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<title>南国姉さんのブログ</title>
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<description>東方神起・JYJ の5人を溺愛している南国在住のおばちゃんでございます。主にユンジェ小説を書き散らしておりまする。なお、妄想文に登場する人物と、実在する彼等には如何なる関連も無い事をここに明記しておきます。</description>
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<title>徒然</title>
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<![CDATA[ <p>酔っております。</p><p>夫婦で飲んでおりましたが連れ合いが撃沈してしまったので1人飲みでございます。</p><p>後々後悔しそうですが久しぶりの更新です。</p><p>&nbsp;</p><p>近況ですが、日々一生懸命生きております。</p><p>コロナ、物価高騰、間接的介護、加齢による体調不良、そんなものと戦う日々でございます。</p><p>強制的にベッドに括り付けられない限り物語を綴る日は送れませんが、脳内の妄想は現実の推しの幸せそうな姿に暴走をすることなく、また、謹慎中の彼にも、どうせ2人で会ってるしイチャコラしてんだろうし！などと妄想癖も鳴りを潜めている次第。</p><p>&nbsp;</p><p>BGMはBTOB です。最近の推しっす。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>『独占欲』</p><p>俺、お前の作るご飯しか味がしない。</p><p>そう言ってユノは俺の部屋へ毎晩訪れる。</p><p>チゲ、キンパ、果てはかつ丼親子丼。</p><p>真夜中のキッチンは飯テロのるつぼ。</p><p>彼の胃袋を満足させる逸品を俺は作れるのか？</p><p>がんばれ！</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>『もしも…』</p><p>ケリョンデ。</p><p>心臓が飛び出そうだ。</p><p>あの日、もう会わない、そう言って背中を見せたあいつと再開してしまう。</p><p>2人とも音楽隊に配属されたと知った時から覚悟していた日がついに来る。</p><p>同じテントでお互いの家族と再会。</p><p>ぎこちない俺たちより自然な家族の雰囲気。</p><p>意識してる自分の方がおかしいのかもしれない。</p><p>「しぇしゅあ」</p><p>着ぐるみの手が差し出される。</p><p>「もしかして…」</p><p>素顔を晒さない2人の秘密のデートが始まる。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>『愛というのも今さらだけど』</p><p>「謹慎、だって」</p><p>ほう、それはいいことを聞きました。</p><p>「ずっとここにいるってこと？」</p><p>「すまん」</p><p>きゃっほい！</p><p>声に出さずにガッツポーズだぜ！</p><p>「まあ、色々落ち着くまでここにいればいいよ。うん。」</p><p>はしゃぐ姿を見せないように仕方なしを演じてる。</p><p>ファンの皆様ごめんなさい。</p><p>こいつはおっれのものですが何か？</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>『三十路の麻疹(はしか)』</p><p>浮気じゃないけど、気持ちが動くっての？</p><p>あの子って気になるし可愛いじゃん？</p><p>そばにいるのが当たり前じゃないって事は知ってたのに。</p><p>いつまでもがありえないって知ってたのに。</p><p>不用意に発した一言が、2人の関係に影を落とす。</p><p>ユスミン大活躍〜！</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>あ、梅酒無くなったので、ここまで。</p><p>おやすみ〜。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>さてと、サングリアあけよっと。</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/whitebloodcorpuscle/entry-12707117592.html</link>
<pubDate>Sat, 30 Oct 2021 20:01:47 +0900</pubDate>
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<title>あんふぉげたぼ　始まりの物語</title>
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<![CDATA[ <p>ユノは絶対にここにいる。</p><p>そう思ってこんな真夜中、</p><p>身体の芯まで冷える真冬のバス停、</p><p>ユノを探しにやってきた。</p><p>&nbsp;</p><p>レッスンが終わってから、</p><p>今夜はバイトが入ってた。</p><p>だから、多分、</p><p>ユノはジュンスのうちに泊まるんだって思ってた。</p><p>だってボクに何も言ってこなかったから…。</p><p>この頃、ユノはちょっと変だ。</p><p>ボクに対してよそよそしいっていうか、</p><p>目を合わせてくれなくなった。</p><p>それはボクもそうだけど、</p><p>ボクにはちゃんと理由があって、</p><p>だから、それはユノにとっては迷惑な気持ちだから、</p><p>どうしても伝えられなくて。</p><p>今夜はジュンスのうちに泊まるんだって思ってた。</p><p>それなのに！</p><p>&nbsp;</p><p>洗い場のバイトの休憩中、</p><p>ジュンスと家族が目の前を通った。</p><p>晩御飯を外に食べに出たみたい。</p><p>そこにユノはいなかった。</p><p>ウソ！だって、帰れないじゃん！</p><p>バス、もうないって言ってたじゃん！</p><p>もしかしてと思って、急いでうちに帰ったけれど、</p><p>そこにもユノはいなかった。</p><p>部屋に入って、ボクの晩ご飯用にとっておいた海苔巻を</p><p>ユノに食べさせようって思って、</p><p>ビニール袋にいれて部屋を出る。</p><p>&nbsp;</p><p>絶対にここにいる、そう思ってやってきたバス停。</p><p>風を遮る壁の向こう側、</p><p>やっぱりあった段ボールの壁。</p><p>前にもここで寝たって言ってた。</p><p>夏だったから無事だったけれど、</p><p>こんな寒い時に、無茶な事を！</p><p>&nbsp;</p><p>「ユノ！」</p><p>声をかけながらゆっくりと段ボールをめくる。</p><p>カタカタ震えるユノがそこにいた。</p><p>「ユノ！何やってんだよ！死んじゃう！」</p><p>慌てて起こして身体をこすった。</p><p>冷たい上着が霜を降らせる。</p><p>「ジェジュ…。」</p><p>「もう、バカユノ！何でジュンスのとこに行かないの！</p><p>何でボクの部屋にきてくれないの！」</p><p>「だって…ジェジュに迷惑かける、から。」</p><p>「ここで死んじゃうのが迷惑なの！」</p><p>「ごめん。」</p><p>「さあ、立って、帰るよ！」</p><p>「ダメだよ。」</p><p>「何で！」</p><p>「だって…俺自信ない。」</p><p>「何の！」</p><p>「ジェジュに、好きだって、そう言って、抱きしめたり、</p><p>そんなこと、したいって、そう思って、だから、ダメだよ。」</p><p>「ボクもって言ったら一緒に帰ってくれる？」</p><p>「へっ？」</p><p>「ボクも…ユノが好きだって、そう言ったら…。」</p><p>「ジェジュ！？」</p><p>「ユノが…好き、です。」</p><p>「ジェジュ、俺も、好き。愛してる。」</p><p>真っ赤な顔でユノが言う。</p><p>「か、帰ろうか！」</p><p>「お、おう。」</p><p>ユノが立ち上がって、ボクを抱きしめてくれた。</p><p>「ジェジュ、来てくれてありがとう。」</p><p>どんな顔してるのか見たかったけれど、</p><p>照れてるユノは顔を見せないようにボクをずっと抱きしめてた。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>「そうだ！これ返しにいかないと！」</p><p>さっきまで寝ていた段ボール、</p><p>近くのホームレスのおじさんに借りたんだって言って、</p><p>たたんで一緒に探しにいった。</p><p>向かい側のバス停の影、おじさんは居た。</p><p>「あの、これありがとうございました。</p><p>友達が迎えにきてくれたんで、</p><p>一緒に帰ります。助かりました、ありがとうございます。」</p><p>二人でお辞儀をしてそこから帰ろうとして、</p><p>ふとボクの持ってるビニール袋、</p><p>ユノが一緒に来てくれなかったら</p><p>食べてもらおうと思った海苔巻き、</p><p>それをそのまま差し上げようと思った。</p><p>「あの、これも、どうぞ。</p><p>海苔巻きです。ボクが作ったんで、</p><p>美味しいかどうかはあれですけど。」</p><p>&nbsp;</p><p>「ああ、ありがとう。」</p><p>両手で受け取ってくれたそのおじさんの首元が寒そうで、</p><p>思わず巻いてたマフラーを渡してた。</p><p>「これも、使ってください。」</p><p>「いいのかい？」</p><p>「はい、うちにはもう一つありますから。」</p><p>お姉ちゃんからのお下がりのマフラー、</p><p>ピンクのそれを巻くのは恥ずかしかったけれど。</p><p>「ジェジュ、行こう。」</p><p>ユノが声をかける。</p><p>立ち上がろうとした時、おじさんが話しかけてきた。</p><p>&nbsp;</p><p>「君の望みをひとつ叶えてあげるって言ったら、</p><p>何を願うかい？」</p><p>「ジェジュ？」</p><p>「ちょっと待ってて。」</p><p>おじさんに向き合って、ちょっと考える。</p><p>「なあ！」</p><p>じれたユノの声がする。</p><p>おじさんがぴんと指を動かした。</p><p>「うわっ！」</p><p>ユノの帽子が飛んで行った。</p><p>深くかぶって、絶対に飛ぶはずのない帽子が。</p><p>「どうだい？」</p><p>「ボクの望みは、ひとつだけです。</p><p>ユノと、仲間とずっと一緒にいたいってことだけです。」</p><p>「おや？お金や、有名になることじゃないのかね？</p><p>だって芸能人になるんだろ？」</p><p>「そんなもの、自分で頑張るものでしょ？</p><p>でも、人の心はどう頑張ってもダメなことあるから。」</p><p>いろいろ思い出しちゃった。</p><p>「では、一緒にいるっていうのが望みなんだね。」</p><p>「ううん、違います。」</p><p>走って帽子を追いかけるユノの姿を見ながら、</p><p>ボクの心に浮かんだ答え。</p><p>「あのね、ユノがボクを必要としなくなった時、</p><p>離れる勇気をボクにください。</p><p>ユノがボクのせいで不幸にならないように、</p><p>そんなコト耐えられないから。</p><p>勇気だけ、欲しいと思うんです。」</p><p>あ、帽子を拾えた！</p><p>「あの子の事ばかりじゃないか。」</p><p>「だって、好きなんです。</p><p>いなくなったら死んじゃうかもって思うくらい、</p><p>好きなんです。」</p><p>「では、一度だけ、チャンスをあの子にあげよう。」</p><p>何の話だろう？</p><p>「ジェジュ、行くぞ！」</p><p>「おじさん、じゃあ、ボク行きます。」</p><p>「さようなら。」</p><p>「はい、さようなら。」</p><p>&nbsp;</p><p>ユノに向かってかけていく。</p><p>「あれ？マフラーは？」</p><p>あれ？どうしちゃったっけ？</p><p>「無くしちゃった。ユノの半分分けて。」</p><p>「おう、これでどうだ？あったかい？」</p><p>首にユノの腕が巻きついた。</p><p>真夜中だけど、</p><p>人通りないけど、</p><p>外でこんなにくっついて歩いてもいいの？</p><p>嬉しいけど、</p><p>すごくすごく嬉しいけど…！</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>「えっと…今夜が初めての夜って事でいいの？」</p><p>「ユノ…もう、何言ってんの！…ぱぼ…。」</p><p>「あ！流れ星！」</p><p>見上げた夜空に、はっきりと見えた。</p><p>「何かお願いした？」</p><p>ユノに聞かれた。</p><p>「ナイショだよ！」</p><p>繋いだ手を引っ張って、さあおうちに帰ろう！</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>おしまい！</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>さて、文字制限等ありましたがこれにて完結でございます。</p><p>読み返してみると、頑張ったなワタシ！ですね〜</p><p>では！</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/whitebloodcorpuscle/entry-12678898384.html</link>
<pubDate>Sun, 06 Jun 2021 05:52:26 +0900</pubDate>
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<title>あんふぉげたぼ　8</title>
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<![CDATA[ <p>食事が終わり、久しぶりの味に満足して。</p><p>もう真夜中の時間だったけれど、</p><p>ジェジュンから聞かなきゃいけないことが多すぎた。</p><p>「ジェジュン、教えてください。</p><p>乗る予定の飛行機に乗らなかったのはどうして？」</p><p>チャンミンの言葉で始まったジェジュンの話、</p><p>それはとても信じられない出来事の連続だった。</p><p>&nbsp;</p><p>「ユノから助けてってメールが来て。」</p><p>&nbsp;</p><p>俺驚いて、何があったのって。</p><p>それでネット見たら車椅子の写真出ていて、</p><p>もうどうしようって、大怪我したんだって思って。</p><p>俺の事を待ってるはずだと思ってさ。</p><p>だってそういうメールだったから。</p><p>それで荷物をジュンスにたのんで</p><p>一番早い飛行機に乗るために空港に一人で行ったの。</p><p>時間ギリギリで乗れたんだけど、</p><p>通路はさんで隣にちょっと変なおじさんが座ってたんだ。</p><p>変なって言うか、酔ってる感じ。</p><p>誰かれ構わず大声で話しかける、みたいな？</p><p>俺にも話しかけてきたけど、</p><p>キャビンアテンダントの人が何とかとりなして、</p><p>滑走路に向かった時、</p><p>そのおじさん、電話で話し始めちゃって。</p><p>やめろって言われてもやめないし、</p><p>出発時間はどんどん過ぎていくし、</p><p>無理って事になって引き返したんだ。</p><p>迷惑な話だよね～。</p><p>みんなイライラしてた。</p><p>それでやっとおじさん降ろして</p><p>もう一度滑走路行くって事になったら、</p><p>今度は凄い警告音が鳴っちゃって！</p><p>トラブルですって言ってるけど、</p><p>何が起こったのか教えてくれなくてさ。</p><p>もう一度出発ロビーに戻って…。</p><p>もう散々！って思ってたら、</p><p>携帯電話電源入れた途端、ユノからメール来て。</p><p>「乗るな！」</p><p>って書いてあった。</p><p>どういう意味なのかわからなくて、</p><p>返事出そうとしたんだけど繋がらなくて。</p><p>代わりの飛行機用意できませんって事になって、</p><p>じゃあユチョンやジュンス達と一緒の飛行機にしようって思って。</p><p>ジュンスに電話して空港で待ってたの。</p><p>何だか変な出来事ばっかりで。</p><p>でもさ、何で乗るなって書いたの？</p><p>あ、それからもっと変な事あったんだよね～。</p><p>ほら、さっきのおじさん、</p><p>みんなを待ってる時、そのおじさんにロビーで会ったんだよね。</p><p>そしたらさ、さっきとは別人か？ってくらい落ち着いた感じで、</p><p>俺のところに来てさ～。</p><p>「あの時のお礼だよ。」</p><p>そう言っていなくなっちゃったんだよ。</p><p>どういう意味だと思う？</p><p>ってかさ～、どうして乗るなだったの？</p><p>ユノ、教えてよ～！</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>答えを与えられたようで、</p><p>それ以上に大きな疑問を投げかけられて。</p><p>「無事だったから、それでいいです。」</p><p>チャンミンのその言葉で落とし所を作ってもらった。</p><p>&nbsp;</p><p>「今夜は一緒に寝る！」</p><p>ジュンスの一声で許容量オーバーな状態で</p><p>俺のベッドに5人で潜り込んだ。</p><p>あっという間に夢の中。</p><p>それでもしっかりと手を繋いで、</p><p>ジェジュンの存在を確かめながら浅い眠りについた。</p><p>&nbsp;</p><p>翌朝、</p><p>「ここじゃ満足にお世話出来ない！」</p><p>ジェジュンの言い分が通って、</p><p>スーツケース3個分の俺の荷物と共に、</p><p>俺がジェジュンの家に引っ越す事になった。</p><p>&nbsp;</p><p>ジェジュンの部屋、</p><p>もちろん地震の跡なんかあるはずもない。</p><p>確認しながら部屋を見渡す。</p><p>しばらく住んでいた場所、</p><p>どこに何があるのかなんて知り過ぎる程知っていた。</p><p>「何で知ってるの？」</p><p>迷いなくトイレに向かった俺に不思議がるジェジュン。</p><p>そして、あの開かずの間だけは入るなと釘を刺された。</p><p>「見せたくないもの、入ってるから。」</p><p>耳だけ赤くしてそう言って、</p><p>絶対にダメだともう一度念を押された。</p><p>ああ、わかったと返事をして、笑いをかみ殺すのに必死だった。</p><p>&nbsp;</p><p>「あの…お風呂…入る？」</p><p>「そうだな、ギプス外せば入れるから。」</p><p>「でさ、一緒に、入ってもいいよぉ。」</p><p>「え、あ、えっと！」</p><p>「お世話する！脚も曲げられないでしょ、</p><p>それから、身体とか洗うのも、無理だよね！」</p><p>無理ではないが…。</p><p>「お、お願いしよう、かな～。」</p><p>「うん、ちょっと待ってて。</p><p>えと、用意して、くる。」</p><p>とてとてと小走りにバスルームに向かうジェジュン。</p><p>「うわっ！どうする俺、どうしよう俺！」</p><p>可愛すぎて、無理させちゃうし、無理しちゃうかもしれない。</p><p>くそっ！何でこんな時に悪くなってんだよ、膝！</p><p>「ねえゆのぉ…来て。」</p><p>壊れてもいいじゃないか！なあ膝！</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>ぴちゃん</p><p>&nbsp;</p><p>「膝が治ったらリベンジしてやる！」</p><p>「もう、無理すんなって！</p><p>痛いんだからしょうがないじゃん。」</p><p>「だってさ～！」</p><p>「おっれ満足したよ？</p><p>久しぶりだったしさ～、前みたいにはいきなりは無理だよぉ。」</p><p>「俺はできるんだよ、できるやつなんだよ！」</p><p>「ユノ、もう、じっとしてて！」</p><p>翼を持つ背を俺に預けて、</p><p>肩まで浸かるお湯の中。</p><p>不甲斐なさに文句を垂れる俺の胸の中、</p><p>痛めた膝をさすってくれてる。</p><p>「でも良かった。</p><p>酷い怪我じゃなくて。あのメール見たとき、心臓止まるかと思ったし。」</p><p>俺もあのニュースを見たとき、心臓止まったかもしれない。</p><p>「もう踊れなくなってたらどうしようってさ。</p><p>ステージに立てなくなったらどうしようって。</p><p>でも、俺が頑張ればいいか～って思ったけどね。</p><p>あっは～。」</p><p>もう二度と会えないと思っていたジェジュンに</p><p>こうやって会えている奇跡。</p><p>もう離さないと心で誓って後ろから抱きしめた。</p><p>「何だよぉ、甘えちゃって。」</p><p>「甘えさせろよ。ずっとひとりぼっちだったんだぞ！」</p><p>「チャミいたじゃん。」</p><p>「ジェジュじゃない。」</p><p>「わがまま～。」</p><p>「ずっと一緒にいてくれ。」</p><p>「ずっと？」</p><p>「うん、ずっと。」</p><p>「1年前まで全然連絡くれなかった。」</p><p>「ごめん。」</p><p>「会いたいって言ったの俺だった。」</p><p>「ごめんな。」</p><p>「だからさ、もうユノとさよならしようって、</p><p>そう思って、最後の賭けだったの、</p><p>会いたいって死ぬほど会いたいって、</p><p>返事無かったら終わりにするって決めてたんだ～。」</p><p>顔を見せずにそう言うジェジュンの胸の辺り、</p><p>天井からじゃない水滴が、</p><p>お湯の上にぽちゃんぽちゃんと落ちてくる。</p><p>「返事くれて…良かった…。」</p><p>たまらなくなって、身体を反転させた。</p><p>泣いてる顔を両手ではさんで、</p><p>優しくKissを贈る。</p><p>「ジェジュ、愛してる。</p><p>言葉じゃ足りないくらいに愛してる。」</p><p>「俺も、俺も愛してる！」</p><p>ぎゅっと抱きしめて、抱きしめられて。</p><p>&nbsp;</p><p>その夜は、ジェジュンの匂いに包まれて、</p><p>やっと深い眠りにつけた。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>「思ったより元気そうじゃん。」</p><p>そう言いながらユチョンとジュンスが</p><p>訪ねて来たのは3日も経った頃。</p><p>「おう、そっちも元気そうで良かった。」</p><p>「ん？何が？」</p><p>「ジェジュンが戻って、気持ちも落ち着いたろ？」</p><p>「戻ってって？ジェジュン、何処かに行ってたっけ？」</p><p>「ジュンス？お前何言ってるんだ？」</p><p>「ユノこそどうしたの？なんか変な感じ～！</p><p>長いこと会ってなかったから～、</p><p>ユノのお話について行けなくなってるよお！」</p><p>「ユチョン、お前は忘れてないよな、</p><p>ここで一緒に居たこと、とか…。」</p><p>「ごめ～ん、ユノが何言ってんのかわかんねえや。</p><p>ここで会うの初めてだし。ちょっと大丈夫っすか？」</p><p>&nbsp;</p><p>二人には、もうあの記憶が無い、のか？</p><p>話は食い違い続け、</p><p>これからはもっと頻繁に会って</p><p>意思疎通をちゃんとしようなんて言われてしまった。</p><p>&nbsp;</p><p>翌日、雑誌の取材でチャンミンと久しぶりに会う。</p><p>「ジェジュンは元気ですか？」</p><p>「良かった、チャンミンは記憶があるんだな。」</p><p>「何の事です？」</p><p>「いや、うん。いいや。」</p><p>少しホッとした。</p><p>辛い記憶だけれど、全部無くなるってのは</p><p>どうも気分が悪い。</p><p>あの日々があるから、</p><p>ジェジュンへの思いが強くなってるんだから。</p><p>「今晩飯でも食いに来ないか？</p><p>ジェジュンが昨日から一生懸命何か作ってるんだ。」</p><p>「あ！行きます行きます！ヒョンの家で食べたっきりですもんね。</p><p>楽しみにしてるって言っておいてください。</p><p>あ～、ジェジュンの家に行くの初めてです。</p><p>何か持って行きましょうか？」</p><p>返事ができなかった…。</p><p>曖昧に頷いてその場を離れる。</p><p>なぜだ！？</p><p>チャンミンまで！</p><p>どうして！</p><p>&nbsp;</p><p>コーヒーでも買おうと廊下を歩く。</p><p>何かしていないとおかしくなりそうだ。</p><p>「ああ、すみません。」</p><p>すれちがった男性に声をかけられた。</p><p>「はい、えっと、どちら様でしょうか？」</p><p>「もう、忘れていい。」</p><p>「はい？」</p><p>「君は正しい選択をした。だから…。」</p><p>何を言っているんだ？</p><p>「忘れるんだ。」</p><p>&nbsp;</p><p>電話が鳴った。</p><p>ジェジュンからだ。</p><p>「失礼。」</p><p>そう言って電話を取る。</p><p>『ゆっの～、今晩チャミ来てくれるって？』</p><p>「ああ、楽しみにしてるってさ。</p><p>何か買って行った方がいいか？」</p><p>『ん～、だいじょぶ、そのまま帰って来てよ。』</p><p>「了解！じゃあ後で。」</p><p>『愛してるよ～！』</p><p>「…俺も。」</p><p>電話を切って振り返る。</p><p>あれ？</p><p>誰かと話してなかったっけ？</p><p>左右を見ても誰もいない。</p><p>気のせいか…。</p><p>&nbsp;</p><p>ああ、そうだ、</p><p>今夜こそ、あの開かずの間に何が入っているのか、</p><p>ジェジュンに聞き出してやる。</p><p>気になるんだよな～。時々一人で入っていくし。</p><p>甘い時間の最中なら…</p><p>聞きだせるかもしれないな…。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>あんふぉげたぼ</p><p>end〜〜</p>
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<link>https://ameblo.jp/whitebloodcorpuscle/entry-12678898105.html</link>
<pubDate>Sun, 06 Jun 2021 05:51:39 +0900</pubDate>
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<title>あんふぉげたぼ　7</title>
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<![CDATA[ <p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>「ヒョン！ヒョン！</p><p>起きてください！</p><p>何してんですか！こんなに飲んで！</p><p>目を覚ませって！早く！起きて！」</p><p>いきなりだった。</p><p>チャンミンの声に起こされ、強制的にシャワーの下に立たされた。</p><p>&nbsp;</p><p>「思い出したんです！</p><p>何で今まで思い出さなかったのか！</p><p>僕の記憶力、衰えたんでしょうか！？」</p><p>シャワーを浴びて少しはシャキッとして出てきた途端、</p><p>興奮状態でパソコンいじってるチャンミンの姿に驚いてた。</p><p>「どうしたんだよ、落ち着け！」</p><p>「違うんです！違うんだって！</p><p>思い出したの！あの日、何でジェジュンがひとりで</p><p>飛行機に乗ったのか、その理由、</p><p>多分これだって、思い出したんだって！」</p><p>興奮したまま呼び出した画面、</p><p>粒子の粗い写真が1枚。</p><p>眉をひそめてやっと認識できる画像には、</p><p>病院の入り口、車椅子に乗ってる俺の姿が。</p><p>&nbsp;</p><p>「これは何だ！？」</p><p>「膝を痛めた時の写真です！</p><p>この1枚だけですが、ネットに載ったんです！</p><p>ジェジュンがこれを見たって、そう思いませんか！？」</p><p>「病院で、車椅子？」</p><p>「ギプス巻く前でしたから、</p><p>ほら、スタッフが気を利かせて</p><p>ヒョンを乗せてたじゃないですか！」</p><p>その時、玄関が音を立てて開けられた。</p><p>&nbsp;</p><p>「ユノ！チャンミン！</p><p>思い出したんだ！</p><p>何で今まで思い出さなかったのか！</p><p>ころっと忘れてた！」</p><p>そう言いながらユチョンが入ってきた。</p><p>「ユノ、何で裸なんだよ、風邪ひくぞ？</p><p>服着て来いって～、凄いこと思い出したんだから！」</p><p>慌てて服を着るために寝室に戻った。</p><p>&nbsp;</p><p>「思い出したんだよ、あの夜ジェジュンに言われたこと！」</p><p>&nbsp;</p><p>コンサートが終わり、打ち上げで飲んだ後、</p><p>ホテルの部屋に戻って</p><p>パソコンや携帯電話のメールチェックをした。</p><p>電波状況が良くなくてホテルで繋げてやっと読める、</p><p>そんな状態だった。</p><p>ドアが激しくノックされて出てみるとジェジュンだった。</p><p>「こんな夜中にどうしたの？」</p><p>見せられたのはユノの写ってる画面。</p><p>粗い写真、よくよく見たら車椅子に乗った姿。</p><p>零れそうな涙をこらえて、ジェジュンが話す。</p><p>&nbsp;</p><p>「おっれ、ユノと、メールしてた。</p><p>ずっと内緒で、一年くらい、</p><p>ユノ、助けてって、</p><p>俺に帰って来てって、</p><p>苦しいって言ってるの！</p><p>どうしよう、すぐに帰らなきゃ！」</p><p>焦っているのか、泣きそうなのか、</p><p>ジェジュンの言葉の意味が伝わってこない。</p><p>「ユノがどうしたって？</p><p>それに、すぐに帰るって、</p><p>どうせ明日の午前中には帰るんだよ？」</p><p>「でっも、ユノ、助けてって！」</p><p>「見せてよ、そのメール！」</p><p>「消しちゃった！消してって言われてたから、</p><p>癖になってて、消しちゃったの！」</p><p>訳がわからなくて、それでも落ち着かせようと</p><p>ベッドに座らせた。</p><p>そわそわと落ち着かないジェジュン。</p><p>酔った頭で、それでもちゃんと理解しようと正面に座った。</p><p>「ユノと会ってたの？」</p><p>「会ってない、メールだけ。」</p><p>「ユノが入院したの？」</p><p>「わかんない、でも、助けてって！」</p><p>「待て待て！」</p><p>立ち上がろうとするのを止めて。</p><p>「今出て行ったって、飛行機飛んでねえよ。</p><p>ちょっと眠ってアサイチの便で行けるようにしたら？」</p><p>調べてやった出発の時間、</p><p>それを聞いて、一応落ち着きを取り戻して部屋に戻って行った。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>「あの夜、ジェジュンにそう言われた！</p><p>何で思い出さなかったのかわからねえ！」</p><p>「ユノヒョ～ン！チャンミ～ン！ゆっちょおおん！」</p><p>叫びながらジュンスが駆け込んできた。</p><p>「思い出したの！</p><p>あの朝、ジェジュン、思い出したの！」</p><p>その場でぴょんぴょん跳ねていた。</p><p>「ジェジュン、ユノヒョンに会うために飛行機乗ったの！</p><p>チケットキャンセルしててって僕に言って、</p><p>荷物もちょっとだけにして、後はお願いって、</p><p>ユノが待ってるからって！</p><p>ねえ！ユノヒョン！</p><p>ジェジュンに何を言ったの？」</p><p>&nbsp;</p><p>3人の話を聞きながら、俺は震えが止まらなかった。</p><p>ジェジュンを飛行機に乗せたのは、</p><p>昨日の夜の俺からのメールだった！</p><p>何て事だ！</p><p>あのメール、あの文章で送らなかったら、</p><p>ジェジュンはあの飛行機に乗らなかったのか？</p><p>「俺が、送ったあのメールが原因だって？」</p><p>つぶやいた声を聞き逃さないチャンミンが、</p><p>はぐらかすなと迫ってくる。</p><p>「絶対に送っちゃいけないメールを送った…！」</p><p>そう言う俺から詳しい文面を聞き出して。</p><p>&nbsp;</p><p>「覚えてないはずです…。</p><p>昨日のメールが無ければ思い出さなかった話です…。」</p><p>「俺のせいだ！」</p><p>「ユノヒョン、違う、そうじゃない！」</p><p>「俺のせいなんだ！」</p><p>「ユノ、ユノ、しっかりして！</p><p>今晩、今日の分があるはずだから！」</p><p>「でも、最初の計算では、</p><p>飛行機に乗ってる時間ですよね。」</p><p>「それでも、何かあるかもしれないじゃないか！</p><p>時間に遅れて出発なんて、いくらでもある話だろ！」</p><p>「あの日、天気、良かった…。」</p><p>ジュンスが意気消沈してそう言った。</p><p>「俺のせいなんだ…。」</p><p>どうしてあんなメールを送ってしまったんだろう！</p><p>なぜ、ジェジュンを追い込むような</p><p>そんな事をしてしまったんだろう。</p><p>&nbsp;</p><p>「ヒョン！しっかりしろ！</p><p>ユノヒョンがそんなんでどうするんですか！</p><p>今夜、もう一度チャンスがあるんです！</p><p>いいですか！</p><p>しっかりしろよ！</p><p>チョンユノ！</p><p>今踏ん張らなくてどうすんだよ！」</p><p>チャンミンに背中をバンバン叩かれながらそう言われた。</p><p>「ユノ、昨日のメールがここまで影響及ぼしてるんだ、</p><p>もう一度、もう一度だけそのメールに掛けてみよう！</p><p>俺が聞いたジェジュンの話が本物の記憶なら、</p><p>この1年は無駄じゃ無かった！</p><p>だから！」</p><p>ユチョンも俺の腕を揺らしてる。</p><p>「ユノヒョン、ジェジュンねえ、</p><p>心配そうだったけど、笑ってたの！</p><p>あの朝、笑ってユノに会いに行くって言ってたの！</p><p>だから、会わなきゃダメなの！」</p><p>どんな理屈だ？</p><p>けれどジュンスは一生懸命俺に語りかける。</p><p>&nbsp;</p><p>「よし、あらゆる可能性を信じよう。」</p><p>&nbsp;</p><p>間に合ってくれ…そう願うことしかできはしないけれど。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>午後8時。</p><p>現地時間では朝だ。</p><p>もう搭乗手続きが始まっている時間。</p><p>俺たちは輪になって座り、手をつないでいた。</p><p>&nbsp;</p><p>8時半。</p><p>もう飛行機に乗り込んでいる時間。</p><p>一言も声を出せずに、それでも繋いだ手は放せない。</p><p>&nbsp;</p><p>9時になった…。</p><p>携帯電話開いて、電源を入れる。</p><p>「入らない！」</p><p>「待って！後10秒あるから！」</p><p>「フライングって…！」</p><p>「あ、ついた！」</p><p>&nbsp;</p><p>『その飛行機から降りろ！</p><p>その飛行機に乗るな！</p><p>降りろ！</p><p>乗るな！</p><p>飛行機から降りるんだ！』</p><p>&nbsp;</p><p>送信した瞬間、</p><p>時間を残して電源が落ちた。</p><p>「どうして！？」</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>最初は小さな音からだった。</p><p>カタカタカタ…</p><p>ガラスの音？</p><p>そのうち食器棚の中から音がし始めて、</p><p>身体がふわりと浮くような、</p><p>突き上げるような揺れが来た。</p><p>「地震！？」</p><p>何かが割れる音に、3人の頭に身体をかぶせた。</p><p>真っ暗になる室内、激しい揺れと何かが落ちて行く音、</p><p>そして俺たちの叫び声が響いてる。</p><p>&nbsp;</p><p>「ぐおっ！」</p><p>重い何かが俺の膝に落ちてきた。</p><p>激痛が走る。</p><p>脚が動かせない！</p><p>「ヒョン！」</p><p>「逃げろ！逃げるんだ！行け！」</p><p>「ユノ！どうした！？」</p><p>「いいから、逃げろ！非常階段から、上の方へ行くんだ！」</p><p>「ユノヒョン助ける！」</p><p>「ダメだ！行け！」</p><p>もう動けないんだよ。</p><p>さあ、行ってくれ…！</p><p>&nbsp;</p><p>あははは、何だよ最初からこうすれば良かったんじゃねえか？</p><p>ジェジュンが戻ってこれなかったら、</p><p>俺がジェジュンのところに行けばいいんじゃないか。</p><p>ジェジュン、ごめんな、待たせた。</p><p>今行くから、待ってろよな。</p><p>チャンミン、ユチョン、ジュンス…</p><p>悪いな、結果的にお前たちから2人も兄を奪ってしまったな。</p><p>ちゃんと、逃げてくれたかな…</p><p>俺は……</p><p>ジェジュン……</p><p>会え………るかな……</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>暗闇の中…。</p><p>一番最初の感覚は痛みだった。</p><p>「んっぐっ！」</p><p>声も出せない痛み。</p><p>片脚の膝が動かせなくなっていた。</p><p>真っ暗な場所で目を覚ます。</p><p>あれ？</p><p>ここは、どこだ？</p><p>俺は、何でこんなところで寝てるんだ？</p><p>下半身がうまく動かせなくて、</p><p>腕の力だけで身体を前進させた。</p><p>ここはどこだ？</p><p>真っ直ぐ進むと壁に届いた。</p><p>なんとか起き上がって座り、背中を壁に預ける。</p><p>痛みと無理な運動で息が荒くなる。</p><p>壁に添わせてゆっくりと腕を上に伸ばす。</p><p>指先ギリギリのところにスイッチがあった。</p><p>&nbsp;</p><p>ああ、思い出した…！</p><p>ここに部屋の明かりのスイッチがあることを、</p><p>俺は知っていた。</p><p>&nbsp;</p><p>ぱちん</p><p>&nbsp;</p><p>あふれる光の中、</p><p>見覚えのある部屋が広がる。</p><p>地震の影なんて微塵もない、</p><p>俺の部屋だった……。</p><p>「な、んで？」</p><p>壁の時計を思わず見た。</p><p>&nbsp;</p><p>9時5分</p><p>&nbsp;</p><p>ドアノブを手がかりに立ち上がると、</p><p>痛む膝に巻かれている簡易ギプス。</p><p>「どうして？」</p><p>混乱したまま突っ立っていた、その時、</p><p>目の前のインターフォンが鳴った。</p><p>驚きながらモニターを見る。</p><p>&nbsp;</p><p>夜なのにサングラス、黒いマスクをして、</p><p>キャップを被った男がひとりで立っている。</p><p>「ねえ、ユノ！</p><p>居るんでしょ！</p><p>おっれ来たよ～！</p><p>あっけて～、ここ、開けて～！」</p><p>&nbsp;</p><p>ジェジュン！？</p><p>ジェジュンだ！</p><p>&nbsp;</p><p>無言で解除した入り口、</p><p>ここに上がってくるために、</p><p>モニターから消えたのは、ジェジュンだった！</p><p>&nbsp;</p><p>ジェジュンが…</p><p>エレベーターに乗り込んでいると想像してみる。</p><p>階数ボタンを押して、ドアが閉まる。</p><p>軽いモーター音と共に箱が上がって行くのも想像する。</p><p>きんっ！</p><p>そんな音で到着が知らされて、</p><p>ドアが開く。</p><p>少し暗い廊下をまっすぐに奥へと進む。</p><p>目の前のドア、チャイムに指がかかる、</p><p>そこまで想像してみた…。</p><p>&nbsp;</p><p>そして俺は、そんなバカななんて思いながら、</p><p>それでも信じたくて片脚引き摺って玄関に立ってる。</p><p>混乱したままの頭では、何の答えも出てはこないけれど、</p><p>鍵を開けた瞬間、ドアが向こうから開けられた。</p><p>&nbsp;</p><p>「ゆの！ユノユノユノユノ！」</p><p>会いたくて、会いたくて、</p><p>死ぬ程会いたかった人がそこにいた。</p><p>どうしよう、上手く息が吸えない…。</p><p>手が震えて、その顔に触れることもできない。</p><p>瞬きする事も惜しんで、見開いた目で見つめるその先に、</p><p>その人は両手いっぱいの荷物を抱えて立っていた。</p><p>「ユノ？俺だよ、おれ！」</p><p>そう言ってサングラスとマスクを乱暴に外し、</p><p>ドアと俺の間を抜けて中に入ってきた。</p><p>「重っ！」</p><p>多分食材でいっぱいの荷物を足元に置くと、</p><p>心配そうに眉をひそめて俺を見上げてる。</p><p>「痛いの？どうしよう、ここまで歩かせたのきつかった？」</p><p>肩を貸してあげるなんて言いながら、</p><p>俺の腕をあげて脇に入り込もうとしてる。</p><p>&nbsp;</p><p>触れられた瞬間、</p><p>そこにあるジェジュンを感じた、その瞬間、</p><p>その身体を思い切り抱きしめた。</p><p>「痛い～！ユノ、待って、ちょっと待ってよ～！」</p><p>「ジェジュンジェジュンジェジュンジェジュン！」</p><p>「うん、俺だよ、ユノが呼ぶからさぁ、</p><p>来ちゃったよ～、時差ぼけ飛んじゃった～！」</p><p>「ジェジュ…！」</p><p>「ユノ…どうしちゃったの？」</p><p>顔を見合わせ、頬に触れられて、</p><p>初めて泣いていることに気がついた。</p><p>「お前に、もう、会えない、そんな、ヤダって！」</p><p>会話にならない言葉しか出てこない。</p><p>もっと心配そうな顔になったジェジュンが俺を見上げる。</p><p>「ちょっと部屋に入ろうよ、</p><p>ここじゃ脚が痛いままじゃん。な？」</p><p>さっき置いた荷物が邪魔なことに気がついたジェジュン、</p><p>これを先に置いてくる、</p><p>そう言って荷物を抱えて奥へと消えて行った。</p><p>&nbsp;</p><p>その時、玄関が目の前で開いた。</p><p>合鍵を使って、チャンミンが飛び込んで来た。</p><p>「ヒョン！さっきの地震の…！？」</p><p>そこまで言って、泣きながら立っていた俺に驚いて、</p><p>一瞬ひるんだチャンミンだったけれど、</p><p>何か大事なことを言わなきゃいけない様子で、</p><p>勢い込んで息を吸った。</p><p>「ユノヒョン、何で………！？」</p><p>「ユノ～！」</p><p>奥から聞こえた声に、出そうとした言葉を飲み込んで、</p><p>声のした奥と俺の顔を交互に見てきた。</p><p>「ああ、ジェジュンだ…。」</p><p>大きくひん剥いた目玉から、ぼたぼたとこぼれ落ちる涙。</p><p>声を出さないままパクパクと動く唇。</p><p>「ユノ～キッチンに…荷物…って、チャンミン！？」</p><p>「うわあああああ！」</p><p>土足のままジェジュンに突進して抱きついてる。</p><p>言葉にならない叫び声をあげてジェジュンにすがりついていた。</p><p>「チャンミン、チャミ！どうしたの！？」</p><p>背の高い弟にのしかかられる様に抱きつかれて、</p><p>踏ん張りきれずに廊下にへたり込むジェジュン。</p><p>それでも泣きながらしがみついて離れないチャンミンに</p><p>戸惑って情けない顔で俺を見るんだけれど、</p><p>俺だって泣いて泣いて鼻水まで出てきてどうしようもなかった。</p><p>「チャミ、どうした？なあ、大丈夫、俺はここにいるよ？</p><p>もう泣かないでよ～、ユノの脚も心配だからさぁ。</p><p>ちょっとだけ力緩めて～、チャミ～！」</p><p>「もう、どこにも、行かない、言って、約束、言って！」</p><p>「チャミ？本当にどうしちゃった？」</p><p>「約束、して！」</p><p>「わかった、もうどこにも行かない、</p><p>今日はチャミとユノのそばにいるよ、約束する。」</p><p>背中を撫でられ、泣き声もしゃくりあげるくらいに落ち着いて。</p><p>やっとチャンミンに解放されたジェジュンが</p><p>慌ててこっちにやって来た。</p><p>「ユノ！大丈夫？！」</p><p>痛みと安堵感でどうやら玄関に座り込んでたようだ。</p><p>「チャミ！手を貸して！」</p><p>手のひらで涙を拭ったチャンミンとジェジュンに肩を借りて</p><p>廊下の奥、リビングに連れていってもらった。</p><p>&nbsp;</p><p>ソファーに脚を伸ばして座らされて、</p><p>膝の裏にクッションを入れられた。</p><p>「痛い？痛み止めとかある？</p><p>ちょっと待ってて、水持ってくる！」</p><p>呆然としてる俺とチャンミンを置いてけぼりにして</p><p>ジェジュンがパタパタと動いていた。</p><p>「ヒョン…あの、どうなったの？」</p><p>「多分、1年前の状態に戻ってる。」</p><p>「えっ？じゃあ、1年分消えたって事？」</p><p>「このギプス、膝の痛み、全部あの時の状態だ。」</p><p>「何で！？」</p><p>「わからん、わからないけれど、</p><p>今、ここにはジェジュンが居る。</p><p>それだけは本当の事だ、そうだろ？」</p><p>「あの事故、無かったって事？」</p><p>「ユチョンとジュンスに連絡してみないと…。</p><p>詳しい事はわからない。</p><p>あのメールが届いたのかどうか…。」</p><p>&nbsp;</p><p>「ユノ、はい、薬、飲んで。」</p><p>手渡された薬とグラス、受け取った時ジェジュンの電話が鳴った。</p><p>「あれ？ユチョン？」</p><p>そう言いながら電話を取る。</p><p>「もしもし？どしたの？うん、えっ？違うよ…。</p><p>えっと、ユノの家に…チャンミンもいるよ…。</p><p>えっ？今から？ちょっと待ってて！」</p><p>ジェジュンがこっちを見て聞いてきた。</p><p>「今からユチョンとジュンスが</p><p>ここに来たいって言ってるんだけど、いい？」</p><p>「すぐに来てくれって言って。」</p><p>「来てくれって。うん、へ？もうすぐ着く？</p><p>わかった…チャミ、今近くにいるんだって、</p><p>玄関に迎えに行ってくれる？」</p><p>チャンミンが弾かれた様に立ち上がって、</p><p>走って玄関に向かう。</p><p>「ユチョ、なんか慌ててた。どうしたんだろ？」</p><p>手を伸ばすとその手を握ってくれたから、</p><p>そのまま引いて隣に座らせた。</p><p>「ジェジュ…会いたかった。」</p><p>「俺も会いたかった。」</p><p>抱きしめて、もっとジェジュンを感じようと、</p><p>顔を寄せた、その時。</p><p>&nbsp;</p><p>「ジェジュン！」</p><p>「ジェジュ～ン！」</p><p>ふたつのかたまりが俺からジェジュンを奪って行った。</p><p>「ユチョ？何で？ジュンスまで！</p><p>さっきまで一緒だったじゃん！</p><p>ナニふざけてんの？」</p><p>「違うの！さっきまでと、今の僕は違うの！」</p><p>「ジェジュン、ジェジュン！もう、どこにも行くなよ～！」</p><p>抱きついて、まとわりついて、</p><p>身動き取れない俺以外の3人にもみくちゃにされていた。</p><p>「こら！お前ら！ジェジュンから離れろ！」</p><p>立ち上がろうとしたのをジェジュンに見咎められて、</p><p>慌てて駆け寄ったジェジュンを、</p><p>今度は俺が羽交い締めにして抱きしめてやった。</p><p>「うわっ！やめろよ～！」</p><p>狂気の様な再会はこうして始まった。</p><p>&nbsp;</p><p>「ちょっと遅いけど、</p><p>美味しいもの作ってあげる。」</p><p>そう言ってジェジュンがキッチンに入った途端、</p><p>4人でこの状況をどう説明できるのかを話し合う。</p><p>「確認です。</p><p>僕たちの記憶の中の1年は本当にありましたよね？」</p><p>「飛行機行方不明になって、ユノとチャンミンに会って、</p><p>記者会見した、それからアルバムも出した。」</p><p>「不思議な携帯電話で、メール！」</p><p>「ああ、それからジェジュンの部屋で暮らしてた。」</p><p>「最後のメールと、あの地震です。」</p><p>「あの後、どうしたんだ？」</p><p>3人に聞いてみた。</p><p>「僕は気がついたら自分の部屋にいました。</p><p>ユノヒョンに会わなくちゃと思って、</p><p>すぐにここに来たんですけれど、</p><p>おかしな事に気がついて。</p><p>僕の携帯電話に</p><p>ユチョンとジュンスの登録が無かったんです。」</p><p>チャンミンが自分の携帯電話を手にとって話してる。</p><p>「あんなに一緒にいたのに、何度もこの電話で話をしたのに、</p><p>残ってないんです…。」</p><p>「俺は、ふたつの記憶に頭がおかしくなったのかと思ったよ。」</p><p>「僕も～！だってさ、</p><p>ジェジュンと一緒に飛行機で帰って来たのも本当だし、</p><p>ユノヒョンとチャンミンと一緒に地震も本当の事！」</p><p>「俺たち二人で俺の部屋に居たんだよ。</p><p>ユノとチャンミンに電話しようとして、</p><p>チャンミンと一緒、電話に番号が残ってないんだ。</p><p>どうしようもなくて直接会いに行こうって事で</p><p>車に乗ってジェジュンに電話したって訳。」</p><p>「ねえ、これってさ、1年前に戻ってるって事だよね？」</p><p>「そうだな。」</p><p>「やり直しってこと？」</p><p>「俺たちはジェジュンを失わずにすんだ、</p><p>そういう事だろうな。」</p><p>「答えなんて…誰も教えてはくれないんですよね…。」</p><p>チャンミンが不機嫌にそう言う。</p><p>「ジェジュンを失わなかった、</p><p>それだけで満足しろってことですよね。」</p><p>「またあの日に戻るって？」</p><p>「絶対にヤです！」</p><p>「受け入れるんだね、ジェジュンと一緒の方がいいもん！」</p><p>「ジュンス、単純なんだよ。」</p><p>「ジェジュ～ン！お腹すいた～！」</p><p>ジュンスとチャンミンがそんな事を言いながら</p><p>ジェジュンのそばに行ってしまう。</p><p>ジェジュンの近くに居たいだけじゃねえか。</p><p>&nbsp;</p><p>ふと見ると、ユチョンが俺を見てた。</p><p>「…良かったな。」</p><p>ジェジュンがいなくなって一番堪えていたのは</p><p>ユチョンだったと俺は思ってる。</p><p>そう言えばソウルメイトなんて言ってた事もあったか。</p><p>「ユノ、ありがとう…。」</p><p>「ん？どうした？」</p><p>「ジェジュンを諦めないで、</p><p>ジェジュンがいなくなるのを信じないでいてくれて、</p><p>ジェジュンにメールを届けてくれてありがとう。」</p><p>床に座り、俺に頭を下げた。</p><p>「俺たちと一緒に、いて、ありが…！」</p><p>泣き出したユチョン、腕を引っ張りあげて抱きしめる。</p><p>「おっと、膝には乗るなよ。」</p><p>そう言いながら。</p><p>&nbsp;</p><p>泣き笑いのユチョンの背中を軽く叩いて、</p><p>顔をあげた時、恐ろしく無表情なジェジュンと目が合った。</p><p>その後ろで何やってんだって顔のチャンミンとジュンス。</p><p>いるならいるって、そう言ってくれよ！</p><p>「あ、ジェジュン？」</p><p>声が裏返る。</p><p>「ユチョ、手伝って。」</p><p>だから…怖いって！</p><p>「ユノ、痛いんならもう寝ちゃえば？」</p><p>「俺も食べる！食べます、食べさせてください。」</p><p>「チャミ、みんなでテーブルに並べといて。」</p><p>「はいはい。」</p><p>呆れた様に3人が背を向ける。</p><p>&nbsp;</p><p>「ユチョの方がいいの？」</p><p>「違います。」</p><p>「じゃあ、俺にもして。」</p><p>「してって？」</p><p>「俺もぎゅってして。」</p><p>「おいで。」</p><p>手を引くと柔らかく俺の胸に収まった。</p><p>ソファーの上、重なるように寝そべって。</p><p>「あいつらいるぞ？」</p><p>「ちょっとだけならいいじゃん。」</p><p>小さく小さくKissをした。</p><p>&nbsp;</p><p>「あの～。」</p><p>咳払いと口笛と。</p><p>「あっは～、やあだ～！」</p><p>仕掛けた本人が照れまくって。</p><p>…幸せな、幸せな時間……。</p><p>失ったと思ってた、そんな時間……。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>続く</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/whitebloodcorpuscle/entry-12678748798.html</link>
<pubDate>Sat, 05 Jun 2021 11:31:50 +0900</pubDate>
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<title>あんふぉげたぼ　6</title>
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<![CDATA[ <p>その夜、俺は3人にお願いをした。</p><p>「今夜は、ひとりでメールさせてくれないかな…。」</p><p>今夜は1年前に、</p><p>ジェジュンがこの部屋で過ごした最後の夜だから。</p><p>俺はひとりでジェジュンと向き合いたかった。</p><p>&nbsp;</p><p>問題の解決の糸口すら見つかってはいない現状、</p><p>俺たちの焦りは日に日に強くなり、</p><p>それでも何とかジェジュンのいない未来を打破するために</p><p>毎日毎晩話を続けていた。</p><p>けれど…。</p><p>&nbsp;</p><p>「わかりました…。</p><p>僕らは部屋に戻ります。」</p><p>チャンミンとジュンスが連れ立って出て行った。</p><p>「ユノ…。」</p><p>ユチョンはこの頃俺の目を見ない。</p><p>「ん、どうした？」</p><p>「俺は、俺はさ…。」</p><p>「うん。」</p><p>「耐えられるかな…？」</p><p>テーブルの向こう側、下を向いてるユチョンを</p><p>黙って抱きしめてやる。</p><p>何に？とは聞けなかった。</p><p>「俺は…やだよ…！」</p><p>悲痛な声が俺の耳元で発せられた。</p><p>俺にすがりつくように、背中に回った両手が</p><p>きつく俺の服を握りしめる。</p><p>「信じるんだ、必ず会えるって、信じるんだ！」</p><p>「ヒョン…！ジェジュンを、助けてよ！ねえ！」</p><p>その問いに対する答えを俺は持ってはいない。</p><p>だから、ただ信じて、ジェジュンへの想いを深くして。</p><p>俺の背中で握りしめた拳が、</p><p>ユチョンの想いの深さを物語る。</p><p>「信じよう、俺たちの絆を…いいな？」</p><p>涙で出せなくなった声、必死で頷く姿が辛い。</p><p>「ヒョン、時間です…。</p><p>ユチョニヒョン、さあ向こうに行ってようよ。」</p><p>いつの間にか戻って来たチャンミンに、</p><p>ユチョンが連れ出された。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>今夜はジェジュンがこの家で過ごした最後の夜。</p><p>何故かわかったんだ。</p><p>あの部屋でジェジュンが過ごしたんだって。</p><p>俺とチャンミンに囲まれたあの部屋。</p><p>俺のクッションとタオルケットに包まれて。</p><p>&nbsp;</p><p>そっとドアを開ける。</p><p>部屋の中央、クッションの真正面の床に座る。</p><p>ヘッドホンして俺たちの歌を聞いて、</p><p>ころんと横になってる姿を思い描く。</p><p>なあ、ジェジュン…。</p><p>返事はいらない。</p><p>俺はこれから時間いっぱい使って、</p><p>お前への初めてのラブレターを書こうと思う。</p><p>照れ臭いし、悲しいし辛いよ…。</p><p>そして、そっと携帯電話の画面を開いた。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>『ジェジュ、愛しているよ。</p><p>&nbsp;</p><p>そうだな、何を伝えようか。</p><p>まずは謝罪だな。</p><p>会えなくてごめん。</p><p>お前は何度も俺と会おうとしてくれたのにな。</p><p>それから、お前を、お前たちを守れなくてごめん。</p><p>もっと力が欲しいって、</p><p>そう願うだけで何もできなかった。</p><p>最後まで俺の事をリーダーだって言ってくれてたのにな。</p><p>俺は…毎日が必死で、生きて行くのに必死で、</p><p>この世界で生き残る事に必死で、</p><p>お前たちを見ることすらできなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>ジェジュ、お前から見た俺たちはどうだ？</p><p>お前の大好きな俺たちでいるだろうか、</p><p>かっこいいって叫んでくれているだろうか。</p><p>5人の歌を2人で歌う俺たちをどう思ってる？</p><p>聞きたいことばかりで、</p><p>何故か急に不安になってるよ。</p><p>不幸な別れではあったけれど、</p><p>その後の事は不幸ばかりじゃない。</p><p>俺たちの歌を愛して、待っててくれた人達がたくさんいた。</p><p>ジェジュだってそう思ったろ？</p><p>こんなに愛されてたんだってさ…。</p><p>嬉しかったよな。</p><p>隣にお前がいないことが、</p><p>だんだん普通の事になって、</p><p>それが寂しかったけれど、</p><p>それでも前を向いて生きていかなくちゃいけなくって。</p><p>恵まれた人生だって思ってる。</p><p>不自由は少しはあっても、</p><p>それ以上に得るものたくさんあるしな。</p><p>&nbsp;</p><p>ジェジュ…。</p><p>もう一度俺を抱きしめてくれよ。</p><p>俺の事を笑ってくれよ。</p><p>何を泣いてるんだって、頭撫でてくれよ。</p><p>ツアーから戻ったら、一番に会いに行くよ。</p><p>そして、もう二度と離れないって約束する。</p><p>何で離れて生きていけたんだろうって、</p><p>そんな風に思えるくらい、一緒にいよう。</p><p>鬱陶しいってお前に言われるくらい</p><p>そばにくっついてたい。</p><p>それから、ジェジュの作ったご飯を食べたい。</p><p>夕飯も食べたい。</p><p>一番は朝ごはんを一緒に食べたい。</p><p>チャンミンに何やってんだって怒られてたい。</p><p>ユチョンにゆうべはなにしてたのさってからかわれたい。</p><p>ジュンスにどうしてあくびばっかり？なんて言われたい。</p><p>&nbsp;</p><p>ジェジュ、会いたい、会いたい。</p><p>帰国したら、絶対に会おう。</p><p>ツアーを無事に終わらせて、</p><p>俺のところに帰って来い。</p><p>絶対に帰って来い！</p><p>どんなことをしてもいいから、</p><p>どんなお前でもいいから、</p><p>俺のところに帰ってきてくれ。</p><p>愛してる</p><p>愛してる</p><p>愛してる</p><p>愛してる愛してる愛してる愛してる！』</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>時間いっぱい、そこまで打って。</p><p>送信した直後、電源が落ちた。</p><p>俺の目には、</p><p>そのメールを受け取ったお前が見えるようだ。</p><p>横になったまま、</p><p>画面を見つめて、</p><p>画面に触れて、</p><p>瞬きのたびに涙を流してる、</p><p>そんな姿を思い浮かべる。</p><p>そして俺は、</p><p>そんなお前を、</p><p>部屋の中央、床に座って眺めているんだ。</p><p>&nbsp;</p><p>俺の名前のメモ、</p><p>今日の日付の入ったメモ。</p><p>ごめんな、1年前の俺はこの国にいない。</p><p>違う国でたくさんのファンの前で、</p><p>歌っていたよ。</p><p>メモには俺の名前と、</p><p>『俺も愛してる』</p><p>そんな言葉が書いてあった。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>夜が明ける。</p><p>新しい朝がやってくる。</p><p>ジェジュンがいなくなったあの日まで、</p><p>残り10日となった。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>ただひとつ言えること。</p><p>この先の俺とのやり取りで、</p><p>ジェジュンと俺たちの運命が決まってしまうってこと。</p><p>伝えたい事はたくさんあるのに、</p><p>伝えられ無いもどかしさ。</p><p>自然、内容は取り止めのない文字の羅列になっていく。</p><p>事前に書く下書きすらそうなんだから、</p><p>15分の限られた時間、</p><p>喜々としてコンサートの成功を言ってくるジェジュンと、</p><p>焦り、惑い、遠回しに飛行機に乗るなと</p><p>伝えようとする俺たちの間には、</p><p>ジェジュンを戸惑わせるほどの温度差ができた。</p><p>&nbsp;</p><p>『ユノ、どうしたの？大丈夫？</p><p>チャンミンと上手く行ってないの？</p><p>大丈夫だよ、ユノは頑張れる。</p><p>チャンミンだってちゃんと知ってる。</p><p>だからね、ユノ、心配しないで、</p><p>チャンミンと一緒に前を向いて、</p><p>二人で歌を歌い続けて。</p><p>&nbsp;</p><p>俺たちだって頑張ってるんだよ。</p><p>あ～、ユノに見せたかった～！</p><p>ユチョンもジュンスもかっこ良かったんだよ～。</p><p>ソロもカッコ良くてさ～、</p><p>俺いない方がいいんじゃね？</p><p>なんて思っちゃった～！</p><p>あ～！会いたいよ～！</p><p>もうすぐ会えるね。</p><p>愛してる』</p><p>&nbsp;</p><p>『いない方がいいなんて、</p><p>冗談でも言うな！』</p><p>思わず打った送れないその文字を</p><p>一文字づつ消していく。</p><p>&nbsp;</p><p>『愛してるよ。</p><p>ずっと待っているから。』</p><p>そう打ち直して送った。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>後2日…。</p><p>俺たちは家から一歩も出ない日が続いていた。</p><p>だからと言って何かできることがあるわけでもなく、</p><p>思い思いにジェジュンの部屋の何処かで、</p><p>ジェジュンの思い出に浸っている。</p><p>チャンミンはあの開かずの間にいることが多くなった。</p><p>ジュンスはずっと5人の頃の映像を見続けているし、</p><p>ユチョンは仕事部屋でジェジュンの未完成の曲を、</p><p>何度も何度も聞きこんでいた。</p><p>俺は…寝室にこもり、ジェジュンのベッドの上で、</p><p>ジェジュンの歌声を聞いている。</p><p>&nbsp;</p><p>俺たちには、もう何もできないのか…。</p><p>そんな自問自答を繰り返しながら、</p><p>ただ時が来るのを待っている、</p><p>そんな日を過ごしていた。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>「ねえ、ユノヒョン…。」</p><p>「どうした？」</p><p>「あのね、僕ちょっとだけお家に帰ってもいい？」</p><p>ジュンスが言ってきた。</p><p>「もちろんだよ、こっちは大丈夫だから。」</p><p>「すぐに帰ってくるから…。」</p><p>後ろめたい顔で言う。</p><p>「あのね、パパやママに会いたくて。</p><p>だから、ごめんなさい…。」</p><p>「ゆっくりしてくればいい。</p><p>久しぶりなんだろ？会って存分に甘えてこいよ、な？」</p><p>&nbsp;</p><p>ピンと張った俺たちの心は、</p><p>声にならない悲鳴を上げている。</p><p>家族に会うことでその緊張が少しでも解れてくれればいい。</p><p>自分が誰かに無条件に愛されていることを確認することが</p><p>今の俺たちには必要なことなのかもしれなかった。</p><p>「ユチョン、お前も一度帰ったらどうだ？」</p><p>「しばらく会ってないからな～。</p><p>弟にもメールくらいだ。そうだな、一度帰るわ。」</p><p>ユチョンもそう言って暗いままの目をチャンミンに向ける。</p><p>「チャンミン、お前はどうする？」</p><p>「僕も…そうします…。</p><p>妹が会いたいって言ってきてて…。」</p><p>「うん、帰ってやれよ。」</p><p>「ユノヒョンはどうしますか？」</p><p>「俺は…。」</p><p>言葉を濁した俺の気持ちを汲んでか、</p><p>三人は支度をしてこの部屋を出て行った。</p><p>&nbsp;</p><p>ひとり残されたこの部屋で、</p><p>ジェジュンへの気持ちを遠慮なく曝け出す。</p><p>ネットの中の1年前のジェジュンの姿を、</p><p>何枚も何枚もプリントアウトしたり、</p><p>動画を最大の音量で再生したり。</p><p>何年分もさかのぼって、</p><p>俺の知らないジェジュンを飽きもしないで眺めてた。</p><p>笑顔のジェジュンに笑顔を送り、</p><p>悲しげな様子に、その時何があったのかと、</p><p>ファンのブログに入り込んでいろいろ読み込んだり。</p><p>そして最後には自分の不甲斐なさに落ち込んだりした。</p><p>どうして会いたい気持ちを抑えることができたのか、</p><p>今ではわからない自分の気持ちに苛立った。</p><p>&nbsp;</p><p>そして…午後9時。</p><p>&nbsp;</p><p>『その飛行機には乗らないで！</p><p>その飛行機には乗らないでくれ！</p><p>その飛行機は墜落するんだ！</p><p>その飛行機には乗らないでくれ！』</p><p>&nbsp;</p><p>打った端からわけの分からない文字になっていくけれど、</p><p>打つのをやめることができなかった。</p><p>どうか、どうか伝わってくれ！</p><p>祈るように打ち続ける事しかできなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>『ユノ？</p><p>ユノからのメール、</p><p>文字化けしてるよ～！</p><p>海外だからかな～。</p><p>帰ったらちゃんと聞くから、</p><p>ごめんね。</p><p>ここ、あまり電波状況よくないみたい。</p><p>いつもの時間に送れるかわからないよ～！</p><p>じゃあ、また明日ね。』</p><p>&nbsp;</p><p>ジェジュン…明日は無いんだ、無いんだよ…。</p><p>消えてしまった画面に震える唇でKissを送る。</p><p>どうか届けと、俺の気持ちだけでもいいからと。</p><p>止まらない涙を止めることもしないで、</p><p>かすかに残るジェジュンの香りを探して、</p><p>クローゼットから取り出した服をベッドに広げた。</p><p>両腕いっぱい抱きしめて漏れ出る声をそれで抑えた。</p><p>&nbsp;</p><p>なあジェジュン…もう限界だ…。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>後1日…。</p><p>24時間後にジェジュンはいなくなる。</p><p>3人からはメールが来た。</p><p>もう一晩泊まってくる、そんな事を同じタイミングで言ってくる。</p><p>明日の事を受け入れるための心の準備をしているんだろうか。</p><p>あがいているのは俺だけか？そう思ったり、</p><p>でもあいつらの気持ちもわかりすぎるほどわかって</p><p>誰を責めることもできないでいる。</p><p>俺自身も自分を責めて苦しんでいたけれど、</p><p>今はもうそんな気力もなくなっていた。</p><p>ジェジュン、お前が戻ってくると信じてここまできたけれど、</p><p>今もそう思ってはいるけれど…。</p><p>&nbsp;</p><p>『ジェジュン…助けてくれ！</p><p>俺を助けてくれ！</p><p>苦しいよ、胸が痛いよ！</p><p>お前と離れたくないよ！</p><p>ここへすぐに帰ってきてくれ！</p><p>お願いだ！</p><p>愛している、愛している、愛している！</p><p>俺を愛しているなら、すぐに、</p><p>俺のところに、帰って来い！</p><p>助けてくれ！</p><p>もう耐えられない！</p><p>お前を失いたくない！</p><p>助けて！</p><p>帰って来て！』</p><p>&nbsp;</p><p>思うに任せた言葉を並べて、</p><p>これまでなら絶対に送ったりしない文章を送信した。</p><p>&nbsp;</p><p>返事のないまま、電源が落ちてしまう。</p><p>届いたのかどうかすらわからないメール。</p><p>不安な気持ちを抱えて、この1年で初めて酒を飲んだ。</p><p>酒に逃げることだけはしないと決めて、</p><p>ずっと飲んでいなかったから、</p><p>久しぶりのアルコールは結構効いた。</p><p>落ちるように眠りにつく。</p><p>それは幸せな眠りだったのかもしれない。</p><p>ジェジュンの夢を見ることができたんだから。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>続く</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/whitebloodcorpuscle/entry-12678748491.html</link>
<pubDate>Sat, 05 Jun 2021 11:29:58 +0900</pubDate>
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<title>あんふぉげたぼ5</title>
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<![CDATA[ <p>&nbsp;</p><p>「ヒョン…顔が気持ち悪いです…。」</p><p>いいよ、いいよ。</p><p>チャンミンのそんな暴言も、スルーできる。</p><p>あの記者会見から1ヶ月、飛行機の捜索は継続中、</p><p>ユチョンやジュンスの周りも落ち着きを取り戻し、</p><p>自宅に戻って行った。</p><p>俺たちはまだ仕事を自粛している。</p><p>テレビにも、他のメディアにも出てはいない。</p><p>ファンとの交流も、相手側からのキャンセルもあったりで、</p><p>俺たちは存分に</p><p>ジェジュンの事にかかりっきりになっていた。</p><p>&nbsp;</p><p>あれから色々試してみた。</p><p>やはり未来の事は書けていない。</p><p>遠回しな言い方にしてもダメだった。</p><p>でも、わかったこともある。</p><p>ジェジュンの過去の行動から、</p><p>大きく外れなければこちらの意向が伝わるって事。</p><p>俺の名前のメモもそうだし、</p><p>遊びに行った先で俺のために</p><p>何かを購入させる事ができる、とか。</p><p>あの部屋の中に、開封していない箱を見つけた時、</p><p>嬉しいやら切ないやらで、開けることができなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>今はこうして、</p><p>午後9時のジェジュンとのやり取りの時間に、</p><p>3人が交互に俺のいるところにくるようになっていた。</p><p>今夜はジェジュンの部屋で夜を迎えてる。</p><p>というより、ここのところずっとこの部屋に居る。</p><p>あれから、この部屋を1年の期間限定で</p><p>そのまま借りることができた。</p><p>ジェジュンの動向を知りやすいって事から、</p><p>俺はここに住んでいた。</p><p>周囲の心配や批判の声は聞こえてはくるけれど、</p><p>俺やチャンミン、ユチョンもジュンスも、</p><p>希望を捨てずに、毎日を過ごしていた。</p><p>&nbsp;</p><p>『好きだよ～、何でそんなこと聞くんだよぉ。</p><p>でもさ、何で会えないの？</p><p>俺、行こうか？ユノんち。</p><p>場所知ってるし。</p><p>今から行こうか？』</p><p>&nbsp;</p><p>『今日は、疲れちゃった…。</p><p>あ～、ユノの顔見れたら頑張れると思んだけどな～。』</p><p>&nbsp;</p><p>可愛いだろ？可愛いんだよ、俺のジェジュは～。</p><p>ってな事を考えてた顔をチャンミンに見られて、</p><p>さっきの暴言になったって訳。</p><p>今はとりあえず、</p><p>うちの周りにパパラッチが山のように居るって</p><p>言い訳で止めてるんだけど、</p><p>そんな言い訳でずっと過ごせる訳も無い。</p><p>思案のしどころ、集まればその話ばかりをしている。</p><p>&nbsp;</p><p>「明日から、ジェジュンの方が出国しますから、</p><p>今夜をしのげれば、何とかなると思うんですけど。」</p><p>チャンミンの言葉に、手元のスケジュールを見た。</p><p>日本での取材、ファンミーティング、レコーディング。</p><p>忙しい日々が待っている。</p><p>舞台に出てたジュンス、撮影中のユチョン、</p><p>彼らと離れてひとりっきり、</p><p>寂しさも重なって、連絡がついた俺に</p><p>やっと甘えた発言をしてくるようになったんだろうと思う。</p><p>短い時間、早く文字を打てるようになったからって、</p><p>長文で、それもラブレターの様な文章を、</p><p>すぐさま送れるようになるわけじゃない。</p><p>なんとか載せる一言くらいの甘い言葉に、</p><p>ジェジュンが喜んでいるのも伝わってきて。</p><p>ああ、できるならば、</p><p>1年前の俺を殴りに行きたいところだ。</p><p>何やってんだよ！ジェジュンのところに行けよ！</p><p>けど無理だから…。</p><p>&nbsp;</p><p>「ヒョン、これって…今日の日付けじゃないですか？」</p><p>冷蔵庫の中、入ってた俺の名前入りのメモ、</p><p>全部張り出して見やすいようにしたのは今日の事。</p><p>そのうちの一枚が、一年前の今日の日付け。</p><p>「どういうことだ？」</p><p>「ちょっと待ってください…。調べてみます…。」</p><p>ジェジュンのパソコン、</p><p>日記を盗み見るようで気が引けてはいたけれど、</p><p>ミスを犯さない為には必要だった。</p><p>「ジェジュンの事務所からのメモによると、</p><p>翌日車の修理を頼まれてますね、急に。」</p><p>日本に出国前夜に？</p><p>答えは翌日届けられた。</p><p>&nbsp;</p><p>『昨日の夜、我慢できなくなっちゃって、</p><p>ユノんち行こうとして車に乗ったら、</p><p>エンジン壊れた～！</p><p>夜中に修理なんて頼めなくて！</p><p>もう！最悪だ～！</p><p>会いたかったのに！</p><p>会いたかったのに！』</p><p>&nbsp;</p><p>予定外の行動には、</p><p>邪魔が入るって事らしい…。</p><p>俺に会いたかったけれど、会えなかった、</p><p>そんな日付けのメモだった。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>そんな風に日々が流れて、</p><p>ジェジュンが消えて2ヶ月が経った頃。</p><p>ポツポツ仕事のオファーも来るようになった。</p><p>俺たちは話し合い、仕事を再開する事にした。</p><p>このまま何もせずに居ると、</p><p>ジェジュンが忘れられてしまうと思ったから。</p><p>捜索は続いてはいるものの、</p><p>トップニュースではなくなったし、</p><p>それどころか、一度も報道されない日があったりと、</p><p>俺たちに焦りが湧き上がってきた。</p><p>なるべく良心的な雑誌のインタビュー、</p><p>ジェジュンの無事を祈っている事、</p><p>未だ見つかっていない飛行機の事。</p><p>文字に乗せて、画像に乗せて。</p><p>&nbsp;</p><p>新曲も出さなけりゃ、テレビには出られないわけで。</p><p>その打ち合わせで忙しくしていた。</p><p>ユチョンやジュンスもいろいろと出だした。</p><p>そのうち、一緒に出演してくれって話もあって。</p><p>ジェジュンがいなくなる前では考えられない事が、</p><p>こうしてできるようになった。</p><p>4人で並んでバラエティショー、</p><p>ジェジュンの事を語らせてもらった。</p><p>忘れないでくれ、まだ希望を捨ててはいない。</p><p>共演者の戸惑いの中、</p><p>堂々と語り、笑っている俺たちは、</p><p>細い細い蜘蛛の糸の様なものに、</p><p>全力でしがみついているような状態だった。</p><p>&nbsp;</p><p>ジェジュンとのやり取りは、穏やかなものだ。</p><p>日本に居るジェジュン。</p><p>楽しんでいたり、疲れていたり。</p><p>友人に会った事を喜々として報告してきた時、</p><p>アップされた写真を見ながら、</p><p>嫉妬心丸出しの返事を書いたり、</p><p>送信直前それを消したり。</p><p>まあまあ、穏やかに過ごしていた。</p><p>そうやって、3ヶ月が過ぎた頃、</p><p>会社から連絡が来た。</p><p>&nbsp;</p><p>『関係機関から連絡があった。</p><p>飛行機の捜索が打ち切られる。</p><p>乗客乗員は死亡認定される事になりそうだ。』</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>「聞いたか？」</p><p>すぐさまユチョンに電話をした。</p><p>『どうして！』</p><p>ユチョンの叫びにも似た声が届く。</p><p>「国も、航空会社も</p><p>これ以上続ける事に意味を見出せないんだそうだ。</p><p>税金も使われている。</p><p>批判も日に日に多くなってるらしい。」</p><p>『でも！それでも！』</p><p>「ああ、そうだな、諦めたくない。</p><p>ここで俺たちが認めてしまったら、</p><p>このメールが途切れてしまうような気がしてる。</p><p>信じて、ずっと諦めないでいなくちゃいけないと</p><p>感じてるんだ。</p><p>これはチャンミンも一緒だって言ってる。」</p><p>『どうすんの？』</p><p>「ちょっと考えたんだが。</p><p>寄付金目的のアルバムを俺たちで作らないか？」</p><p>『売り上げで何かをするって事？』</p><p>「個人で調査会社を雇うんだ。</p><p>大きな金が必要になる。」</p><p>『わかった…。</p><p>こっちでも話を詰めてみる。</p><p>でも、急がないと…ジェジュンが…！』</p><p>「しっかりしろ、ユチョン！</p><p>俺たちが折れたらそこで終わるんだ！</p><p>踏ん張るんだ、いいな！」</p><p>俺だって折れそうな状態で、</p><p>それでもみんなに喝を入れた。</p><p>&nbsp;</p><p>ジェジュンの仕事部屋、</p><p>パソコンの中に大量に入ってた自作の曲、</p><p>そのうちの何曲かを選んで、</p><p>大勢の仲間を集めてレコーディングを開始した。</p><p>ジェジュン、こんなに人が集まってくれたよ。</p><p>みんなお前を心配してる。</p><p>そして、帰ってきてくれると信じているんだ。</p><p>何年も会ってはいなかったのに、</p><p>一つの目標に向かって異常な速さで曲が仕上がって行く。</p><p>4人のコーラス、幾重にも重ねる声は、</p><p>時間を越えてあの日の心地良さを感じさせる。</p><p>そしてそれ以上に</p><p>ジェジュンの不在がいかに</p><p>大きいものかも同じように感じ取っていた。</p><p>歌手仲間が集まって、いろんな垣根を越えて</p><p>大合唱してくれた。</p><p>贅沢で、豪華な、でも主役のいないアルバムは、</p><p>世界中に配信され、爆発的にヒットした。</p><p>その売り上げは、そのまま飛行機の</p><p>捜索費用に充てられる事となった。</p><p>アルバムを出した事によって、</p><p>4人でのメディア露出が格段に上がった。</p><p>歌番組、バラエティ、ラジオ、</p><p>そして、コンサート。</p><p>ジェジュンがいなくなって半年がすぎていた。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>そんな中…。</p><p>ユチョンのインタビュー記事が小さな波紋を呼んだ。</p><p>長いインタビューの最中、</p><p>飛行機の捜索の事に関して質問されたユチョン。</p><p>表面上同情的なインタビュアーの話の持って行き方に</p><p>少しイラついたと言っていた。</p><p>だから、ああ答えたんだと。</p><p>&nbsp;</p><p>「僕たちは、飛行機を探し出すために、</p><p>今自分たちができることをしているんです。</p><p>ジェジュンをダシにしているなんて、</p><p>そんな事はありません。</p><p>僕らは…ジェジュンが見つからないことを</p><p>確認するために捜索を続けているんです。」</p><p>オフレコだと言っていたはずだった。</p><p>インタビューの終わった後に、</p><p>意地の悪い言い方をされたんだと。</p><p>ネット上、あれはどういう意味だと、</p><p>話題になったらしい。</p><p>落ち込むユチョンをチャンミンが慰める。</p><p>「大丈夫です。</p><p>誰もユチョニヒョンが悪いなんて思ってません。</p><p>それよりも、ジェジュンに関する話題が</p><p>トップページに掲載されてるんです。</p><p>良かったじゃないですか。」</p><p>それで慰めてるつもりなの？</p><p>ジュンスに突っ込まれている。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>スケジュール上、</p><p>どうしてもジェジュンとメールできない日もあった。</p><p>当時、飛行機で移動の最中だとか、</p><p>コンサートで物理的に不可能だとか。</p><p>また、それはジェジュンの側からもそうで、</p><p>移動中、仕事中、連絡が出来ない事があった。</p><p>そんな日は、打てなかったり、</p><p>受け取ることができなかったりと、</p><p>不安と共に夜を過ごした。</p><p>その他にも、俺はのほほんと友人とキャンプへ行ったり、</p><p>遊びに行ったりと、俺の写真が</p><p>友人のツイッターを通して世界中に流れてて、</p><p>それを見たジェジュンが怒り狂ってメールをよこしたり、</p><p>臍を曲げて返事をくれなかったり、</p><p>そんな右往左往もあった。</p><p>&nbsp;</p><p>『信じらんない！信じらんない！信じらんない！</p><p>俺と会う時間は無いのに、キャンプ行く時間はあるんだ！</p><p>俺と会いたくないんでしょ！わかった！もう！連絡しない！』</p><p>&nbsp;</p><p>「犬も食わないものを、</p><p>何で僕らは見なきゃいけないんでしょうか。</p><p>いいから、さっさと謝り倒して許してもらってください！」</p><p>「ジェジュン、あの時イライラしてたよね～。</p><p>ボクなんかしちゃったかと思って～、</p><p>そうか～、ユノのせいだったんだね～。</p><p>ボクにも謝ってよぉ～。」</p><p>「ったく、要領わりいんだっての。</p><p>それに、女の子、一緒はやばいよね。」</p><p>「いや、その、だから！」</p><p>1年前だし、知らなかったし、俺が連れてきた訳じゃないし！</p><p>「謝るよ…俺が悪いって。」</p><p>その日の日付の名前のメモ…。</p><p>くしゃりと一度丸められてた。</p><p>馬鹿野郎…あの日のオレ！</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>アルバムの売り上げで捜索をする期間は、</p><p>飛行機が消えて1年目のその日まで。</p><p>そういう契約で専門機関に依頼していた。</p><p>陸上、海上、ありとあらゆる場所を、</p><p>宇宙からの映像で解析してもらっていた。</p><p>けれど、芳しい結果は得られないでいる。</p><p>ジェジュンが消えて10ヶ月が、</p><p>あっという間に過ぎていった。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>何の進展も無い毎日、</p><p>俺たちにも隙があったんだと思う。</p><p>後2ヶ月しかないのに、</p><p>俺たちは何もできなかった。</p><p>そんな時、ミスを犯した。</p><p>ジェジュンに向かってメールをしちゃいけない日に、</p><p>浮かれたメールを送ってしまったんだ。</p><p>&nbsp;</p><p>『てめえ、誰だ！』</p><p>&nbsp;</p><p>ジェジュンからの返事だった。</p><p>&nbsp;</p><p>『ユノは今、コンサート中なんだよ！</p><p>てめえは一体誰なんだ！</p><p>俺をからかっているのか！』</p><p>&nbsp;</p><p>日付を1日間違ってしまった…。</p><p>「間違えた…！？」</p><p>ジュンスの声がする。</p><p>「どうしよう！どうしよう！」</p><p>なぜこんな事が？</p><p>急いで返事を書こうとして、文章もおかしくなる。</p><p>&nbsp;</p><p>『本物だし、俺だし、ユノだから、</p><p>信じて欲しいからこんさとおれだけどおれちがうから</p><p>これのおれがほんものでジェジュンおくてるのに</p><p>あいしてるいてるのおれだししんじて』</p><p>&nbsp;</p><p>返事は無かった…。</p><p>&nbsp;</p><p>翌日、ジュンスから話を聞いた</p><p>ユチョンとチャンミンがやってきた。</p><p>「どうしたって言うんですか！</p><p>何でそんなミスを…！」</p><p>「それって俺がプリントアウトしたヤツ？」</p><p>ユチョンが見たのは、</p><p>前の週に渡されたジェジュンのスケジュール。</p><p>ユチョンがまとめて俺にくれたものだった。</p><p>「こっちのユノヒョンの分が間違ってたの。」</p><p>シュンとしたままのジュンスが、</p><p>二人の時系列、並べて見せてくれた。</p><p>「僕のミスです…！」</p><p>「いや、チャンミンのせいじゃない、</p><p>俺もダブルチェックをしてなかったから。」</p><p>誰の責任だなんて、そんな事はどうでもいい。</p><p>&nbsp;</p><p>「なーなー、どうしよう！</p><p>どうしたらジェジュン返事くれるんだよー！」</p><p>「信用を…してもらわないと…。」</p><p>「愛してるって言い続けるのじゃダメなのかなー！」</p><p>「今夜は大丈夫な日だろ？」</p><p>「ジェジュン俺のこと嫌いになったのかなー！」</p><p>「時間通りに何を書くかだよね～。」</p><p>「てめえなんて言われたの初めてだよー！」</p><p>「ジェジュンの性格、それを考えなきゃ。」</p><p>「俺さー、ジェジュンに嫌われたのかなー！」</p><p>「性格ねえ…その前に読んでもらえるかだよねぇ。」</p><p>「ジェジュ～！ジェジュ～！どおすんだよおおお！」</p><p>「「「うるさい！！！」」」</p><p>&nbsp;</p><p>怒られて、放っておかれた…。</p><p>&nbsp;</p><p>結論、今まで通り、同じ時間にメールを打つ。</p><p>返事なくても、構わず打つ。</p><p>ジェジュンの性格上、読んでないって事は無いはず。</p><p>なので…。</p><p>情に訴える事にしたらいいんじゃないか？</p><p>俺がニセモノでも、思わず心配になるようなことを</p><p>訴えると良いんじゃないのか？</p><p>「ヒョン、あの頃膝と腰が痛いって言ってましたよね。」</p><p>「そうだっけ？」</p><p>「ええ、そうなんですよ！</p><p>ってか、嘘でもそうだって事にしてください！」</p><p>「そこで～、ジェジュンにさ～、</p><p>痛いだの、苦しいだの、</p><p>そんな事を言って同情を買うって話。」</p><p>ユチョンとチャンミンで顔を見合わせて頷き合ってる。</p><p>「ユチョン、覚えてるの？あの頃のジェジュン。」</p><p>「実は会ってない期間なんだよな～、</p><p>後2週間後に合流ってところだからさ～。」</p><p>「ぼっくも会ってないの。そこ心配。」</p><p>「えっと、じゃあ、不調を匂わす、って事でどうですか？」</p><p>「ふわっと、ぼかして？」</p><p>「そうです、そうです！」</p><p>「ジェジュンに通じる？」</p><p>ものすごく言えてる指摘をジュンスから受けて…。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>『ジェジュン、実は昨日のコンサート、</p><p>どうやら前に痛めてた膝と腰を、</p><p>またやっちまったようだ。</p><p>今日病院で痛み止めを打ってもらってきた。</p><p>でも、今度ばかりはキツイ。</p><p>コンサートもまだまだ続くし、</p><p>ダンスもハードになってる。</p><p>以前とは身体の休め方も、回復力も違ってる。</p><p>自分の責任とは言え、気持ちもガタガタだ。</p><p>すまない、愚痴ばかりになって。</p><p>また連絡する。』</p><p>&nbsp;</p><p>「今日返事なかったら、明日も同じような内容で</p><p>立て続けに送りましょう。」</p><p>俺たちは賭けに出た。</p><p>同じような文面を送り続けて3日目の夜。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>『少し動けるようにはなったけど、</p><p>まだまだ本調子じゃ無い。</p><p>全力のパフォーマンスを見せることができないのが</p><p>辛いよ…。明日はコンサートだ。</p><p>チャンミンにも迷惑をかけてしまう。</p><p>本当に申し訳ないと思っているよ。』</p><p>「最後の必要？」</p><p>「必要なんです！」</p><p>「よしっ！送った！」</p><p>&nbsp;</p><p>ぴろぴろりん</p><p>&nbsp;</p><p>「来た！」</p><p>&nbsp;</p><p>『ユノなら証拠見せて。』</p><p>&nbsp;</p><p>『初めてあった日、一目惚れだった。』</p><p>&nbsp;</p><p>『有名エピソード、却下。』</p><p>&nbsp;</p><p>『初めての夜、失敗した。』</p><p>&nbsp;</p><p>『予測できる。却下。』</p><p>&nbsp;</p><p>『ヒチョルと浮気。』</p><p>&nbsp;</p><p>『はぁああ！？何言ってんの？</p><p>ふざけんなよ！あれはユノが悪いんじゃん！</p><p>いっつも俺のこと疑って、</p><p>なんだかんだ言ってるからさあ！</p><p>ヒョンに相談しただけじゃん！』</p><p>&nbsp;</p><p>『本当か？それだけか？』</p><p>&nbsp;</p><p>『信じらんない！</p><p>ユノってそんな事をずっと思ってたんだ！</p><p>俺のこと信じてくれなかったんだ！</p><p>俺にはユノだけなのに～！</p><p>愛してるのユノだけなのに～！何でそんな事ゆうの！』</p><p>&nbsp;</p><p>「いっちょあがり。」</p><p>「ユノ、かっくいい！」</p><p>「ふふん、任せろ。」</p><p>「何が任せろだよ！</p><p>ジェジュン怒らせちゃったじゃないですか！</p><p>何やってんですか！」</p><p>「大丈夫だって。」</p><p>「何でそんな事言える…！」</p><p>&nbsp;</p><p>ぴろぴろりん</p><p>&nbsp;</p><p>『ゆのぉ、怒ってる？』</p><p>&nbsp;</p><p>「な？」</p><p>あれ？何で脱力してるの？三人とも。</p><p>「結局、振り回されたの僕らじゃないですか。」</p><p>「勝手にしてろい！」</p><p>「ジェジュン、ちょびっとおばかちゃん？」</p><p>「何にせよ、甘い返事して今夜は終わりです。」</p><p>&nbsp;</p><p>『怒ってないよ。</p><p>愛してる。</p><p>また明日な～。』</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>俺たちでそんな軽口きいてたのはその頃まで。</p><p>残り時間がどんどん少なくなって行く。</p><p>けれど、何の手立ても思い付かず、</p><p>ただ毎日を過ごすだけ。</p><p>ジェジュンとのやり取りも、</p><p>送れない日が続いたりで、</p><p>一度に送る文字数もどんどん減っていった。</p><p>「愛してる」</p><p>それだけしか打てない気分の日もあったんだ。</p><p>&nbsp;</p><p>「明日から世界ツアーだ。」</p><p>ユチョンの示すスケジュール表。</p><p>ジェジュンが帰って来られなかった</p><p>最後のツアーが始まる。</p><p>「ジェジュンねえ、すっごく嬉しそうだった。」</p><p>「そうか。」</p><p>「うん。歌うの大好きって言ってた。」</p><p>「この写真なんか、楽しそうだもんな。」</p><p>世界に向けて発信されたたくさんの写真を見てる。</p><p>&nbsp;</p><p>飛行機が行方不明になってもうすぐ1年、</p><p>俺たちは徐々に仕事をセーブして、</p><p>再び4人で生活し始めた。</p><p>今度はジェジュンの部屋で、</p><p>ジェジュンの面影に囲まれて。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>続く</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/whitebloodcorpuscle/entry-12678748182.html</link>
<pubDate>Sat, 05 Jun 2021 11:28:02 +0900</pubDate>
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<title>あんふぉげたぼ4</title>
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<![CDATA[ <p>ユチョンとジュンスでも</p><p>カバー出来ないジェジュンの時間、</p><p>ジェジュンの部屋のパソコン起動させて、</p><p>もう一つの大事な数字がパスワードになってるのを知った。</p><p>「俺たちの結婚記念日」</p><p>俺のパスワードと一緒だった。</p><p>その中のデータとスケジュール付き合わせて、</p><p>不明な時間の行動が見えてくる。</p><p>ユチョンがまとめてわかりやすい表にしてくれてた。</p><p>&nbsp;</p><p>『ユノはすぐに突散らかるからメモして行け！』</p><p>そう言われたのはいつだったか…。</p><p>不意にジェジュンの言葉を思い出して、</p><p>記者会見のスピーチのメモをしだした俺を、</p><p>ジェジュンの家のでっかいテーブルの向かい側で</p><p>ジュンスとチャンミンが訝しげに見てた。</p><p>「明日のメモだよ。</p><p>伝えたいことはキチンと伝えたいからな。」</p><p>そうしたら、あれもこれもと言ってくる。</p><p>「これは絶対にいって！」</p><p>「これはご家族に迷惑になりませんか？」</p><p>覚え書きが立派な原稿になっちまった。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>「あ！もうこんな時間！急いで帰らなきゃ！」</p><p>作業に時間を取られて、ジュンスの声に時計を見る。</p><p>気がつけば8時を少し過ぎていた。</p><p>しまった！</p><p>「あの、ちょっと、ちょっと待って！」</p><p>急ぎ帰ろうとする俺たちに、</p><p>チャンミンの声が届く。</p><p>「あの、ごめんなさい！」</p><p>いきなり謝られて戸惑った。</p><p>そして、これ、と言って差し出された手のひらの上には、</p><p>あの携帯電話が！</p><p>「何で！」</p><p>「チャンミン！」</p><p>「聞いて、聞いてください！」</p><p>必死で言いつのるチャンミンに気圧された。</p><p>&nbsp;</p><p>「あの、僕、思ったんです。</p><p>これから1年、毎日同じ時間、同じ場所になんて、</p><p>そんなの不可能です、非現実的です。</p><p>だから、今のうちに、この携帯電話が、</p><p>あの部屋以外でも使えるかを証明しなきゃいけないって、</p><p>そう思ったんです！」</p><p>「だからって、これは乱暴だろう…！」</p><p>ユチョンがチャンミンに詰め寄った。</p><p>「もし、ダメだったら？</p><p>あの部屋から出しちゃいけなかったら？</p><p>ジェジュンにつながる全部がダメになってたら！？」</p><p>「ユチョン…！」</p><p>止めようと思うんだけれど、ユチョンは止まらない。</p><p>チャンミンの胸ぐら掴んで揺さぶってる。</p><p>「お前の勝手な行動で、俺達はジェジュンを失うのか？</p><p>どうしてくれんだよ！ダメになったら、どうして…！」</p><p>「ユチョン！」</p><p>ユチョンを止めたのはジュンスだった。</p><p>立ち上がり、チャンミンとユチョンの間に割って入った。</p><p>「後悔したくなかったら、そこでやめて。</p><p>ってか、後悔してるじゃん！</p><p>チャンミン悪くない！</p><p>ユチョンだってそう思ってんじゃん！</p><p>だからチャンミン一人で決めたんじゃん！」</p><p>俺は席を立ち、</p><p>下を向いてしまっているチャンミンを抱きしめる。</p><p>「大丈夫だ、チャンミン、大丈夫。</p><p>ごめんな、お前にばっかり、そんな思いさせて、</p><p>本当に、ごめんな。」</p><p>「ごめんなさい、ごめんなさい！」</p><p>「泣かなくていい、お前は正しい事をしたんだ。</p><p>間違ってないよ。</p><p>今夜はここでジェジュンにメールしよう。」</p><p>抱きしめる力を強くした。</p><p>「…ごめん、チャンミン…。」</p><p>ユチョンのつぶやきに、チャンミンのすすり泣きが混じる。</p><p>&nbsp;</p><p>なんてストレスだ…！</p><p>ジェジュン、お前がいないから、</p><p>俺たちはどんどん追い詰められている。</p><p>ジェジュン、ジェジュン…！</p><p>今どこにいるんだよ…なあ…ジェジュン…！</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>9時になり、電源を入れてみた。</p><p>「つながる！」</p><p>ホッとしたのはユチョンか、チャンミンか。</p><p>今夜はここで、ひとりで過ごしてたらしいジェジュン。</p><p>一年後のその場所で連絡をとってるなんて…。</p><p>『ジェジュン、今夜はどう過ごしてる？</p><p>俺は日本で身体を休めながら過ごしてるよ。</p><p>今は家にいるのか？</p><p>日本で聞いた再会によく効くおまじないだそうだ。</p><p>メモに俺の名前を書いて、冷蔵庫にいれてみてくれ。</p><p>今日の日付けと俺の名前。やってみてくれ、頼む。』</p><p>騙すような事をしている気もするけれど、</p><p>こちらから過去へ、何ができるのかを調べるには、</p><p>いろいろしてもらわなきゃならなかった。</p><p>ちょうどジェジュンの部屋だ。</p><p>結果はすぐにわかるだろう。</p><p>&nbsp;</p><p>『日本に飛んで行きたいな。</p><p>会いたいよ、ユノ…。</p><p>俺はね～、この家の中でいちばん好きなところで、</p><p>大好きな人のこと考えてる～！</p><p>新しい曲も考えてるよ！</p><p>でもさ、おまじないって、</p><p>ユノ、そういうの好きじゃなかったよね？</p><p>でもわかった。</p><p>冷蔵庫にいれておく！</p><p>今度会えた時に、見せてあげる！』</p><p>&nbsp;</p><p>チャンミンが弾かれたように冷蔵庫に飛んで行く。</p><p>ガタガタと音を立てて、大きく息を飲む音がした。</p><p>「あ、ありました！」</p><p>小さなジッパーのついたビニール袋、</p><p>中には何枚も何枚も、見覚えのある文字で俺の名前が。</p><p>「毎月更新してたのかな…？」</p><p>メモに日付けが入ってた。</p><p>俺は…こんなに待たせたんだと、</p><p>辛い気持ちで手にとった。</p><p>「ヒョン！これは凄い事なんですよ！</p><p>泣いてる場合じゃないです！」</p><p>「チャンミン、僕にもわかるようにっ！」</p><p>「いいですか！」</p><p>&nbsp;</p><p>これは、時間をさかのぼって影響力が及んだ証拠だって、</p><p>チャンミンが言う。</p><p>「つまり！いいですか！</p><p>ジェジュンを救う事ができるかもしれないんです！」</p><p>そのテンションに圧倒されて、</p><p>俺たちは何も言えないでいた。</p><p>それに気がついて、こっちを睨んでくる。</p><p>「おっ！わかんないんですか！」</p><p>「わからんでは無いんだが…。」</p><p>「その、なんて言うか～、なあ。」</p><p>「チャンミン、こーわーいー！」</p><p>「っちっ！これがどれだけ凄いかって、</p><p>どうしてわかんないかな！」</p><p>「じゃあ、じゃあさ、どうすればいいの？」</p><p>「何がです？」</p><p>「どうしたら、ジェジュン、飛行機乗らない？」</p><p>「それは…まだわかりません。」</p><p>「えーーー！？わかんないの？」</p><p>「だって、だってまだ、これだけしか、</p><p>結果出てないんです！</p><p>僕らに何がどうできるのか、これから考えるんです！」</p><p>「最初の一歩、でも、大きな一歩だ。」</p><p>顔つき合わせているチャンミンとジュンス、</p><p>どちらの頭も撫でてやる。</p><p>「明日のこともある、</p><p>もう、今日は帰ろう、いいな。」</p><p>後ろ髪を引かれるようにジェジュンの部屋を後にした。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>「僕、今日は自分の部屋に帰ります。」</p><p>俺の部屋に着いた途端、チャンミンがそう言い出した。</p><p>「チャンミン？」</p><p>「あ、明日、早く来ます、だから、今夜は帰り…！」</p><p>「チャンミン！」</p><p>ユチョンの声が重なる。</p><p>「俺と話そう。今夜はここに居てよ。」</p><p>ね？って言われて、かすかに頷いていた。</p><p>突然の再会に、俺達は何の心構えもできてはいなかった。</p><p>俺達の分離に一番心を痛めていたチャンミン、</p><p>ジェジュンの不在で有耶無耶にしてた心の傷が</p><p>表に出てきてもおかしくない状況。</p><p>ユチョンとちゃんと話ができればいいと思う。</p><p>&nbsp;</p><p>シャワーを浴びて、寝室に戻ると、</p><p>俺のベッドにジュンスが寝そべってた。</p><p>「ユチョンとチャンミンはぁ、</p><p>あっちの部屋でお話ししてるの。</p><p>ねえ、今日もここで寝てもいい？」</p><p>「ああ、暴れるなよ？」</p><p>「ぼっくそんなのしないもん！」</p><p>「…ジュンスはいいのか？」</p><p>「ん～？」</p><p>「チャンミンと話さなくて。」</p><p>「あのね～、いいと思う。」</p><p>「どうして？」</p><p>「なんかよくわかんないけど、</p><p>チャンミンとは、ここら辺が繋がってる気がするから。」</p><p>胸のあたりを撫で回してる。</p><p>「チャンミンもそう思ってるはずだもん。</p><p>だっから～いいの。」</p><p>何だかよくわからないけれど、</p><p>繋がってるってのはいい響きだ。</p><p>&nbsp;</p><p>電気を消して、枕に頭を乗せた時。</p><p>「何で待ってねえんだよぉ！</p><p>一緒に寝せてよぉ！」</p><p>「ジュンス！もっと向こうへ寄って！」</p><p>何だって、ここで眠りたいんだ？</p><p>…黙って端に寄った。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>翌日、</p><p>気分が悪くなりそうなくらいのフラッシュの中、</p><p>俺たちが席についた途端、矢継ぎ早に質問が飛んでくる。</p><p>それには答えず、進行役の言葉を待った。</p><p>「それでは、本日、</p><p>東方神起ユノ、チャンミン、JYJ&nbsp;ユチョン、ジュンスの</p><p>共同記者会見を始めさせていただきます。</p><p>まずは東方神起ユノのご挨拶、</p><p>それから、ここに至るまでの</p><p>経緯等話をさせていただきます。</p><p>それが終わりましてから、</p><p>ご質問にお答えさせていただきます。</p><p>挙手制で、こちらの指示に従ってくださいますよう、</p><p>お願いを申し上げます。</p><p>それでは、記者会見を始めます。</p><p>では、ユノさん、どうぞ。」</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>「皆様もご存知の通り、私たちの友人、</p><p>JYJのジェジュンさんが搭乗していた飛行機が</p><p>行方不明となっております。</p><p>関係各位の懸命な捜索にもかかわらず、</p><p>未だ発見されていない事は</p><p>ニュース等でご覧になっていると思います。</p><p>ジェジュンさんは、彼は、私たちの仲間です。</p><p>今は袂を分かっているような状態ではありますが、</p><p>幼き日より、共に切磋琢磨して</p><p>同じ道を目指していた家族以上の存在です。</p><p>彼が乗った飛行機が、彼を含む99名の方々と一緒に</p><p>行方不明になっていることは、</p><p>私たちに深い悲しみを与えました。</p><p>それでも、まだ見つかってはいないという事実は、</p><p>微かな希望を残しているのだと信じております。</p><p>どうか、皆様のお力をお貸しくださいますよう、</p><p>お願いを申し上げます。</p><p>どんな些細なことでもいいのです、</p><p>目撃した事をお話ください。</p><p>どんな情報でも構いません、</p><p>よろしくお願い申し上げます。」</p><p>&nbsp;</p><p>4人で頭を下げた。</p><p>ジェジュンに対するお悔やみの言葉じゃないことに、</p><p>記者の中がざわつき始めていた。</p><p>会社の人間も、何を言ってるんだって顔で、</p><p>部屋の一番後ろで見てる。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>はい、喪服ではありません。</p><p>冒涜？どういう意味でしょう。</p><p>葬儀はまだです。当たり前でしょう、</p><p>まだ捜索中なんです。</p><p>いえ、僕らはそんな事を言った覚えはありません。</p><p>ええ、ジェジュンだけです。</p><p>理由はわかりません。</p><p>会社の人間はいませんでした。</p><p>どういうことですか？</p><p>ユチョンとジュンスが何をしたって言うんですか？</p><p>いえ、チャンミンに連絡は無いです。</p><p>私たちが願うのは、ジェジュンさんの無事だけです。</p><p>ですから、その様な事実はありません。</p><p>連絡もとってはおりませんでした。</p><p>あれはユノではありません。</p><p>会社の事は、ここではお話、ええ、できませんが。</p><p>分裂の件は、ええ。</p><p>できる限りここでお話しさせていただきます。</p><p>しかし、ええ。</p><p>わからない事も多く、何とも言えません。</p><p>はい、お会いしました。</p><p>気丈に振舞っておいででした。</p><p>いえ、まだ何も決まってはおりません。</p><p>今後は、ええ、</p><p>一緒にいることが多くなるかもしれませんが、</p><p>活動は続けたいと、はい、思っております。</p><p>ただ、落ち着くまで、</p><p>今しばらくの時間の猶予をいただきたいと、はい。</p><p>そうです。</p><p>移籍ではありません。</p><p>まだ何も決まってはおりません。</p><p>はい。</p><p>今一度、お願いを申し上げます。</p><p>どうか、彼らの消息を知る手がかりを、</p><p>どうか、お知らせください！</p><p>お願いします！</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>続く</p>
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<link>https://ameblo.jp/whitebloodcorpuscle/entry-12678747816.html</link>
<pubDate>Sat, 05 Jun 2021 11:25:59 +0900</pubDate>
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<title>あんふぉげたぼ　3</title>
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<![CDATA[ <p>翌日の9時まで待つって言ったって、</p><p>ただぼーっと待ってる訳じゃない。</p><p>やることはいっぱいだ。</p><p>おいそれと他人に言える話でもなく、</p><p>自分達だけで何とかしなきゃいけなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>都合良く、ユチョンやジュンスはともかく、</p><p>俺たちもしばらく時間をもらえた。</p><p>ショックもデカイだろうって事務所の判断。</p><p>マスコミも煩いらしくて、</p><p>もう少し時間をおいて記者会見、</p><p>そういう流れにしたいらしい。</p><p>飛行機はまだ行方不明のままなのに、</p><p>ネットの中じゃ追悼文が飛び交っている。</p><p>見なきゃいいんだろうけれど、</p><p>ニュースが気になって見ざるを得ない。</p><p>みんなで好き勝手な事を言ってやがる…。</p><p>&nbsp;</p><p>「気にしなきゃいいのに～。」</p><p>のんきなジュンスの声に、</p><p>それでも苛立ちは収まらない。</p><p>「動いてないのがストレスなのかねえ。」</p><p>ユチョンの言うのにもイラっとする。</p><p>「閉じ込められてるんですから、仕方ないです。</p><p>それに、膝も休ませないと。」</p><p>ああ、チャンミンだけだよ、俺を理解してくれるのは。</p><p>「脳みそ筋肉なんです。</p><p>何か課題与えてクリアしてもらいましょう。」</p><p>………チャンミン………やっぱり怒ってる？</p><p>「メールの早打ち、練習しててください。」</p><p>遅くて見てる方がイラつくらしい。</p><p>いいじゃねえか…不都合は無いんだから。</p><p>でも、やることがあるってのは気が紛れる。</p><p>ジェジュン宛の文章をできるだけ速く、</p><p>確実に打つ、そんな練習をずっとしてた。</p><p>「ぐぅぉぉおおお！指が！つった！」</p><p>「バカですか。」</p><p>「バカだねえ。」</p><p>「うん。」</p><p>お、お前ら…！</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>ユチョンとチャンミンの努力の賜物、</p><p>1年前の俺とジェジュンの事細かなスケジュールが</p><p>時間を追って並べて書いてある。</p><p>「まずは1週間分、これから全部出していきます。」</p><p>「時間の流れが違ってたらアウト。</p><p>今夜連絡取れなくてもアウト。」</p><p>ユチョンの焦りも納得だ。</p><p>確実な事なんてなにひとつ解ってない。</p><p>どうか、どうかと祈るばかりだ。</p><p>&nbsp;</p><p>時計を凝視して午後9時になった。</p><p>携帯電話を開いて。電源を…入った！</p><p>思わず顔を見合わせた。</p><p>「で、この時間、ジェジュンはどこにいるんだ？」</p><p>「えっと、昨日と同じスタジオで、</p><p>ユチョンもジュンスも一緒です。」</p><p>「また徹夜か？」</p><p>「ううん、違う。10時には帰った。」</p><p>「OK、じゃあ、打つぞ。」</p><p>「チャンミンの方が速くない？」</p><p>「それもそうですね、</p><p>ヒョン、ちょっと貸してください。」</p><p>何だよ、最初からそうすれば良かったじゃねえか。</p><p>「あ、あれ？反応しません！」</p><p>「嘘だろ！貸して！」</p><p>今度はユチョンが押してみるけれど、</p><p>何の文字も打つことができない。</p><p>「こっちに貸せ！」</p><p>そんなはずないだろ！</p><p>これだけが、この携帯電話だけが細い細い蜘蛛の糸！</p><p>「…打てるぞ？」</p><p>「ユノだけが打てるって事！？」</p><p>「そうらしいです。ねえ、早く打って！</p><p>時間がありません！」</p><p>&nbsp;</p><p>事前に用意した文章を打つ。</p><p>&nbsp;</p><p>『ジェジュン、今は会えないけれど、</p><p>絶対に会おう。</p><p>だからお願いだ、1年…￡€＄＊＋＃＾＠￥』</p><p>&nbsp;</p><p>まさか、そんな！</p><p>「未来の事を書こうとすると文字化け…。」</p><p>「じゃあ、どうすりゃいいんだよ！</p><p>飛行機に乗るなって、どう伝えればいいんだよ！」</p><p>「ユノ、落ち着いて！」</p><p>「まずは、ひとつ解った事、未来の話はできない。</p><p>ユノヒョン、続きを書いて送りましょう。」</p><p>「ああ…そうだな…。」</p><p>&nbsp;</p><p>『ジェジュン、今は会えないけれど、</p><p>絶対に会おう。</p><p>今日は何月何日何時で、</p><p>今どこにいるのかを教えてくれ。</p><p>おかしいと思うだろうけど、どうか教えてくれ。』</p><p>&nbsp;</p><p>送信した。</p><p>&nbsp;</p><p>「頼む、同じ時間の流れでいてくれ！」</p><p>「返事、来ない？」</p><p>「撮影中なら、ダメかも…。」</p><p>「来て来て来て来て！」</p><p>&nbsp;</p><p>ぴろぴろりん</p><p>『You've Got Mail&nbsp;』</p><p>&nbsp;</p><p>「「「来たーーーーー！」」」</p><p>「落ち着け！開けるぞ！」</p><p>&nbsp;</p><p>『会いたい！会いたい！会いたい！</p><p>ユノ！会いたい！会いたい！会いたい！</p><p>ぎゅってしてもらいたい！</p><p>ちゅうもしてもらいたい！</p><p>そんでもって、…………』</p><p>&nbsp;</p><p>「待て待て待て待て！見るな！」</p><p>「その先です！そんなのどうだっていいんです！」</p><p>「わーかったよ！」</p><p>&nbsp;</p><p>『………とかぁ～、今度会ったらしてね。</p><p>&nbsp;</p><p>それと～、今日が何日？</p><p>昨日もそんなこと言ってた？</p><p>変なの。</p><p>えっと、00月00日21時7分で～す！</p><p>これでいい？</p><p>ユチョンが不機嫌なんだよね～。</p><p>ちょっと和ませてくるね！』</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>「っしゃ！同じ時間の流れです！」</p><p>「俺が不機嫌？」</p><p>「ゆっちょんあのカメラマン嫌いね～。」</p><p>「ああ、あいつか！」</p><p>「誰なんだ？」</p><p>「フランスから呼んだとかで、</p><p>変な人なんだよ～、ゆっちょんキライなんだって。」</p><p>「ジェジュンに触りすぎんだよ。」</p><p>「名前を教えろ！」</p><p>&nbsp;</p><p>「そんなことより！！」</p><p>チャンミンに怒られた。</p><p>「明日もこの時間にメールするって、</p><p>そう送って！早く！」</p><p>慌てて打つけど、指が動かない。</p><p>「あああ！間に合わねえ！」</p><p>打ってる途中で画面が暗くなってしまった。</p><p>「てめえ！そんな使えねえ指なら折って捨てちまえ！」</p><p>チャンミンに不穏な事を言われてしまった。</p><p>怖えよ、チャンミン。</p><p>「ユノヒョン、明日から特訓だね～。」</p><p>のほほんとジュンスの声がする。</p><p>そうだな…特訓だな…。</p><p>15分、思いの外短いな。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>こうやって俺たちは、</p><p>世間から隔離されたこの部屋で、</p><p>妙なテンションのまま過ごしている。</p><p>&nbsp;</p><p>わかっている。</p><p>外の世界では、</p><p>もうジェジュンはいないって事になってる。</p><p>特別番組が、ここでも、日本でも作られるって、</p><p>会社経由で聞かされた。</p><p>うちの映像の使用許可を求められたって…。</p><p>それでも！</p><p>俺たちの中では死んでないジェジュン。</p><p>メールだけど会話もできる…。</p><p>俺は、俺たちだけは、</p><p>この不思議な現象を否定しない、</p><p>口には出さないけれど、</p><p>お互いにそう思っていた。</p><p>どうにかして伝えられないか、</p><p>どうにかして助けられないか、</p><p>そればっかりを考える。</p><p>&nbsp;</p><p>飛行機はまだ行方不明のままだ…。</p><p>&nbsp;</p><p>『記者会見は明後日、ユチョン、ジュンスと</p><p>合同ですることになった。</p><p>仕切りはうちだ。</p><p>話す内容を固めておいてくれ。</p><p>故人をたたえて、リーダーらしく、いいな。』</p><p>&nbsp;</p><p>会社からそんな電話が掛かって来たのは、</p><p>飛行機が行方不明になって3日目の事だった。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>ジェジュンとのメールは順調に続く。</p><p>&nbsp;</p><p>『今日ね、友達と公園に遊びに行った。</p><p>楽しかった～！</p><p>でも、ユノと一緒にいたかった。</p><p>今は無理だよね、わかってる。</p><p>まだ日本にいるの？</p><p>いつ頃帰ってくるの？</p><p>会いたい…ユノ、愛してます。』</p><p>&nbsp;</p><p>ああ、楽しそうだ。</p><p>後日、写真をアップしてる。</p><p>さっきまでパソコンで見てたよ。</p><p>少し妬けるけど、どうしても俺はそこには行けないから。</p><p>お前が笑顔でいられるのなら、</p><p>俺の嫉妬なんてちっぽけな問題だ。</p><p>画面を通してジェジュン、お前を失いたくないと、</p><p>心からそう思うよ…後悔ばかりが頭を駆け巡る。</p><p>&nbsp;</p><p>「ヒョン、早く、打って！」</p><p>「ああ、そうだな…。」</p><p>&nbsp;</p><p>『これから毎日、午後9時から15分間時間が取れる。</p><p>必ずメールをする。こっちからのメールには</p><p>できる限りすぐに返事をくれ。</p><p>そっちからも、その時間で頼む。</p><p>それと、人に見られないように、</p><p>すぐに消去する事、これも頼む。</p><p>俺も愛してる。』</p><p>&nbsp;</p><p>速さ重視で素っ気ない文章、</p><p>最後の「愛してる」はどうしても入れたかった。</p><p>送信した直後、電源が落ちた。</p><p>「速くなったじゃない？文字打ち～。」</p><p>ユチョンにからかわれる程、朝から特訓した。</p><p>「おうよ、任せろ！」</p><p>「僕に比べるとまだまだですけどね。」</p><p>自分で打てないのが余程悔しいのか、</p><p>チャンミンがそんなことを言いながら</p><p>俺の手から携帯電話をそっと取り上げた。</p><p>どうにも俺の行動に信用がおけないらしい。</p><p>「ジェジュンの過去を調べるのはまあ簡単ですよね。</p><p>写真や動画、凄い数アップしてますから。」</p><p>「日付は違ってるから、そこは厄介だねえ。</p><p>まあ、俺の記憶と、ジュンスのSNS画像で</p><p>なんとかカバーするさ。」</p><p>文章の消去は、少しでも不安要素は取り除きたいから。</p><p>ちょっとしたミスが、どんな傷になるのか、</p><p>全くわからないこの状況、</p><p>できることはすべてしておきたい。</p><p>「それよりさ、ユノヒョン明後日の記者会見、</p><p>何話すの？どうするの？」</p><p>&nbsp;</p><p>会社に言われた記者会見、</p><p>何年も会ってなかった俺が話すって言うのも</p><p>おかしな話だとは思うけれど、</p><p>この状況でユチョンやジュンスだけが</p><p>矢面に立つのも避けたい。</p><p>ヒートアップしたマスコミが二人が助かった事に対して、</p><p>いろいろ書いているのを見てしまったから。</p><p>俺の言葉で、俺が話すことで、</p><p>その異様な熱が分散されれば良いのかとは思う。</p><p>「明日はどうすんの？ずっとここにいる？」</p><p>ジュンスが聞いてくる。</p><p>「俺は…ジェジュンのご両親と</p><p>ご家族に会いに行ってこようと思う。」</p><p>会社にも、またご家族にももう了解はとってあった。</p><p>「マスコミに何を話すにしろ、</p><p>まずは礼を尽くさなきゃいけないしな。</p><p>それにお願いしたいこともあって、</p><p>明日の早い時間に行くことにしたよ。」</p><p>&nbsp;</p><p>「ぼくも行く！」</p><p>ジュンスが言う。</p><p>「これ以上騒がせたくないんだ、</p><p>一人で行ってくるよ。」</p><p>「ヤダ！」</p><p>「ジュンス…！」</p><p>「ジュンスが行くなら俺も。」</p><p>「僕だって行きますから。」</p><p>こうなるのがわかってたから、言わなかったんだけど。</p><p>「迷惑になるだろ？」</p><p>「ヤダ！」</p><p>ああ、ジュンスがこんな顔の時は、</p><p>何を言っても聞いてはくれない時だ…。</p><p>ユチョンも、チャンミンも黙ってこっちを見てる。</p><p>「わかった…。でも、あちらが断ってきたら、</p><p>我慢しろ、いいな！」</p><p>明日の手配をしているマネージャーに連絡をとった。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>翌朝、まだ暗い時間、</p><p>地下駐車場に止まったワゴン車に4人で乗り込む。</p><p>スーツにはしたけれど、あえて喪服は着なかった。</p><p>葬儀じゃねえんだ、そう思って。</p><p>ジェジュンの実家、そこには向かわず、</p><p>マスコミや、ファンの人目を避けて避難している娘の家、</p><p>そこに高齢のご両親が待っていてくれた。</p><p>礼をして部屋に入ると、</p><p>俺とジェジュンを一番に理解してくれていた</p><p>ジェジュンの姉の一人が俺の目の前に立ちはだかる。</p><p>「今更、どんな顔して私たちに会えるっていうの！」</p><p>一瞬熱くなった頬に、</p><p>涙を流して俺を打った手のひらを胸に当てている姿に、</p><p>深く頭を下げることしかできなかった。</p><p>「違うんです！ヒョンは、悪くないんです！」</p><p>叫びながら俺の前に出て庇おうとするチャンミンをユチョンに任せて、</p><p>その場で膝をついた。</p><p>「ジェジュンはね、ずっとあんたを待ってたのに！</p><p>お姉ちゃん、ユノは悪くないよって、ずっと言ってたのに！</p><p>会いたいって、ずっと言ってたのに！」</p><p>唇を噛み締めて、泣き崩れることだけはしまいと、</p><p>床に手をついて頭を下げる。</p><p>打たれた俺より、</p><p>打ったその手の方が何倍も痛いのだと知っているから。</p><p>痛む膝に、</p><p>家族の胸の痛みはこんなものじゃないと知っているから。</p><p>「もうその辺にしておきなさい。</p><p>ユノ君、顔をあげて、ここへ来てちょうだい。」</p><p>上のお姉さんに言われて、</p><p>その先にいるご両親と目が合った。</p><p>膝をついたまま進んで、</p><p>お二人の前に座り、頭を下げる。</p><p>後ろで三人も同じように座った。</p><p>「ご無沙汰をしております。</p><p>このような時にお会いくださって、</p><p>ありがとうございます。」</p><p>「ああ、良かった。君たちは元気そうだ。」</p><p>憔悴してはいたけれど、</p><p>しっかりとした口調で、安心した。</p><p>「明日、マスコミに向けて記者会見をすることになりました。</p><p>その前にどうしてもご挨拶がしたかったので、</p><p>わがままを言わせていただきました。」</p><p>「記者会見…。」</p><p>「はい。マスコミの加熱した状況も、</p><p>こちらへのご迷惑も、</p><p>少しは緩和できるのではないかと思っております。」</p><p>「そうでしたか…。」</p><p>「ですが、会見の内容がジェジュンさんの事になります。</p><p>気分を害されるような事も無いとは言い切れません。</p><p>ですので、今日伺いました。」</p><p>「私たちがどうこう言う事ではないでしょう。」</p><p>「それと、大変失礼な事をお願いするために、</p><p>来たんです…。お話を聞いていただけますか？」</p><p>聞いてもらわなくては…。</p><p>顔を見合わせて、それでも頷いてくれたことに頭を下げる。</p><p>&nbsp;</p><p>「ジェジュンさんの乗った飛行機は、</p><p>未だ行方不明です。</p><p>お願いです、どうか、機体が見つかるまで、</p><p>ジェジュンさんの葬儀は執り行わないでいただけますか？」</p><p>「葬儀を？」</p><p>「はい。今、世界中で捜索していても、</p><p>まだ見つかってはいないんです。</p><p>まだ、ジェジュンさんがいなくなったと、</p><p>決まったわけでは無いんです…。」</p><p>「ユノ君、それは！」</p><p>「わかっています、</p><p>どんな酷い事を言っているのか、わかっています！</p><p>それでも、どうか、お願いします、</p><p>ジェジュンさんの、</p><p>ジェジュンの、葬儀はしないでください！」</p><p>床に額を擦り付けてでも聞いてもらいたい。</p><p>後ろで三人もお願いしますと言っている。</p><p>&nbsp;</p><p>「ユノ君、私たちは最初からそうするつもりだよ。</p><p>ジェジュンはまだ死んじゃいない、</p><p>私たちは認めない。</p><p>目の前に連れてこられないなら、</p><p>認めるはずもない。そうだろう？」</p><p>「はい。」</p><p>「記者会見、君たちを犠牲にするようだが、</p><p>申し訳ないがお願いするしかないようだ。</p><p>よろしく頼む。」</p><p>ご両親の手を取ってもう一度頭を下げた。</p><p>&nbsp;</p><p>「さっきはごめんなさい。」</p><p>玄関に向かう俺にお姉さんが声をかけてくれる。</p><p>「いえ、俺の方が、悪いんです。」</p><p>痛む膝、チャンミンが肩を貸してくれている。</p><p>「お姉ちゃん、ジェジュンの部屋って、</p><p>どうなってるの？」</p><p>ジュンスの声にハッとした。</p><p>ああ、そうだ、肝心な事を聞くのを忘れていた。</p><p>「あの部屋？ああ、そうね…。</p><p>今月いっぱいで出ることになるかも。</p><p>私たちだけじゃ、維持する事も…ね。」</p><p>「あ、あのさ！</p><p>じゃあさ、あの部屋、僕達にそのまま貸してくれない？」</p><p>「ジュンス？」</p><p>「あのね、中身もさ、そのまま、</p><p>今のまま、僕達に貸して！」</p><p>「そんなの、すぐには、だって…！」</p><p>「1年！1年だけでいいから！」</p><p>ジュンスの必死の声に戸惑っている様子だ。</p><p>「じゃあ、今日だけ行ってもいいかな、</p><p>ジェジュンの部屋、ユノとチャンミンに見せたいんだ。」</p><p>ユチョンも重ねる。</p><p>「いいけど…あんた達だけで大丈夫？」</p><p>「大丈夫、合鍵ももらってるし。</p><p>許可が欲しかったの。」</p><p>「いいわ。じゃあよろしくね。」</p><p>その家を後にしてそのまんま、</p><p>ジェジュンの部屋に向かう。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>「ここがジェジュンの部屋。」</p><p>ユチョンの先導でセキュリティーがしっかりした部屋に入る。</p><p>「ジェ、ジェジュンの、匂い、する…！」</p><p>涙をためたチャンミンにそうだなと微笑んで。</p><p>ひと通り見せて回った後、</p><p>「ジェジュン、隠しきれてるつもりだったみたいだけど。」</p><p>そう言って、開かずの間だって言ってたという</p><p>部屋のドアの前へ連れてきてくれる。</p><p>「簡単な鍵だしね。」</p><p>外付けのダイアル式の南京錠。</p><p>「何番だと思う？」</p><p>ニヤリと笑うユチョンの顔に、</p><p>ある番号を告げてみた。</p><p>「正解～、さっ、中、入って。」</p><p>ジュンスにも促され、解錠されたドアノブを握る。</p><p>暗い部屋、何歩か入った背中にかけられた</p><p>「電気つけるね」の声と共にあふれる光の中…。</p><p>&nbsp;</p><p>壁いっぱいの俺とチャンミン。</p><p>たくさんのポスターが、カードが、写真が！</p><p>「なっ！」</p><p>そう言ったまま絶句するチャンミン。</p><p>その、こらえられない涙は</p><p>その頬を伝い足の指先にパタパタと落ちていく。</p><p>壁の前、</p><p>大きなクッションと無造作に丸められたタオルケット。</p><p>見覚えのあるそれは、無くしたと思っていた俺の物。</p><p>ジェジュン、ああ、ジェジュン…！</p><p>この部屋で、どれだけの夜を過ごしたんだ？</p><p>俺とチャンミン、作った笑いのそのポスターに囲まれて、</p><p>何を思った？</p><p>どれだけ泣いた？</p><p>何で、何で俺は…平気な顔で写真に写ってるんだ？</p><p>&nbsp;</p><p>「ユノヒョン！」</p><p>ジュンスの声がする。</p><p>「ユノ！」</p><p>ユチョン？何を慌ててるんだ？</p><p>「ヒョン！痛いの？！」</p><p>チャンミン、チャンミン…胸が痛いよ…。</p><p>&nbsp;</p><p>クッションに崩れるように身を預けてた。</p><p>「すまない…少しでいい、ひとりにしてくれ、頼む。」</p><p>チャンミンが連れ出され、ドアが閉まる。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>あの日以来、ジェジュンが消えたあの日から、</p><p>俺は泣く事ができなかった。</p><p>ジェジュンを喪う、そう思っても、</p><p>泣けなかった…。</p><p>&nbsp;</p><p>手に取ったのはジェジュンの涙を吸ったであろうタオルケット、</p><p>それを抱きしめて、顔を埋めて。</p><p>バカだな、俺の誕生日、そんな鍵でこの部屋守って。</p><p>&nbsp;</p><p>後悔と、恋しさと、ジェジュンを失いそうな恐怖に、</p><p>俺は初めて声をあげて泣いた…。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>続く</p>
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<link>https://ameblo.jp/whitebloodcorpuscle/entry-12678747001.html</link>
<pubDate>Sat, 05 Jun 2021 11:23:53 +0900</pubDate>
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<title>あんふぉげたぼ　2</title>
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<![CDATA[ <p>チクリとした感覚に目が覚めた。</p><p>腕の内側、冷たい感触が走る。</p><p>目に映ったのは見慣れた部屋、見慣れた天井。</p><p>自分の部屋のベッドの上で寝ている俺。</p><p>どうしたんだっけ？</p><p>何で…あれ？</p><p>お医者さん？</p><p>注射器をしまってる。</p><p>「目が覚めましたか？」</p><p>何かあるといつもきてくれる先生と看護師さん、</p><p>何で居るのかわからなくて、あたりを見渡すと、</p><p>現場マネージャーの顔が見えた。</p><p>「俺、どうして…？」</p><p>「あの、会社で…倒れられたので、</p><p>今日は家で休むようにと…。」</p><p>「ああ、そう。」</p><p>「安定剤を打ったよ。</p><p>今日はこのまま寝ていた方がいい。」</p><p>先生がそう言って部屋を出る。</p><p>マネージャーが後を追い、何やら指示を受けている。</p><p>「えっと…何が…？」</p><p>ぼぉっとする意識の中、</p><p>何か大事なことがあった気がして、</p><p>強制的に訪れる睡魔と戦った。</p><p>「会社…今日…痛い！」</p><p>抵抗しようとすればする程、頭が痛くなる。</p><p>「ってぇ…！」</p><p>こめかみを押さえて身体を起こそうとした時、</p><p>部屋の隅で座ってる人影に気がついた。</p><p>「…ぇっと、チャン、ミン…？」</p><p>動きもしないで、泣き腫らした様な目でこっちを見てる。</p><p>「チャンミン、どう…！！！」</p><p>&nbsp;</p><p>その瞬間、全てを思い出した。</p><p>クソっ！</p><p>こんなに頭が痛く無ければ起き上がれるのに！</p><p>「手をかせ！チャンミン！」</p><p>動かないシルエットが、声を発する。</p><p>「ヒョンは…。」</p><p>「チャンミン？」</p><p>「ヒョンは、ずっとそう思ってたの？</p><p>僕のせいだって、そう思って、僕と一緒にいたの？」</p><p>涙まじりの言葉に混乱は大きくなる。</p><p>「チャンミン、何を言ってるんだ？」</p><p>「ジェジュンと会えなかったのは、</p><p>僕のせいだって、そう思ってたんでしょ！</p><p>だって、さっき、そう言ったじゃないか！」</p><p>天を見上げて、両手で顔を覆った。</p><p>「ジェジュン！ジェジュン！</p><p>お願い、帰ってきて！ジェジュン…！</p><p>ごめんなさい、ごめんなさい！」</p><p>声をあげて泣いている姿に、</p><p>我慢できずに、転げ落ちるようにベッドを降りて、</p><p>チャンミンに手を伸ばした。</p><p>腕を掴み、身体を引き寄せ、抱きしめる。</p><p>この世にもう、たったふたり取り残されたように、</p><p>見知らぬ場所に、たったふたり捨てられたように。</p><p>俺の背に回ったチャンミンの腕の強さが、</p><p>途方にくれたふたりを物語って…。</p><p>「チャンミン、チャンミン、違う、違うんだ！</p><p>ごめんな、俺が悪かった！</p><p>お前のせいじゃない、そんな事はない、</p><p>すまない、俺はそんな事を言ったのか？</p><p>許してくれ、チャンミン、ごめん！」</p><p>俺は一体…どれだけ罪を犯せば気が済むのか…。</p><p>ジェジュンとの別れを決めたのは俺自身だったはずなのに。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>静かにドアがノックされる。</p><p>返事を待たずに薄く開けられたドアの向こう側で、</p><p>マネージャーが声をかけてきた。</p><p>「あの、お客様です…。</p><p>これで、僕は帰ります。</p><p>何かあったら連絡をください。」</p><p>それじゃあと居なくなったその場所に、</p><p>ふたつの影。</p><p>「ユノ、チャンミン…。」</p><p>その声を聞いたチャンミンが、</p><p>俺の腕から出て行った。</p><p>「ジュンス！ユチョニヒョン！」</p><p>泣いているチャンミンを左右からしっかりと抱きしめていたのは、</p><p>ユチョンとジュンスだった。</p><p>しばらく無言で抱き合っていた3人。</p><p>頭の痛さと、薬による倦怠感で</p><p>床に倒れていた俺に気がついて駆け寄ってくる。</p><p>&nbsp;</p><p>「ヒョン！大丈夫？」</p><p>「ああ、ちょっと起こしてくれ。」</p><p>チャンミンに背中を支えられて、</p><p>目の前にいるユチョンとジュンスを見た。</p><p>「ユノ…ジェ、ジェジュンが…！」</p><p>真っ赤な目のユチョンが手をかけてくる。</p><p>「ユノヒョン、ごめんなさい…！」</p><p>ジュンスは謝ってくる。</p><p>「何があったのか…聞かせてくれるか。</p><p>何でジェジュンはひとりだったんだ？」</p><p>開けていられない目をつぶって、話をきく事にした。</p><p>「朝、ホテルで、すぐに帰るって、そう言って、</p><p>一緒に、帰るんじゃ、なかった？って、</p><p>でも、帰るって、先に、空港行って…。」</p><p>しゃくりあげながらジュンスが話す。</p><p>「止めてれば、良かった、一緒に、帰ろって、</p><p>言えば、一緒に、帰れた、のっに、なんっで！」</p><p>「ジュンスのせいじゃない！</p><p>そうじゃないから！</p><p>ここんとこずっと、ジェジュン変だったろ？</p><p>俺たちに何か隠してる感じでさ、変だった。」</p><p>ユチョンが言ってジュンスをかばう。</p><p>&nbsp;</p><p>「それで…ジェジュンは見つかったのか？」</p><p>決定的な事を聞くのは辛かった。</p><p>「まだ…何も見つかってない。</p><p>飛行機1機、まるまる消えたんだ。」</p><p>「どこに落ちたかもわからないって…</p><p>世界中で探してる…でも、まだ見つからないの。」</p><p>背中のチャンミンが息を飲む。</p><p>見つけるって…遺体を…そういう事だ。</p><p>ああ、頭が痛い…。</p><p>「ここに居ていいのか？」</p><p>気になって聞いてみる。</p><p>「逆に、ここにいさせて欲しい。</p><p>今、どこに行ってもマスコミだらけで、</p><p>家にも、実家にも帰れない。</p><p>ここに居るとは思わないはずだろ？</p><p>ここに、一緒にいてもいい？」</p><p>ユチョンの言葉に頷いた。</p><p>&nbsp;</p><p>「すまない、しばらく寝かせてくれ。」</p><p>薬のせいで起こる、この怠さには勝てなくて、</p><p>3人を寝室から遠ざける。</p><p>何も考えることができないでいる。</p><p>やらなきゃいけない事が沢山あるのに、</p><p>考えなきゃいけない事が山ほどあるのに…。</p><p>一度寝てしまえば、この痛みは消えるのだろうか。</p><p>でも、この胸の痛みは、指先の痺れは、</p><p>どうあってもなくならない気がしている。</p><p>ただ…今は…寝か…せて…。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>目を閉じた瞬間、そんな感じだった。</p><p>ぐらん</p><p>すべてが揺れる。</p><p>地震？！</p><p>とっさの事で、頭と腹を守る様に丸くなって</p><p>揺れがおさまるのを待った。</p><p>ばたん</p><p>クローゼットの扉が開いて、何かがどすんと落ちてきた。</p><p>ハッと気がついた。</p><p>あいつらは、大丈夫なのか！？</p><p>「チャンミン！！ユチョン！ジュンス！</p><p>大丈夫か！返事をしろ！」</p><p>大きな声で叫ぶ。</p><p>&nbsp;</p><p>「ユノヒョン！」</p><p>チャンミンの声と共に明かりがつく。</p><p>「どうしたの、何があった？」</p><p>ジュンスの声もする。</p><p>「ユノ、大丈夫？」</p><p>ユチョンも顔を出す。</p><p>「今の、大きな、地震！」</p><p>「地震？」</p><p>三人で顔を見合わせている。</p><p>「地震なんて、ないよ。」</p><p>「薬のせいで、怖い夢みた？」</p><p>「ユノ？」</p><p>呆気にとられたような顔をしていたんだろう。</p><p>訝しがって近寄ってきた。</p><p>「大丈夫？もう少し寝てろよ。</p><p>まだ…消息はわからないって、ニュースで。」</p><p>「でも、今の、ゆ、め？」</p><p>確かに、クローゼットの扉は閉まっていた。</p><p>「あ、夢、夢か…。」</p><p>「ヒョン、何か飲む？」</p><p>「ああ、頼む。」</p><p>そう言って身を起こしかけた時、</p><p>手のひらの下、何かを押さえつけてた。</p><p>握って目の前で広げると、</p><p>そこには、もう何年も使ってない古い携帯電話。</p><p>これは、クローゼットの奥の箱の中に、</p><p>放り込んでいたはず…。</p><p>なのに、なぜこんなところに？</p><p>&nbsp;</p><p>「それ、携帯電話？」</p><p>ユチョンが気がつく。</p><p>「何でこんなところに？」</p><p>そう言う俺を不思議そうに見ている。</p><p>「ユノが出したんじゃないの？」</p><p>「いや、これは捨てようと思ってて、</p><p>クローゼットの奥…に…！」</p><p>「なんか点滅してるよ？」</p><p>ジュンスの声と同時に気がついた。</p><p>そんなはず無いだろ？</p><p>もう何年も使ってない。</p><p>契約だって解除した、そんな本体だけの電話機。</p><p>水を持ってきたチャンミンも、</p><p>俺たちの様子に足を止めた。</p><p>「何が、あったんです？」</p><p>「着信の、点滅。」</p><p>「ずっと使ってなかった携帯だ。」</p><p>茶化すような雰囲気じゃなかった。</p><p>かと言って、想像もしたくないような事だったら？</p><p>「ゆうれ…！」</p><p>「言うな！」</p><p>ジュンスの口を押さえ込んで。</p><p>&nbsp;</p><p>四人で顔を見合わせて、促されて。</p><p>ぱかりと開いた画面には、</p><p>1通のメールがあるってお知らせ。</p><p>「ど、どうする！」</p><p>「ユノヒョン見てよ！」</p><p>「ユノが持ち主じゃん！」</p><p>「僕は信じません！」</p><p>開封するためボタンを押した。</p><p>ははは…指が震えてる。</p><p>ぴここん</p><p>電子音と共に浮かび上がる文字。</p><p>ああ、ピコピコと絵文字がうるさい…。</p><p>ジェジュンだ…。</p><p>ジェジュンからのメール…。</p><p>&nbsp;</p><p>額を付き合わせて、8個の目玉で確認中。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>『久しぶり、元気ですか？</p><p>俺は元気だから。</p><p>ユノは今、日本にいるんだよね。</p><p>ソウルはね、今日ちょっと肌寒い。</p><p>あのね、ユノ。</p><p>&nbsp;</p><p>会いたいです。</p><p>ユノに会いたい。</p><p>死にそうなくらい会いたいです。</p><p>帰国したら、会ってくれませんか？』</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>「電話通じない。</p><p>ソウルにいるはずないし！」</p><p>とっさにジェジュンに電話したユチョンが</p><p>呆然とした顔でこっちを見る。</p><p>「誰か、イタズラなの？」</p><p>怒った声でジュンスが叫ぶ。</p><p>「日本にいるって、どうしてそんな事を…！」</p><p>何かに気がついたらしいチャンミンが、</p><p>俺の手から携帯電話をもぎ取った。</p><p>「これ！これ！日付け！」</p><p>示された文字、丁度1年前の日付けだった。</p><p>「ちょっと待って！」</p><p>ユチョンがノートパソコンを起動させる。</p><p>「チャンミン、1年前のスケジュール、出る？」</p><p>チャンミンもモバイル起動させた。</p><p>「日本に居ました！」</p><p>「こっちはソウルで撮影だ！翌日の…3時まで！」</p><p>「今、何時だ！」</p><p>「えっと…9時ちょっと！」</p><p>立ち上がろうとした俺を三人が止める。</p><p>「行かなきゃ！ジェジュンが！」</p><p>「だから、これは1年前のスケジュールだって！</p><p>このメールも1年前のメール！」</p><p>「1年前に受け取って、何かの拍子に受信した、とか？」</p><p>「これはもう契約してないんだって！」</p><p>「ユノヒョン…返事、書いてみたら？」</p><p>「ジュンス！怖いこと言うなよ～！」</p><p>「返事の返事なかったら、チャンミンのいう事、</p><p>当たってるってことでしょ？」</p><p>「まあ、そうだけ、ど。」</p><p>「お返事、書いて！」</p><p>「……なんて書けばいい？」</p><p>「そこにはユチョンとジュンスが居るのかって。</p><p>それから～、今、何年何月何日って。」</p><p>&nbsp;</p><p>半信半疑で打ってみた。</p><p>「おっそ！」</p><p>「うるさい。」</p><p>「そっけないねえ。」</p><p>「見るなよ！」</p><p>「早くしてください！」</p><p>ポチ！</p><p>&nbsp;</p><p>「来るわけないよな。」</p><p>「そりゃあそうだろう。」</p><p>「来ないかな～。」</p><p>「来ないで来ないで来ないで！」</p><p>&nbsp;</p><p>ぴろぴろりん</p><p>&nbsp;</p><p>『You've Got Mail』</p><p>&nbsp;</p><p>「「「「ぎゃーーーーーー！！」」」」</p><p>4人で顔を見合わせて、叫んでしまった。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>『ユチョンもジュンスも一緒にいるけど？</p><p>でも、ユノに連絡とってるのは内緒にしてる。</p><p>とりあえずは俺たちの事を隠しておこうって思って。</p><p>その方が、いいよね？</p><p>&nbsp;</p><p>それから、何かのテストなの？</p><p>西暦20xx.x.xx…。これでいい？</p><p>もう呼ばれるから、またね。』</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>どう読み解けばいいのか…。</p><p>4人もいれば、何とかなるかと思ったけれど、</p><p>どうにもならない事もある。</p><p>「返事きたね…。」</p><p>「丁度1年前の日付け。</p><p>俺たちと一緒にいるんだってさ～。」</p><p>「1年後、飛行機に乗るなって伝えなきゃ！」</p><p>開いた電話、でも電源が落ちていた。</p><p>「充電機…どこだ、充電機！」</p><p>慌ててクローゼットの奥を探す。</p><p>箱の中、何のコードかわからないものが山と入っている。</p><p>「この中から、探すの！？」</p><p>ジュンスの悲鳴にも似た声に、</p><p>仕方ないでしょう！って選り分け始めたのはチャンミン。</p><p>&nbsp;</p><p>冷静になって考えた。</p><p>ああ、どうしよう、</p><p>チャンミンは俺を許してくれるだろうか。</p><p>心ない言葉で深く傷つけてしまって、</p><p>今になってどうしたらいいのかわからないでいた。</p><p>「ヒョン！」</p><p>「へっ？」</p><p>「何をバカみたいにぼーっとしてるんですか！</p><p>これ！全部あんたの仕業ですから！</p><p>率先して見つけてくださいよ！」</p><p>いつものチャンミンだ…。</p><p>いや、違うな。</p><p>いつもはすぐにそらせる視線、</p><p>少しだけ長く俺の上に留まってる。</p><p>俺の顔を見ているんだとおもう。</p><p>普通の顔をしている努力を続けているんだと思う。</p><p>ごめん、チャンミン。</p><p>だから俺は、気がつかないふりで…。</p><p>「わかったよ。」</p><p>そう返事をするんだ。</p><p>そんなチャンミンの肩をぽんと叩いて、</p><p>ユチョンが立ち上がる。</p><p>「どこ行くの？」</p><p>「ちょっと調べ物。ジュンス、お腹空いた。</p><p>悲しかろうが、辛かろうが腹は減る。</p><p>何か出前取ろう。」</p><p>「ユノヒョン、ここデリバリーのメニューある？」</p><p>「リビングのテレビの下、引き出しの中。」</p><p>コードと格闘しながら伝える。</p><p>「わかた～！」</p><p>ユチョンとジュンスが出て行って、</p><p>チャンミンと二人っきりになってしまった。</p><p>「チャンミ…。」</p><p>「あのさ！」</p><p>俺の言葉に言葉を重ねて。</p><p>「ごめんなさい。さっきは僕もどうかしてた。</p><p>一番ショックを受けてたのはヒョンだったのに、</p><p>変なこと言ってごめんなさい。」</p><p>「チャンミン…。」</p><p>「わかってた…。ジェジュンと会わないの、</p><p>僕のせいもあるんだって、わかってた。</p><p>でも、引っ込みつかなくて、タイミングなくて、</p><p>これ！…じゃ無い…。違った。</p><p>だから、ごめんなさい。」</p><p>お互い下を向いての作業中、</p><p>どんな顔で見ればいいのか…。</p><p>「本当にすまない、許してくれ。</p><p>俺は馬鹿だ…。</p><p>自分で決めた事に責任を負わないなんて卑怯な男だ。</p><p>本当に、ごめん！」</p><p>頭を下げる。</p><p>それからしばらく黙り込んで作業に没頭してた、その時。</p><p>「ジェジュン…帰って来る？」</p><p>「まだ死んでない。」</p><p>「うん。」</p><p>「こうやって連絡ついた。」</p><p>「うん。」</p><p>「俺たちに何かできるから、</p><p>こうやっておかしな事が起こってる。</p><p>そう信じよう、な。」</p><p>「うん、そうだね。」</p><p>「頑張ろう、諦めない。」</p><p>「うん。」</p><p>&nbsp;</p><p>「チャンミン、中華でいい？」</p><p>ジュンスが入ってきてチャンミンに聞いている。</p><p>「あ、これ！これだ！」</p><p>充電機を見つけた！</p><p>急いで繋げて電源を入れる。</p><p>けれど…。</p><p>「まさか、壊れた？」</p><p>「いや、どうだろう。チャージはしてる気がする。」</p><p>赤いランプが点灯してるから。</p><p>「焦らないで行こう。」</p><p>ユチョンの言葉にみんなで頷いた。</p><p>&nbsp;</p><p>真夜中のご飯、</p><p>ユチョンの言うとおり、</p><p>悲しかろうが、辛かろうが腹は減る。</p><p>ジュンスなんか、半べそかきながら食っている。</p><p>「ジェジュン、お腹空いてないかな～。」</p><p>「あいつの事だから、美容の為だって、</p><p>夜中の食事は食わないって言うんじゃねえか？」</p><p>ああ、こんな軽口叩けてるよ…。</p><p>ジェジュンは居ないのに。</p><p>「ジェジュンのご飯、食べたい…。」</p><p>いつの間にか最強の男から、甘えん坊の末っ子に</p><p>シフトチェンジしたチャンミンがつぶやいた。</p><p>みんな不安なのだ。</p><p>ジェジュンを失うって事に、</p><p>あの存在が無くなるって事に、</p><p>心がついていかない。</p><p>だからこう、膝がぶつかるくらい近寄って、</p><p>どこか触れ合いながら飯を食ってる。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>「ちょっと整理しよう。」</p><p>ユチョンの言葉に、チャンミンが紙とペンを取る。</p><p>「ジェジュンの乗った飛行機が行方不明になる、</p><p>3時間後の飛行機で俺とジュンスが帰国、</p><p>テレビでニュースが流れる、</p><p>ユノとチャンミンが事故を知る、それから…。」</p><p>「ユノヒョンのおうちに来た！」</p><p>「ヒョン、地震、感じたの、時間覚えてますか？」</p><p>「さあ…真っ暗だったから…。」</p><p>「ぼっく覚えてるよ～！</p><p>9時だったもん！ユノヒョンに時間教えたの！」</p><p>「21時…それから携帯電話を見つけたんですよね。」</p><p>「いきなり手の中にあったんだ。」</p><p>「メール見て、返事を書いて送ったのが…」</p><p>「10分頃でしたか？」</p><p>「すぐに返事、きたよね。」</p><p>ちょっと怖かったね～なんてジュンスが笑ってる。</p><p>ああ、あれは怖かった…。</p><p>「で、それに返事をしようとして、電源が切れた。」</p><p>「15分でした…。」</p><p>「おかしな事は、その15分間の間に起こってた。」</p><p>「そうなります。」</p><p>「今はなんにも動かないんだよね？」</p><p>「ああ、電源自体が入らない。」</p><p>「充電はしてるから、壊れた訳じゃない…。」</p><p>&nbsp;</p><p>「ねえ、ユノヒョン、その電話ってさ～、</p><p>ジェジュンと何か関係あるの？」</p><p>ジュンスの問いにいきなり思い出した。</p><p>「え、ああ、これって…</p><p>ジェジュンと一緒に買いに行ったやつだ。</p><p>お揃いで、同じものを買ったんだった！」</p><p>こういうの嬉しい。</p><p>そう言って笑った顔まで思い出した。</p><p>「やっぱり…ゆうれ…！」</p><p>みんなで慌てて口を押さえにいった。</p><p>「それはダメだ！言っちゃダメだ！」</p><p>必死の顔で頷いたジュンスを解放して、</p><p>話し合いに戻る。</p><p>&nbsp;</p><p>「試す価値があるのは、</p><p>明日の同じ時刻まで待つ事ですか…。」</p><p>チャンミンの言葉に同意する。</p><p>「今夜はもう遅い。</p><p>客間にベッドあるし、このソファーもベッドになるから、</p><p>できるだけゆっくり休んでくれ。」</p><p>思い思いに落ち着く場所を探しに行った。</p><p>俺は寝室に戻って、</p><p>充電中の携帯電話をそっと握る。</p><p>これが、これだけがジェジュンと繋がる</p><p>唯一の方法なんだ。</p><p>わかってる…</p><p>現実から目を背けているなんて事は、</p><p>充分わかってる。</p><p>けれど、これは、これだけは希望なんだ。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>ジェジュンの乗った飛行機は、</p><p>未だ見つかっていない。</p><p>心に嘘をついていた。</p><p>ジェジュンを手放したのは、</p><p>間違いだった。</p><p>そうわかっていて、</p><p>それでも連絡をしなかったのは俺だ。</p><p>事を荒立てるのを嫌がって、</p><p>一番失ってはいけない人を、</p><p>今、失いそうになっている…。</p><p>頭を押し付けているまくらに拳を打ち込む。</p><p>自分でも制御できない怒りがこみ上げる。</p><p>俺は、俺は何だって、</p><p>ジェジュンと別れられるなんて思ってたんだろう。</p><p>死ぬほど会いたいなんて</p><p>ジェジュンに言わせてしまったんだろう…。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>寝室のドアがノックされた。</p><p>「どうした？」</p><p>顔を出したチャンミンに聞いてみる。</p><p>「あの…。」</p><p>「何だ？」</p><p>「今日、一緒に寝ていい？」</p><p>でっかい男が何言ってんだなんて言わないよ。</p><p>黙って身体を片方に寄せる。</p><p>空いたスペースに潜り込んでくるチャンミン。</p><p>でっかいベッドを買っておいて良かった…。</p><p>寝返りを打ってもぶつからないだろう。</p><p>&nbsp;</p><p>ノックと共に入ってきたのは、</p><p>ユチョンとジュンス…。</p><p>黙って身体を端に寄せた。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>「ねえ…。」</p><p>「ん～？」</p><p>「あのさ…。」</p><p>「うん。」</p><p>「ジェジュン、今どこにいるのかな。」</p><p>「さあ…。どこだろうな。」</p><p>「ひとりぼっち、寂しいよね…。」</p><p>「必ず見つけてやろうな。」</p><p>「見つけようね。」</p><p>ジュンスとの囁くような会話、</p><p>ユチョンとチャンミン、</p><p>寝ていないのがわかる暗闇。</p><p>誰からともなく、探り当て…。</p><p>4人で手をつないで、眠った。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>続く</p>
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<link>https://ameblo.jp/whitebloodcorpuscle/entry-12678746188.html</link>
<pubDate>Sat, 05 Jun 2021 11:23:27 +0900</pubDate>
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<title>あんふぉげたぼ　1</title>
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<![CDATA[ <p>いま、なんて言った？</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>「繰り返します。</p><p>只今入ってきた情報によりますと、</p><p>00航空機00発ソウル行きの便が</p><p>消息を絶ったとの事です。</p><p>発表によりますと、</p><p>乗客乗務員99名を乗せた機体が、</p><p>消息を絶ったとのことです。</p><p>&nbsp;</p><p>乗客名簿の中に、</p><p>アイドルグループJYJ所属、</p><p>キム・ジェジュン氏の名前があると言うことです。</p><p>詳細は今のところわかっておりません。</p><p>詳しい現状がわかり次第お伝えいたします。</p><p>&nbsp;</p><p>繰り返します。</p><p>00航空00発ソウル便が本日、</p><p>消息を絶ったとのことです。</p><p>同機に搭乗していた乗客の中に、</p><p>芸能人、キム・ジェジュン氏が居たと言う</p><p>情報も入っております。」</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>いま、なんて言った？</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>…………………………</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>会社の会議室、今後のスケジュールについて</p><p>打ち合わせをしている所だ。</p><p>ちょっとしたアクシデント、膝の古傷が悪化した。</p><p>けれど今後の活動に大きく影響を及ぼす事態に。</p><p>「痛みはそんなに無いんだけどな～、大袈裟じゃね？」</p><p>そう言った途端、チャンミンに睨まれた。</p><p>「そこまでしないといけない事にしたのは、</p><p>ドコノドイツ様でしたかねえ！」</p><p>「いや、だからさ～、ギプスはちょっとさ～。」</p><p>「お？なんですか、</p><p>すぐに安静にしていればここまで酷くはならなかったって</p><p>先生に言われましたよね、お？</p><p>大丈夫だって言いながら、</p><p>無理矢理動かして悪化させたのは、</p><p>ドコノドチラ様でしたかって聞いてんですよ！」</p><p>「そうだけど～。」</p><p>「ギプスって言っても、</p><p>簡易型ですから、着脱は簡単でしょ？</p><p>風呂にもトイレにも入れるんですから！」</p><p>「まあな～。」</p><p>このところのチャンミンは、俺に冷たい。</p><p>何か言おうもんなら、</p><p>その何倍もの反論が帰ってきて、</p><p>言葉に詰まりやすい俺は黙り込むしかない。</p><p>でも、優しいところはある。</p><p>今だって、松葉杖を持ってきてくれたり、</p><p>椅子を引いてくれたり、一番近くで俺の世話を焼いている。</p><p>いちいちありがとうを言ってたら、</p><p>耳を赤くして、もういいですだって。</p><p>可愛いだろ？可愛いんだよ、俺の弟は。</p><p>しかし、だ。</p><p>この怪我でキャンペーンなんか、</p><p>いろいろ変更せざるを得なくて、</p><p>今日、この会議室にって事に。</p><p>チーフや、現場のマネージャー、</p><p>それに制作の主任なんかが集まって、</p><p>今後の方針決めるって事に。</p><p>新曲のキャンペーンは白紙に戻るのかな…。</p><p>怪我もそうだけれど、結構イタイ事になってしまった。</p><p>申し訳なくて、皆に謝り倒した。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>突然だった。</p><p>会議室のドアが音を立てて開けられた。</p><p>「何だ！どうした？！」</p><p>チーフマネージャーの声を無視して、</p><p>入ってきたのは昔からよく知る社員。</p><p>一直線にテレビのモニターに駆け寄って電源を入れる。</p><p>ワイドショーの時間帯、臨時ニュースが流れていた。</p><p>&nbsp;</p><p>「……JYJのキム・ジェジュン氏が……</p><p>…行方不明……墜落……」</p><p>&nbsp;</p><p>あれ？よく聞こえない…ボリュームをあげてくれ！</p><p>聞こえないんだ！</p><p>なあ！</p><p>何を言ってるんだ？</p><p>なあ！！</p><p>&nbsp;</p><p>周りを見渡す。</p><p>みんな必死の形相で、</p><p>何かを叫んでいるけれど、</p><p>俺には何も聞こえない。</p><p>一斉に携帯電話で何処かに連絡しているんだけれど、</p><p>俺には、彼らが何をしているのかわからない。</p><p>解らないんだ…。</p><p>&nbsp;</p><p>「痛っ！」</p><p>痛んだ腕を見た。</p><p>そこにあったのは隣のチャンミンの手だった。</p><p>俺の腕を渾身の力でつかんで震えている様だ。</p><p>その瞬間、現実が俺に戻ってくる。</p><p>&nbsp;</p><p>「クソっ！向こうはなんて言ってるんだ！」</p><p>「わからない、それだけです。</p><p>あっちも混乱してるようで！」</p><p>「どうやら、ひとり違う便に乗ったようです！」</p><p>「ユチョンとジュンスは無事なのか！？」</p><p>「マスコミ、シャットアウトしろ！」</p><p>&nbsp;</p><p>「ユノ！ユノ！ユンホ！おい！」</p><p>声をかけられてその方向を見た。</p><p>「しっかりしろ！おい！</p><p>ジェジュンの連絡先、知ってるか！」</p><p>黙って首を振る。</p><p>知るわけがない。</p><p>お前らがそうしろって言ったんじゃねえか。</p><p>覚えてないのか？</p><p>俺の顔色を見てとって、</p><p>視線をそらして舌打ちをしてる。</p><p>&nbsp;</p><p>「ヒョン、ヒョン…！」</p><p>反対側を見ると、</p><p>チャンミンが真っ青な顔で俺を見ていた。</p><p>「ジェジュン、ジェジュンが、何で？」</p><p>まだ俺の腕を掴んだままのチャンミンの手を握った。</p><p>「ヒョン、会ってない、ずっと、どうしよう…！」</p><p>ああ、だめだよ、そんな顔するなよ。</p><p>後悔した様な顔で、俺を見るなよ。</p><p>握った手を腕から引き剥がして突っぱねる。</p><p>丸い目を更に大きくしてショックを受けた様な顔をしてる。</p><p>そうか？</p><p>どうしてそんな顔をするんだ？</p><p>俺がジェジュンと会わなかったのは、</p><p>会社や、お前のためだっただろ？</p><p>何を今更そんなことでショックを受けてるんだ？</p><p>俺の、俺とジェジュンの心を殺したのはお前や、</p><p>社長や、会社の奴らじゃないか。</p><p>&nbsp;</p><p>縋る様な視線を振り切って、</p><p>俺は黙って立ち上がりモニターの前へと移動する。</p><p>「うるせえ！黙ってろ！」</p><p>テレビの音が聞こえないじゃないか。</p><p>何だよ、おい、ジェジュンの顔が映ってるよ…。</p><p>赤い文字が並んでる。</p><p>行方不明だって…。</p><p>墜落だってさ…。</p><p>&nbsp;</p><p>モニターの中のジェジュンに触れる。</p><p>変わらないその笑顔が、現実を遠のかせて…。</p><p>真っ赤な視界が、真っ黒になって、</p><p>頬に当たったのは床の感触だった。</p><p>俺の意識はそこで途絶えた…。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>続く</p>
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<link>https://ameblo.jp/whitebloodcorpuscle/entry-12678745343.html</link>
<pubDate>Sat, 05 Jun 2021 11:22:56 +0900</pubDate>
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