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<title>Westfield Makotoのブログ</title>
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<description>こんにちは！活動はTwitterがメインですが、ブログもやってます。よろしくお願いします。</description>
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<title>うちゅう人が　出た</title>
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<![CDATA[ <p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">2021年にmonogataryに投稿した物語です。</b></p><p dir="ltr"><b>お題：ふしぎなともだち</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><b>『うちゅう人が　出た』</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><b>　ぼくには、スケッチくんと　いう、えが　じょうずで　おもしろい　ともだちが　います。スケッチくんは　こんな　人です。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">●名まえ：スケッチくん。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　ぼくと　おなじ　一年二くみです。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">●とくちょう：ぼうしを　かぶって　いて　からだが　にじのように　きれい。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　おなかと　せ中：えのぐで　できて　いる。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　手と　足：ふでや　いろえんぴつで　できて　いる。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　おしり：けしゴムで　できて　いる。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">●とくいな　こと：スケッチ。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　ぼくたちが　たのむと、しゃしんのように　ほんものそっくりの　えを、十を　かぞえる　あいだに　かいて　くれます。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　たんにんの　林先生の　えを　かいた　ときは、スケッチくんは、えの　うしろに　かくれて　林先生の　はなしかたの　まねを　します。そっくりなので、ぼくたちは　大わらいします。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">●にがてな　こと：しっぱい。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　えを　かきまちがえたり、十を　かぞえる　あいだに　かきおわらなかったり　すると、とても　あわてます。そして、しっぱいを　かくす　ため、えを　おしりの　けしゴムで　けそうと　します。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　ぼくたちは、スケッチくんが　おしりの　けしゴムを　つかわないように、気を　つけて　います。えを　たのむ　とき、どんな　えなのかを　わかりやすく　はなして、スケッチくんが　かきまちがえないように　します。じかんが　かかる　えの　ときは、うたを　うたうように、コーラスを　入れたり、ダンスを　入れたりして、ゆっくり　十を　かぞえます。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　一年二くみに　いい　ことが　あったので　おはなしします。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　ぜんこくの　小学校から　えらばれた　一年生が　日本人うちゅうひこうしの　田中さんと　おはなしできる　ことに　なりました。インターネットで　うちゅうと　小学校とを　つないで　おはなしを　するのです。その　ようすは、テレビで　ほうそうされます。　林先生が　もうしこむと、ラッキーな　ことに、一年二くみが　えらばれたのです。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　ぼくたちは　いちばん、さいごに　しつもんを　します。それなのに、はじまる　まえから　ドキドキして　いました。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　林先生は、ぼくたちよりも　ドキドキして　いました。その　ため、ぼくたちの　じゅんばんが　もう　すぐ　はじまる　ときに　なって、「きんちょうして　トイレに　いきたく　なりました。もう　がまんできません。」と　いって、きょうしつを　出て　いって　しまいました。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　テレビの　アナウンサーも、カメラマンも「林先生が　いないので　こまった　こまった。」と　いって　います。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　ぼくは、スケッチくんに　こう　いいました。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">ぼく：「いそいで、林先生の　えを　かいて。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">スケッチくん：「うん、わかった。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　スケッチくんが、林先生の　えを　かきました。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">ぼく：「カメラマンさん、スケッチくんが　かいた　えを　林先生の　かわりに　うつして　ください。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">カメラマン：「よし、やって　みよう。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　インターネットが　つながって、田中さんとの　おはなしが　はじまりました。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　アナウンサーさんが、田中さんに　いいました。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">アナウンサー：「はじめに　たんにんの　林先生を　しょうかいします。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　カメラマンさんが、スケッチくんが　かいた　えを　うつしました。　スケッチくんは　えの　うしろに　かくれて、林先生の　まねを　しました。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">スケッチくん：「こんにちは。ぼくが、たんにんの　林先生です。よろしく　おねがいします。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">田中さん：「こんにちは。田中です。あれ　おかしいな。まわりは　いろが　ついているのに、林先生だけ、かおも　からだも　白と　くろだけで、まるで　ジャイアントパンダみたいですよ。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　スケッチくんは、いろを　ぬりわすれて　いたのです。スケッチくんは、しっぱいしたと　おもって、おしりの　けしゴムを　つかいそうに　なりました。このままでは　スケッチくんの　おしりが　テレビに　うつって　しまいます。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　ぼくは、カメラの　まえに　立って　えを　かくしました。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">ぼく：「田中さん、すみませんが、十を　かぞえる　あいだ、まって　いて　ください。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　そして、ぼくたちは、ダンスを　おどりながら、十を　かぞえました。カメラマンさんが、その　ようすを　うつして　くれました。十を　かぞえる　あいだに、スケッチくんは　いろを　ぬりおわりました。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　カメラマンさんが　スケッチくんの　えを　うつしました。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">田中さん：「わあ、林先生が、カラーに　なって、かっこよく　なりました。みなさんの　ダンスも　すばらしかったです。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　そう　いって、田中さんは　はく手を　して　くれました。林先生が　いない　ことは　ばれませんでした。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　ぼくたちは、田中さんに　しつもんを　しました。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">ぼくたち：「うちゅう人は　いると　おもいますか？」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">田中さん：「見た　ことは　ありませんが、ぼくは、うちゅう人は　いると　おもいますよ。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　いちばん　ききたかった　うちゅう人の　ことが　きけました。十を　かぞえる　ダンスに　じかんが　かかったので、たくさんの　しつもんは　できませんでしたが、ぼくたちの　しつもんは　ぶじに　おわりました。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　すべての　おはなしが　おわりました。ほかの　小学校の　一年生が　じゅんばんに　あいさつを　した　あと、もう　一ど　ぼくたちも　あいさつを　して、テレビほうそうは　おわります。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　さいごに、ぼくたちが　テレビに　うつって　いる　ときに、トイレに　いって　いた　林先生が、「おそくなって　ごめんなさい。」と　いいながら　きょうしつに　入って　きました。そして、スケッチくんが　かいた　林先生の　えの　となりに　ならびました。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　田中さんが　おどろきました。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">田中さん：「ひゃーっ、林先生が　二人　いる！」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　スケッチくんは　ぜんぜん　わるく　ないのに、田中さんを　おどろかせて　しまったので、じぶんが　しっぱいしたと　おもって、おしりの　けしゴムを　つかいそうに　なりました。このままでは　スケッチくんの　おしりが　テレビに　うつって　しまいます。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　ぼくは、スケッチくんの　おしりを　まもろうと　おもって、こう　いいました。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">ぼく：「まえから　いる　林先生は　ほんものです。あとから　入って　きた　林先生は　うちゅう人で　にせものです。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　そこで、テレビほうそうが　おわりました。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">「テレビに　うちゅう人が　出た！」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">　たくさんの　人が　そう　いいました。日本だけで　なく、せかいじゅうが　大さわぎに　なりました。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-6fe07e1f-7fff-9b59-926c-6455d7fbc3f4">（おわり）</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20230107/13/westfieldmakoto/72/cc/p/o0682068215226647510.png"><img alt="" height="420" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20230107/13/westfieldmakoto/72/cc/p/o0682068215226647510.png" width="420"></a></p>
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<pubDate>Sat, 07 Jan 2023 13:12:19 +0900</pubDate>
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<title>かくれんぼで　アッカンベー</title>
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<![CDATA[ <p dir="ltr"><b>2021年にmonogataryに投稿した物語です。</b></p><p dir="ltr"><b>お題：ふしぎなともだち</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">「かくれんぼで　アッカンベー」</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　ぼくには　けらけらくんと　いう　ともだちが　います。小学校に　入る　まえからの　ともだちで、いちばんの　なかよしです。きょうは、けらけらくんの　ぼうしの　ことで、たいせつな　 はなしあいを　して　います。はなして　いるのは　この　四人です。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">●ぼく。名まえは　上山空。一年二くみ。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">●けらけらくん。　一年二くみ。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　大きな　ぼうしの　くにから　きた　人。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　からだは　りんご一こぐらいの　大きさ。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　ぼうしは、三がいの　マンションぐらいの　大きさ。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">（学校に　くる　ときは、ぼうしを　おりたたんで、キャンプで　つかう　テントくらいの　大きさに　する。）</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　とくいな　こと：力が　つよい。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　にがてな　こと：ぼうしを　とられる　こと。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">● 川口先生。一年二くみの　たんにんの　先生。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　ふだんは　ふつうの　ふくを　きて　いる。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　きょうは　にんじゃの　ふくを　きて　いる。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">●校ちょう先生。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　ふだんは　ふつうの　ふくを　きて　いる。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　きょうは　にんじゃの　ふくを　きて　いる。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　はじめに　川口先生が　はなしました。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">川口先生：「けらけらくんも、この　町の　小学校に　かよって　いるのだから、ふつうの　大きさの　ぼうしを　かぶらないと　いけませんよ。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">けらけらくん：「ぼくは　大きな　ぼうしの　くにの　人なので、大きな　ぼうしを　かぶらせて　ください。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">校ちょう先生：「ほんとうはね、川口先生も　校ちょう先生も　にんじゃの　くにの　人なのです。でも、ふだんは　学校の　きまりを　まもって、ふつうの　ふくを　きて　います。だから、大きな　ぼうしの　くにの　けらけらくんも、ふつうの　大きさの　ぼうしを　かぶらないと　いけませんよ。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　けらけらくんは　こまって　しまって　へんじが　できません。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">校ちょう先生：「では、こう　しましょう。先生たちの　チームと　きみたちの　チームで　かくれんぼを　します。きみたちが　かったら、けらけらくんは　大きな　ぼうしを　かぶる　ことが　できます。先生たちが　かったら、ふつうの　大きさの　ぼうしを　かぶらないと　いけません。それで　いいですね？」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">けらけらくん：「はい。それで　いいです。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">ぼく；「ちょっと　まって　ください。先生たちは、にんじゃの　ふくを　きて　いるので、かくれやすいです。けらけらくんは　ぼうしが　大きいので、すぐに　見つかって　しまいます。だから、かくれんぼで　きめるのは　ずるいです。ほかの　ゲームに　して　ください。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">校ちょう先生：「けらけらくんは、かくれんぼで　いいと　いいましたよ、上山くん。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">川口先生：「そうです。もう、かくれんぼに　きまったのです。ぜんぜん　ずるくは　ありませんよ、上山くん。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　そう　いって、校ちょう先生と　川口先生は、「ムヒヒヒヒ」と　わらって、ぼくに　アッカンベーを　しました。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　ぼくは　先生たちには　まけたく　ありません。よ〜し、かくれんぼで　ぜったいに　かって　やるぞ！</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　かくれんぼは　森林こうえんで　する　ことに　なりました。森林こうえんなら、大きな　木が　あるので、けらけらくんも　かくれる　ことが　できます。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　ほかの　先生も、一年生の　みんなも、おうえんの　ために　森林こうえんに　きました。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　かくれんぼを　はじめようと　した　とき、一人の　おまわりさんが　ぼくたちの　ほうに　はしって　きました。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">おまわりさん：「森林こうえんで　あやしい　にんじゃが　テントを　はって、キャンプを　して　いると　いう　でんわが　ありました。あなたたちが　その　にんじゃですね？」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">校ちょう先生：「いいえ。わたしたちは、 にんじゃの　ふくを　きて　いますが、ほんとうは　小学校の　先生です。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">けらけらくん：「これは　テントでは　ありません。これは　ぼくの　ぼうしです。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　そう　いって、けらけらくんは、じぶんの　ぼうしを　ひろげたり、おりたたんだり　して、おまわりさんに　見せました。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">おまわりさん：「その　ぼうしは　大きいですよね。森林こうえんに　大きな　ものを　もって　入っては　いけませんよ。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　校ちょう先生と　川口先生は、かくれんぼを　する　わけを　おまわりさんに　せつめいしました。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">校ちょう先生：「子どもたちとの　やくそくなので、きょうだけは　森林こうえんで　かくれんぼを　させて　ください。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">おまわりさん：「う〜ん、こまったなあ。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">けらけらくん：「しかた　ありません。かくれんぼは　やめましょう。この　町の　小学校では、大きな　ぼうしを　かぶる　ことが　できません。だから、ぼくは　大きな　ぼうしの　くにの　小学校に　てん校します。みなさん　さようなら。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　けらけらくんが　てん校すると　いったので、大さわぎに　なりました。校ちょう先生と　川口先生は、ショックで　からだが　石のように　かたまって　うごけません。一年生の　みんなは、けらけらくんに　「てん校なんて　しないでよ。」と　いいました。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　ぼくは　たいへんな　ことに　なったと　おもいました。その　とき、おまわりさんが　こう　いいました。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">おわまりさん：「けいさつかんは　からだを　きたえて　いるので　力が　つよいです。けらけらくんと　二人でなら、ぼうしを　もっと　小さく　おりたたむ　ことが　できる　はずです。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　おまわりさんと　けらけらくんは　力を　あわせて　ぼうしを　おりたたみました。二人で　うん、うん、力を　こめて　おりたたむと、ぼうしが　おべんとうばこぐらいの　大きさに　なりました。その　上に　ふつうの　大きさの　ぼうしを　かぶせると、けらけらくんの　あたまに　ぴったり　はまりました。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">おまわりさん・けらけらくん：「これなら、だいじょうぶですか？」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">校ちょう先生・川口先生：「はい。ふつうの　大きさの　ぼうしを　かぶって　いるので、それなら　だいじょうぶです。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　みんなは　はく手を　しました。やった！　けらけらくんは、大きな　ぼうしを　かぶったままで　学校に　かよえるのです。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">「けらけらくんは　てん校しなくても　だいじょうぶだね。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　そう　いって、みんなは　よろこびました。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　さいごに　みんなで　きねんしゃしんを　とる　ことに　なりました。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　カメラマンやくの　おまわりさんが　カメラを　かまえると、校ちょう先生が　おまわりさんに　いいました。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">校ちょう先生：「一年生の　みんなは　ぼうしが　にあう　人ばかりです。おまわりさん、かっこよく　とって　あげて　くださいね。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　そう　いって、校ちょう先生と　川口先生は　「ムヒヒヒ」と　わらいました。ぼくたちを　からかって　いるのです。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">　一年生の　みんなは、校ちょう先生と　川口先生に　むかって　アッカンベーを　しました。みんなが　アッカンベーを　した　しゅんかんを、おまわりさんが　じょうずに　しゃしんに　とって　くれました。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-f1238539-7fff-26cc-6bc2-20a48f484c72">（おわり）</b></p><p dir="ltr"><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20230107/12/westfieldmakoto/36/a3/p/o0559055915226638795.png"><img alt="" contenteditable="inherit" height="220" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20230107/12/westfieldmakoto/36/a3/p/o0559055915226638795.png" width="220"></a></p>
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<pubDate>Sat, 07 Jan 2023 13:00:03 +0900</pubDate>
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<title>タナトスとの乖離</title>
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<![CDATA[ <p dir="ltr"><b>2021年にmonogataryに投稿した物語です。</b></p><p dir="ltr"><b>&nbsp;お題：みんなで 作ろう百物語</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">『タナトスとの乖離』</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　ある楽曲の原作になったということで気になって、僕は、「タナトスの誘惑」という小説を読んでみた。そして、ひどく驚いた。作中の人物と同じような行動パターンを示す女性を、知っていたからだ。少なくとも、僕と彼女の出会いの状況は、小説の場面にそっくりだった。彼女がマンションの屋上から飛び降りようとしているのを見つけて、僕が、やめさせたというのが、2人の出会いだった。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　僕が、彼女の体を抱きかかえ、屋上のフェンスから引き剥がしたとき、彼女はとても興奮していた。僕は、とりあえず、彼女を落ち着かせようと思った。念のため、「君は、未成年じゃないよね？」と聞いたら、小さくうなずいたので、僕は自分の部屋に、彼女を連れ込んだ。ここから、2人の奇妙な交際が始まった。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　彼女の部屋と僕の部屋は、階段と廊下を伝って行き来できるが、棟は違っていた。合鍵を交換していたが、彼女から僕の部屋に来ることは、まず、なかった。彼女が自殺をほのめかして、僕があわてて彼女の部屋に駆けつけるというのが、お決まりのパターンだった。僕が彼女の部屋に駆けつけると、いつも、彼女は、ベランダ側のガラス戸の前に立って、夜の闇をうっとりとした眼差しで見つめていた。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　僕らが出会ったのは冬の初めの頃だった。彼女はたぶん寒がりだったのだろう。自殺をほのめかしたときでも、ベランダに出ていることはなかったので、その点は助かった。それでも、物騒なことに違いはなかった。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">「君は、まだ自殺のことを考えているの？」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">「違うの。私はただ、夜に溶け込みたいだけなの」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　（僕がそばにいるのに、彼女はやはりまだ……）</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　僕は、彼女の中での、僕の存在の小ささが悔しかった。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　ある日、僕は彼女の部屋に駆けつけるのが遅れた。彼女は、「今日は遅かったわね」と不服そうに言った。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">「ごめん、途中で疲れちゃって。僕も、もう歳かな？」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　彼女がフッと笑った。彼女が笑うなんてめったになかったので、僕はつい、調子に乗ってしまった。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">「この間の健康診断でも、血圧が、下が90を超えちゃって」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　彼女は「死神さんは成人病になんか、ならないよ」と言った。「死神さんは〜」というのは、彼女の口癖だった。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　彼女は、ことあるごとに、僕と死神を比べたがった。僕は嫉妬した。「死神って、誰？」と聞いたら、彼女はそっぽを向く。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">（自分から話を振っといて、聞いたらそっぽを向くなんて、何なんだよ。世の中にこんなめんどくさい女がいるとは思わなかった）</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　僕はこう思ったが、彼女のルックスが好みだったので、性格には目をつぶった。何とかして彼女に好かれたいと、それだけを願った。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　彼女は、タートルネックのセーターをよく着ていた。僕もまねをして、タートルネックのセーターを着るようになった。ペアルックのようで楽しかった。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　僕は子供の頃、おじいちゃん、おばあちゃん子だった。だから、たまに古い言葉を使ってしまうことがある。ある日、タートルネックのセーターのことをトックリのセーターと言ったら、彼女に「死神さんは、タートルネックのことを、トックリなんて言わないよ」とマジギレされた。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　僕は、彼女にマジギレされて、悲しかったけど、彼女の好き嫌いの基準がわかった気がした。彼女は、古臭いものとか、ダサいものが嫌いで、おしゃれなものが好きなんだ。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">（よし、これからは、もっともっとおしゃれに、気を使おう）</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　その後は、僕も服装や言葉遣いに気をつけたので、彼女を怒らせることはなかった。そして、冬が過ぎ、桜が咲く季節になった。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　週末の土曜日、午後から気温がグングン上がって、夜になっても20度を下回らなかった。異常な気象で、何かが起こりそうな嫌な予感がした。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　めずらしく、彼女のほうから、僕の部屋に訪ねてきた。僕らは彼女が持ってきたワインを飲み始めた。彼女は僕のすぐ隣に座り、肘や膝、腰でツンツン、ツンツン僕のことを押して、ベランダの方に追いやった。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　僕は、気づいたら、ベランダのガラス戸の前に、彼女と並んで立っていた。彼女が、ガラス戸を開けた。春の夜の心地よい風が、吹き込んでくる。彼女はベランダに出た。僕もつられるように、ベランダに出て、彼女の横に並んだ。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">「このまま、夜に溶け込んだらどんなに素敵なことでしょう。あなたは、そう思わない？」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　そう言って、僕を見つめる彼女の瞳は、この世のすべてのものを吸い込んでしまうように、深く、澄み切っていた。僕は彼女の瞳から目が離せなかった。いっさいの思考を失っていた。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　そのとき、「ガタッ」という音がした。僕は我に返った。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">「何の音？」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　彼女が聞いた。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">「ごめん、僕、ベランダで、ミドリガメを２匹飼ってるんだ。今日、あったかいから、冬眠から覚めちゃったみたい」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">「えっ？」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　彼女は、ベランダの隅に置いてあるカメの水槽を覗き込んだ。カメはガサゴソと動き続けている。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　しばらく、沈黙が流れた。そして、彼女が悲しそうに言った。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">「死神さんは、ミドリガメなんて飼わないよ」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　僕は、それが別れの言葉だということにすぐに気づいた。だから、すべてを諦め切って、彼女の言葉に乗っかった。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">「確かに。鶴は千年亀は万年っていうから、死神とカメは真逆だね」</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　彼女は「さようなら」と言った。彼女の体は、ベランダの柵を影絵のようにすり抜けた。僕はそれを見ても驚かなかった。彼女は人間というより、人間の想念とか、意識とかの塊が、服を着ていたものだろうと、そのときは、ぼんやり思っていた。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　折から、春風が彼女のスカートをまくり上げた。高級そうな黒いレースのパンティーが丸見えになった。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">（彼女なりに、勝負パンツを身につけてきたんだ……）</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">　そう思ったとき、僕は、初めて彼女の内面も、心から愛おしいと思った。彼女は、スカートがまくれ上がったことなど頓着せずに、そのまま、夜の闇の中に溶け込んでいった。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-9148ed9a-7fff-6ed9-ee56-8822a078a538">（了）</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20230107/12/westfieldmakoto/76/1e/p/o0515051515226636687.png"><img alt="" contenteditable="inherit" height="420" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20230107/12/westfieldmakoto/76/1e/p/o0515051515226636687.png" width="420"></a></p>
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<link>https://ameblo.jp/westfieldmakoto/entry-12783083796.html</link>
<pubDate>Sat, 07 Jan 2023 12:52:23 +0900</pubDate>
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<title>女神になったお父さん</title>
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<![CDATA[ <p dir="ltr"><b>2021年にmonogataryに投稿した物語です。</b></p><p dir="ltr"><b>お題：理想のアイドル像</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-812b3783-7fff-e62d-895c-25cfb6a17eba">『女神になったお父さん』</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-812b3783-7fff-e62d-895c-25cfb6a17eba">　アイドル好きのお父さんとお母さんは、私が生まれたとき、「この子を立派なアイドルに育てよう。」と、誓いを立てた。私は子供の頃から、アイドルになるべく、英才教育を受けた。中学生になり、そろそろ、オーディションでも受けようかという時期になって、お父さんとお母さんの間で、決定的な意見のズレが生じた。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-812b3783-7fff-e62d-895c-25cfb6a17eba">　お父さんは、こう言った。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-812b3783-7fff-e62d-895c-25cfb6a17eba">「俺の理想とするアイドル像を10とすると、今の段階では、ミクは、１か２のレベルにしか達してない。並のアイドルになるくらいなら、俺は大事な娘を、アイドルになんかさせたくない。並のアイドルに収まるくらいなら、アイドルは諦めて、ふつうの人生を歩んでほしい。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-812b3783-7fff-e62d-895c-25cfb6a17eba">　アイドル道に厳しいお父さんらしい考え方だった。お母さんは反論した。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-812b3783-7fff-e62d-895c-25cfb6a17eba">「あなたがいう、理想のアイドル像なんて、私にはわからない。もし、理想のアイドル像というものがあるにしても、とりあえず、アイドルになってから、理想のアイドル像に近づいていけばいい。あなたは、もしかしたら、自分が育てたミクが、オーディションを受けてみて、落ちるのが怖いのではないか？」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-812b3783-7fff-e62d-895c-25cfb6a17eba">　それからは、水掛け論である。それで、最終的には、「ミクに決めてもらおう。」ということになった。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-812b3783-7fff-e62d-895c-25cfb6a17eba">　私は、お父さんの言うことのほうが、正しいことがわかっていたから、正直に答えた。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-812b3783-7fff-e62d-895c-25cfb6a17eba">「私は、お父さんのほうが正しいと思う。それに、私は、今後、いくら努力しても、理想のアイドルにはなれないと思う。だから、もう、アイドルになることは諦める。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-812b3783-7fff-e62d-895c-25cfb6a17eba">　お父さんもお母さんも泣いた。諦め切れないお母さんはこう言った。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-812b3783-7fff-e62d-895c-25cfb6a17eba">「私には、理想のアイドル像なんて、いまだにわからない。そんなに自分の理想のアイドル像が大切なら、あなたが、理想のアイドルになればいい。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-812b3783-7fff-e62d-895c-25cfb6a17eba">　これが、決定打となった。お父さんが女の子のメークをして、女性アイドルになり、理想のアイドル像を追求することになった。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-812b3783-7fff-e62d-895c-25cfb6a17eba">　お父さんは、Mayaka-Cという、本名、年齢非公表のネットアイドルとして、世界的に、大人気になった。私もお母さんも、お父さん（＝男の人）が思い描き、自ら演じる理想のアイドル像の底知れぬ魅力に、驚愕した。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-812b3783-7fff-e62d-895c-25cfb6a17eba">　しかし、２年もたたないうちに、お父さんがアイドルをやることで、家族全員が疲れてきた。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-812b3783-7fff-e62d-895c-25cfb6a17eba">　お父さんは、アイドルを応援したい人なのに、アイドルとして応援される立場になって、ストレスのはけ口を失っていた。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-812b3783-7fff-e62d-895c-25cfb6a17eba">　私は、系統からいえば、お父さんの顔の系統なので、私にMayaka-Cの面影を見て、言い寄ってくる男の子が増えた。でも、本当の自分を見てくれない彼らを、私は嫌悪した。一方で、急に、男の子にちやほやされたことで、女の子の友達との付き合いは、今までの何十倍も気を使わなくてはならならなかった。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-812b3783-7fff-e62d-895c-25cfb6a17eba">　いちばん、ダメージを受けたのはお母さんだった。「Mayaka-Cを演じているお父さんを見ていて、私は、昔も今も、お父さんから、まったく、女だと思われていないことに気づいた。」といって悲しんだ。お母さんが、深酒をして、「どうせ、私なんて、女と思われてないんだから。」と言って、トイレのドアを開けたまま小用を足そうとしているのを見て、私はお父さんに、「もうアイドルはやめて。」とお願いした。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-812b3783-7fff-e62d-895c-25cfb6a17eba">「俺も、もう、いい潮時だと思う。でも、ファンの中には『Mayakaちゃんがいるから、僕は、今日も生きていられる。』みたいなことを言う人もいる。だから、急にいなくなるのではなく、徐々に消えていかないと、ファンに迷惑がかかる。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-812b3783-7fff-e62d-895c-25cfb6a17eba">　これについて、私には、いい考えがあった。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-812b3783-7fff-e62d-895c-25cfb6a17eba">「お父さん、大丈夫。私とお父さんは、顔が似ているから、私が、Mayaka-Cのメークをして、お父さんの代わりをすればいい。ルックスは同じでも、私には、理想のアイドルなんて演じられないから、きっと、人気は少しずつ、なくなっていくはず。」</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-812b3783-7fff-e62d-895c-25cfb6a17eba">　私の考えは間違っていなかった。私がMayaka-Cを演じ出すと、コアなファンの一部には「何か、Mayakaちゃんの雰囲気が変わった。」とか「Mayakaちゃんは、誰か、他の人と入れ替わったのではないか？」と言う人も、いるにはいた。しかし、真相は、誰にもわからなかった。そして、Mayaka-Cの人気は、徐々に落ち着いていった。頃合いを見計らって、「１年後に引退する宣言」をして、その後、言葉通りに引退した。理想のアイドルではなくなっていたMayaka-Cの引退に、世間はそれほど騒がなかった。</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-c40fb31d-7fff-65f0-497c-3a213338b0cb">（了）</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20230107/12/westfieldmakoto/49/cb/p/o0658065815226633899.png"><img alt="" contenteditable="inherit" height="220" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20230107/12/westfieldmakoto/49/cb/p/o0658065815226633899.png" width="220"></a></p>
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<pubDate>Sat, 07 Jan 2023 12:44:27 +0900</pubDate>
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<title>猫、産んじゃった！</title>
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<![CDATA[ <p dir="ltr"><b>2021年にmonogataryに投稿した物語です。</b></p><p dir="ltr"><b>お題：三匹の子猫</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-e1a49fbd-7fff-d918-b6c5-088a45f1f357">&nbsp;『猫、産んじゃった！』</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-e1a49fbd-7fff-d918-b6c5-088a45f1f357">　昭和時代は、ペットについてのルールがしっかりしてなかったと思う。だから、 飼っている猫が、家の中と外を自由に行き来して、近所の猫や、のら猫と仲良くなって、子どもを産んじゃうなんてことがよくあった。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-e1a49fbd-7fff-d918-b6c5-088a45f1f357">　うちの飼い猫のミーちゃんも、ぼくが小学校４年生のときに、３匹の子猫を産んだ。１匹は真っ黒け、１匹は真っ白け、もう１匹は黒と白のまだら。だからぼくは、黒猫にはクーちゃん、白猫にはシー子、まだら猫にはマーちんと、名前をつけてやった。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-e1a49fbd-7fff-d918-b6c5-088a45f1f357">　家族でいちばん、子猫をかわいがったのは、ぼくだった。だって、ぼくは、すぐに３匹の鳴き声を聞き分けられるようになったぐらいなんだから。鳴き声のちがいを文字で表すのはむずかしいけど、大げさに言うと、クーちゃんは「ニぃャーニぃャー」、シー子は「ニゅャーニゅャー」、マーちんは「ニャーっニャーっ」みたいな感じ。でも、ぼくが何度説明しても、ぼく以外の家族はだれも、ちがいがわからなかった。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-e1a49fbd-7fff-d918-b6c5-088a45f1f357">　母猫のミーちゃんもがんばったし、ぼくも、一生懸命世話をしたから、子猫は、すくすくと大きくなった。でも、家では４匹も猫を飼えないから、もらってくれる人を探して、クーちゃん、シー子、マーちんの３匹は、近所の人や、友達の家にもらわれていった。ぼくは、３匹のことを夢で見るほど、さみしい思いをした。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-e1a49fbd-7fff-d918-b6c5-088a45f1f357">　３匹がいなくなって、初めての日曜日のこと。家族でいちばんおそく目を覚ましたぼくは、子猫の鳴き声を聞いた気がした。クーちゃんの鳴き声に似ている。「あれっ　おかしいな？」そう思って、ぼくはベットから、起き上がった。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-e1a49fbd-7fff-d918-b6c5-088a45f1f357">　また、子猫の鳴き声がした。シー子の鳴き声に似ている。ぼくは部屋から出て、声のする方へと歩いていく。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-e1a49fbd-7fff-d918-b6c5-088a45f1f357">　３回目の鳴き声がした。これは、マーちんの鳴き声だ。鳴き声はトイレからだ。３匹が、うちにもどって来ちゃって、トイレにかくれているんだ。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-e1a49fbd-7fff-d918-b6c5-088a45f1f357">　ぼくは、トイレのドアを開けようとして、ドアノブをガチャガチャと回した。でも、開かない。クーちゃんたちは、トイレにとじこめられちゃったんだ。ぼくは、大声でさけんだ。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-e1a49fbd-7fff-d918-b6c5-088a45f1f357">「だれか来て、トイレから、クーちゃんたちの鳴き声がするんだ。トイレに、とじこめられちゃったみたいなんだ！」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-e1a49fbd-7fff-d918-b6c5-088a45f1f357">　すると、トイレの中から、お父さんの声が聞こえた。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-e1a49fbd-7fff-d918-b6c5-088a45f1f357">「ちがうよ、今のは、お父さんのおならの音だよ。」</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-e1a49fbd-7fff-d918-b6c5-088a45f1f357">　……お父さんは全然悪くないのに、ぼくは、クーちゃんたちの鳴き声を聞きまちがえたことがくやしくて、お父さんに、ちょっといじわるなことを言ってしまった。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-e1a49fbd-7fff-d918-b6c5-088a45f1f357">「なんで、あんな、変な音のおならが出るの？」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-e1a49fbd-7fff-d918-b6c5-088a45f1f357">「だって、しかたないだろ……。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-e1a49fbd-7fff-d918-b6c5-088a45f1f357">「もう、下品だなあ。お父さん、本当に、出たのはおならだけ？」</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-e1a49fbd-7fff-d918-b6c5-088a45f1f357">（了）</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20230107/12/westfieldmakoto/19/2d/p/o0665066515226631874.png"><img alt="" contenteditable="inherit" height="220" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20230107/12/westfieldmakoto/19/2d/p/o0665066515226631874.png" width="220"></a></p>
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<pubDate>Sat, 07 Jan 2023 12:38:36 +0900</pubDate>
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<title>桜吹雪</title>
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<![CDATA[ <p dir="ltr"><b>2021年にmonogataryに投稿した文章です。</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-14584e10-7fff-258f-1b00-9dc13d77fef0">　『桜吹雪」</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-14584e10-7fff-258f-1b00-9dc13d77fef0">　満開の桜並木を散歩していた。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-14584e10-7fff-258f-1b00-9dc13d77fef0">　空は快晴。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-14584e10-7fff-258f-1b00-9dc13d77fef0">　歩いていると、汗ばむような陽気である。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-14584e10-7fff-258f-1b00-9dc13d77fef0">　昭和ど真ん中世代の僕からしたら、この時期に、桜が満開なんて信じられない。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-14584e10-7fff-258f-1b00-9dc13d77fef0">　それでも、桜の美しさは、昭和でも令和でも変わらない。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-14584e10-7fff-258f-1b00-9dc13d77fef0">　周りを歩く人々も、口々に桜の美しさをほめそやしている。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-14584e10-7fff-258f-1b00-9dc13d77fef0">　そんなとき、やや強めの春風が桜の花びらを吹き散らした。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-14584e10-7fff-258f-1b00-9dc13d77fef0">　桜吹雪である。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-14584e10-7fff-258f-1b00-9dc13d77fef0">　人々から「わあっ！」という歓声が上がる。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-14584e10-7fff-258f-1b00-9dc13d77fef0">　桜の花びらの１枚が、僕の口の中に入った。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-14584e10-7fff-258f-1b00-9dc13d77fef0">　紅白大トリの、北島三郎じゃあるまいし……。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-14584e10-7fff-258f-1b00-9dc13d77fef0">（了）</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-14584e10-7fff-258f-1b00-9dc13d77fef0">【蛇足】</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-14584e10-7fff-258f-1b00-9dc13d77fef0">　若い人は、北島三郎を知らないかもしれませんね。僕のオススメは「風雪ながれ旅」。情熱を、力任せに歌うのではなく、抑制をきかせて歌い上げる歌唱は天下一品で、紅白で共演した若手アーティストなんかは、エンターテイメント界の大先輩として、彼のことをリスペクトしてるんじゃないかなと、想像しています。</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20230107/12/westfieldmakoto/03/5e/p/o0407040715226630496.png"><img alt="" contenteditable="inherit" height="220" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20230107/12/westfieldmakoto/03/5e/p/o0407040715226630496.png" width="220"></a></p>
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<link>https://ameblo.jp/westfieldmakoto/entry-12783081389.html</link>
<pubDate>Sat, 07 Jan 2023 12:35:16 +0900</pubDate>
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<title>シックスティー・パーティー</title>
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<![CDATA[ <p dir="ltr"><b>2021年にmonogataryに投稿した物語です。</b></p><p dir="ltr"><b>お題：猫舌</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-59ad4412-7fff-5b05-df51-2e521fdd2f92">『シックスティー・パーティー』</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-59ad4412-7fff-5b05-df51-2e521fdd2f92">　同じ会社の小泉良平さんに、初めて二人きりでの食事に誘われた。小泉さんも私も12月生まれ。小泉さんが32歳で、私が28歳。二人の年齢を足すと60歳で、「シックスティー・パーティー」という、口実を作って誘ってくれたから、私も、誘いを受けやすかった。お店も、学生が行くような、 ふつうのお店で、飾りっ気のない小泉さんらしいと思った。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-59ad4412-7fff-5b05-df51-2e521fdd2f92">　小泉さんとは部署が違う。小さな会社なので、忘年会なんかで同席したことはあったけど、そんなに席が近くになることもなかった。まして、今夜は、初めての、二人きりでの食事会。私は、内心、ドキドキしてて、食事が進まなかった。何で急に私を誘ったんだろう？　私は、小泉さんがどんなことを考えているのか、気になった。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-59ad4412-7fff-5b05-df51-2e521fdd2f92">　そんな私を見て、小泉さんが、聞いた。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-59ad4412-7fff-5b05-df51-2e521fdd2f92">「食事が進まないね。あっ、猫舌だったっけ？」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-59ad4412-7fff-5b05-df51-2e521fdd2f92">　小泉さん、猫舌って、誰のこと？</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-59ad4412-7fff-5b05-df51-2e521fdd2f92">（了）</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20230107/12/westfieldmakoto/20/50/p/o0629062915226628811.png"><img alt="" contenteditable="inherit" height="220" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20230107/12/westfieldmakoto/20/50/p/o0629062915226628811.png" width="220"></a></p>
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<link>https://ameblo.jp/westfieldmakoto/entry-12783080947.html</link>
<pubDate>Sat, 07 Jan 2023 12:32:07 +0900</pubDate>
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<title>女子アイドルと男子バカ</title>
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<![CDATA[ <p dir="ltr"><span style="font-size:1em;">2021年にmonogataryに投稿した物語です。</span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;">お題：告白</span></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;">『女子アイドルと男子バカ』</span></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">　アイドルの握手会は時間との戦いだから、しつこく粘るファンを、アイドルから速やかに、そして、穏やかに引き剥がす、「はがし」と呼ばれるスタッフの仕事はとても重要だ。それに、アイドルに最接近できる仕事でもある。大学に入ってすぐに、イベント会社でアルバイトを始めた僕は、大学３年生のとき、アイドルグループのクリスマスイベントで、念願だった、はがしの担当になった。</b></span></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">　僕が担当したのは、大塚香という、15歳の新加入のメンバーだった。（ひょっとして、西洋人とのハーフかな？）そう思わせるほど、目が大きくて手足もすらりと長い、きれいな子だった。きれいだけど、取り澄ました感じがなくて、仕事、休憩の切り替えのたびに、「よろしくお願いします」「お疲れ様です」と、律儀に声をかけてくれる。僕は、すぐにファンになった。</b></span></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">　昼休みに、彼女のプロフィールをチェックした。</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">●趣味：お菓子作り、漫画を読むこと</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">（趣味がお菓子作りって、アイドルっぽくて、かわいいね。）</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">●好きな食べ物：洋菓子全般+冷んやり系の和菓子</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">（冷んやり系の和菓子って、水ようかんとか？　おもしろい言い方だね。）</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">●オーディションの志望動機：告白してフラれたから、アイドルになって、その男の子を見返すため！</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">（なるほど、こう書けば、今、彼氏がいないというアピールになるな。）</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">●将来の夢：女優さんになって、大河ドラマに出演すること</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">（大河ドラマか。夢は大きいほうがいいよね。）</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">●性格：おっちょこちょい、ちょっとネガティブ</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">（まあ、人は誰しも弱点はあるから。）</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">●好きな男性のタイプ：優しくて正直な人</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">（僕だって、けっこう優しくて正直だよ。こういうのって、心がけ一つで何とかなるから、ブスな男にはありがたいな。）</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">　僕は、ますます、彼女が好きになった。</b></span></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">　……忙しさと緊張でへとへとになりながらも、ようやく、この日の握手会の、最後の部にこぎつけた。その前の休憩時間に、僕は「握手会が終わったら、香ちゃんに何て言おう？」と真剣に考えた。スタッフはアイドルとの私語厳禁だけど、彼女は、向こうから話しかけてくれるので、絶対にチャンスはある。挨拶のついでに告白するというか、せめて「好き」だという気持ちは伝えよう。でも、僕はスタッフだし……。それで結局、「今日１日で、香ちゃんのことが大好きになって、ファンになっちゃった。」と言うことに決めた。これなら、人に聞かれても、常識の範囲内だと思った。</b></span></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">　ブースの前のファンの列は短くなり、最後の部も終わりが見えてきた。香ちゃんとの最後の会話が迫り、ドキドキする。でも、複数の握手券を、１度の握手で使うファンは、列の終わりのほうに並んでいるから、一人一人の時間が長い。とにかく、落ち着かない。</b></span></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">　残りはあと３人。ラストから３人目のファンが前に立ったとき、香ちゃんが「あっ！」と、声を上げた。僕は異変に気づいて、二人の間に割って入った。でも、彼女は、「違うんです。知り合いが来たんでびっくりしたんです。」と言って、僕を制した。</b></span></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">　（ああ、びっくりした。）でも、彼女の様子が今までと違う。さっきまでの笑顔が消えている。彼は、プロフィールにあった、香ちゃんが告白した男の子なのだと直感した。日に焼けた男の子だった。僕は、二人のやりとりが、できるだけほかの人に見えないようなポジションに立った。そして、二人の会話はスタートした。</b></span></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">二人：「久しぶり」</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">　二人は目を合わせるが、握手はしようとしない。男の子は、左手の甲に直にペンで書いたメモを見て、自分の言うことを確認した。</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">男の子：「うちの店の水ようかんを持ってきたけど、プレゼントを渡すのは禁止されてた。」</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">　二人は目を合わせる。そして、二人同時にうなずく。</b></span></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">男の子：「あのとき、大塚の後ろから高柳と木嶋が来るのが見えたから、俺はとっさに逃げたんで、大塚から逃げたんじゃない。それなのに、そのあと、やたらと俺を無視するし、夏休みが明けたら『大塚さんは、東京の学校に転校することになりました。』ってなってて、何も言えなかった。」</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">　二人は目を合わせる。</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">香ちゃん：「そうだったの？」</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">　男の子がうなずく。</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">男の子：「せっかくのチャンスなので、アイドルとして頑張ってほしい。俺は高校で、サッカーで頑張る。」</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">　二人は目を合わせる。少し時間が余っている。</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">香ちゃん：「それだけ？　それで終わり？」</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">男の子：「体に気をつけてほしい。大塚のプロフィールを読んで、俺は胃が痛くなった。１週間くらい下痢をした。」</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">香ちゃん：「バカ！」</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">　タイムキーパーが、僕に時間の終わりを合図した。</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">　男の子は、もう退出しようとしていたので、僕が引き剥がす必要はなかった。彼は、右手を上げて「じゃあ。」と言った。香ちゃんは、両手を腰の辺りまで下げて、両手でバイバイをしていた。</b></span></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">　ほどなく、香ちゃんのブースは終了した。彼女は、真っ先に僕に挨拶してくれた。</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">「今日は、どうもありがとうございました。さっきは驚かせちゃって、ごめんなさい。バカな同級生が、前触れもなく来るもんだから、びっくりしちゃって。」</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">「いや、全然平気だよ。でも、男って本当にバカだよね。あれじゃ、何が言いたかったのか、何のために来たのかわからないよね。」</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">　香ちゃんは、クスッと笑った。そして、僕の顔を見て、次の言葉を待つような素振りを見せた。僕としては、「今日１日で、香ちゃんのことが大好きになって〜」と告白するチャンスだったけど、口から出てきたのは、別の言葉だった。</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">「あの男の子の言うようにさ、せっかくのチャンスなんだから、アイドルとして頑張ってみたら？」</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">　彼女は、伏し目がちに小さくうなずいた。僕は言葉を続けた。</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">「中学の同級生なんだからさ、この先、同窓会とかで、きっとまた会えるよ。」</b></span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">　彼女は「そうですね。」と言って、うなずいた。ちょっと明るい顔になった。そして、僕たちスタッフに、丁寧にお礼を言って、小走りに自分たちの控え室に戻っていった。</b></span></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><b id="docs-internal-guid-905a6d5e-7fff-7b45-9c35-5b346f2b3894">（了）</b></span></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><span style="font-size:1em;"><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20230107/12/westfieldmakoto/99/de/p/o0721072115226624259.png"><img alt="" height="420" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20230107/12/westfieldmakoto/99/de/p/o0721072115226624259.png" width="420"></a></span></p>
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<link>https://ameblo.jp/westfieldmakoto/entry-12783078825.html</link>
<pubDate>Sat, 07 Jan 2023 12:16:53 +0900</pubDate>
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<title>小学生の教材としての太宰治「満願」</title>
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<![CDATA[ <p dir="ltr"><b>2021年にmonogataryに投稿した文章です。</b></p><p dir="ltr"><b>お題：おとなの事情ってやつ</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-4cbe7b91-7fff-bcc8-7938-75c223db8164">『 小学生の教材としての太宰治「満願」』</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-4cbe7b91-7fff-bcc8-7938-75c223db8164">　太宰治の好短編「満願」について、おもしろいことを書いたブログを見つけました。引用しているわけではありませんが、この文章を書くきっかけとなった元ネタがあることは断っておきます。そのブログ記事は「太宰治　満願　エロ」で検索すれば、見つけることができると思います。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-4cbe7b91-7fff-bcc8-7938-75c223db8164">　ポイントとして挙げたいのは、以下の２点です。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-4cbe7b91-7fff-bcc8-7938-75c223db8164">１）「齋藤孝のイッキによめる！ 名作選 小学６年生」（講談社）に、太宰治の「満願」が掲載されている。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-4cbe7b91-7fff-bcc8-7938-75c223db8164">２）「満願」は、大人が読めば、エロティシズムがテーマに関わる作品であることがわかる。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-4cbe7b91-7fff-bcc8-7938-75c223db8164">　「満願」は青空文庫でも読むことができます。そこはかとないエロティシズムが漂う一方で、作者の人間に対する視点は温かい気がして、とてもよい作品だと思います。掌編といってよい、ごく短い作品ですので、読んだことがない方には、ぜひ、一読をお勧めします。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-4cbe7b91-7fff-bcc8-7938-75c223db8164">　しかし、この小説が小学生向きのものだとは、私にはとうてい思えません。小説の内容として、「ご主人が肺病なので、若い婦人が医師から、夫婦生活を控えるよう、言われている」という設定が、この作品の大切な要素になっているからです。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-4cbe7b91-7fff-bcc8-7938-75c223db8164">　著名な教育学者である斎藤孝氏が、なぜこの作品を子供向けの本に収録したのか。以下、自分なりに想像してみました。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-4cbe7b91-7fff-bcc8-7938-75c223db8164">　太宰治といえば、国民的な作家で、今でも中学校の教科書に「走れメロス」が採用されています。だから、「教科書にも載っている国民的な作家の作品で、一般の人には、あまり知られてないものを収録したい。」つまり、教科書に掲載されているという権威と、一般の人はあまり知らないという希少性とで、商品価値を高めたかった……。このような、いわば、大人の事情が、あったのではないでしょうか。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-4cbe7b91-7fff-bcc8-7938-75c223db8164">　もし、この作品を読んだ子供から、「お医者が禁止していたことって何？」と聞かれたら、大人は何と答えるべきでしょうか？　小学生といっても、もう６年生なのだから、正直に、つまびらかに説明するというのも一つの手ですね。でも、「どうも、それはできかねる。」という人のために、以下の３パターンを考えてみました。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-4cbe7b91-7fff-bcc8-7938-75c223db8164">１）「パーティーか何かじゃない？」ととぼける。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-4cbe7b91-7fff-bcc8-7938-75c223db8164">２）「自分にもわからない」ととぼける。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-4cbe7b91-7fff-bcc8-7938-75c223db8164">３）「大人になったらわかる」と、突き放す。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-4cbe7b91-7fff-bcc8-7938-75c223db8164">　いずれも、あまりよい答え方とはいえないようです。どのように答えるにせよ、一言、「何年後かに、もう一度読み返してみてね。」と付け加えるべきなのかもしれません。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-4cbe7b91-7fff-bcc8-7938-75c223db8164">（了）</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20230107/08/westfieldmakoto/34/89/p/o0469034615226553440.png"><img alt="" height="310" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20230107/08/westfieldmakoto/34/89/p/o0469034615226553440.png" width="420"></a></p>
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<pubDate>Sat, 07 Jan 2023 08:42:13 +0900</pubDate>
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<title>流星の映る瞳</title>
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<![CDATA[ <p dir="ltr"><b>2021年にmonogataryに投稿した物語です。</b></p><p dir="ltr"><b>お題：おまじない</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">『流星の映る瞳』</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　私は、途上国の支援プログラムとして、東南アジアのある国で働いていたことがある。仕事は、現地の子供たちに、英語や情報機器の操作などを教えることだった。私の任地の村は、シャーマンの村といわれ、その民族に特有の伝統的な呪術が受け継がれていた。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　呪術といっても、「人を呪って……。」などと、おどろおどろしいものばかりではない。彼らにとって、呪術は宗教のようなもの。私たちが、キリスト教、イスラム教、仏教などを信じる代わりに、彼らは呪術を信じ、呪術によって、自分たちの行動を定めている。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　女の私にとって、出発前の気がかりは治安だったが、村は、山間部の、のんびりした田舎という感じで、用心して暮らしていれば、それほど不安は感じなかったし、人々も穏やかで親切だった。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　赴任して１年ほど経った頃、私は体調に異変を感じた。現地スタッフの１人は、いかにもシャーマンの村の人らしく、「良い呪術師を紹介しようか？」と申し出てくれた。私は笑顔でお礼を言った。そして、みんなに心配をかけるのも嫌なので、「そのうち、良くなるだろう。」という考えを改め、村にある診療所に行ってみた。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　診療所には、サムトアという男性医師と、リジャールという男性看護師が常駐していた。たまに、他所から医師や看護師がヘルプに来ることもあるが、ふだんは、この２人が中心になって運営している。サムトア医師は、30歳を少し超えたくらいで、この村の出身ではなく、住み込みの形で、村人のために、医療活動を行っている。リジャールはサムトア医師より少し年下で、まだ、20代。この村の出身で、診療所の近くで、一人暮らしである。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　私の病気は、完治まで時間を要するものだったので、その後も定期的にこの診療所に通う必要があった。その頃、私は30歳の手前。同世代だし、全員独身ということもあって、いつしか、休日にも診療所に集まっておしゃべりをするような仲になった。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　診療所には、彼らのほかに、ワルシーという若い女の子がいた。ワルシーには、医学の知識はなくて、診療所の雑務係をしていた。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　ワルシーは、リジャールの、母親違いの妹なのだそうだ。リジャールは、彼の父親の１番目の妻の子供、ワルシーは２番目の妻の子供で、今、彼の父親は、３番目の妻と暮らしている。そんな環境を嫌ってか、ワルシーは親とは疎遠で、リジャールの家の離れに住まわせてもらっている。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　聞けば、ワルシーは、まだ、15歳なのだという。子供の頃、耳の病気で難聴だったことに周囲が気づかず、先生の話がよく聞こえなかったために、学習に遅れが出て、それが元で、学校に行かなくなったのだという。最近になって、学習の遅れの原因は、難聴だったことがわかったが、もう、この国の義務教育を終える年齢だったので、進学はせず、リジャールの紹介でこの診療所で働き始めた。英語はほとんど話せなかったが、母国語でのコミュニケーションにも、やや難があるということだった。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　私がこの村に来てすぐの頃、（日本の子供も、こんなに目がキラキラしてたかな？）と思うほど、この村の子供たちが、きれいな目をしていることに、強烈な印象を受けた。15歳で、そろそろ子供とはいえない歳だけど、ワルシーも、とびきり美しい瞳を持った女の子だった。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　私が休暇を取って、一時帰国するとき、サムトア医師が車で空港まで送ってくれた。その日の朝、サムトア医師の車に乗り込もうとすると、ドアミラーに、植物の蔓で編んだ輪っかがかけられていた。リジャールが「これは、安全を祈るおまじないだ。」と説明してくれた。そして、「たぶん、ワルシーの仕業だ。」と言った。ワルシーはその場にいなかったが、おまじないの効き目を発揮させたかったら、おまじないをした本人はその場にいないのが、ならわしなのだという。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">（さすが、シャーマンの村だな。あんな若い子でも、ちゃんとおまじないを信じてるんだ。）</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　私は、こんなことをしてくれたワルシーを、かわいく思った。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　私は、日本での休暇を終え、村に戻った。サムトアとリジャールには日本のお酒、ワルシーには髪飾りをお土産に買ってきた。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　その日、診療所の庭で、夜空を眺めながら、大人の３人は、私のお土産のお酒で乾杯した。この村は夜空がきれいで、ひと晩にいくつも流れ星を見ることができた。私は、「日本には、流れ星が消えるまでに願い事を言ったら、その願い事がかなうというおまじないがある。」と教えてあげた。「では、みんなで、やってみよう。」ということになった。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　願い事のタイミングが難しくて、みんな、何度か失敗したが、ようやく４人とも、願い事に成功した。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　大人３人の願い事は、世界平和だった。「常識的だけど、おもしろみがない。」と言って、３人で笑い合った。ワルシーだけは、何をお願いしたか、最後まで言わなかった。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　流れ星に願い事をしていたときのワルシーの瞳は、星のように輝いていた。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　その日を境に、私とサムトアは急接近した。週末は、私が、診療所を兼ねたサムトアの家で過ごすようになった。別に悪いことをしているわけではないので、隠しておくこともなかったが、私たちは、あまり人目に立たないように行動した。身近にいるリジャールたちには、どうしても、悟られてしまうのだが、ワルシーは、私たちにとって、年の離れた、まだ幼い、かわいい妹のような存在だったので、ワルシーに、私たちのことを悟られるのは、何となくためらわれた。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　ちょうどその頃から、ワルシーは、看護師になるため、勉強を始めたそうで、仕事の時間外でも、休日でも、ほとんど家で勉強をしていて、私と顔を合わせることが少なくなった。リジャールも、暇さえあれば、彼女の勉強を見てやっていた。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">「流れ星を見た日、願い事を言わなかったけど、ワルシーの願い事って、看護師になることだったんだね。」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　私がそう言うと、サムトアもうなずいて、「願いがかなうといいね。」と笑った。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　途上国支援プログラムの、私の任期が終わって、帰国することになった。サムトア医師も、近々、この村を離れることになった。診療所で働いてくれる後任の医師が見つかったので、地元に帰ることになったのだ。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　村の人たちの中には、「サムトア医師と朱美は、結婚して、サムトア医師の地元で病院を開業するのだ。」などと、根も葉もない噂を口にする人もいたそうである。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　私の帰国の前日、リジャールが自宅で、お別れ会を開いてくれた。久しぶりにサムトア、私、リジャール、ワルシーの４人が顔を合わせた。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　大皿の料理がいくつか並んだ。ワルシーが、特製のスープを作ってくれた。乾杯の後、早速、ワルシーのスープに口をつけた。とてもおいしいスープだった。みんな口々に「おいしい。」とほめた。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　ワルシーが席を立った。みんな、次の料理を持ってきてくれるのかなと思っていたが、なかなか戻ってこない。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　不審に思って、リジャールが家の中を捜し回ったがいなかった。私たちは、不安に駆られた。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　リジャールが、ふと、私が飲み干したスープの器に目を止めた。そして、血相を変えて言った。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">「朱美、体に異常はないか？」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">「いいや、別に。なぜ？」</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　私のスープの器に、木の葉が数枚残っていたが、リジャールの話では、これは、人を呪い殺すときに使う、おまじないの葉っぱなのだという。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　私は、この葉っぱが、食べるための具材ではないことにすぐ気づいたので、香り付けで入っているのだろうと思って、残していた。この葉っぱは、実際に、微量の毒があるが、大量に摂取しないと、致死量には至らないものなのだそうだ。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　ワルシーのスープの器も見てみると、やはり、この葉っぱが入っていた。私とワルシーのスープに、この葉っぱが入れられていたことになる。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　リジャールは「申し訳ない。ワルシーのことを許してほしい。」と頭を下げた。しかし、私は、それどころではないと思った。ワルシーも、このスープを飲み干した。そして、その後にいなくなった。（彼女は、死を覚悟しているのかもしれない。）そう思うと、いてもたってもいられなかった。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　ただ、リジャールは、複雑だった。この呪いを使うことは、彼らの間で、固く禁じられている。ワルシーがいなくなったからといって、村人にワルシーの搜索の協力を頼むと、なぜワルシーがいなくなったのかに触れなくてはならない。顛末を話さなくてはならない。これは、ワルシーのために言えないことだった。彼らは、呪術に関して、嘘をつくことが一切許されてなかった。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　私たちは、ひと晩中ワルシーを捜し続けた。しかし、見つからなかった。翌日、サムトアは、車で私を空港まで送ってくれた。私は後ろ髪を引かれる思いで、帰国の途についた。サムトアはとんぼ返りして、ワルシーを捜すという。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　ワルシーは、１週間たっても、ひと月たっても、見つからなかった。かといって、遺体も見つからない。親元にも、リジャールにも連絡はなかった。リジャールは、結局、ワルシーは呪術の施設に逃げ込んだのだろうと推測した。この施設は、日本でいうところの縁切り寺に当たるものなのだそうだ。外界と隔離され、中で自給自足の生活をしながら、ひたすら種族の安寧を祈る施設なのだという。外界とは隔絶した生活を送り、施設内では男女は別施設で、顔を合わせることもなく、互いの声を聞くこともなく暮らす。１度入ったら、再び、外界と接することは許されない施設なのだそうだ。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　私は、今でも、みんなで流れ星を見た夜のことを思い出す。</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">（あの夜、ワルシーは、幼い恋心ながらも、自分の好きなサムトアとの将来を願ったのではないか？　私さえいなければ、その願い事は、かなったのではないか？）</b></p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　こう考えると、やりきれない思いになる。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">　今頃、ワルシーの美しい瞳は、何を見て何を願っているのだろうか……。</b></p><p>&nbsp;</p><p dir="ltr"><b id="docs-internal-guid-fc00cf0e-7fff-6217-2f99-a96aef537784">（了）</b></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20230106/20/westfieldmakoto/a5/c7/p/o0558055615226403518.png"><img alt="" height="418" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20230106/20/westfieldmakoto/a5/c7/p/o0558055615226403518.png" width="420"></a></p>
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<pubDate>Fri, 06 Jan 2023 21:01:54 +0900</pubDate>
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