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<title>日常創造図。</title>
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<description>ひとひろが運営する日常ブログです。</description>
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<title>ダンサー・イン・ザ・ダーク</title>
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<![CDATA[ <p>最近思ったこと。何も言わずに一人で立てるようにならないといけない。</p><p>この年にして学ぶとは思いもせなんだ。</p><br><br><br><br><p>ということで久しぶりに映画の感想をば。</p><p>今回は『ダンサー・イン・ザ・ダーク』（ラース・フォン・トリアー監督、ビョーク主演）を観ました。</p><p>以下ネタバレです。</p><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><p>評判では救いがない、とか重い、といった感想を聞いていたけども、いざ観てみると…うーん確かに重い。</p><p>でもそれは話の展開が重いのであって、感情の話をすると実に素晴らしい作品だと思う。</p><p>後味が悪いとも感じなかった。</p><p>多分セルマが自分の気持ちを貫いたからなんだろうな。</p><br><p>母親としての強さとセルマという人間の弱さがいいバランスで描かれている。</p><p>そして悲しいぐらいまっすぐで正直だ。これがものすごく印象に残った。</p><p>自分のために自分を守ろうとする描写はない。保身ではなくて、自分の大切な人のために、空想によって自分の精神を保っている。こうした意味で自分を守り自分の足で立つことは強さの一つだ。結局それも大切な人のために自分の身体が必要であるだけのことだから。捨て身だ。</p><p>自分を裏切ったビルですら、過去のことで恩義を感じて、一切黙っている。（そういえばリンダはビルから嘘をいわれてそれを信じただけで、最初からセルマを陥れようとしたわけではないんだよな…。もとの性格に問題はあるけれど）</p><p>親にいいつけられた子供のように、秘密を守り、しかし金のことは正直に話す。つじつまを合わせようとすらしない。</p><p>嘘をついていたことといえば貯めていた金をいないはずの父親に送金すると言ったことだけ。これも息子のためだ。</p><p>彼女が愚かなだけに、最後に息子の眼鏡を握らされるシーンはきいた。</p><br><p>「死刑囚の息子」というレッテルを貼られるのに、という感想も見たけれど、もしセルマがそのことも考えていたのだとしたら、彼女はより実感する方を選んだのではないだろうか。目が見えなくなるつらさを身をもって知っているから、そちらの方がより重要だと思い込んだのでないだろうか。</p><p>セルマ自身にとっての苦しみが目が見えなくなることだから、自分の息子に同じ境遇に合わせることは最もつらいことだったのだろう。エゴであり、彼女なりの思いやりでもある。</p><p>結果的には彼女は歪曲した解釈のもとに死刑にされてしまったけれど、ハッピーエンドだ。</p><p>悲劇だとは思うけれど。</p><p>こうして書いてみるとセルマって結構自分のためにも動いているな。人間的な意味で、醜くも美しい女性だ。</p><p>『奇跡の海』、『イディオッツ』に並ぶ「黄金の心」三部作のひとつに数えられているらしいので、他の二作品とも比較してみたい。</p><p> </p><br><p>現実逃避のミュージカルシーンと現実の音楽のないシーンの交錯する演出は観ている側としてはかえって精神的にきた。</p><p>楽しい画面と、せざるをえない彼女の心理を考えるとやっぱりね。しかも仕事に差し支えるぐらいだから相当だ。</p><p>そして効果を出すにはメリハリって大事だなあと思いました。私信。</p><p>裁判所でノヴィと会うシーンで、ああやっぱりこの人の人生の大半はうまくいかないのだと思った。</p><p>空想のシーンも含めて、夢と現実の対比がわかりやすい。</p><br><p>すごく好きな映画だなあ。</p><br><br><br><br><br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/velma15/entry-11592142539.html</link>
<pubDate>Tue, 13 Aug 2013 22:33:08 +0900</pubDate>
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<title>ちょっとだけ</title>
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アメンバー限定公開記事です。
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<link>https://ameblo.jp/velma15/amemberentry-11486430345.html</link>
<pubDate>Sat, 09 Mar 2013 05:08:40 +0900</pubDate>
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<title>MISERY</title>
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<![CDATA[ <p>久しぶりに感想をば。</p><p>ネタバレありなのでスクロール</p><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><p>『ＭＩＳＥＲＹ』　ジェームズ・カーン主演、ロブ・ライナー監督作品</p><p>制作が90年ということで、だいぶ昔の作品。勧めてくれた人がいたので観てみた。</p><br><p>あらすじを聞いた時は実際にありそうで恐いなあと思っていたが、本当に恐かった･･･。</p><p>アニーの異常性が垣間見える、文字通り「垣間見える」キャシー・ベイツの演技は圧倒されてしまった。アカデミー賞を受賞したと聞いて納得。</p><p>ポールが手負いでハンディがでかいシチュエーションはものすごくはらはらした。そして案の定怒ったアニーが危害を加えてくるシーンはとても見ていられなかった。視覚的に。</p><br><p>スクラップ帳の、病院の赤ちゃんが死亡した記事のところに、可愛い文字とデコレーションで「Another baby」と書いてあったのもものすごく恐かった。彼女の異常性を表すとても上手い演出だと思った。</p><p>愛情も怒りもサイコな部分を持つアニーだからこそ、あそこまで『MISERY』シリーズに対して狂信的だったんだなあ。</p><p>スクラップ帳の使い方がすごくいい。もちろん原作にあったのだろうけど。</p><br><p>恥ずかしながらメイキングを見て初めて気づいたことは、アニーが過去に父親から性的虐待を受けていた、ということ。本編には出てきていないような･･･もう一回見直そう。</p><p>それを知った時、大竹しのぶ主演の『黒い家』を思い出した。人物の異常性や境遇に通じるところがある。</p><p>でもなぜか、「過去があっての異常」に安心してしまう。異常があることには変わりないのだけれど。</p><p>そしてアニーが自分のしたことに対しての見返りを強く求めること、無償の愛を知らないこと、これが虐待を受けた過去と強く結びつく。愛情があれば、自分の満足のいく結果が待っていれば、その対象や媒体はどうでもいい、といったふうなとても孤独な女性であることがわかる。ちょっと違うけど、餌が欲しいから芸をする像みたいだ。</p><p>満たされることを知らないと、与えることができないという心理というものもあるんだなあ。</p><br><p>ポールの、ヒットシリーズが敷いた路線から抜け出したいという心情、彼なりの作品の終わらせ方、相反する読者の理想像、狂信的なファン･･･。いろいろなものが現実味をおびていて、だからすごく恐い。</p><p>ライナー監督が、「最後のもみ合いのところは歪んだラブシーンのように」と言っていたけれど、確かにアニーの方は彼女なりの愛があったもんなあ。</p><p>カメラワークも人物の心情に沿って動いているとか、アニーと保安官夫婦がワンカットですれちがう（数あるシーンの中でも特に素晴らしいと思った。異常と普通の日常の隣り合わせがとてもうまく表現されている）とか、メイキングで解説されたところもとても勉強になった。ポールは有名だから有名な俳優を、アニーはいち読者だから映画にあまり出ていない舞台女優を、というキャスティングのこだわりなんかも見ていてなるほど、と思った。</p><br><p>遅まきながら観たのだけど、とても面白かった。</p>
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<link>https://ameblo.jp/velma15/entry-11477929544.html</link>
<pubDate>Mon, 25 Feb 2013 00:39:37 +0900</pubDate>
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<title>ブラック・スワン</title>
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<![CDATA[ <p>年内のテストが終わったということで、映画を借りてきました。</p><p>かねてより気になっていた、ダーレン・アノロフスキー監督作品、ナタリー・ポートマン主演の『ブラック・スワン』。</p><p>以下感想＆ネタバレです。</p><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><p>『ブラック・スワン』</p><p>一応スリラー映画というカテゴリになるみたいなのだが、結構ホラーじみた演出だったので戦々恐々として観ていた。しかし同時に、主人公・ニナの崩壊していくさまに強く惹きつけられた。</p><p>これを観て、私は小説の『刺青』とアニメ映画『パーフェクトブルー』を思い出した。あとで調べてみたら、後者の作品に関しては制作後に関わりがあったみたいだ。</p><p>しかし個人的には以上に挙げた二作品よりも、人物の闇の引き出され方が鮮烈だったように思う。生きたまま生皮をはがされるような。</p><br><p>母親の異常な期待、仲間内からの嫉妬や嫌がらせだけでは到底あそこまでは壊れなかっただろう。</p><p>成長という言葉ではぬるい、役にのまれるというのはこういうことなのだなと思ったり。</p><br><p>トマの性的発言に関して、不思議とそこまでいやらしい印象は受けなかった。彼がいくら女性好きだったにせよ、そこに性衝動は感じられなかった（全くなかったといえばもちろん嘘になるが）。観客を、パートナーを誘惑する黒鳥を演ずるにあたって、確かにそういう経験は必要なのだとも納得してしまったせいかもしれない。そして、順序が逆かもしれないが、トマは男である前に芸術家だという印象があった。性慾すらも自分の作品の肥やしにしてしまうような男性。</p><p>そんなトマと、完全にそちら側の人間であるリリーの二人組、そして几帳面で真面目なニナという配置はうまく機能していたと思う。けれど、きっかけを与えられはしたものの、ほとんどニナが一人で黒鳥の役に染まっていった。それは彼女のうちにもともとそういうものが眠っていた、というよりは、彼女の性格故に壊れた結果、という感じがする。『刺青』の場合は少女に開発される余地のある官能が備わっていたという感想を持ったが、こちらは女性視点だったからか、そういう魔性的なものがいくらか少ない。もちろん黒鳥の役を演じるシーンで蠱惑的な色気を感じずにはいられないのだけど。</p><p>うーん…変貌の過程や心理を詳しく見せられるかどうか、の違いなんだろうか。</p><br><p>白、黒、赤というコントラストで映像が飾られていたのも面白かった。ニナの部屋はピンクが基調だったし、きらびやかなシーンもあったはずなのだが、白鳥との白と黒鳥の黒、ニナの血が前面に押し出されている。特にニナの血の表現はいろいろ意味が考えられるよな…。</p><p>抽象的な映像表現はちらほらあったが、ニナの小さな怪我というのは不可解な点が多い。背中の傷は、もともと抱えていたプレッシャーや重みの象徴だったんだろうか。それが消えたとき、彼女はもう以前の彼女じゃなかった、ということなんだろうか。うーむ。</p><br><p>中盤まではとても面白く観れたが、終盤の方は正直小さくまとまってしまった感が否めなかった。</p><p>そして一番気まずいシーンで母親が部屋に入ってきたのも残念。あはは。</p>
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<link>https://ameblo.jp/velma15/entry-11431341097.html</link>
<pubDate>Thu, 20 Dec 2012 22:05:49 +0900</pubDate>
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<title>衝動的ですが</title>
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<![CDATA[ <p>たった今、ニュースでプロボクサーの井上尚弥さんのことが特集されていて、つい興奮してしまったので書きとめておく。</p><br><p>普段ボクシングを見ないので、彼の名前はさっき初めて知った。</p><p>ボクシングのルールや了解などはわからないけれど、彼の所属するジムの会長である大橋さんの解説で、すごく興味をひかれた。避け方や攻撃の速さが素直にかっこよかった。</p><br><p>そしてそこに辿り着くまでの道のりやお父さんとの関係に、感動すると同時に尊敬した。</p><p>試合の流れをアドバイスするお父さんの真意を汲めるってすごいことだ。あと井上選手が大人びていて本当に19歳かと。</p><br><p>やっぱり何かに一生懸命取り組んでいると、精神的にも磨かれていくものなんだろうなと偉そうなことを思ってしまった。</p><br><p>いつにもまして稚拙な文章になってしまったけれど、あまりに感動したので。</p>
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<link>https://ameblo.jp/velma15/entry-11408513406.html</link>
<pubDate>Mon, 19 Nov 2012 23:07:09 +0900</pubDate>
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<title>さびしいまる、くるしいまる。</title>
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<![CDATA[ <p>電車の中で集中して読むと頭が痛くなる…。</p><p>今日読んだ本。以下感想です。</p><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><p><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%81%95%E3%81%B3%E3%81%97%E3%81%84%E3%81%BE%E3%82%8B%E3%80%81%E3%81%8F%E3%82%8B%E3%81%97%E3%81%84%E3%81%BE%E3%82%8B%E3%80%82-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E4%B8%AD%E6%9D%91-%E3%81%86%E3%81%95%E3%81%8E/dp/4044125260/ref=sr" target="_blank">中村うさぎ　『さびしいまる、くるしいまる。』</a> </p><br><p>中村さんのエッセイはまだいくつかしか読んでいないが、やっぱり面白い。</p><p>ショッピングの女王などの異名を持つ中村さんだが、ここではホストクラブ通いの日々を綴っている。</p><p>正直私もホストクラブと聞いてあまりいいイメージを持っていなかったのだが、中村さんの苦悩や葛藤の軌跡を通じて、いろいろと考えさせられた。ホストクラブそのもののイメージというか、ホストクラブに金を注ぎ込む客の気持ちについてのイメージが変わった。</p><p>裏表紙の紹介欄で興味をひかれ、ついページをめくってしまっていたのだが、気になっていた結末はほんのおまけのように思えた。中村さんがホスト通いを通してわかったことの方が大きくて。</p><br><p>今まで、ホストクラブといって思い浮かぶのは自分の指名したホストをナンバー入りさせるためにシャンパンを注文する女性と、笑っているホストの男性。私は、女性がホストクラブに何を求め、何を買いに来ているのか、店の競争に加担することのどこに歓びを感じているのかわからなかった。</p><p>だが、中村さん本人による体験を読んで、その内側がわかった気がする。これはあくまで中村さん個人の記録であるが、少なからず心理的に共通するところはあるのだろう。どのお客さんにも。</p><br><p>文庫版あとがきの内容が（指名ホストの実情が明らかになる点が）不思議と薄く見えてしまうのは、中村さんがそれまでにたどった道のりがあまりにどろどろしていたからだろうと思う。自分と向き合い、自分を書く。自分しかいない世界に気がつき、ホストに自分を重ね、ひきくらべ、自分、自分、自分・・・。</p><p>それを書いた中村さんを私は尊敬する。彼女の激しい浪費や遊びを表面だけで笑うことはできない。</p><p>なかば反面教師でもあるけれど。</p><br><p>だから理想を重ねたホストがどんな所業をはたらいていようが、読後感はあまり変わらなかった。</p><p>この本にはあまりホスト本人のことを書いていないから。これがそのホスト自身のことをどんなに愛したかとか、盲目な文章であったなら、ラストの衝撃も大きくなろうが、いかんせん中村さんが終始自分を見つめ通しているので、特に大きなインパクトがあるわけでもなかった。じんわりとした哀しさや切なさが残るエッセイだった。</p>
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<pubDate>Sat, 15 Sep 2012 00:43:59 +0900</pubDate>
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<title>心機一転</title>
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<![CDATA[ <p>ブログをすっきりお掃除しました。</p><p>内容は今までとあまり変わり映えはしないと思いますが、またつらつらと日記をしたためていきたいと思ってます。</p><br><p>ついさっき解説を読み終わったので読書感想文をば。</p><p>ネタバレ含みます。</p><p><br><br><br><br><br></p><br><br><p><br><br><strong><a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%A4%89%E8%BA%AB-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%84-%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%AB/dp/4102071016/ref=sr_1_1?s=books&amp;ie=UTF8&amp;qid=1347637280&amp;sr=1-1" target="_blank">フランツ・カフカ　『変身』</a></strong></p><p><strong><br></strong></p><p>講義で聞いて以来ずっと気になっていたカフカを読んだ。</p><p>まさに不条理。ザムザが巨大虫になったことに対して、現実にとられ得る反応は描写されるにも関わらず、本人も周囲も、人間が虫に変わった、という現象についての原因や根拠を言及しない。あまりに自然に触れられていないので、読んでいる私もついその異常な事態を忘れてしまう。人間だった頃の記憶は妄想である気すらしてくる。</p><br><p>カフカがオトマル・シュタルケに扉絵を描かせなかった理由、自分の考えた扉絵の案を見ていると虫に変身したのは比喩であるのだと思う。カフカが解釈の統一を望んでいない節がある以上、作者の生い立ちと作品をむやみに重ねようとは思わないが、やはりそういう要素を抜きにして考えることは難しい。カフカの父親・ヘルマンとの相克、社会的孤立、彼の若き日に思い描いた、人生を「虚無として、夢として認識されるように展望」するという願い。巨大な虫に変わるという異常な事態は、そのままカフカの味わった孤独に置き換えることができるように思う。虫に変身してからの家族の反応、カフカが幼い頃に感じていた、自分の存在に対する鈍い苦痛を想像した。ザムザが自分の身を隠したり、家族への気遣いというのが裏返せば自己防衛のように感じられる。</p><br><p>そして作中で父親から投げられた林檎の一撃、それがザムザの身体を蝕んでゆく。それもまた父親との関係が影響しているのかなあ…。林檎による怪我が父親とのやりとりの中で受けた痛みと傷ともとれる。</p><p>「愛情はよく権力の顔をしているものです。」（解説中『カフカとの対話』より）という言葉が、すごく印象に残っている。</p><br><p>ラストも清々しくあえて余韻を残さないのが新鮮でありまた非常に後味が悪かった。</p><p>コレジャナイといった感じだ。</p><p>巨大な虫となったザムザのいない世界。けだものから解放された家族。かつては長男であり、兄であり、一家の働き手であったけだものから。その終わり方が、ある意味リアルだと思った。</p><br><p>『戦場のピアニスト』とか『ヒトラーの贋札』を観たばかりなのでいろんな先入観があったけど、この頃はまだそこまで迫害されていたというわけではないのよね…。面白いというかじわじわくる作品だったなあ。</p><br><p>しかしまあ何かしら作品を見るたびに自分の勉強不足を痛感するなあ…逆にいえば作品を通して学ぶことが多いのだけど。これからももりもり観たり読んだりしよう。</p>
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<link>https://ameblo.jp/velma15/entry-11353376438.html</link>
<pubDate>Thu, 13 Sep 2012 01:02:53 +0900</pubDate>
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