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<title>yogmanの毎日一歩ずつ</title>
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<description>yogmanの新しい仕事、小説、日常。</description>
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<title>シャッフル・テスト　第一章　４　実験開始</title>
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<![CDATA[ <p>「起きてアイマスクを外せ！１８０番！」</p><p>　</p><p>突然発せられた大きな機械音声で私は目を覚ました。</p><p>　</p><p>何だろう、妙にまぶしい空間だ。</p><p>部屋の明るさに目が追い付かない。私は、とっさに下を向いて、まぶしさから逃れようとした。</p><p>下を向いたときに見えた床は真っ白で、部屋の明かりをより強調させていた。</p><p>&nbsp;</p><p>ここはいったいどこだろう。何かをしていたはずなのだが、思い出せない。</p><p>&nbsp;</p><p>なんだか頭も重い感じがする。</p><p>　</p><p>思い出せることは、そう、私は確か、子どもたちとデパートに行き、妻に頼まれた買い物を済ませようとしていたはずだ。</p><p>そして、買い物を終え、家に帰り、妻の作ってくれたカレーを食べて、それから…。うーん、このあたりから記憶があいまいだ。ひどい眠気を感じたような気がする。</p><p>&nbsp;</p><p>　何があったのかを思い出そうとしているうちに、目がだんだんとなれてきて、周りの風景がわかるようになってきた。</p><p>　ここはどこかの施設だろうか。広々としたホールのような空間。ここは何かの部屋なのか。この部屋を囲む真っ白な壁が私に妙な圧迫感を与えた。</p><p>&nbsp;</p><p>このホールのような空間を探っていると、私のほかにも人が倒れているのが見えた。</p><p>　</p><p>私はその人物に近寄り、声をかけた。今の自分がおかれている状況がまったく理解できない以上、今はどのような情報でもいい、なにかヒントになるようなことが得られればという一心だった。</p><p>　</p><p>「なあ、あんた、おい、起きてくれないか。なあ」</p><p>　</p><p>何度か、その人物を揺すってみた。だが、目を覚ますような素振りは全く見られない。あきらめきれなかった私は、その後何度か声をかけたが、結局起きることはなかった。</p><p>見たところ死んでいる様子でもないので、いったんその人物を放置し、ほかに手掛かりになるようなものはないか、改めて探し始めた。</p><p>　一面真っ白な床の部屋。そして、真っ白な壁。倒れている謎の人物。</p><p>　ほかにも何かないかしばらく歩いてみたが、この部屋にはこの要素以外に調べられるものは一切ないように思えた。</p><p>&nbsp;</p><p>　しかし、よくみると遠くの床の一部分が盛り上がっているようにみえる部分があることに気づいた。</p><p>&nbsp;</p><p>　その盛り上がっている部分を確認するべく、ゆっくりと近づく。</p><p>　</p><p>近づいて見てみると、盛り上がっていると見えていた部分には、何やら取っ手のようなものがついていることがわかった。</p><p>&nbsp;</p><p>私は、取っ手にゆっくりと手をかけた。</p><p>　</p><p>慎重に引き上げる。</p><p>&nbsp;</p><p>しかし、取っ手の部分は少し引き上げたぐらいでは、びくともしなかった。</p><p>　</p><p>ほかに調べるものが何もなく、この取っ手が最後の希望だと考えていた私は、力いっぱいその取っ手を引き上げた。</p><p>　すると、潜水艦のハッチが開くように、床の一部が開き、中から、若い男が２人現れた。</p><p>　</p><p>「いやあ、助かりました。行き止まりでどうしようか考えていたところだったんです」</p><p>　</p><p>優しそうな青年が徐に言葉を発した。もう一人の若い男は私を一度見た後、こちらに目を合わそうとはしなかった。</p><p>　</p><p>ふと、彼らが出てきた床が開いて現れた穴をみると、その穴はどこまで続いているのかまったく見当がつかないほど下までつづく梯子がつづいていた。</p>
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<link>https://ameblo.jp/yogman/entry-12492594612.html</link>
<pubDate>Wed, 10 Jul 2019 23:21:04 +0900</pubDate>
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<title>シャッフル・テスト　第一章　３　受検者たち</title>
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<![CDATA[ <p>　午前１時、都内某所。雑居ビルの一室に、スーツ姿の男たちが集まっていた。</p><p>大きなフロアに、本革のソファがテーブルを挟んで２つ置かれている。</p><p>殺風景なその部屋の窓は、厚いカーテンで閉め切られ、蛍光灯の灯りが妙に明るく感じる。</p><p>そのソファに、それぞれ２人の男が座り、男たちを囲むように、ガタイのいいスーツ姿の男たちが立っていた。</p><p>２人がソファに座ってから、しばらく沈黙が続いていたが、小柄な方の男がタバコに火をつけ、おもむろに話し始めた。</p><p>　「長谷川さん、今回の受検者は決まったんですか。あれからしばらく経ったんで、そろそろテストを再開してほしいっていう依頼がきてるんですよ。まあ、あんなことがあった手前、慎重になっているのはわかりますよ。でも、そろそろ動き始めたほうがいいじゃないですか」</p><p>　</p><p>　長谷川は、背が高く、よくスーツの似合う男だった。彼はかけていたサングラスを外し、問いに答えた。</p><p>&nbsp;</p><p>　「なあ、葛城。俺に文句を言うのもわかる。なんせ、前回の失敗は俺にも責任があるからな。だが、今回は安心してほしい。もうすでに、受検者の目星はついている」</p><p>　「お、珍しく仕事が早いじゃないですか。今回はどんな奴を選んだんですか。人数は何人のパターンで行くんです？」</p><p>　葛城は興味津々な顔をして、長谷川に詰め寄った。</p><p>　「これが今回の受検者だ」</p><p>そういうと、長谷川は近くにいたスーツの男からパソコンを受け取って、テーブルに置き、受検者のリストを葛城に提示した。</p><p>　「おいおい、今回の受検者ってこいつらかよ。なんだかパッとしないな。落ちぶれたのかな、天下の長谷川さんも。聞くところによると、昔はかなり幅を利かせてたみたいじゃないですか。</p><p>もう、そのころの力は残ってないんですかねー」</p><p>　葛城が話し終わると同時に先ほどパソコンを長谷川に渡した男が、懐から拳銃を取り出し、葛城に突き付けた。</p><p>　「長谷川さん、こいつ殺っていいですよね。ここまで言われてだまっていることは俺にはできなせん」</p><p>　その瞬間、拳銃の音が部屋に鳴り響き、一人の男が倒れた。</p><p>&nbsp;</p><p>　「だめですよー。そんな怖いもの人に突き付けちゃ。学校で習わなかったのかなー。長谷川さんも部下の教育がなってないなー」</p><p>　倒れた男は長谷川の部下の方だった。葛城の部下が男の脳を的確に打ち抜いていたのだ。</p><p>&nbsp;</p><p>　「すまない。俺の部下が迷惑をかけたみたいだな。だが、お前が間違っていることが一つだけある。それは、受検者はこいつらでいいのさ。つまり、今回のテストは今までのテストと趣旨が違うってことだ。俺がこれからやろうとしていることは、以前のテストよりも格段に面白いものになる。どうだ、気になるか」</p><p>&nbsp;</p><p>　葛城はおもちゃを買い与えられた子どものように、表情が明るくなり、笑顔で何度もうなずいた。</p><p>　「俺がこれからやろうと考えているのは、その名もシャッフル・テスト」</p><p>　「シャッフル・テスト？なんだそりゃ。よくわからないから、どういうものか、早く教えろ」</p><p>　「まあ、焦るな。いいか、このテストは手始めに４人で行おうと考えている。俺が選んだ４人はすでに先ほどお前に見せたやつらだ」</p><p>　「なるほど、なるほど。それで、それで？」</p><p>　ますます、葛城は表情を豊かにして、長谷川に詰め寄る。</p><p>　一方の長谷川は、部下が殺されたことなどなかったかのように、表情を変えずに淡々と説明を行った。</p><p>&nbsp;</p><p>　夜明け前、大きなスーツ姿の男と数人の男が雑居ビルから出てきた。長谷川は近くに止まっていた黒い大きな車の後部座席に乗り込んだ。</p><p>　「葛城のやろう、今はだまっておいてやるが、この借りは必ず返してやる」</p><p>　男は、大きく歯ぎしりをし、部下を弔ってやるために山へとむかっていった。</p><p>&nbsp;</p><p>　様々な因縁がゲームを通じて、巡ろうとしている。</p><p>　受検者たちはまだ、そのことを知らない。</p>
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<link>https://ameblo.jp/yogman/entry-12491859924.html</link>
<pubDate>Mon, 08 Jul 2019 21:42:58 +0900</pubDate>
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<title>ガチャの外れの意外な行き先　第一章　３　王女</title>
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<![CDATA[ <p>酒場に見覚えのない女が入ってきたころ、俺はふと、昔のことを思い出していた。</p><p>以前、聖騎士として魔物と戦う旅を行い、鍛錬を積んでいたこと。</p><p>しかし、その旅は俺の意図せぬ形で終わりを告げられてしまったこと。</p><p>俺も「スクラップ・タウン」に来てしばらくたった。</p><p>「スクラップ・タウン」に来たばかりのころの俺は、自分が置かれた状況を頭ではなんとなく理解できていても、現実を受け入れられずに意地を張り、周りに多大な迷惑をかけてしまったこともあった。あいつらにはすまないと思っている。今ではかけがえのない仲間だ。</p><p>&nbsp;</p><p>そんな俺も今では、この街の自警団の長として町の治安維持に努めている。</p><p>酒場にはいってきた女をみて、俺もこの街にやってきたときは同じような顔をしていたのではだろうかと思うとなんだか照れ臭い気持ちになった。</p><p>辺りを見回し、途方に暮れた顔。</p><p>夢の中迷い込んだのではないかと感じるほど、今まで過ごしてきた世界とは違った景色が目の前に広がっていることに、どうすればいいのかわからないと困惑した顔。</p><p>&nbsp;</p><p>様々な感情が入り混じり、表現しがたい表情を女も浮かべていた。</p><p>&nbsp;</p><p>マスターに入れてもらった酒を一気に飲み干すと、俺は女のもとにゆっくりと歩み寄った。</p><p>「どうかしたかい、お嬢さん」</p><p>「ここは、いったいどこなのでしょうか。連れてきた従者たちはここに立ち寄ってはいませんか」</p><p>「ずいぶん混乱しているみたいだな。ひとまず、落ち着きな。あたたかい飲み物でも飲まないか。今、マスターに頼んでいれてもらうから少し座って待っててくれ。俺が座っていた席で構わないなら、譲ってやるからさ」</p><p>「ありがとうございます。しかし、親切なのはありがたいのですが、私は急いでいまして。詳しい事情は話せないのですが、ゆっくりしていては追手にやられてしまいます。私には時間がないのです。今はできるだけ遠くへ。私のことを誰も知らない場所へ。安息の地を目指さねばならないのです」</p><p>真剣なまなざしで俺を見つめ、必死になっている様子が俺にはなんとも滑稽に思えた。</p><p>そして、この女の願いは思わぬ形で叶ってしまったのかもしれないと思うと、俺はこみ上げる笑いを抑えられなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>同時に、この女も俺と同じようにこの街に慣れるまでに少し時間がかかるかもしれないと感じていた。</p><p>&nbsp;</p><p>苦笑している私を見て、女は怒りを感じたのだろうか、声を荒げて私に迫った。</p><p>「何がおかしいのですか。真面目に話をきいてください。今、この瞬間にも私の命は狙われているのです。敵対する国に私の国が襲われ、王家の血筋を途絶えさせぬよう、傷を負った父上が身を挺して、おとりになってくれたおかげで、私は命からがら城を抜け出してきました。道中、部下も多く亡くし、父や部下を失った悲しみを乗り越え、ようやくここまで来たのです。ここで捕まるわけにはいかないのです。それなのに、気づいたらよくわからない場所にいて、どうしたらよいものか困り果てています。もし、よろしければ手助けを願えないでしょうか」</p><p>「なるほど。まあ俺にそれを言われても困る。だが、大変だったってことはよくわかった。あんたにとって、いい話かは分からんが、ここにはおそらく追手はいつまで待ってもこないと思う。それはここにいる全員が感じている。なぜなら、ここはあんたがいた世界とは違うからだ。」</p><p>酒場に集まっていた連中には、女に対する俺の受け答えをみて、うなずいたり、笑いだしたりしているものもいた。</p><p>女は酒場の雰囲気や俺の話を聞いて、さらに困惑している様子だった。</p><p>&nbsp;</p><p>この女は、王国においての重要人物か、大層な設定だな。道理で雰囲気が違うわけだ。</p><p>しかし、いままでにそんな女がいたか。</p><p>少なくとも、俺がこの街に来てからは出会ったことはない。</p><p>そういえば、王族の者など、いままでに見たことも聞いたこともない。</p><p>俺はこの街のルールを知っている。いや、この街で過ごしている奴らは皆同じ事を知っている。ここは、ゲームの外れキャラが集まる街。それが「スクラップ・タウン」だ。</p><p>そして、俺らが外れキャラであることは、この街にきて、マスターから初めて聞かされることでもある。</p><p>&nbsp;</p><p>だが、王族が外れキャラになりうるだろうか。</p><p>　</p><p>　俺は女に対する疑問を感じつつも、女の飲み物を注文するために、先ほどまで座っていたカウンターに戻ろうと振り返った。</p><p>　ゆっくりとカウンターへ向かう。マスターは俺と女のやり取りを聞いていたらしく、すでに温かいミルクを用意してくれていた。</p><p>　「ほら、お嬢さんに渡してやりな」</p><p>　いつもは穏やかで優しそうなマスターが、この時ばかりは違っていた。</p><p>　目を細め、入口で立ち尽くす女をじっと観察していた。その顔はいつものマスターからは想像もつかないほど、恐ろしいものだった。</p><p>　カップを受け取ろうとマスターの手を見ると、小刻みに震えているのがわかった。</p><p>　</p><p>マスターは知っていた。</p><p>彼女が現れた意味を。</p>
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<link>https://ameblo.jp/yogman/entry-12491478338.html</link>
<pubDate>Sun, 07 Jul 2019 22:39:41 +0900</pubDate>
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<title>シャッフル・テスト　第一章　２　大学生</title>
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<![CDATA[ <p>　「今日から大学生かー。俺にも彼女できるかな」</p><p>　「高校生では出来なかったことたくさんやりたいなー」</p><p>&nbsp;</p><p>　彼は今年から大学生になった橋田という男だ。</p><p>　彼は高校時代、懸命に学問にはげみ、志望校に合格した。</p><p>　性格は比較的明るいほうであり、友人も多かった。</p><p>　顔はイケメンというほどではないが、そこそこ整ってはいた。でも、女の子とは縁がなかった。２人ほど、気に入った子に告白をしたことがあったが、結果には結びつかなかった。</p><p>　彼が勉学に励めたのも、自分を振った相手に見返してやろうという反骨精神から生まれたものだった。</p><p>&nbsp;</p><p>　俺が大学に入学して２か月、同じテニスサークルにいた一つ年上の先輩に恋をした。</p><p>　テニスが好きでサークルに入ったわけではないが、「彼女ができるよ」というポップと、ポップを持った美人な先輩にまんまと乗せられ、サークルを選択した。</p><p>　自分もこんな人と付き合えるなら、どんなに幸せだろう。淡い期待を抱いていた。</p><p>　サークルに入ってから知ったのだが、あのポップを持っていた美人さんは、モデルさんとして活動していて、ほとんどサークルには来ないらしい。幽霊部員という感じだ。</p><p>　少しがっかりしたところもあったが、サークル活動は楽しかった。</p><p>　</p><p>　俺が恋をした先輩はその美人さんではなく、サークルに入ってから知り合い、右も左もわからない俺によく世話をしてくれた人だった。</p><p>　何度も接するたびに、その先輩に次第に惹かれてしまった。</p><p>　サークルではよく飲み会が開かれた。飲み会の席でも先輩はよく話し相手になってくれた。</p><p>　笑顔が素敵で、快活な女性だった。</p><p>　話しているうちにどんどん好きになった。先輩もよく笑ってくれた。</p><p>　サークル活動はもちろん、サークル活動以外にも同世代の仲間もたくさんでき、俺は憧れの大学生活を満喫していた。</p><p>　勉強ももちろん、頑張った。彼は将来教員になりたいという希望があり、教職系の科目もよく学んだ。教授からも熱意があると評価されていた。</p><p>&nbsp;</p><p>　人生で初めての彼女もできた。震えるほどうれしかった。</p><p>　いままでの先輩と後輩の関係も続けながら、新しく彼女として意識することが初めは困惑したが、先輩は不慣れな俺をいつもやさしく包み込んでくれた。彼女としてこの人を選んでよかったと心底感謝した。</p><p>　</p><p>　彼女のかばんには、いつも一通の封筒が入っていた。あまり見かけない黒い封筒だった。</p><p>&nbsp;</p><p>　彼が大学に入ってから１年が経ったころ、彼も異世界に巻き込まれることになる。</p>
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<link>https://ameblo.jp/yogman/entry-12480892453.html</link>
<pubDate>Sat, 15 Jun 2019 23:06:32 +0900</pubDate>
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<title>ガチャの外れの意外な行き先　第一章　2　聖騎士</title>
<description>
<![CDATA[ <p>ここはどこなのか。俺は何をしていたんだ。</p><p>なんだか頭と体が重い。今まで夢をみていたような感じがする。</p><p>その場にしゃがみ込み、周りの様子を見た。</p><p>山の中腹あたりだろうか。山のふもとには大きな街が明るい光を放っている。</p><p>俺を呼ぶ声が頭に響く。この声はあいつだ。</p><p>&nbsp;</p><p>少し思い出してきた。俺はエレトニア王国の聖騎士として強力な魔物と戦っていた。</p><p>それ以前の記憶はない。</p><p>魔物との戦いは激しく、つらいものだった。</p><p>大きなダメージを負っては命からがら逃げだし、装備を何者かに整えてもらった。</p><p>パーティのメンバーも何度も変わった。</p><p>途中で息絶えた仲間もいた。</p><p>そいつらのためにも、俺は戦った。</p><p>あいつは、いつも隣で俺を励まし、癒してくれた。</p><p>&nbsp;</p><p>魔物を少しずつ倒していく。その都度、経験を積んだ。</p><p>体に力がにみなぎってくるのを感じた。とくぎも覚えた。</p><p>&nbsp;</p><p>今もまだつかえるような気がする。</p><p>&nbsp;</p><p>最後の記憶は、魔物のボスと対峙したころの記憶だ。</p><p>何度も、何度もボスに挑んだ。</p><p>だが、勝てなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>悔しかった俺は、経験を積んだ。</p><p>もっと、、、もっと強力な力を得ることができたら、、、。</p><p>力がみなぎる、あの感じを何度もこの身に宿したい。強くなりたい。</p><p>何度も何度も、敵をなぎ倒したつづけた。あいつも協力してくれた。</p><p>&nbsp;</p><p>しかし、俺はいつからか強くなれなくなっていた。</p><p>敵を倒しても、経験を積んだ感覚がやってこない。</p><p>不安ではあった。でも頑張れた。あいつがいつも笑顔で励ましてくれたから。</p><p>&nbsp;</p><p>ある日、目の前に男が、突然現れた。</p><p>どうやら、これから一緒に行動することになったらしい。</p><p>不思議と俺には抵抗する意思はなかった。</p><p>男は闘牛のような顔つきをしていた。</p><p>体格もよく、俺よりもはるかに大きな手には巨大な剣を持っていた。</p><p>旅をするときは鈍く光る巨大な剣を背中に背負い、敵が現れると、その豪剣を振るった。</p><p>敵を倒すと男はすさまじいスピードで成長した。</p><p>これなら、あのボスを倒すことができるかもしれない。</p><p>俺も、必死で協力した。すべては、あいつや散っていった友との約束を果たすために。</p><p>&nbsp;</p><p>男が成長し、俺との戦力差がなくなった。</p><p>うれしかった。とくぎもたくさん教えた。</p><p>俺の使えない技も使えるようになった。</p><p>いよいよ明日、俺たちはボスに挑むことを約束し、早めの晩飯を食い、寝ることにした。</p><p>&nbsp;</p><p>そして、目が覚め、気づくとここにいた。</p><p>何が起こったのかわからない。</p><p>&nbsp;</p><p>誰かが近づいてくる。まばゆい光をはなつ、街が見える方角から一人。</p><p>「あんたもか。おれもそうなんだ。今はゆっくりと休むといい。さあ、街まで案内するよ」</p><p>「え、ちょ、ちょっと待ってくれ。お前は誰なんだ。俺は、これから魔物を倒しにいかなくては。エレトリア王国の騎士団長として、王の使命を果たし、世の中に平和を、、」</p><p>「あーはいはい。あんたはそういう設定だったのか。まあ、詳しい話はあとで聞いてやるとして、まずは休もう。街にいけばあたたかいスープもある。飲めば少しは落ち着くだろう。ちなみに俺の名前はハンター゛だった″ライルというものだ。よろしくな」</p><p>&nbsp;</p><p>どういうことだ。言っていることがよくわからない。</p><p>そういえば、あいつは。仲間は。近くにまだいるかもしれない。</p><p>この男に聞くのも気が引けるが、しょうがない。</p><p>「なあ、あんた。ライル、、だっけか。近くに大きな男と女がいなかったか。ほかにも、似たような恰好をしたやつがいたはずだ」</p><p>「うーん、ここにはお前さんしかいなかったと思うなあ。ここまでくるうちにすれちがったやつもいないし。もしかしたら、先に街に行ってるかもしれねえぞ。送られてきたのが、そいつらの方がはえーのかもしれねえな」</p><p>男は笑って、手を差し伸べる。</p><p>ここにいてもしょうがない。まずはこの男の話を信じるしかないか。</p><p>&nbsp;</p><p>こうして、おれは「「スクラップ・タウン」に足を踏み入れた。</p>
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<link>https://ameblo.jp/yogman/entry-12476400258.html</link>
<pubDate>Sun, 09 Jun 2019 12:20:56 +0900</pubDate>
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<title>ガチャの外れの意外な行き先　第一章　１　酒場</title>
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<![CDATA[ <p>スクラップ・タウン　中央にある酒場にて</p><p>&nbsp;</p><p>この酒場は、スクラップ・タウンに誘われたものが最初に訪れる場所である。</p><p>皆、疲れ切った表情や、やさぐれた顔をしてここに集う。</p><p>スクラップ・タウンの情報が多く集まるこの酒場には名前などない。</p><p>噂によると、この酒場を取り仕切っているマスターも、ガチャの外れだったらしい。</p><p>そして、マスターは最古参とされ、マスターよりも先に街に来たものはいないといわれている。</p><p>例の外れの彼も、仕事を済ませ、この酒場を訪れていた。</p><p>カウンターのマスターの前が彼の定位置だ。</p><p>&nbsp;</p><p>「マスター、最近この街に来るやつが多い気がしないか」</p><p>「スマホアプリゲームのブームが去ったのだろう。無料でお試しだけして、アカウントを捨てたやつがたくさんいる。ガチャ主のもとで頑張ろうとしていたキャラたちが、毎日送られてきては、行き場のない怒りの表情を浮かべている顔をよくみるよな。その数も少し減ってきたような気もするよ」</p><p>マスターは後ろ向きのまま俺の話に答える。マスターがグラスを拭いては、棚に並べていく作業を何も考えずに見ていた。</p><p>今更だがアカウントを捨てたことで、この世界に来る奴らが多くなるのであれば、ガチャ主が使っていたはずのレアキャラ達はどこにいくのだろう。</p><p>外れがここに集まっているのは、俺も知っているが、一緒の世界で共に活躍しようと誓ったキャラが俺にもいた。</p><p>レアキャラだったあいつは、どこに行ったのだろう。</p><p>&nbsp;</p><p>「なあ、マスター。『アタリ』のやつら、レアキャラたちはどこにいったんだ。ここにきたやつらはいないのか」</p><p>「なんだ、知らないのか。まあ、お前がここに来て、３か月。そろそろ教えてやってもいい頃だな。この街にレアキャラはいない。いや、このスクラップ側の世界にはいないのかもな。なんせ、俺もここに来てからは、『奴ら』をみたことはない」</p><p>マスターは作業を止め、俺の空いたグラスにブランデーを注ぐ。マスターは少し寂しそうな顔をしていた。</p><p>思い返すとたしかに、ここに来てからというものの、ガチャのアタリ枠だったという者に会ったことはない。</p><p>あいつには、もう会えないのかもしれないな。俺はグラスの酒を一気に飲み干した。</p><p>&nbsp;</p><p>「ん、新しいお客さんかな」</p><p>マスターが、入口の方を見る。俺も後ろを振り返ると、扉のガラス越しに女がいた。</p><p>この世界にも女はたくさんいる。この酒場にもちらほら酒を飲んでいる女はいる。</p><p>だが、この女は違う。この世界で会った女とは違う。感覚的なものだが、それはマスターや酒場の客も同じように感じていただろう。</p><p>先ほどまであれほど静かだった酒場が、今では誰もいないのではないかと思うほど、静かになっていた。</p><p>酒場に入ってきた女は真っ白なきれいなドレスを着ていた。どこかのお姫様のようにも見える。</p><p>&nbsp;</p><p>女は、酒場に入ってくると、辺りをキョロキョロと見回した後、酒場に集まったものたちへ透き通るようなきれいな声で疑問を投げかけた。</p><p>「あの、ここは。ここはどこなのでしょうか」</p><p>この女が現れてから、この街にもうひとつの顔が誕生した。</p>
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<link>https://ameblo.jp/yogman/entry-12475975449.html</link>
<pubDate>Sat, 08 Jun 2019 22:52:32 +0900</pubDate>
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<title>ガチャの外れの意外な行き先　序章</title>
<description>
<![CDATA[ <p>「また外れかよー、こいつ何体かぶるんだよー」</p><p>&nbsp;</p><p>スマホゲームが流行っている現代。課金システムを用いたガチャに一喜一憂した人もいるだろう。</p><p>今回はこのガチャに関わる話をしたい。</p><p>ガチャの魅力は低確率の高レア度キャラやモンスター、アイテムを引き当てることにある。</p><p>課金をして、何度でもガチャをおこなうことでお目当てのキャラなどを獲得する際、必ず余分な〝外れ”が生まれる。</p><p>外れはほとんどの場合、ボックスなどが圧迫されたときやそのキャラを上回る性能のキャラが出た場合、処分される。</p><p>スマホゲームの世界では、これが毎日何体、何十体、何百体と行われている。</p><p>では、これらの〝外れ”が行き着く先はどこにあるのだろう。</p><p>&nbsp;</p><p>それがここ「スクラップタウン」だ。</p><p>〝外れ”の彼らはここで、活躍している。</p><p>今は多くを明かせないが、ひと際輝きを放つ外れがいる。</p><p>元はレア度☆３のキャラだったらしい彼は、ここに来た時、とても悔しがり、復讐を考えていた。ガチャ主に復讐したい。苦しめてやりたいといつも言っていたものだ。</p><p>今の彼からは想像もつかないがね。</p><p>まあ、もっともここにくるやつは大抵同じことを言う。復讐してやると。</p><p>そこから、誤った考えをもってしまう者も少なくない。</p><p>低レア度もキャラが立ち向かおうとも、勝てるはずがないではないか。</p><p>そして、気づくのだ。自分たちがそれぞれやらなくてはいけないことに。</p><p>&nbsp;</p><p>「スクラップタウン」には、もう一つの顔がある。</p><p>それは、輝きを放つ彼を主人公として話をしていけばわかるはずだ。</p><p>彼の動向を見てやってほしい。私も彼にはいろいろと期待しているさ。</p><p>では、はじめよう。</p>
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<link>https://ameblo.jp/yogman/entry-12471705069.html</link>
<pubDate>Wed, 05 Jun 2019 23:16:24 +0900</pubDate>
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<title>シャッフル・テスト　第一章　１　父親</title>
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<![CDATA[ <p>私が通知を受け取ったころ、有本という男にも大きな変化があった。</p><p>&nbsp;</p><p>有本は今年で３６歳になる食品系の企業で総務課に勤めるサラリーマンだ。</p><p>彼の生きがいは家族。</p><p>事務の坂田という女性と縁があり、結婚をして、幸せに暮らしていた。</p><p>去年、娘が無事に生まれ、５年前に生まれた息子に妹ができた。</p><p>携帯には、子どもたちの写真が表示されるように設定してある。仕事に疲れたときは、いつもこの写真を見て癒されている。</p><p>仕事で遅くなってしまうことがあるが、妻は子どもが生まれてから仕事を辞めたので、家のことはすべてやってくれていた。いつも助けられていると度々考えさせられては、感謝をしていた。</p><p>&nbsp;</p><p>有本は学生のころから、人気があり、社内でもクールと評判で、女子社員から好意をいだかれることも多かった。妻はそんな彼のことを心配する一方で、どこか誇らしかった。</p><p>家族を守るため、有本は懸命に働いた。辛いと感じたことは一度もなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>有本の会社では週に２日は休みが与えられる。有本は休みの日を家族サービスに費やした。</p><p>車でデパートに娘と息子を連れ、出かけるのがいつものパターンだ。</p><p>娘のおむつや息子の小さな靴。晩ご飯の買い物もする。</p><p>妻には日ごろの苦労をねぎらってもらうため、家で休んでもらうようにしていた。</p><p>&nbsp;</p><p>いつものようにデパートに買い物に行き、娘のおむつを買い足すために、ドラッグストアに向かった。</p><p>いつもの定番のおむつを選ぶ。レジの人も顔見知りになり、軽くあいさつを交わすようになった。</p><p>息子はデパートにくると必ずUFOキャッチャーをやりたがる。家でYoutubeをよくみている影響なのかもしれない。すこし恐ろしい感じがするのは、時代の波についていけていないからなのだろうか。</p><p>ドラッグストアからゲームコーナーに向かう途中、息子が小さな足をフル回転させ、全力疾走で駆け出した。</p><p>ゲームコーナーの手前には休憩スペースがあり、そのスペースは、宣伝スペースにもなっていて、よくティッシュ配りのお姉さんが笑顔でティッシュを配っている。先週は携帯の乗り換えの案内を宣伝していた。</p><p>今日も、そのスペースには例のごとくお姉さんがティッシュを配っていた。</p><p>息子がお姉さんの方にどんどん向かっていく。お姉さんは息子の視線に合わせるように屈んでティッシュを渡しているのが見えた。</p><p>いつもと違ったのは、そのお姉さんがティッシュを渡してすぐにその場を去ったことだ。</p><p>よく見ると宣伝スペースには何も書かれていない。</p><p>見たこともないぬいぐるみや聞いたこともないメーカーの洗剤が置いてあり、お姉さん以外には人はいないみたいだった。</p><p>息子はティッシュを受け取ると、はしゃぎながら好きなアニメのキャラクターのUFOキャッチャーめがけて走り出した。</p><p>私もUFOキャッチャーにたどり着くと、息子に１００円玉を渡して、ゲームをするように促した。</p><p>そして、先ほどのお姉さんが気になった私は後ろを振り返り、ゲームコーナーの外の宣伝スペースの方を見てみた。</p><p>すると、先ほどまで置いてあったぬいぐるみや洗剤すらが消えていた。お姉さんもいなかった。</p><p>息子がティッシュを握りしめながら、１００円をせがんでいる。１００円を渡すのと交換で、ティッシュを受け取ると、そこには「シャッフル・テスト」と書かれていた。</p><p>そのティッシュの右下には小さく住所が記されていた。</p><p>&nbsp;</p><p>家族が生きがいだった有本。</p><p>有本もまた、ここから人生を考え直すことになってしまうのだ。</p>
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<link>https://ameblo.jp/yogman/entry-12471494715.html</link>
<pubDate>Wed, 05 Jun 2019 21:56:33 +0900</pubDate>
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<title>シャッフル・テスト　序章　招集命令</title>
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<![CDATA[ <p>ここに来てから、私は人としての感覚を失った。</p><p>人としての常識、習性。</p><p>むしろ、これが人の本質なのかもしれない。</p><p>あの日が私を変えた。</p><p>ゲームから一旦解放された今、街を歩く人々がより一層、騒がしく見える。</p><p>&nbsp;</p><p>大学卒業後、私は最初に内定をもらった食品系の会社に就職した。</p><p>大学も行きたい理由があって行っていたわけではない。</p><p>この会社を選んだのも、会社に魅力を感じた部分があったのではなく、</p><p>駅から通いやすいというだけだ。</p><p>&nbsp;</p><p>働き始めてから３か月で仕事は辞めた。</p><p>病院ではうつ病だといわれた。少し、休んだほうがいいらしい。</p><p>気力が湧かない。病院に行ったのも仕事を辞めて休みたかったのだ。</p><p>適当な症状を述べた。医者はそれを信じ、病名を与えてくれた。簡単だった。</p><p>&nbsp;</p><p>会社を辞めてからは、コンビニでバイトをした。</p><p>朝早くに起きて仕事をする。私には意味が分からない。</p><p>働きたいときに働くことはできないのだろうか。</p><p>世の中、そんなに上手くいかないことはわかっている。</p><p>でも、大人になれない自分がいるのだ。</p><p>コンビニでバイトを始めたのも、時間に融通が効くからだ。</p><p>&nbsp;</p><p>コンビニでバイトを始めて、半年後。</p><p>いつも通り、日付けの切れた弁当をカバンにいれ、家にかえった。</p><p>郵便受けを見ると、クレジットカードの請求書が入っていた。</p><p>毎月来る書類だが、この日は様子が違っていた。</p><p>宛名がない。印刷ミスだろうか。</p><p>私の家に届いた宛名なしの請求書を開けると、</p><p>毎月の決まったインターネット代などのほかに</p><p>「シャッフル・テスト」と書かれていた。金額は書かれていない。</p><p>身に覚えがない項目のある請求書に、特に興味を持たなかった私は、乱雑にその書類をゴミ箱に投げ捨てた。</p><p>&nbsp;</p><p>この日から私の生活は変わった。</p>
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<link>https://ameblo.jp/yogman/entry-12464136873.html</link>
<pubDate>Sun, 26 May 2019 23:11:44 +0900</pubDate>
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