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<title>ブランド</title>
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<description>ブランドは一日にしてならず。世界の覇権をかけて、ファッション業界(カバン・時計)の合併・買収劇。舞台は、モロッコ、パリ、アメリカ、イタリア、スイスなどを経て上海に飛ぶ。果たして、どのブランドが世界を征服するのか。近未来予想の大胆なフイクション。</description>
<language>ja</language>
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<title>第五章　チューリッヒ</title>
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<![CDATA[ <p>ここで、スイス時計総産業とイルバトンが何故このような友好提携関係になったのかを</p><p>振り返ってみることにする。</p><p>スイス時計総産業は世界的な消費低迷の中、底堅さを見せていた。</p><p>巧みなブランド戦略にその秘訣があった。</p><p>このスイス時計総産業とマーケットの覇権をかけて戦っていたのが、カルチャー・グループ</p><p>を率いるジャン・ドロンだったのである。</p><p>世界景気の減速に加え、ユーロ高という逆風はこの両グループに共通する。</p><p>傘下のブランドとマーケット分類はどのようになっているのだろうか。</p><p>最高級品分野では、スイス時計総産業はブレゲ、ブランパン、グラスヒュッテ・オリジナル、</p><p>オメガ、ジャックドロー等の品揃え、一方カルチャー・グループはバセロン・コンスタンテン、</p><p>ピアジェ、ランゲ&amp;ゾーネ、カルティエ、ジャガー・ルクルト、ヴァンクリフ&amp;アーベル、</p><p>ハネライ等の品揃えときている。</p><p>上級価格分野では、スイス時計総産業はロンジン、ラドー等、一方、カルチャー・グループは</p><p>ボーム$メルシェ、ダンヒル、モンブラン等の品揃えで対抗している。</p><p>中級価格品分野では、スイス時計総産業はティソ、スウォッチ、サーティナ、ハミルトン等の</p><p>品揃え、カルチャー・グループはこの分野にはエントリーしていない。</p><p>両者とも、ヨーロッパの老舗メーカーを買収していく手法は、似たり寄ったりであるが、</p><p>スイス時計総産業の場合、それぞれのブランドのターゲットを絞り　込み、マーケットを</p><p>明確に区分している点に特徴がある。</p><p>一方、カルチャー・グループは最高級品の分野にマトを絞って対抗した。</p><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/ykijima3/entry-10007011159.html</link>
<pubDate>Mon, 12 Dec 2005 15:02:22 +0900</pubDate>
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<title>第五章　チューリッヒ</title>
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<![CDATA[ <p>｢と言うと」</p><p>「ここから車で約三十分のところにサンチメールである。</p><p>　ロンジンの本社がある場所だ。</p><p>　そこから車で十分、フランス国境のところにル・ロックルという小さな町がある」</p><p>　ここは、スイス時計の発祥地の一つであり、現在も高級時計メーカーが数社ある。</p><p>　五分も走ればフランス国境だ。国境には国境警備官がただ一人。フランス側には</p><p>　マス料理が美味いレストランもあり、わが社の社員も昼飯にはチョクチョク出掛けて</p><p>　いるらしい」</p><p>「ところで、御社はこのル・ロックルでどんなブランドの時計を作っているのか</p><p>　教えてもらいないか」</p><p>「そのうちに」</p><p>「それでいい。それでいい」</p><p>「明日はグレンヘンのエト工場見学に行こう。それから、ビエル・ビエンヌの本社よって、</p><p>　最後にル・ロックルへのスケジュールで、どうかな」</p><p>「わかった。ガイザー」</p><p>「それでは、明朝七時、ホテルの車止めで。社の車が貴方をピックアップします」</p><p>「ガイザーさんは?」</p><p>「私は、グレンヘンの工場で待っています」</p><p>ホテル・サボォイには世界の著名人が沢山泊まっており、現時点において、ジャック・ルノー</p><p>と二コラ・ガイザーが一緒にいるところを見られてはまずいのである」</p><br>
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<link>https://ameblo.jp/ykijima3/entry-10005994624.html</link>
<pubDate>Thu, 10 Nov 2005 15:35:56 +0900</pubDate>
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<title>第五章　チューリッヒ</title>
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<![CDATA[ <p>「ジャック。あなたがいつになったら、チューリッヒに来るのかと、心待ちにしていたんだよ。</p><p>　イルバトンが時計をやることは、前々から知っていたよ」</p><p>「えぇ?」</p><p>「カルチャーのジャン・ドロンがさかんに吹聴していたのを聞いたことがある。</p><p>　イルバトンなんか、時計業界にはいることとなんかできるものかと」</p><p>「ドロンか。奴め。そのうちに叩きのめしてやる」</p><p>冷静なルノーもジャン・ドロンのことになるといつもの沈着さを失っていた。</p><p>「ところで、エトのムーブメントは問題ないとして、最終工程はどこの工場で作るのか</p><p>　めどはたっているのかい」</p><p>「いや、まだだ。でもフランスの何処かで作りたいと考えているのだが」</p><p>「ダメダメ。スイス国内にしたほうがいい」</p><p>「その理由は」</p><p>「スイスには腕の良い時計職人が沢山いるし、節税効果も取れるし」</p><p>「最終的にはスイスのどの辺がよいだろうか」</p><p>「グレンヘンのエト工場の近くがよいだろう。スイス時計総産業の本社は、グレンヘンから車</p><p>　で二十分のビエル・ビエンヌにある。</p><p>　ここはスイスのフランス語圏とドイツ語圏の境界に位置し、ナポレオンがイタリア遠征の時、</p><p>　野営をはったところだ」</p><p>「それでは、ビエル・ビエンヌですか」</p><p>「いや。ここではちょっとめだちすぎる」</p>
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<link>https://ameblo.jp/ykijima3/entry-10005925185.html</link>
<pubDate>Tue, 08 Nov 2005 13:19:17 +0900</pubDate>
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<title>第五章　チューリッヒ</title>
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<![CDATA[ <p>緊張した一瞬が過ぎ、ガイザーが口火をきった。</p><p>「ジャック、スイスへようこそ」</p><p>「二コラ、まず私の話を聞いてくれ」</p><p>「OK..どうぞ話をつづけてくれ」</p><p>打ち解けた雰囲気で会話ははずんだ。</p><p>「実は、イルバトンもいよいよ時計業界に進出しようと決断したんだ。</p><p>　ついては、エトのムーブメント(時計の心臓部分)を提供してもらいたいのだが」</p><p>ルノーにしては、ややトーンダウンした肉声だった。</p><p>ガイザーの気迫に押されている自分を実感していた。</p><p>「0K. 何も問題ない」</p><p>「本当かい」</p><p>あまりにも素早い返事はルノーに戸惑いを感じさせた。</p><br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/ykijima3/entry-10005890510.html</link>
<pubDate>Mon, 07 Nov 2005 12:54:24 +0900</pubDate>
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<title>第五章　チューリッヒ</title>
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<![CDATA[ <br><p>腕一本で成り上がってきたレバノン系スイス人ニコラ・ガイザーとアメリカで経済学の博士号を取得</p><p>したジャック・ルノーの一本勝負はホテル・サボイの一室で行なわれた。</p><p>側近なしの一対一の真剣勝負である。</p><p>はじめて両者は対面し、お互いに、相手が自分にそして自分の企業に役立つかどうかを、慎重に調べあい、</p><p>確かめあった。</p><p>卓越した人物同士は、あっというまに相手を見抜くものである。</p><p>ルノーは、たちまち、ガイザーのものすごい気迫に接して、絶対的な信頼を感じとった。</p><p>一方、ガイザーは、その突き刺すような猛獣の眼を光らせて、ルノーがガイザー・グループにとって</p><p>使いものになる人物であり、何でもすばやくのみこんで、精力的に物事を実行する同士であることを、</p><p>すぐさま見て取った。</p><p>決して率直さを見せることのないルノーが、この野心家ガイザーにさっさと真実を述べた事実こそ、</p><p>彼も、またガイザー・グループと提携して、企業の発展をはかる決心をしたのであった。</p><p>二人の共演が始まったのである。</p>
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<link>https://ameblo.jp/ykijima3/entry-10005216442.html</link>
<pubDate>Mon, 17 Oct 2005 14:13:36 +0900</pubDate>
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<title>第五章　チューリッヒ</title>
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<![CDATA[ <p>時計業界に進出をもくろむイル・バトン社は、世界の時計業界のフィクサーといわれている</p><p>ニコラ・ガイザーとチューリッヒで会議をすることになっていた。</p><p>「旅行」を、そして「カバンと時計の二本立(手に持つ・手に付ける)」を会社の日本柱と考えていた</p><p>ジャック・ルノーCEOにとって、このスイス時計業界の大立者ニコラ・ガイザーとの企業連携を</p><p>成功させねばならなかった。</p><br><p>ジャック・ルノーのチューリッヒ入りは極秘裏のうちに実施された。</p><p>ルノー夫人のピアノ・リサイタルに出席するという建前である。</p><p>彼はサボイ・ホテルのゴージャスなルイ十四世風の部屋を予約していた。</p><br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/ykijima3/entry-10005097005.html</link>
<pubDate>Thu, 13 Oct 2005 13:45:29 +0900</pubDate>
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<title>第五章　チューリッヒ</title>
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<![CDATA[ <p>ガイザーエンジニアリングの本社はホテル・サボイの隣のビルの三階にある。</p><p>オーナーのニコラ・ガｲｻﾞーはヨーロッパでは企業再生のプロとしてよく知られた人物である。</p><p>世界の時計業界のフィクサーとも言われ、ローレックスと日本のセイコー・シチズン以外の</p><p>時計会社は、彼の息がかかっていると噂されているほどである。</p><p>だが、実際は、反ガイザーの時計会社も多い。その多くはカルチャー・グループに属している。</p><br><p>ガイザー・エンジニアリングはスイス有数のコンピュータ・ソフトの会社であり、スイス銀行、</p><p>スイス製薬会社をはじめ、スイスの有力企業の大多数のコンピュータ・アプリケーション・ソフト</p><p>を作成したとも言われている。</p><p>スイス国有鉄道の再生委員の主要員でもある。</p><p>大柄で肥満体のガイザー。トレードマークの葉巻を左手に持ち、グレイのもみあげはどこまでも</p><p>長く、丸い顔の真ん中に位置する目は、鷹のごとく鋭い。</p><p>経営者としても、超一流で、マネジメント会議においても、世界中のマネジャーを相手に、</p><p>その質疑応答に対する答弁は素晴らしい。</p><p>適格な現状把握と適切な対応処置。答弁も英語には英語で、ドイツ語にはドイツ語で、</p><p>フランス語にはフランス語で対応する。</p><br><br>
]]>
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<link>https://ameblo.jp/ykijima3/entry-10005035205.html</link>
<pubDate>Tue, 11 Oct 2005 13:42:05 +0900</pubDate>
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<title>第五章　チューリッヒ　1</title>
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<![CDATA[ <p>人口七十万ほどのチューリッヒの中央駅を下車して、市の中心通りを真っ直ぐ南に歩いて行くと、</p><p>チューリッヒ湖にでる。この中心通りはバーンホーフ・シュトラッセと呼ばれており、ヨーロッパ有数の</p><p>綺麗で、素晴らしい通りである。</p><p>通りの真ん中を今でも、市街電車が走っており、湖まで一流ブランドの店が連なっている。</p><p>ブランド店舗の合い間、合い間には、ドッシリとしたスイス銀行群の建物と近代的なホテルが軒を</p><p>連ねている。</p><p>ホテル・サボイはバーンホーフ・シュトラッセの銀行が立ち並ぶ一角にある。</p><p>銀行の頭取クラスや世界の富豪たちが常宿として利用しているホテルである。</p><p>天井が高く、まるで宮殿のような趣がある。</p><p>客室の内装は、超一流客の多様な好みに応じられるようにイタリアのモダンな感覚の部屋もあれば、</p><p>ルイ十四世風のゴージャスな部屋もある。</p><br>
]]>
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<link>https://ameblo.jp/ykijima3/entry-10004891962.html</link>
<pubDate>Thu, 06 Oct 2005 09:37:51 +0900</pubDate>
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<title>第四章　イタリア・ジェノバー9</title>
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<![CDATA[ <p>そして、ジェノバ工場の機械類はトラック五十台でその日の内にパリ工場に移転され、</p><p>工場の建物も間もなく壊され、更地になった。</p><p>余りにも迅速な動きに周辺の人々は驚いたが、次ぎのような注意書きの看板で納得した。</p><p>「注意</p><p>　当該工場敷地内の土壌の一部から有害部室が摘出されました。</p><p>当面、人体には影響はないとの、当市役所の分析結果がでておりますが、</p><p>ここしばらくの間、工場の運転を中止します。</p><p>再開の日時は、現在のところ、決まっておりません」</p><br><p>デュパン社は、固定資産税を今までどおりジェノバ市に納めている。</p>
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<link>https://ameblo.jp/ykijima3/entry-10004803298.html</link>
<pubDate>Mon, 03 Oct 2005 11:14:58 +0900</pubDate>
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<title>第四章　イタリア・ジェノバー8</title>
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<![CDATA[ <p>その後の噂によると、アントニオ・ニコレッタは家屋敷・高級スポーツカーはすべて売却し、</p><p>妻とも離婚したそうである。現在、彼はトスカナ地方のワイナリーで働いているそうで、トラックで</p><p>毎日ワインを近隣のホテル・レストランに配達しているそうである。</p><p>アントニオのバブルは終わり、好きな車のハンドルを握り、幸福そうである。</p><p>ちょうどこのころ、ジェノバ工場では社員の面接が行なわれていた。</p><p>イル・バトン本社の幹部が出向いて、一人一人の面接だった。</p><p>今月いっぱいでジェノバ工場は閉鎖にかることが告げられた。</p><p>パリ郊外の工場に転勤を希望するか、それとも退職するかの選択を各社員は迫られていた。</p><br><p>約八割の社員は、パリ工場に転勤を希望した。</p><p>残りの二割の老齢社員は退職を希望し、相当額の割り増し退職金をもらって会社を去っていった。</p><p>解雇になったのは、ニコレッタ工場長と工場幹部三人だけだった。</p>
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<link>https://ameblo.jp/ykijima3/entry-10004718684.html</link>
<pubDate>Fri, 30 Sep 2005 11:04:58 +0900</pubDate>
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