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<title>画面裏のアフリカ紀行</title>
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<description>1980年代に始まったアフリカ暮らし。撮影コーディネーターが画面裏から見て来たアフリカを描く連作の紀行エッセイ。</description>
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<title>アクスムとラリベラ　9</title>
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分厚い木の門扉の前には中に入り損ねた信者達が開くのを待っていた。内側から閂が掛けられていて、中からは太鼓の響きに合わせて朗唱される御詠歌のような聖歌のコーラスが聞こえている。ミサがクライマックスを迎えているようだ。少し待っていれば開くのだろうか？エチオピアの庶民層には英語を話す人は少ないので、尋ねてみても要領を得た返事は聞けなかった。それでも、皆ウキウキした表情で扉の前にしゃがみこんでいる。教会内で催されているミサがひと段落すれば中から司祭たちが出てきて行列が繰り出すはずだ。その少し前には必ず扉
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<dc:date>2013-06-09T22:35:18+09:00</dc:date>
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<title>アクスムとラリベラ　8</title>
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　日の出はるか前の午前4時過ぎ。限られた場所にしか街灯のない町は闇に包まれている。そんな町にホタルの灯りにも劣るほどにか弱い明かりが静々と流れているのが遠目に見える。木の表皮を固めた蝋燭を手に教会へと向かう信者達だ。耳を凝らすとドンドンと打ち鳴らされる太鼓に合わせて朗唱のコーラスが幽かに聞こえる。教会内に集う司祭と神学生たちが唱える聖歌に違いない。ホテルの部屋のベランダから聖ギョルギス教会の方向を窺っていると、教会の周りに集まる蝋燭の灯りが少しずつ増えていっているのがわかる。聖人の日のミサは既に
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<dc:date>2013-06-01T21:32:58+09:00</dc:date>
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<title>アクスムとラリベラ　7</title>
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　テレビ番組の常として取材対象を素直に紹介するようなことは少なく、この回のラリベラの岩窟教会群という世界遺産を見せてゆくにあたって、町に暮らす信者一家の日常から入ってゆくという演出が取られた。よくあるやりかたではある。　エチオピア正教会の信者は、熱心さの程度の違いこそあれ、皆敬虔な信者であることは間違いない。清く慎ましやかに暮らす一家。その暮らしぶりと信仰を通して、彼らが通う教会への導入にしようというのがディレクターの考えたことだった。そこで私は町の一画に暮らす農民一家を探すことにして、現地コー
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<dc:date>2013-05-19T11:50:04+09:00</dc:date>
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<title>アクスムとラリベラ　6</title>
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　大きな岩山を削り掘りぬいて造られた岩窟教会群で知られるラリベラは、アクスム王朝が滅んだ後12世紀に起こったザグウェ王朝が治めた時代の首都だ。山間の小さな田舎町なのに国内各地の熱心な信者達が巡礼に訪れ、世界中から観光客がやって来る。アクスムを日本の古都奈良に例えるならばラリベラは鎌倉のようなものだろうか。ついでに言うと、京都にあたるのは17～18世紀にソロモン王朝ゴンダール期の首都だったゴンダールという感じになる。　これもまた世界遺産の紹介番組のために数日かけて教会群を徹底取材することになった。
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<dc:date>2013-03-10T23:40:26+09:00</dc:date>
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<title>アクスムとラリベラ  ５</title>
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　それではティムカット祭の当日に何が起きるかというと、水場をヨルダン川に見立ててキリストの洗礼を模す儀式が執り行われるのだ。それは首都のアディスアベバでも盛大に執り行われるし他の各地でも催される国民的宗教行事だ。だからその日は国民の休日となっていてテレビは朝からアディスアベバでの祭礼の模様を中継生放送で流す。そんな中でもとりわけ盛大で多くの人々を集めるのが三大聖地であるアクスム、ゴンダールそしてラリベラだ。話をアクスムのティムカットに戻そう。陽が昇って暫くするとアークが安置されている教会へ街中の
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<dc:date>2013-01-14T22:05:32+09:00</dc:date>
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<title>アクスムとラリベラ  ４</title>
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　アークの館を出た聖職者たち30人ほどの行列は、教会の大聖堂の前を通る頃には女や子供を含めた大勢の信者や見物人に取り巻かれた。歌う者や跳ねまわる者などもいて、不用意に聖職者たちに近づかないように前後左右には武装はしていないが制服を着た治安維持兵が付いている。特にアークを担いだ司祭のまわりは警護が厳しく、カメラマンが近づこうとしたら立ち塞がる。教会の敷地を出る頃には人の渦は千人以上に膨れあがって、町一番の大通り一杯に川のような人の流れが出来あがる。その中心は勿論アークのレプリカを頭上に掲げた司祭だ
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<dc:date>2013-01-03T14:46:50+09:00</dc:date>
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<title>アクスムとラリベラ  ３</title>
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僅かに北半球に位置するとはいえエチオピアの1月は熱い陽光が照りつける季節でもある。ようやく僅かに陽が和らいだと思われる午後4時が近づくとアークの館周辺は俄かに活気づく。裏では司教や司祭ほかの関係者たちが身を清めて礼服を身にまとう準備に忙しい。表には信者が群がり、カメラを構えた観光客がひしめき合う。そのうちに大型レイヨウ類の角笛を抱えた男が出てきてプププププーッと吹きならした。館前の結界の向うに関係者が集まりだし、鉄柵の奥には煌びやかなガウンを纏い頭巾を被った聖職者たちが出てきて、いよいよ何かが始
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<dc:date>2012-12-06T22:15:51+09:00</dc:date>
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<title>アクスムとラリベラ  ２</title>
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　アクスムはエチオピア帝国の発祥地であり、初めてキリスト教を国教とした王が治めていたエチオピア正教の三大聖地のひとつとして知られている。町の中心には一際目立つ古い教会がある。シオンの聖マリア教会だ。現在のものはイスラム教徒に破壊された後に再建された17世紀の建築だが、その下には6世紀に建てられた最初の教会の遺跡が一部残っている。インディ・ジョーンズの映画で一躍知られるようになった聖櫃「アーク」が秘匿されていると信じられているのがこの教会だが、何故アークがエチオピアのアクスムにあるのか？イスラエル
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<title>アクスムとラリベラ  1</title>
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　エチオピアのアクスムについては前に触れた。エチオピア帝国発祥の地で古都だ。そしてユダヤ教の流れを組むエチオピア正教についても簡単に紹介した。なにしろ敬虔な信者の多いエチオピアでは町に幾つもの教会があり、それぞれの教会には守護聖人が祀られている。そしてそれらの教会では各聖人を祭る日が決められていて、その日にはまだ暗い早朝から多くの信者が集まってミサが開かれる。そうした人たちの姿を初めて目にしたのがアクスムだったが、あまりの異文化体験に驚愕した。　まだ陽が登る前の午前5時頃、街灯も無い真っ暗な町に
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<dc:date>2012-11-07T22:10:52+09:00</dc:date>
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<title>難民たち ４</title>
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ようやく午前10時になろうかというのに気温は優に30℃を超えていて、国際赤十字が手配した4WD車の全開にした窓から熱風が吹き込む。難民キャンプと言っても集まるに任せて発生した急ごしらえの集落で、無数の日除け小屋が無秩序に増殖を続けて2キロ四方ほどにまで拡がっていた。赤十字社が運営する診療所に案内されると、まさに骨と皮だけに痩せ細った子どもに点滴を施そうとしているところだった。Ｔシャツ姿の白人看護婦が小枝のような腕をさすりながら血管を探すが、針を通せそうな箇所がなかなか見つからないのだった。それで
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<dc:date>2012-10-28T11:33:20+09:00</dc:date>
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