのは優花のことだ。<br><br><br>（だから奴はオレの使う文字を見て事前に効果を知って対応策を立てられる。……なら）<br><br><br>　日色の瞳がスッと細められる。そして浮き上がらせていた文字を一旦消す。<br><br><br>「む？　諦めたか？」<br>「だから何度も言っているだろうが、オレは絶対諦めんっ！」<br><br><br>　日色は再び髪の毛を使用して分身体を増やす。<br><br><br>「またそれか」<br><br><br>　興味を失ったかのような冷たい目が日色に向けられる。尻尾をウネウネと動かしながら、分身体に鋭く迫ってくる。<br><br><br>（それでいい、あとは時間を稼ぐ！）<br><br><br>　日色はとりあえず『超加速』を使いアヴォロスを中心にして四方八方に動き回る。<br><br><br>「そのような動きなど、余の瞳は完全に捉えておるわ」<br><br><br>　その言葉通り、日色の動きを真っ直ぐ彼に射抜かれている。<a target="_blank" href="http://www.coocshop.com/ViewProduct.asp?id=235">SUPER FAT BURNING</a> <br><br><br>「さあ、どのような文字でも対処してやろうぞ。撃ってこい……ヒイロ」<br><br><br>　自信満々に笑みを浮かべるアヴォロス。日色はキッと覚悟を決めた表情を作りアヴォロスへと突っ込んでいく。《赤気》が形成する文字は『爆発』。<br><br><br>「クク、爆風によって余の動きを制限でもするつもりか？」<br><br><br>　アヴォロスは文字を視認した後、その場から高速で移動してしまう。日色が文字を消したことで、諦めたと確信を得る。<br><br><br>「ククク、図星だったか。さあ、次はどうする？」<br><br><br>　次に日色が作った文字は『大削減』。<br><br><br>「ほう、三文字の削減能力か。範囲を拡大化させて尻尾に触れても瞬時に余の身体も幾分と削るつもりか？　だが無駄なことよ」<br><br><br>　文字を放つと、彼は尻尾で防御し、削減が広がっている間に根元から尻尾を切断する。今までは当たった瞬間に、その部分を切り離していたが、今度は当たった瞬間に根元から切り、広がるスピードを考慮に入れた対応策をしてきた。<br><br><br>「ククク、もう諦めろヒイロ」<br>「…………ならこれはどうだ？」<br>「む？」<br><br><br>　日色が放った文字。しかしその文字を見た瞬間にアヴォロスが明らかに戸惑いを見せる。<br><br><br>『ボム』<br><br><br>　放たれた文字に、アヴォロスは尻尾でガードするが、突然大爆発を起こしてアヴォロスは吹き飛ぶ。ダメージはほぼないが、確実に意表をつく攻撃。<a target="_blank" href="http://www.coocshop.com/ViewProduct.asp?id=226">簡約痩身</a> <br><br><br>（カタカナを知ってても、この文字に込められた意味まで把握できまい！）<br><br><br>　案の定、アヴォロスは混乱している様子を見せている。<br><br><br>「くっ！？　な、何……っ！？」<br>「次はこれだ！」<br><br><br>　日色がすぐさま放つは―――――――『ＬＩＥ』。<br><br><br>　アヴォロスの顔を見て、明らかに彼は英語を知らないと理解できた。<br><br><br>　文字の意味も知らずに、迂闊にもアヴォロスは尻尾で文字に触れてしまった。その刹那、空を飛んでいた彼は大地へと突き刺さり、横に倒れたまま動かなくなる。<br><br><br>「ぐぅっ……動けぬ……っ！？　一体これは――――――っ！？」<br><br><br>「覚えておけ、最初のは『ボム』。爆弾を意味する文字。そして今の『ＬＩＥ』は――――――横たわるって意味だ」<br><br><br>　すでにもう日色の準備は整っていた。<br><br><br>「そしてこれが次にお前に与える文字――――――『ＣＵＴ』だ」<br><br><br>　日色はいまだに地面に釘づけになっているアヴォロスに向かって文字を放った。見事彼の身体に当たった瞬間、『ＣＵＴ』の意味に込められた削減するという効果を最大限に発揮し、アヴォロスの身体が大幅に削り取られた。<a target="_blank" href="http://www.coocshop.com/ViewProduct.asp?id=229">FITXスーパー脂肪解消カプセル</a>
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<link>https://ameblo.jp/variety0116/entry-12066415288.html</link>
<pubDate>Thu, 27 Aug 2015 16:53:43 +0900</pubDate>
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<title>謝罪</title>
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<![CDATA[ 　テーブルランプの光のみが灯る、日没直前の薄暗い部屋に、<br><br>　三頭と一羽と……一人。<br><br>　先程まで同じ部屋にいた“人”達は、面影を毛の色だけ残し、立ち位置をそのままにこちらをじっと見ている。<a target="_blank" href="http://www.superkanpo.com/product/314.html">超級脂肪燃焼弾</a> <br><br>　身長１５５センチの私を軽くすっぽりと覆えるくらい大きな灰銀の狼。その後ろに金色のたてがみをまとった凛々しい顔つきのライオンと、他の二頭に比べ、少し小さい黒豹──いや、私の知っているサイズよりは大きいが、きっとこの子はユキちゃん…なのだろう。<br> <br>　目の前で徐々に“人”ではなくなった彼らにただ驚いたのではない。<br>　……あとの一羽の…男の姿が私を震撼させた。<br> <br>　──森の中で襲われた時、熊の背に乗っていた、大人ひとりが入っていそうな大きな鷹。<br><br><br>　牢屋から乱暴に連れ出した茶髪の男は、私を襲った群れの先頭にいた──私を襲ったあの大きい鷹だった。<br> <br>　……私は彼らに助けられたのではなかった。<br> <br>　……なんて甘いのだろう。<br>　少し優しくされたからって簡単に相手を信用して。<br> <br>　森の中で奇妙な獣に遭遇してから、<br><br>　見たことも聞いたこともない特徴の人達が話す言葉から、<br><br>　本当は分かってた。<br><br>　ここは国どころか──世界ごとひっくりかえった異世界なのかもしれないと。<br> <br>　彼らの意図はまだ分からない。<br><br>　しかし。<br><br>　なんてことはない。私は彼らに襲われ、ただ捕らわれただけだったのだ。<br><br><br>　猛獣を前にして、鋭い眼光に囲まれて突き飛ばされたあの恐怖が蘇る。<br><br><br>　じっとしていた目の前の大きい狼がピクリと動く。<a target="_blank" href="http://www.superkanpo.com/product/302.html">終極痩身</a><br><br>　私は反射的に後ろに下がる。<br>　すると、テーブルランプの脇に、先ほどユキちゃんが私に握らせた、あの、鞘におさまった小刀が視界に入った。<br><br>　とっさにその小刀を手に取り、鞘を抜いて刃先を狼たちに向ける。腕の痛みなんか気にしていられなかった。<br><br>「…っこ、来ないで！す、少しでも近づいたら、さ…刺すからっ！！」<br><br>　ブルブル震える手で小刀を握りしめて叫ぶ。<br>　相手側の力の強さや威圧感は身をもって知っている。こんな女がこんな小さな刀を向けたって脅しにさえならないのかもしれない。それでも、何もせずにはいられなかった。<br><br><br>　しかし……意外にも。<br><br>　狼は動きをピタリと止め、こちらに目を向けたまま、ゆっくりとベッドから降りた。<br> <br>　──緊迫した部屋の中、刀を向けたまま私もベッドから降り、部屋の扉に向かう。<br>　獣達は言うことに従って、顔のみを動かし、こちらを窺っている。<br><br>　しかし、鷹の彼は今にも飛びかかりそうな勢いだ。<br>　バサッと羽音がした時にビクッと震えたが、狼が小さく唸ると、渋々といった感じで羽を収めた。<br><br><br>「こ、来ないで、ね。じっとしてくれれば、何も、何もしない、から…お願い……っ」<br><br><br>　扉を開け、部屋に背を向けて、<br><br><br>　一気に廊下を駆け抜けた。<br><br>謝罪<br><br>　銀髪男と茶髪男がベッドの下でひれ伏しながら、銀髪男はときたまチラっとこちらの反応を窺うかがっている。<br><br>　私が固まって無反応でいると、また両手を振り降ろしてひれ伏す。<br>　『ハハー』と言いながら二人はさっきから何度も繰り返している。<a href="http://www.superkanpo.com/product/388.html">繊之素</a> <br><br><br>（一体なんの宗教だ……）<br><br><br>　困惑して後方にいるユキちゃんを見ると、ユキちゃんは嫌なものを見るかのような表情で彼らを見下ろし、フンッと鼻をならした。目が怖い。<br><br>　牢屋の時といい、広間の時といい、私がこの国に来てから見下ろされてばかりだけど、今はその逆の状態。<br><br>　この国では人を見下ろす事はよくある事なのか…。いや、そんな訳ないだろう。<br><br><br>　すると、<br><br>　そこで初めて、もう一人の男の存在を思い出した。ひれ伏す男達の横で、腕を組んで二人に何かを話し、こちらはまるで何か汚いものを見るかのような視線を銀髪男と茶髪男に向けている。<br><br>　その男性の髪は金髪だった。髪を後ろにかっちりと固めてメガネをかけている。見るからに頭が良さそうな人だ。<br>　銀髪男が私に羽織らせた上着は、白と黒が入り混じった細かい模様の高そうなジャケットだったが、金髪男の服装は腰の横で閉じるタイプで、中華服に少し似ている。上等な布を使用していると見受けられる、なめらかな漆黒の服を着ていた。ズボンとブーツも黒で統一しているので全身真っ黒だが、唯一、服の留め具にルビーのような宝石を使用していて、胸と腰の位置にある赤が黒の中でとても目立つ。<br> <br>「──コ？ワコ！ドシタ？」<br><br>　男の声でハッと我に返る。金髪男をジロジロ見すぎていたんだろう。…心なしか少し銀髪男の顔が怖い。<br><br><br>　二人はまだ床に座ったままだが、今はひれ伏すことなく正座をしてこちらを窺っている。<br><br>「……ワコ、ゴメン。…ゴメン、ワコ」<br><br>　銀髪男はうなだれて、力ない声で謝ってきた。<a target="_blank" href="http://www.superkanpo.com/product/392.html">御秀堂養顔痩身カプセル第3代</a><br><br>　牢屋に入れた事を言っているのだろうか。……でも、それはこの人が謝ることじゃない。彼の隣に座っている茶髪男に乱暴に扱われたのは腹立つというよりも怖くて痛くて苦しかったのだけれど、<br><br>　よく考えたら怪しい人物を捕えるのがこの兵士さんの仕事なんだろうし、………仕方がないのかもしれない。この国の治安レベルがどの程度のものか分からないし。<br><br>　……！じゃあ、私がただの迷子だって分かってもらえたのか。だから、手当てをしてくれたり態度が優しくなったりしたのか。<br><br>　そうだ、やっぱりあの獣の群れから助けてくれたのはこの国の兵士さんかもしれない。<br>　そう考えれば、私が生きて牢屋で目が覚めたことにも納得がいく。<br>　助けてもらった事にお礼を言わなければ。<br><br>（銀髪男…ううん、銀髪さんには言葉が通じるんだよね？）<br><br>「あ、謝らないでください。それよりも、私の腕の怪我を手当てしてくださって、ありがとうございます。獣に襲われた所も助けて頂いたみたいで……」<br>「……！」<br>「お風呂もとても気持ち良かったです。私、森の中で迷子になってしまって、帰り道が分からないんです。お礼には改めて伺いますので、どうか「ワ、ワコ！ゴメン！コトバ、シルナイ、チョット…。ワコ、ゴメン…！」<br><br>(…あ、あれ？もしかして、言葉があまり分からないの？──…あ、そ、そっか)<br><br>　銀髪さんの返事に落ち込んでしまった私に、銀髪さんは焦ったように近づいて、私の背中に腕をまわしてきた。<br>　スキンシップが多いのは、言葉が通じないからか。貞操の危機だなんて失礼なこと思ってごめんなさい。<br><br>「ワコ、ゴメン。ネ、ワコ。ダイジョウブ、ダイジョウブ」<br><br>　銀髪さんは私を抱きしめ、背中をさすりながら優しい声で慰めてくれる。<br>　初対面の時とは想像もできないくらい、なんて優しい人なんだろう。服をはぎ取ったのもきっと何か理由があったのだろう。うん、あれは水に流そう。<br> <br>　────そこで、一番気になることを聞いてみた。<br> <br>「あの、名前、ワコ、なんで？」<a target="_blank" href="http://www.superkanpo.com/product/384.html">韓国痩身一号</a> <br><br>　知っているの？とジェスチャーを交えながら、ゆっくりと尋ねる。<br><br>　すると、なぜかサッと横を向いて視線を逸らされる<br>　そして、青くなったり赤くなったりを繰り返しながらなんだか落ち着かない様子。<br>　言葉にできないのがもどかしいのだろうか？<br><br>（…私を知っている？てことは、もしかして本当に、以前会ったことがあるの？）<br> <br>　───もう少しで日没なのか、<br><br><br>　窓から入り込む淡い夕日の光が彼の横顔を映す。<br><br><br>　彼は意を決した表情になって口を開いた、<br> <br>　その時<br> <br>　彼の体がぶるっと震え、床にある彼を映す影の形がどんどん変わっていく<br><br><br>　先ほどまで少し広いと感じていた部屋が、その存在感と大きな体をした者“たち”によって、ちょうどよい広さになった。<br> <br>　昨夜から数えて<br><br><br>　いったい何度目の驚愕だろう<br> <br>　部屋の中が動物園<br><br><br>　いや、<br> <br>　───サファリパークになった<a target="_blank" href="http://www.終極痩身.com">終極痩身</a>
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<link>https://ameblo.jp/variety0116/entry-12065639993.html</link>
<pubDate>Tue, 25 Aug 2015 14:07:16 +0900</pubDate>
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<title>家にあるのはだいたいお茶か珈琲</title>
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<![CDATA[ 食事を終えた後四人で若葉のアパートへとやってきた。二人して送ってくれたというわけではなく、朱利は自宅に若葉は御影の家へと避難することになったからだ。<br>　本当なら朱利に羽倉との喧嘩のことや、それはやっぱり髪の毛を切ったことと関係があるのかなど話をしてくれるなら聞きたかったのだが。<a target="_blank" href="http://www.簡約.com">簡約</a> <br>　今回は無理そうだ。ランチの時が会社が終わった後にでも食事に行って、愚痴でも何でも聞いてあげよう。<br>　狭いアパートに大人が四人ともなれば狭いと感じずにはいられない、とりあえず御影と羽倉にはお茶を出して座っておいてもらう。<br>　朱利は自分の荷物をキャリーケースに詰め、若葉も自分の荷物をクローゼットの奥からひっぱりだしたキャリーケースに詰め始める。<br>　本当は御影の家に避難するつもりなどなかったのだが、御影が心配だから頼むからそうしてくれと言われてしまい。<br>　電話や張り紙のことを話さずにいたことの罪悪感もあり、結局のところその御影の提案を承諾した。<br>「若葉、これがさっき飯の時言ってたやつか？」<br>「はい、そのファイルです」<br>　まるで好きな芸能人の切抜きをファイリングするように、玄関に貼られていた白い紙を全て日付別でファイルに入れていた。<br>　必要であるならばスマホで撮った玄関の状態を印刷することも可能だ。今の時代スマホで撮った写真も簡単に現像できるので、気軽になったなと思う。<br>　わざわざ写真屋にいかなくても、コンビニでも印刷できるし。時間があるのならば、ネットで頼んだほうが安かったりする。<br>「胸糞わりぃな…」<br>「本当、よくもまぁこんだけ書いたもんだよね。白い紙だってペンだってこの貼り付けるのに使ったセロハンテープだって、タダじゃないのに」<br>　御影も羽倉も眉間に皺を寄せながら、そのファイルを眺めている。<br>　先ほどの食事している時に、どんな被害にあったのかどうかを説明してある。電話が毎日のようにあること、毎朝張り紙があること。<br>　そして、一ヶ月ほど経ってから玄関のドアを無理矢理開けようとするように取っ手をガチャガチャとされたこと。朱利がきてからの一週間のうち、三回ほどあったことを説明している。<br>「一応準備できました」<br>「必要なもん持ったか？」<br>「だい、じょうぶだと思います！」<br>　着まわしのきく服と下着を詰められるだけ詰めて、必要なスキンケア用品や化粧ポーチ。靴も何足か紙袋にいれたし、充電器とパソコンも持った。歯ブラシや洗顔などは、泊まっているうちに置かせてもらったものがある。<br>　どれだけ泊まることになるのかがわからないけれど、必要なものができたら取りにくればいいと判断した。<br>　御影たちが飲んだコップを片付けて、電気など止まっているかを確認する。朱利と羽倉がでて、御影がキャリーケースを持って出てくれた。<br>　玄関で自分の部屋を振り返る。此処は若葉にとってお城のようなものだったなと思う。<br>　初めて一人暮らしをする時、どれほどドキドキしたか。一人でやっていけるのかという不安もあったけれど、なんだかんだと何とかやってこれたような気がする。<br>　この家を出て行くわけでもないのに、この部屋であった思い出が胸に溢れ返って少しだけ泣きたくなった。<br>「若葉」<br>「今、行きます」<br>　玄関のドアをしっかりと閉めたのを確認して、アパートを出た。明日の昼休みにでも大家さんに暫く知り合いの家に泊まることにしたことを伝えなければならない。<br>　その間に貼られてしまうだろう白い紙をどうするべきかとも考えたが、そのあたりは御影達がどうにかしてくれるようなので甘えることにした。<br>　暖かい手に繋がれて歩く。<br>　その手が大丈夫だと言ってくれているような気がした。辛いことも悲しいことも苦しいことも、この手が支えてくれる傍にいてくれる。それだけで、とても慰められた。<br>　駅までやってくれば、朱利と羽倉はそのまま電車で帰るらしい。若葉も電車でかまわないと言ったのだが、面倒くさいからタクシーで帰るといわれてしまう。<br>　平日と言っても金曜日の夜の23時ぐらいの時間帯。普段この時間なら空いている電車も、金曜日ということもあって混雑している。<br>　その中でこの大きな荷物を持っていれば、逆に邪魔になってしまうかもしれない。それを考えると、御影の提案はありがたいものだった。<br>「じゃぁ、若葉。また月曜日に、何かあったら連絡して」<br>「うん。朱利…一週間ありがとうね。大好き」<br>「ふふ、知ってる！私も大好きだからね！」<br>　ぎゅうっとお互いを抱きしめあっていると、痺れをきらした御影と羽倉にお互い引き離されてしまう。<br>「あぁ、まだ抱きついていたいのに！」<a target="_blank" href="http://www.強効痩.com">強効痩</a> <br>「そういうのは俺にやろうよ」<br>「いーや！硬いもん」<br>「そりゃ男だからねー、女子よりは硬いよ」<br>　朱利と羽倉の会話はテンポがよく、漫才をみているような気持ちにさせられて笑ってしまう。また、と声をかけて御影と共にタクシーに乗り込んだ。<br>　御影が若葉の頭を自分の肩へと寄せるのを、抗うことはせずにそのままもたれる。少しだけ香る煙草の匂いと、御影の匂いが交じり合って官能的だと思える。<br>　優しく若葉の頭を撫でてくれる大きな手に安心して目を閉じたまま、御影の背中に手を添えて甘えるようにくっついた。<br>「一ヶ月、頑張ったな」<br>「そう…ですか？電話も張り紙も別に怖いとも苦しいとも、そこまで感じなかったので」<br>「例えそうだったとしても、頑張ったよ。お前は全部を飲み込むところがあるからな、気づかないうちに傷をためこむ」<br>「…」<br>　どうしてわかるのだろうか。<br>　どうして気づいてくれるのだろうか。<br>　そこまで痛みは感じてはいないけれど、明確な悪意は少しずつ精神を削ってくる。それは気づかないうちに蓄積されていく。<br>　言葉で行動で優しく労わってくれる。だからこの人に寄りかかってしまいたくなるのだ。<br>　好きで好きでたまらないと奥の奥から叫びたくなるのだ。<br>「俺はそんなお前が好きだよ。一人で抱え込もうとするところも、それを隠して笑おうとするところも。けどな、俺にはしなくていい。怒るのも泣くのも、俺の前では素直にやればいい」<br>「…っ、な…、泣かせないで…！」<br>　我慢がしきれなくて、冷たい雫が頬を流れていく。スーツを汚してしまうと思ったけれど、髪の毛を優しく梳かれて額に唇が落ちる。<br>　この人を支えられるぐらいに強くなりたい。そして、支えてもらいたい。<br>　弱くて自分に自信なんて相変わらず小指の先ほどもないけれど、御影の隣にいるためにやれるだけのことやろう。頑張れることは頑張ろうと改めて自分に誓った。<br>　まだタクシーの中だというのに、聞こえないふり見ないふりをしてくれている運転手の方に申し訳なくなる。<br>　ぐすぐすと泣きながら、御影のマンションの部屋へと入り靴の入った紙袋を玄関に置いて。御影がキャリーケースを寝室へと持っていってくれた。<br>「たく、泣きすぎだろ」<br>「うー、悠麻さんのせいですー」<br>「はいはい。悪かったよ」<br>　言葉はあしらっているようなのに、優しい笑みを浮かべながら抱きしめてくれる。御影の胸に顔をぐりぐりとくっつけて、息をつく。<br>　シャツにファンデーションが付いてしまうとも思うのだが、この際気にしないことにした。それに御影はそんなことを気にするような小さい男ではないから。<br>　顔中に降り注ぐ甘い口付けを受け入れて。幸せだと思わずにはいられない。<br>　ぽんぽんと頭を軽く撫でられて、御影が離れていく。リビングに向かうのに追いかけていくと、御影は楽しそうに「小さな子どもみたいだな」と言う。<br>　確かに母や父の後をちまちまと追いかける子どものような行為ではあるが、子どもではないと少しむくれる。<br>　けれど優しく笑いながら振り返る御影をみると、ただの冗談にそんなに目くじらをたてることでもないと思いなおす。<br>　冷蔵庫からペットボトルの水を取り出して一口飲むと、若葉にも飲めと渡してくれたので言葉に甘えて水を飲む。<br>「とりあえず今日は風呂入って寝るか」<br>「…お仕置きはいいんですか？」<br>　素朴な疑問で思わず口にしてしまう。このままお仕置きという形で何かしらあるのかなと思っていたので、いいのだろうか。<br>　そう首を傾げながら御影をみてから、とてつもなく後悔をした。<br>　別に言わなくてもいいことを言ったと自覚した。御影はそれはもう嬉しそうと言えばいいのか、楽しそうと言えばいいのかいい笑顔をしている。<br>　悪魔の笑みとすら思えるぐらいの、笑みだ。<br>「一応冗談だったんだがな、アレ」<br>「え？！え、っと、はい、そうですね！それなら、お風呂入って寝ましょうか！」<br>　何とか無かったことにできないかと、言葉を紡いでみるが意味はなかった。<br>「若葉がそんなにお仕置きされたかったとは思わなかったな。それなら、ご希望通りにお仕置きしてやるよ」<a target="_blank" href="http://www.漢方ダイエット薬.com/">漢方ダイエット薬</a> <br>　ネクタイに指をいれて緩めながら若葉へと近寄ってくる。一歩後ろへ思わず下がったが、逃げ場などないのだから無駄な足掻きだ。<br><br>手焼きせんべいで食べ歩き<br>　御影と付き合い始めてから数週間後の土曜日、若葉は自宅で熟睡していた。お互いの予定が合えば、食事に行ったり泊まりに行ったりもしているが。<br>　毎週の土日に会えるわけではない、若葉にも御影にも予定はある。また、御影は御影で休日出勤をしている時もあるのだ。<br>　ただ、若葉と付き合いだしてからというものその出勤日数は減っていた。元々上からは、時間が迫っている仕事がないのであれば休日出勤をしなくてもかまわないと言われていたらしい。<br>　今週はお互い金曜日に予定が入っていたのもあり、土日の予定も特に連絡しあっていなかったため若葉は惰眠を貪ろうと決めていた。<br>　けれど朝の7時過ぎに、家のチャイムが鳴り響く。<br>　朝からいったい何なのか。特に届く予定の荷物もなかったので、宅配便ではないだろう。それならば、無視を決め込んでしまえと布団を被りなおしたが。何度もチャイムが鳴り、近所迷惑なのもあり嫌々ながら玄関のドアを開けた。<br>「はー…」<br>「はよ、出んのおせぇよ」<br>「…ゆー、ま…さん？」<br>「つぅか、お前は！んな格好で外にでんな！そもそも誰が来たのか確認もしねぇで開けるなんてどんだけ無用心なんだ！気をつけろ！」<br>「うあぁああ、寝起きなんですー。頭に響きますー」<br>　御影は眉間に皺を寄せて、ズカズカと家の中へと入ってきた。若葉も特に抵抗はなく、御影を迎え入れて冷蔵庫から冷たいお茶をだす。<br>　現在の若葉の格好はＴシャツに短パンという軽装だ。そんな格好で相手を確かめず玄関を開ければ、御影が怒鳴るのもおかしくはなかった。<br>「んー、どーしたんです？」<br>　一つは自分の分で、ぐびぐびと一気に飲み干して。もう一つのグラスは御影の前へと置いた。まだ眠たい頭の状態で御影に声をかけるが。御影はじっと若葉を見つめてため息をついた。<br>　呆れたのだろうかと不安になると、若葉の腰を抱き寄せ下着を身に着けてはいない柔肌をゆっくりとラインにそってなぞりながら、啄ばむように若葉の唇を吸う。<br>「んぁっ、ゆ、悠麻さん？！」<br>「お、覚醒したか。ほら、さっさと風呂でも入ってこい。出かけるぞ」<br>「えぇっ？！そ、そういうことは事前にちゃんと言ってくださいよ！ちゃんと準備しておくのに！」<br>「うっせ、いいからはやく行け。ぐずぐずしてんなら、予定変更して此処で動けなくなるまで抱くぞ」<br>　御影の言葉に慌てて若葉は風呂場へと向かった。後ろで御影が喉の奥で笑いを堪えるように口を抑えていて、少しむっとしてしまう。<br>　こんな無防備といよりは、ひどい状態の時に突然くることはないというのに。家だからと少し伸びたＴシャツに数年は履いているだろう短パンだ。<br>　せめて可愛いパジャマなどを着ている時だったら…と、思ったのだが。そもそも若葉は普段からＴシャツのみやＴシャツに短パン、冬場はスウェットだったりカーディガンを着込んだりしてパジャマ代わりにしていた。<br>　今度可愛いパジャマを買いにいこうと、決意した。<br>　熱いシャワーを浴びて、髪の毛と身体を洗う。脱衣所で髪の毛を拭きタオルを身体に巻いてから、着替えをいっさい持ってきていないことに気づく。<br>　普段は自分一人なので気にしなかったり、友人がきていれば脱衣所に下着や着替えを持って入るのだが。今日は突然の御影の訪問に驚いたのと急かされたので、持ってくるのを忘れてしまっていた。<br>　タオルを巻いた状態で、カチャっとドアを開けると御影がスマホを弄りながら座っている。着替えを取りにいくためには、その御影が居る場所を通り抜けなければならないのだ。<a target="_blank" href="http://www.繊之素.com/">繊之素</a> <br>「悠麻さん、悠麻さん」<br>「んー？どうした？」<br>「わぁあっ、！…っこっち見ちゃ駄目！スマホ見てて！後ろ向いちゃ駄目だからね！」<br>　こちらを向いたときに少し大きな声を出してしまったが、このアパートは隣の部屋との壁が薄いので慌てて声を小さくしてこちらを向くなと指示をだす。<br>　御影はやはり笑いながら、「はいはい」と言いスマホへと視線を落とした。それを横目に早足で寝室へと向かい。急いで下着をつける。<br>　ブラをつけるのに、タオルを下に落として背中に腕を回すと。その腕ごと抱きしめられた。<br>「ひぁっ、もっ」<br>「風呂上りって、身体や髪が湿ってて色気増すよな」<br>「着替えられないじゃないですか！」<br>「俺としては邪魔をして、このままっていうのもありだが。やっぱり我慢するか。あ、動きやすい格好にしとけよ」<br>　若葉の肩口に唇を押し付け、強く吸い付かれた。きっとまた赤い痕がついてしまっているだろう。御影は若葉の髪の毛を手で梳いてから、戻っていった。<br>　着替えるときに恥ずかしいからと以前、痕をつけるのをやめてほしいと言ったらその日の情事の時にこれでもかといつも倍増で痕をつけられた。<br>　どうやら御影は痕をつけるのが好きらしい。<br>　若葉は遅いと言われて、また着替えの邪魔をされたら駄目だと思い急いで着替える。動きやすい格好と言われたので、ジーンズスカートにレギンスを合わせ七部丈の黒と白のボーダーに薄い黄色のカーディガンを合わせた。<br>　髪の毛を乾かして、化粧をするからこっちに来るなと念押しして化粧をする。結局支度に1時間30もかかってしまい、時刻はすでに8時30を過ぎていた。<br>「ごめんなさい、お待たせしました」<br>「いや、全然。そもそも俺が連絡なしできたんだから。待つのぐらい当たり前だろ。さて、と…行くか」<br>「え、それ私の…」<br>「これは今日の必需品な」<br>　パソコンの傍においてあるデジタル一眼レフカメラを御影が肩にかけていた。若葉の趣味はカメラで、暇な時は外に出ては写真を撮っていた。<br>　最近は忙しさや、御影と会うことが多かったためにカメラに触れることが少なかったのだが。<br>　アパートを出て、近くにあるパーキングエリアに停めてあった御影の車に乗り込む。あまり車は詳しくないのだが、日本車だということだけはわかった。<br>「どこに行くんですか？」<br>「着いたらわかるよ」<br>「お楽しみってやつですな！」<br>　若葉がシートベルトをしたのを確認して、御影は発車させた。どうやら高速に乗るらしい、車内では御影が好きなのか洋楽が流れていた。<br>　良い男の条件に洋楽に詳しいというものがあるのだろうか、と思うほどに洋楽を聴いている御影がかっこよく顔を覆いたくなった。<br>　そもそも数週間経って少しは落ち着いたとはいえ、若葉からみた御影という男は何をしてもかっこよくみえてしまうのだ。恋や愛情というフィルターは凄まじい影響を及ぼすと実感することが多い。<br>　あまり洋楽には詳しくないが、ロック調でかっこよかった。御影は途中で音楽を止めて、有線へと変更した。<br>「別に良いのに」<br>「俺の気分だよ」<br>　若葉があまり詳しくないことに気づいたのだろう、最近よく流れる音楽が軽快に流れてくる。季節は初夏になってきていて、流れ来る曲も季節を感じさせる曲ばかり。<a target="_blank" href="http://www.韓国痩身一号.net/">韓国痩身一号</a> <br>　最近発売されたのだろうアイドルの曲はもちろん、リクエストなのか随分昔の夏の曲が流れてくる。ただ、この夏の曲を聴くと、季節をとても実感する気がした。<br>「このバンドの曲聴くと夏かって思うわ」<br>「わかります。夏の代名詞みたいなものですもんね」<br>　そんな会話を1時間もしていれば、御影が目的としていた場所へと着いたらしい。パーキングエリアに車を停めて、自然と手を絡ませて歩き出す。<br>　どうやら今が時期である紫陽花の名所のようだ。<br>「わぁっ、紫陽花いっぱい！人いっぱい」<br>「ま、休日だしなぁー。丁度ピークっぽいし、しかたねぇか。ほら、カメラ」<br>「ありがとうございます！」<br>　御影が持っていてくれたカメラを貰い、いそいそとカメラのセッティングを始める。<br>　天気や光加減によって、つど設定を変えていかなければ綺麗な写真が撮れなかったりするのだ。よく、失敗すると光が入りすぎてしまって写真が光で飛んでしまい何も写ってない状態になってしまったりする。<br>　カメラのセッティングをするためには、御影と手を離さなければならないのが寂しい。紫陽花を数枚撮ってから、前を真っ直ぐ向いている御影を斜め後ろからシャッターを押した。<br>　この場にいる御影のこの顔は若葉だけのものだと、青臭く恥ずかしいポエムのようなことを考えてしまうが。これも大事な想い出の一枚となるのだろう。<br>　道なりに進みながら沢山の紫陽花をカメラに収め、後ろからなど御影の写真も沢山収めた。帰ってから撮った写真を確かめるのがとても楽しみだ。<br>　本当は真正面からの写真も欲しいが、御影の性格だ。きっと嫌がるか、眉間に皺を寄せたものになってしまうだろう。もしくは一緒でなければ撮らないと言い出すかもしれない。<br>　一番上にある寺の周辺を見ていると。御影にカメラを貸せといわれた。<br>「どうぞ、どうするんですか？」<br>「んー、とりあえず若葉を撮る」<br>　不意打ちに、シャッターを切られ。慌てて、カメラを取り返そうとしたがカメラを上にあげられてしまい。身長差から、どうやっても取り返すことができないのでむくれた顔をすると御影は楽しそうに笑い触れるだけの口付けを落とした。<br>「ちょっ、人前です！」<br>「お前が可愛いから悪い。あ、すみませんシャッターお願いしてもいいですか？」<br>「あ、はい。良いですよ」<br>　若葉の腰を抱き寄せて、近くにいたカップルにカメラを頼んでしまい。恥ずかしかったが、想い出に二人での写真が撮れたことがとても嬉しくも思った。<br>　写真を撮りながら歩いているため、御影が先に歩いている状態になってしまうのだが。若葉は御影の後姿が好きだった。<br>　いつも自信満々で、その背が丸くなることはなく堂々と歩いていく。そんな御影の後姿に、自分が御影が好きだという思いを認めたくなかった頃からたまらなく片思いをしていた。<br>　こっちを向いて、振り向いて、手を伸ばして。<br>　そんな身勝手なことを、考えながら立ち止まる。<br>　若葉はわかってはいるのだ、御影は一人で歩けるような女が好きだと言うことを。御影に頼りきって、重荷になるような女は最初はよくても途中で面倒くさくなると。<br>　わかっていても、そんなに強くはなれない。くじけてしまう。恋愛偏差値の低い若葉にとって、御影という男はどうしようもなく難しい男だ。<br>「おい」<br>「…」<br>「お前なぁ、何立ち止まってんだよ。振り向いたらいなくてビビったぞ」<br>　御影はそういうと、若葉の手を当たり前のように握る。たったそれだけのことで、こみ上げる感情が沈んでいく。<br>　もし、叶うのならばどうかこの手が最後まで離れませんように。繋いだ指の温かさが、風のようにすり抜けてなくなったりしませんように。<a 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<link>https://ameblo.jp/variety0116/entry-12063470738.html</link>
<pubDate>Wed, 19 Aug 2015 15:28:56 +0900</pubDate>
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<title>海辺の出会い</title>
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<![CDATA[ 　その港町は、王都より南西の海岸沿いにある田舎町だった。<br>　殆どの人々は漁業や養殖に携わり、生計を立てている。<br>　海からの資源や恵みは豊かな土地だが、位置的に他国との貿易ルートから外れているため、港町としてはそれほど大きくはない。時折、航行中の船が補給のために立ち寄ったり、海産物の商談や取引で訪れる船や商人が姿を見せるだけの、小さな町である。<a target="_blank" href="http://www.coocshop.com/ViewProduct.asp?id=175">新曲美</a> <br>　ただ、八年ほど前まではこの町には海軍の訓練施設が存在した。<br>　一年を通し比較的波も穏やかで、座礁するような岩や障害物の少ないこの海域は、海軍士官として訓練を受け始めたばかりの少年兵達が、船とその操舵に必要な初歩技術を学ぶ為に最適の場所とされていたからだ。<br>　エルシアの父が若かりし頃にこの町を訪れたのも、その海軍士官となる訓練を受ける為である。今でこそファルミナ伯爵として家督を継いでいるが、元々は伯爵家の次男であった父は、軍人として身を立てるために士官学校に入学したことがあるとは聞いていた。<br>　しかしそれ以上のことはあまり格好の良い話ではないからと、濁されていたのだけれど。気恥ずかしそうに父は続ける。<br>「私は残念ながら落ちこぼれでね。結局、教官に適正なしと判断されてしまった」<br>「どうして？」<br>「いつまで経っても、船酔いに慣れなかったのだよ」<br>　苦笑交じりに父が目を向けた先には、赤錆色の屋根が連なる町並みと、その向こうに広がる、目が覚めるような青い海が広がっていた。水平線は遙か遠く、視界の端に行くに従って、グラデーションのように色を変える空と海との境目が、芸術品のように美しい。<br>　まさしく紺碧と言うに相応しい鮮やかな色は、これまで見たどんな海よりもエルシアの目を惹き付ける。<br>　肌に纏わり付くような湿った空気も、独特の潮の匂いも、どうしてだかほんの少しだけ沈んでいる心を浮き立たせてくれるようで、自然と引き寄せられた。<br>　砂浜の色も白く美しい。浜辺では、今日の漁を終えたのだろう、男たちが船の手入れを、女達が網の手入れをし、子供達が楽しげに笑いながら砂の上を走り回っている姿が見えた。<br>　王都のように洗練された美しさはないけれど、皆ここで生きているのだと感じさせる力強さがある。<br>　美しい海と、町だと素直にそう思った。あるいはそれは、父と母の思い出の場所であるという欲目もあったのかも知れないけれど、少なくとも今のエルシアには王都よりもよほど好ましく感じられる。<br>「船酔い？」<br>「そう。大抵の者は、一ヶ月も船上訓練を受ければ身体が慣れてくるものだが、私はどれだけ過ぎても駄目でね。いつまで経っても船に慣れない者には海軍士官は無理だと言われて、かなり落ち込んだよ」<br>　知識や技術に劣るのであれば、学べば良い。だが体質ばかりはどうしようもない。<br>　それでもしばらくの間は頑張ってみたのだ。とにかく身体さえ慣れればと、何度も何度も船に乗り込んだし、酒に強くなれば船にも強くなれるなんて何の根拠もない言葉を信じては、潰れるほど飲んでみたり、飲んで酔っ払った状態でぐるぐると回ってみたり。<br>　結果は無論惨敗で、次の日は普段よりも余計に辛い思いをして、訓練を受けるどころの話ではなかった。<br>　エルシアの母、グロリアと知り合ったのはそうやって、何とか自分の身体を慣らそうと無茶をしていた頃だ。根拠のない言葉を信じて、たらふく酒を飲み、結果潰れて倒れてしまったところを彼女に助けて貰ったのだという。<br>　何とも情けない出会いだ。きっと初対面の印象は最悪だっただろう。<br>　それでもグロリアの印象に残るには充分な出会いだったようで、それから何度も同じような事を繰り返す内に、次第にいつも彼女が側にいてくれるようになったのだという。<br>　グロリアはこの町の洋装店の針子だった。<br>　幼い頃に両親を海難事故で亡くし、親戚の家に引き取られはしたもののその家に馴染めず、十五の歳にはその家を出て一人で自立していた女性だった。<br>　針子の乏しい収入だけでは生活出来ず、夜は酒場で給仕を行いながら生計を立て、朝から晩まで働き通しの生活だったけれど、毎日を自分の力で生き抜く姿は強く、そして美しく見えたのだと父は言う。<br>　二人が恋仲になるには大した時間は必要とせず、結局教官からは適正がないと判断されて、海軍士官は諦めなければならなくなったが、彼女を連れて家に戻ることに何の躊躇いもなかった。<br>　もちろん始めは多くの人に反対された。グロリア本人も幾度か身を引こうとした。それでも諦められなくて、何度も何度も周囲の人を説得し、グロリアにも愛を囁き続けて、とうとう周囲を根負けさせたのである。<br>　とは言え、周囲が諦めたのは粘り強さばかりではないだろう。<br>「私がグロリアと結婚したいと訴えている間に、跡継ぎであった兄がやはり市井の女性と駆け落ちしてしまってね。伯爵となる事で愛しい人を諦めるのなら、家の方を諦めますと、それはそれは見事に行方を眩ませてしまった」<br>　多くの人の目はこちらに向いていて、兄がそのような恋をしていることなど誰も気付いていなかった。親からすれば、まさしく寝耳に水の出来事だ。挙げ句に、兄がそうしたのなら、自分もそうする、爵位などいらないと宣言したりしたものだから、家の中は大騒ぎである。<br>　長男を失い、この上次男まで同じ道を辿らせる訳には行かないと、泣く泣く両親は諦めたのだそうだ。<br>　その後失踪した兄とは五年後に再会した。二人の男の子にも恵まれ、幸せそうだった……そして今も兄との交流は続き、エルシアにとっても大好きな優しい伯父様となっている。<br>「どうやら我が家系には、一度恋に燃え上がると何をしても貫き通そうとする血が流れているらしいね」<br>「私にも？」<br>「もちろん、お前にも」<br>　当たり前だろうと頷かれ、そうだったらいいのにと思うのと同時に、胸の奥がずきりと痛む。初めて恋をした人と、そんな風に思いを貫き通せれば良かったけれど……どうやら自分には無理だったみたいだ。<br>　そんな風に弱々しく瞳を伏せれば。<a target="_blank" href="http://www.coocshop.com/ViewProduct.asp?id=177">Ｖ２６即効ダイエット</a> <br>「エルシア。恋というのは、一度限りの物ではないよ。私だって、グロリアが初恋だったわけではない……グロリアの方もね」<br>「そうかしら…」<br>「そうだとも。私はお前に幸せになって欲しい。今すぐには無理だとしてもいつか、小さな出来事など問題とならないほどの恋をお前がして、私の手元を飛び立っていきたいと願うなら、私はいつだって祝福するよ」<br>　今の自分には夢のような話だ。文字通り、夢物語のようにしか思えない。<br>　傷物の娘でも、そうした恋が出来るのかしら。そんな卑屈な感情が胸の内に込み上げてくるけれど、口にすれば父を悲しませる。あれからずっと自分の側で支えてくれる父を、これ以上悲しませたくはない。<br>　曖昧に微笑んで、エルシアはセシルの手を借りながら、これからしばらく自分たちが暮らす屋敷を見上げた。<br>　泣き暮らしている間にすっかりと弱ってしまった身体は、今は歩くだけでふらつく始末だ。それでもここ数日で随分マシにはなったのだ。一時は寝台から起き上がる事さえ辛い有様だったのだから……支えを得ながらでも、自分の足で歩けるだけ、随分な回復だ。<br>　それもこれも、父があの時の抱擁から後、ずっと朝も夕も食事を共に取るようにしてくれたせいだ。一人で無理に食事を取ろうとするとどうしても喉を通らないものも、父が共にいて、時折小さな子供だった時のように口元にスープやパンの欠片を運ばれると、無視をすることも出来ずに自然と口を開いてしまう。<br>　そうしてエルシアが一口でも二口でも食べ物を口にすると、とても嬉しそうな顔をするので、無理をしてでも飲み込まない訳にはいかない。<br>　以前のようにはまだまだ届かず、時間も掛かるだろうが、それでも食べる物を食べれば人の身体は自然と回復するように出来ている。それと同じようにいつかは心の傷も、癒えていくのだろうか。<br>　そんなことを考えながら、ふと視線を向けた先、入り江を見下ろす切り立った崖の上に立てられた石碑が見えた。<br>　崖の上から周囲の海や町並みを見下ろす、見晴らしの良い場所だ。この屋敷からも目と鼻の先で、今この場所からでもはっきりと見て取れる。<br>　石碑は明らかに人の手で建てられた物で、きちんと手入れされているらしく海風を直接浴びながらも痛みは少なく、不思議と風景に溶け合うように鎮座しているその石碑が、目についた。<br>「お父さま、あれは…？」<br>　問われて同じ場所に目を向けた父が、ああ、と頷いてほんの少し痛ましげに瞳を伏せる。<br>「慰霊碑だよ」<br>　そして返ってきたその答えに、エルシアも口を噤んだ。<br>「今から七年……いや、もう八年かな。海軍に追い立てられた手負いの海賊が、港を襲った事があったんだ」<br>　その時、港に滞留していた兵は、訓練施設があるとは言っても数名の教官と防衛兵以外は訓練を受け始めたばかりの少年しかいなかった。<br>　当時は港を防衛するに充分な数の兵も配備されていなかった。<br>　最低限の兵も、当時近海を荒らした海賊討伐に駆り出され、この場所は無防備になっていた。<br>　その時の戦いの中で犠牲になったのが、訓練生であった少年達だ。海賊達はやっと操舵技術を覚え始めたばかりの少年達を執拗に追い立て、船を壊し、当時六十名いた訓練生達の内、半数を海に叩き落とし、残り半数を拘束して言葉にすることも憚るような手段でなぶり殺しにしたのだ。<br>　ある者は四肢を切り落とされ、ある者は目を抉られ、ある者は舌を抜かれた。互いに剣を持たせ、訓練生同士で殺し合いをさせられた者もいたし、ひたすらに薄皮をそぐように皮膚を切りつけられて、文字通り身を削り取られて死んだ者もいる。<br>　それから三日後、駆けつけた海軍の正規兵達が海賊の討伐に成功したが、そこら中で年若い少年達の遺体が晒されていた惨状は見るも無惨な有様で、結局六十名の訓練生の内、命ある状態で助けられたのはたったの三人だった。<br>　そのうちの一人も助けられて数日後に、負わされた傷が原因で死亡し、最終的に助かったのは二人だけ。小さな港の入り江はまだ十五、六だった五十八人の少年達の血と嘆きに染まったのだという。<br>　その惨劇を、町の名前を取ってビエスタの悲劇と言われている。<br>　ビエスタの港町の人々は、この町が海賊に襲われたのは規模はどうであれ、軍施設があったためだと訴え、無防備な軍施設があればそれを狙われるのは当然のことだと主張した。<br>　だと言うのに充分な対策や防衛もとらず、助けに来るまでにも時間を要し、その結果前途ある少年達が犠牲になったのは軍と国の責任だとも。<br>　また、犠牲になった少年達の中には貴族出身の者も多く、子を失った貴族家が声を上げて非難したせいもあり、当時は大きな問題となって、ビエスタの港町からは犠牲になった少年達を最後に訓練生の姿が消えた。<br>　現在は訓練施設は主要港へ移され、厳重な軍の管理下に置かれていると聞く。ビエスタの町も、襲われた際の緊急連絡手段や防衛対策が立てられ、時と共に悲劇には一応の決着がついたそうだ。<br>　あれからビエスタが再び襲われることはなく、以前と変わりない静かな港町として存在している。<br>　八年の月日の中で悲劇を口にする者も減り、軍関係者の中でも話題に上ることは殆どなくなり、やがては歴史の一部として記録書に残され、多くの人の記憶から忘れ去られていくのだろうと、父が語ったその言葉が、酷くエルシアの胸を重くした。<br>　それだけの悲劇を忘れてしまうのは酷いように思う。でも人は日々、生きている……いつまでも過去ばかりを見続けているわけにも、行かない。<a target="_blank" href="http://www.coocshop.com/ViewProduct.asp?id=189">V26Ⅲ速效ダイエット</a> <br>「でも、ちゃんと忘れていない者もいるのだろう。その証拠にこの慰霊碑はきちんと手入れがされている。それに花を手向ける者もいるようだ」<br>　言われて視線を落とせば、確かに慰霊碑の足元に小さな白い花が一輪残されていた。まだしおれていない、新しい花だ。<br>　恐らくエルシア達よりも先にここに来て、花を手向けて行った者がいるのだろう。そう思うとなんだか、少しだけ救われた気がする。一体誰が、この小さな花を手向けていったのだろう。<br>　ほっと息をついたその瞬間、崖の下から突き上げるような海風が吹く。髪やドレスの裾を煽られ、ぐらついた身体を父に支えられて慰霊碑から視線を外したほんの数秒。<br>　風が落ち着いて、再び慰霊碑に目を向けた時、エルシアの胸に小さな痛みと切なさが走った。先ほどの風に吹き飛ばされたのか、手向けられた白い花はその花弁一枚すら残すことなく、その場から消え失せていたから。<br><br>消えてしまった花の行方を気にするエルシアの背後では、使用人達が忙しく屋敷の中へと荷物を運び込んでいる。<br>　父が友人に借りたという屋敷は、しばらく主人の訪れが途絶えていたようで必要最小限の手入れしかされていない。使用人も中年のメイドとその夫である従僕が夫婦が二人で管理しているのみで、到底それでは屋敷の管理に手が回らない。<br>　事前にそう言った話は聞かされていたので、事前に幾人か先行させていたし、それなりの使用人を共に連れてきたが、整えられたのは本当に最低限の場所のみで、予想以上にこの屋敷を住み良い場所に整えるには手が掛かりそうだ。<br>　しかし屋敷としての物は良いので、きちんと磨く物を磨き、整理する物を整理して整えれば、充分快適に滞在することは出来るだろう。<br>　到着早々、荷ほどきやら屋敷の掃除やらで使用人達が働き出している中、エルシアが通された部屋は屋敷の中でも一番南向きの日当たりの良い部屋だった。<br>　この部屋はすぐにも生活できるようにきちんと整えられている。恐らく父と、エルシアの使う部屋、そして正面とエントランス部分を最優先に手を入れたのだろう。<br>　本来なら王都の屋敷で、きちんと決まった仕事を行うだけで良かったはずなのに、突然この場所にまで連れてきて、余計な仕事を増やしてしまったことは使用人に申し訳なく思う。<br>　けれど誰一人嫌な顔をすることはなく、むしろ笑顔で精力的に働いてくれている。優しい人々の協力に感謝しながら、エルシアは自分の部屋の、一番奥の窓際へと歩み寄った。<br>　覗き込んだ窓からは、燦々と太陽の光が差し込み、室内を明るく照らし出している。<br>　その窓の向こうに、先ほど外で見たばかりの慰霊碑とそこに続く小道が見えた。慰霊碑のさらに向こう側には碧い海と空が広がっており、眺めていると、どこまでもどこまでも水平線の彼方まで飛んで行けそうな気分になる。<br>　太陽の光を弾いて、水面がキラキラと輝いて見える。この美しさを目にすることが出来ただけでも、この港町に来て良かったと、そう思えた。<br>「エルシア様、こちらの部屋着にお着替え下さい。長く馬車に揺られ、お疲れでしょう？　この後すぐにお茶をご用意しますね」<br>　セシルの手を借りて、楽な部屋着に着替えて旅装を解く。疲れているかと聞かれればその通りで、衰えた身体は今すぐにでも腰を降ろしたソファに沈み込んでしまいそうだ。<br>　しかし気持ちが幾分高揚しているせいか、その疲労をあまり辛いとは感じない。<br>「ありがとう。お茶を用意してくれたら、あなたも他の皆の手伝いに行ってくれて大丈夫よ？　皆なかなか、手が回らないでしょう」<br>「それはそうですが……」<br>　セシルが躊躇いを見せるのは、ついて早々の屋敷にエルシアを一人残し、彼女から目を離してしまうことに不安を覚えているからだろう。一番目が離せなかった時期に比べれば、少しは落ち着いたとは言え、彼女の目にはまだまだエルシアの様子は安堵出来る物ではない。<br>　確かにまだまだ彼女の手を借りなくてはならないことは多い。今は少し落ち着いていても、何かをきっかけにまた気持ちの揺れが大きくなり、不安定な状態になりかねないという自覚はある。<br>　でも、それを理由にいつまでもセシルを縛り付けていては、彼女の方も潰れてしまう。<br>「少しくらい一人でも大丈夫よ。何かあれば、すぐにあなたを呼ぶわ。少し皆の手伝いをしながら、おしゃべりと息抜きをしてきて」<br>「エルシア様……」<br>「大丈夫。本当に、何かあればすぐに呼ぶから」<br>　繰り返し告げられて、迷うようにセシルは瞳を伏せた。だがすぐに彼女も、エルシアにも一人の時間が必要だろうと考えたらしい。<br>「…判りました、では少しあちらの方を手伝って参ります。ご用がありましたら……ご用がなくても、いつでもお呼び下さい」<br>「ええ」<br>　お茶の支度を調えて、カップをエルシアの前に用意した後で、それでもまだ少しだけ心配そうな彼女の背を見送る。自分一人だけになり、静まり返った部屋の中に唯一聞こえるのは、窓の外から微かに聞こえる波の音だ。<a target="_blank" href="http://www.coocshop.com/ViewProduct.asp?id=191">御秀堂養顔痩身カプセル第２代</a> <br>　ざあ、ざあと。<br>　母はこの町で産まれ育ったと聞いている。父と共にこの町を出るまで、ずっと同じこの波の音を聞いて過ごしていたのだろうか。<br>　どんな気持ちで聞いていたのだろう。そして、どんな気持ちで父に恋をしたのだろう。<br>　辛い事はなかったか、迷うことはなかったか。<br>　今、母が生きていてくれていたら、聞きたいことが沢山あったのに。<br>　両手で持ち上げたカップの中に、ぽつりと涙がひとしずく落ちる。望んだ場所に着いたばかりで、すぐに感傷的になるなんて嫌だわと、カップをテーブルに戻しハンカチで涙を抑える。抑えた側から、またひとしずく落ちる。<br>　仕方なく、行儀が悪いと判っていたが、ソファにころりと身を横たえると、そのままの姿勢で少し泣いた。<br>　自分が何故泣いているのかも良く判らないまま涙を零し、その涙がようやく落ち着いて、再び身を起こせば窓の外に見えるのは、先ほどと同じ碧い海と空。<br>　綺麗な青い色が、少しずつエルシアの心に差し込んでくる。<br>　自分はきっと、この海と空が好きになるだろう。<br><br><br><br>　海辺の屋敷での新たな生活は、静かに数日が過ぎた。こちらにやってきてもエルシアが外に出ることは殆どなく、生活も特別な変化は見せなかったが、今までと違ったのは窓辺に寄せた椅子に腰を降ろして、暇さえあればずっと海を眺めている事だろうか。<br>　昼間は美しく見えた海も、夜になれば真っ黒で何もかもを飲み込んでしまいそうな恐ろしさを感じさせる。<br>　昼と夜とで全く違う顔を見せるそれを、飽きもせず眺め続ける。<br>　静かに過ぎて行くエルシアの時の中で、一つ小さな変化が起きたのは屋敷に到着して四日後の昼間だった。<br>　海と空を眺めるのと同じように、なんとはなしに慰霊碑も視界に収めていた。まるで何かの物語の挿絵のようにしっくりくる景色の中に、ふと一人の登場人物が現れたのだ。<br>　見えたのは小道を上がっていく後ろ姿で、エルシアの部屋の窓からでは顔まで判別する事は出来ない。ただ、若い青年なのだろう。濃い蜂蜜のようなハニーブラウンの髪の白衣に身を包んだ青年が、慰霊碑に向かって真っ直ぐに歩いて行く……その手にしているのは、小さな花束だろうか。<br>　青年は慰霊碑の元まで辿り着くと、その足元に花束を置いて、僅かの間黙祷を捧げたようだ。時間にしてほんの数分……たったそれだけの時間が過ぎると、すぐに慰霊碑に背を向けて、今度は正面を向いて先ほどとは逆方向に小道を遡っていく。<br>　風が吹いたのか、青年の羽織っている白衣の裾が大きく揺れた。海から吹き付けてくる風は強く、一瞬彼は足を止めて手で顔を覆う。何か砂でも目に入ったのかと、恐る恐る様子を伺っていると……ふと、その顔が上を向いた。<br>　つまりは、エルシアのいる窓の方へ。<br>　瞬間、ギクリと心臓が締め付けられて、慌てて身を伏せるようにして窓から自分の姿を隠す。ドキドキと激しく脈打っているのは、恐怖の為だ。<br>　父を相手に恐怖を感じることはもうなくなり、家の使用人ともごく短い言葉なら交わせるようになったけれど、エルシアはまだ異性が怖い。特に、ブライアンと同じ年頃の青年は尚更に。<br>　誰もが彼と同じような真似を自分にするとは思っていない、思っていないけれどこの恐怖は理屈ではない。<br>　蹲りながら、まるで胸の内側で抗議するように激しく脈打つ鼓動を、必死に押さえ込むように両手で胸を押さえて目を閉じる。<br>　知らぬうち、肌を濡らすように吹き出た冷たい汗が、額から滑り落ちて、ぽつりとスカートに落ちた。<br>　じわりと滲む涙を堪え、奥歯を噛み締めて襲ってくる恐怖を何とかやり過ごし、ようやく顔を上げられるようになるまでにどれほどの時間が掛かったのか。<br>　ゆっくりと緩慢な動作で身を起こし、怖々と窓から外を再び覗き込んでみると……そこにはもう、先ほどの人の姿はない。きっとすぐに立ち去ってしまったのだ。<br>　そのまま視線を慰霊碑の方に向けて見ると……知らぬうち、あっと小さな声が漏れていた。<br>　そこに先ほどの青年が捧げていたはずの花束がそっくりなくなってしまっている…ように見える。少なくともどんなに目をこらしてみても、それらしい物は見えない。<br>　先ほどの強い風でまた、吹き飛ばされてしまったのか。ただ置かれただけの花では、強い風に抗う事など出来ないだろう。<br>　折角手向けた花なのに。何故だか自分が捧げた花が飛ばされてしまったような、そんな悲しさを覚えて瞳を伏せた。<br>　残念に思っていたエルシアだったが、それから再び三日後に、再び青年は慰霊碑の元に現れた。先日と同じように白衣姿で、先日とは少し違う色の花を手に真っ直ぐに慰霊碑に歩み寄り、花と黙祷を捧げては、ほんの数分で立ち去ってしまう。<a target="_blank" href="http://www.coocshop.com/ViewProduct.asp?id=193">韓国痩身一号</a> <br>　さらに二日後。<br>　そして今度は次の日。<br>　かと思えば、その次は四日後。<br>　特に慰霊碑の元へ訪れる日にちやサイクルは決めていないのか、訪れる時間も朝だったり、昼だったり、夕方だったりとまちまちだ。<br>　それでも、こまめに通っては花を捧げ、黙祷を捧げて、時にその慰霊碑の石を撫でていく。あの慰霊碑に何か強い思い入れがあるのだろうと言う事は、見ているだけでも良く判る。<br>　彼が捧げた花は、すぐに風に浚われてしまうこともあれば、一、二時間ほどはその場を彩ることもある。ただやはり、最後はいつも同じ。吹き抜ける強い風で、海へと流され消えていく。<br>　折角捧げる花なのに、花が飛ばされないようにと工夫することもなくただ置いて行く彼は、花が海に浚われるのをそれでよしと考えているのだろうか。<br>　エルシアなら、出来るだけ長くその場を飾って欲しいと思うのに。<br>　とうとうエルシアが躊躇いながらも、元々この屋敷で働いている夫婦の内、妻のマイラに尋ねたのは、半月が過ぎた頃だ。<br>「慰霊碑に通ってくる男性？　ああ、それは町医者のレイニー先生ですよ」<br>「……お医者さま…？」<br>「はい。…ビエスタの悲劇はご存じですか？」<br>「え、ええ……お父さまから聞いているわ」<br>　そうですか、と呟いてマイラはその瞳を痛ましげに伏せてみせる。<br>「先生は、そのビエスタの悲劇の生き残りです」<br>「……」<br>　生き残り。海賊に襲われ、なぶり殺しにされた少年達の中で、たった二人だけ助かったと言う、そのうちの一人。何となく、様子からそうなのかも知れないと思っていたけれど、どうやら本当にその通りだったらしい。<br>「本当に酷い事件でした。あの事件を目撃して、忘れた者などこの町にはいませんよ、ただ思い出すと辛くなるから皆、忘れたふりをしているだけです」<br>　マイラの話では、事件の後助かった少年三人は酷い傷を負っており、その傷のせいですぐに都へ運ぶことが出来ず、当時の町にいた医者の手で手厚い治療を受けたそうだ。<br>　残念ながら一人は助からなかったが、残り二人は命を拾い、どうにか移動できる状態になった後で都へ転院して行ったらしい。<br>　それきり彼らは二度とこの港町に来ることはないだろうと思っていたが、内一人が二、三年後に傷を癒やしてこの町に戻り、そのまま自分を救った町医者の元に頼み込んで、彼の元で学ぶようになったそうだ。<br>　学ぶなら、都で学んだ方が遙かに高い知識が身につけられるだろうに、何故彼がわざわざ、辛い記憶のある港町に戻り、優れた医者であったのは間違いないが、ただの町医者でしかない老人の元で、軍人よりも医者となることを選んだのかは判らない。<br>　ただ、やはりあの時の事件が原因であることは間違いないだろう。彼にとって、犠牲になった少年達は、同じ場所で同じ時間に寝起きをし、共に学んだ友人であり仲間であるのだから。<br>「それからずっと、先生はこまめに慰霊碑に通って、花を捧げていくんですよ。失った友人達と、何か話でもしているのかもしれませんねえ…」<br>　そしてマイラは、慰霊碑の手入れをしているのは自分だと言った。何も出来る事はないけれど、せめて若い医者が気持ちよく昔の友人達に会いに来る事が出来るようにと、月に一度か二度掃除を行っているらしい。<br>　そのせいでマイラは、彼と親しいそうだ。<br>「優しい、素敵な先生ですよ。若いのに腕も良いと町でも評判です。お嬢様も、何かお身体でお辛い事があればご相談なさってはいかがですか？　よろしければ私から先生にお話ししてみましょうか」<br>「い、いえ、私は……いいの。ごめんなさい、ありがとう……」<br>　マイラはエルシアの心の傷の理由を知らない。ただ少し身体の調子を壊し、療養の為と聞いているから親切心でそう言ってくれているのだろう。<br>　まさか若い男性が怖いのですとは言えず、この時エルシアは曖昧に微笑むしかなかった。<a target="_blank" href="http://www.coocshop.com/ViewProduct.asp?id=204">天天素</a>
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<pubDate>Tue, 18 Aug 2015 18:04:30 +0900</pubDate>
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