そんなの日本語じゃない https://ameblo.jp/wordsmith/ 知らない日本語は無理やり使うしかない。 ja-jp 忖度(そんたく:他人の心を推し量ること) https://ameblo.jp/wordsmith/entry-10490601335.html 朝日の社説にこんな記述がありました。「側近」が小沢氏の意向を忖度(そんたく)して締め付けに動く。難解な単語のようで、ふりがなが振ってありました。この例は、小沢氏の存在と「側近」という単語の選択により、ビクビクしながら顔色をうかがっている様子がイメージを喚起します。そして、その効果を出すために、わざわざ非頻出の忖度という単語を投入したかのようです。実際に、そういう意味なのでしょうか。Yahoo!辞書の和英辞典にある例文では、・彼の真意はそんたくし難いI find it difficult to s 2010-03-25T02:03:44+09:00 知悉 (ちしつ: ある物事に関して、細かく知り尽くすこと) https://ameblo.jp/wordsmith/entry-10130466589.html 北京オリンピックを取り上げたコラムにこんな記述がありました。もう20年以上、中国でビジネスを続けてきた彼は、中国人気質を知悉しているうえに、温厚な人柄である知という文字に、悉く(ことごとく)の文字が加わっているので、意味の類推は出来ます。しかし、私なら熟知している、という表現しか思いつきません。それと比べて、どういった違いがあるのでしょうか。 労働政策審議会安全衛生分科会の議事録によると、専属性の要件については、いわば現場の実態を知悉している必要があるそうです。また、適切な衛生管理を行うためには 2008-08-23T00:20:17+09:00 腐心 (ふしん: 頭をひねり、心を悩ますこと) https://ameblo.jp/wordsmith/entry-10126608635.html もう一本、読売の社説からです。焦点は「生活保護との整合性」だった。腐心の決着である。私の感覚だと、漢字が与えるイメージと実際の意味が異なっているので、取り上げておくことにしました。心が腐るということで、不本意ながらの意かと思いきや、心が腐るほど悩んだ、つまり、さんざん苦しんだことを表しています。いくつか用例をあたり、語感を定着させましょう。システム営業の林さんは、日頃から、自社が誇るSEの技術力を最大限に発揮できるようにする環境作りに腐心されています。三重県のタクシー業界は、安全へ腐心しています 2008-08-12T22:02:17+09:00 独善 (どくぜん: [孟子、尽心上から]自分の身だけを正しく修める。転じて、独りよがり) https://ameblo.jp/wordsmith/entry-10126284472.html 読売の社説からです。医療行政には高度な専門知識が必要とはいえ、独善に陥りがちだ。文脈と字面から意味は類推できるのですが、自分は使ってこなかった言葉です。「厚生労働行政の在り方に関する懇談会」に関する批評なので、ポジティブな意味はあり得ません。ましてや、陥る、という動詞で受けています。そこには、自らに対するストイックな態度は含まれておらず、自分だけがよく思っている、という否定的な意味だけが残されています。実際、ほとんどの用例は、そのような否定的意味になっているようです。JEITAの見解について「長 2008-08-11T23:35:42+09:00 桎梏(しっこく:自由を束縛するもの) https://ameblo.jp/wordsmith/entry-10124443047.html 金融関係の行政官さんによる本を読んでいたら、この言葉が繰り返し登場してきました。実際には、2回程度だったと思うのですが、それだけ強い印象を残す言葉です。私は今回調べるまで知らなかったのですが、桎は足枷、梏は手枷の意味だそうです。とてもグラフィックな単語なので、相当の感情移入がないと使えない言葉です。用法としては、桎梏から逃れられないという否定的な表現で、不当に、かつ決定的に、束縛されていて、自分の力ではどうにも出来ない、という絶望的な状況を表す場合に使われるようです。ただし、実社会では、暗めの詩 2008-08-07T00:53:26+09:00 流言蜚語(りゅうげんひご:無責任なうわさ、デマ。蜚が常用漢字でないため、飛語とも) https://ameblo.jp/wordsmith/entry-10003974518.html 日経の社説から です。  惨事は八世紀のイスラム教イマーム(導師)を悼むシーア派市民の巡礼の列の中で起きた。現場となった橋で自爆テロリストがいるとの流言飛語が飛び交い、大混乱、逃げまどう人たちが圧死したり、川に飛び込み水死したという。 意味としては、デマですが、四字熟語を使うことでことの重大性を表現出来ています。それ以上に、意味の微妙なテイストがあるのでしょうか。実例で見てみましょう。 清水幾太郎は、一九三七年に発表された『流言蜚語』のなかで、流言蜚語を「潜在的公衆」による「潜在的輿論」と定滋す 2005-09-03T05:59:39+09:00 証左(しょうさ:証拠。左証ともいう) https://ameblo.jp/wordsmith/entry-10003828396.html 読売の社説からです。 この“揺れ”は、公明党との与党協議で、「愛国心」をめぐる表記などに隔たりが生じていることの証左だろう。 なぜ単純に証拠と言わず、証左という言葉を使うのでしょうか。どう使い分けるのか、いくつか実例を拾うことで、ヒントを探してみましょう。 タバコ発ガン説は、学者が仕事をしていない事実の証左、という記事です。証拠、を事実の証左、と置き換えているようです。それにより、攻撃性を緩めているように読めます。 文頭の社説でも、生じている証拠、よりも、生じていることの証左、の方が主張が弱まっ 2005-08-28T15:08:01+09:00 僥倖(ぎょうこう:思いがけない幸せ) https://ameblo.jp/wordsmith/entry-10003732140.html 朝日新聞で難解な、あるいは目新しい言葉が使われていることは、まずありません。最も複雑な言葉を使いそうなメディアなのに、意外なことです。 想像するに、編集方針として徹底されているのでしょう。私がどうこう言えるものではないのですが、このブログを始めて関心されられたことの一つです。 そんな朝日のコラム からです。 海からのさった(もらえた)僥倖(ぎょうこう)の数々を栄子さんは思い出す。 水俣病関係の取材を基にした、重みのあるコラムです。これを「小さな幸せの数々」、と書いたら安っぽくなり、取材対象の方に 2005-08-24T14:04:57+09:00 パーリー(parley: 敵との和平交渉、討議) https://ameblo.jp/wordsmith/entry-10003612740.html dictionary.comの今日の単語 です。 手元の英和辞典を引くと、討議、話し合い、談判、和平交渉、といった言葉が並んでいます。これらの単語を並べれば、確実に意味は通じるのですが、逆にそのものずばりを表現することが難しくなっています。 さらに、これは古い単語ですので、最近の言葉ともコントラストをつけたいところです。そのためには、これらの言葉は、少し役不足に感じます。 となると、カタカナです。翻訳を見てみましょう。 The government recognized his knack fo 2005-08-19T13:41:20+09:00 災禍(さいか:わざわい、災害) https://ameblo.jp/wordsmith/entry-10003591258.html 読売の社説からです。 血みどろの抗争を続けてきた両者を和解のテーブルに着かせたのは、人知を超えた自然の猛威だった。両者が恒久平和を定着させ、復興を達成してこそ、災禍が福に転じたことになる。 災害の意味だというのは分かるのですが、あえてこの言葉を使わなければいけない局面はなんなのでしょうか。そして、災禍が福に転じる、というのが決まった言い回しなのでしょうか。調べてみる価値がありそうです。 まずは、どういった災害に使われているか、見てみましょう。 蛇池埋め立ての災禍、は祟りのようなものです。 ジフテ 2005-08-18T15:41:27+09:00