<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?>
<rss version="2.0" xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom">
<channel>
<title>四人の高校生</title>
<link>https://ameblo.jp/yoshiro1981/</link>
<atom:link href="https://rssblog.ameba.jp/yoshiro1981/rss20.xml" rel="self" type="application/rss+xml" />
<atom:link rel="hub" href="http://pubsubhubbub.appspot.com" />
<description>白井一成、赤山秀和、金田宏美、黒柳哲夫…とある高校の四人の気持ちが交差する物語</description>
<language>ja</language>
<item>
<title>第２話</title>
<description>
<![CDATA[ ４月７日　曇り<br>駅はサラリーマンや学生でごった返していた。真新しいスーツに身を包んだ新入社員や、ピカピカの制服を着た新入生の姿もあった。<br>『あぁ、もう春休みも終わっちゃうのかぁ…』と思いながら、一成はおおきなあくびをして、電車に乗り込んだ。学校に近づくにつれて、春休みボケしたあたまとカラダが徐々に現実へと引き戻されていく。<br><br><br>例年より早めに咲き始めた桜は、満開を過ぎてもうずいぶん散ってしまっている。<br>校門の横の桜の木からも、花びらがひらひらと絶えず舞い落ちてきては、薄桃色の絨毯を作っている。今にも雨粒が落ちてきそうな真っ黒な雲とのくっきりとしたコントラストが目に焼きついた。<br><br>今日は始業式だ。といっても始業式なんてイベントは一成にとっては全くどうでもよかった。<br>今日のメインイベントはクラス替えの発表、それ以外にはない。一成の通う高校では、１年生と２年生の間ではクラス替えが行われるが、２年生と３年生の間ではクラス替えがないため、このクラス替えに、のこり２年間の高校生活すべてがかかっているのだ。<br>春休みが終わってしまうという気だるさと、新しいクラスがどんなメンバーなんだろうかという緊張感が入り混じっていた。<br><br>校舎のわきにはもうすっかり人だかりができていて、新しいクラスのメンバーや担任のことでとにかく盛り上がっているようだった。<br>人だかりに向かって歩いて行くと、人だかりの中から一人抜け出してきた秀和が話しかけてきた。<br><br>「一成、おはよう。F組だったよ。俺も一緒。」<br>「おっす、まじ？また秀和と同じクラス？」<br>「そうみたい。担任は英語の高崎だってさー。」<br>と言いながら、秀和がクラス分けの書かれた紙を差し出してきた。<br><br>「また同じクラスとかすげぇな。秀和ってもしかして…俺の運命の人なんじゃ…（笑）」<br>「やめろよ、気持ち悪いだろ（笑）」<br>なんて冗談を言い合いながら教室へ向かった。<br><br><br>白戸一成と赤井秀和は幼馴染で、小学校のときからの友達同士だ。中学校でも３年間同じクラス、高校1年生の時も同じクラスだった。そして今年と来年も同じクラスになることが、確定したのだ。真面目で勉強熱心な秀和と同じ県立高校に合格したのは、一成にとっては奇跡的な出来事だった。一成にとって秀和はなんでも言い合える本当の親友と呼べる存在だ。だから、秀和がまた同じクラスだとわかると、新学年の新学期特有の緊張感が、氷のようにすっと音もなく溶けていくのを感じた。<br><br><br><br>教室は２階、中央階段を上がってから左に曲がって２番目の部屋だ。<br>教室へはいると、もうすでに４，５人ずつの女子の集まりが出来ていて、「はじめまして」「よろしく」と、いつも通りの自己紹介がなされていた。<br>新しいクラスの教室のかべは、掲示物がすべて取り外されている。黒板の上に時計が一つかかっているだけでなんだか無個性だ。黒板には、出席番号順に着席すること、とだけ書かれている。<br><br>朝の気だるさが嘘のように、期待に胸をふくらませて一成は教室を見回していた。すると突然うしろから声をかけられた。<br><br>「白戸君、赤井君、おはよう。今年もまた同じクラスだね。よろしくー！」<br><br>振り向いてみると、宏美だった。<br>といってもこの時は、まだ宏美なんて呼び捨てにはできず、金田さんと呼ぶくらいの間柄だった。金田宏美と白戸一成と赤井秀和の３人は１年生の時も同じクラスだったのだが、その時は全くと言ってよいほど関わりがなかったのだ。<br><br>「あ、金田さん…だよね？よろしく」<br>と一成が言うと、秀和も<br>「こちらこそ、よろしくお願いします…」<br>と、緊張しながらぎこちなく続けた。<br><br>「第二中の人に聞いたんだけど、二人って中学の時からずっと同じクラスなんでしょ？<br>すごいね、もしかして…付き合ってるの？（笑）」<br>と、宏美がからかうように微笑みかけてきた。<br><br>一成が秀和のほうをチラッと見てから、<br>「まあな（笑）」と返すと、３人は緊張感という、つっかえ棒が外れたように声を出して笑った。<br><br>「去年G組だったの、このクラスに私たち３人だけみたいだよ。だからよろしく！」<br>ともう一度、一成と秀和にあいつすると、女子の群れの中に混ざっていった。<br>確かに、宏美の言うとおり教室を見回すと、新しいクラスのメンバーに去年G組だった人は白戸一成と赤井秀和と金田宏美以外にはいないみたいだ。<br><br>「去年G組だった４０人を新しい８クラスに分けるとしたら、本当なら５人はこのクラスに元G組の人がいてもおかしくないのに、たった３人だけなんだな。」<br>なんて秀和がまた分析的していた。<br><br><br><br>８時半になって担任の高崎先生がやってきて挨拶をした。どんな話をしていたのか、あまり覚えていないが、おそらく「楽しいクラスにしましょう」とかそんな当たり障りのないことを言っていたのだろうか。<br><br>出席番号順に着席すると、秀和は、赤井の『あ』で出席番号が１番なので廊下側の一番前の席。『し』の一成は真ん中よりも少し窓側の席。『か』の宏美は出席番号がちょうど真ん中の２０番でほぼ教室のど真ん中の席だった。<br>そして、宏美の隣の席になったのが、出席番号が２１番『く』の黒柳哲夫だった。<br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/yoshiro1981/entry-12021502008.html</link>
<pubDate>Sat, 02 May 2015 10:35:20 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>第一話</title>
<description>
<![CDATA[ 朝から降り始めた冷たい雨は、いつの間にか雪にかわっていた。<br>まだ積もり始めてはいない。でもこのまま降りつづければ、きっと帰るころには道路も一面真っ白になってしまうだろう。<br>教室の一番後ろ、窓側の席で白井一成は、大粒の雪が次々とコンクリートに落ちては、音もなくじわっと溶けて水になっていく様子を、ただぼんやりと見つめていた。<br><br>「白井、おい、白井。聞いてるのか？授業中だぞ。」<br><br>窓の外を眺めていた一成は、先生の声で、ふと現実に引き戻された。<br><br>「…続いて、問２。ｘ軸のまわりの回転体の体積を求める問題、これも２学期の復習ですね。ｘ軸周りの場合は、まずは場合分けが必要でしたね。ｘが正の範囲ではｘ=２√ｙ、ｘが負の範囲ではｘ=－２√ｙとなりますから、……」<br><br>淡々とした解説が続いていく。<br>いつからか数学の授業はちんぷんかんぷんになってしまった。黒板の解説を書き写すのもめんどくさい。<br>それに、黒板の方に目を向けると嫌でも哲夫の席が目に入る。でもそこに黒柳哲夫、本人の姿はない。すっぽりと空いてしまった座席があるだけだ。<br><br>廊下側の前から３番目、宏美の席のほうに目をやると、宏美もまた、ばつの悪そうな面持ちで、哲夫のすっぽりと空いてしまった座席をただぼんやりと眺めているようだった。<br><br>『今日は、宏美と一緒に帰らず、一人で帰ろう』、と一成は思った。<br><br><br><br>昼休みが終わるころには、グラウンドはすっかり雪で覆われてしまった。こんな天気だから、昼休みだというのに誰一人として外に出ようとしない。<br>そのせいか、窓の外の静けさが嘘みたいに、教室の中は騒がしく感じた。<br>廊下もすっかり冷え込んでしまっている。誰かが教室のドアを開けようもんなら、ものすごい勢いで冷気が滑り込んでくるようだった。<br><br>受験に向けて３年生になると、理系・文系に分かれるだけでなく、選択した科目ごとにクラス編成して授業を行うようになる。午後は、通常の授業がなく、講堂で２年生全体での進路選択と科目選択のためのオリエンテーションの予定だ。<br><br>「そろそろ行く？今日オリエンテーションだよな？」<br><br>秀和の声でまた、ふと我に返った。<br><br>「ん？あぁ。そうだな。」<br>「一成、大丈夫？さっきの授業中もボーっとしてただろ？」<br><br>秀和が覗き込むようにして顔色をうかがってくる。<br><br>「いや、別に。<br>オリエンテーションって筆記用具だけ持ってけばいいよな？」<br><br>秀和の目線を避けるようにしてそう言いながら、机の中から筆記用具を取り出し講堂へ向かおうとしていると、担任の高崎先生がすぅっと教室に入ってきた。<br><br>「これから講堂で進路選択・科目選択の為のオリエンテーションなので、講堂に移動してもらいますが、その前に一つだけ、みんなにお知らせがあります。」<br><br>先生は教室に入るなりそう切り出した。<br><br>そうして、哲夫の話をはじめた。<br>先生の話によると、新年明けてから一度も登校していなかった黒柳哲夫は、実は昨年末つまり２学期の終わりで退学していたのだという。先生からは退学の理由については、詳しい話はなく、ただ家庭の事情とだけ伝えられた。<br><br>あとから聞いた風の噂では、哲夫の父親は小さな建設会社を経営していたが、次第に資金繰りが厳しくなり、二度の不渡りを出して倒産を余儀なくされたのだそうだ。父親は借金を苦に追い詰められ自殺。母親もすっかり憔悴しきってしまい、やむを得ず母親と哲夫と５歳年下の妹の３人で母親の実家である岩手県に身を寄せることになったのだという。<br><br><br><br>「では、筆記用具を持参して講堂に移動してください。」<br>先生がそう言って、話し終えると、みんないっせいに「家庭の事情ってなんだろうね…」とか「黒柳君って宏美のこと好きだったんだよね…」とか、好き好きに哲夫の噂話をしながら講堂へ向かっていった。<br><br>一成は集団からすこし距離を置いて、最後尾についていくようにして講堂へ移動した。講堂へ向かう廊下はとてつもなく冷え込んでいた。<br>身震いをして、「はぁっ」と小さくため息をつくと、吐き出した息は白い塊となって、そして跡形もなく消えて行った。<br><br>講堂について、クラスごとに着席したあとも、廊下ですっかり冷えてしまったせいか、まだ身震いが止まらなかった。外からはヒューヒューと風の音が響いている。窓の外に目を向けると、雪は勢いをさらに増して、風に乗り吹雪の様になっていた。<br><br>オリエンテーションが始まると、そろそろ進路について考える時期に来ていると、先生たちが語気を強める。来週末には３年生の先輩たちが受験するセンター試験がある。まだ遠い先のことのように思える大学受験も、もうあとわずか１年後に迫っているのだという憂鬱な気持ちが頭をもたげた。一方で、オリエンテーションの間中ずっと、哲夫のことが頭から離れなかった。まだどこかから、ひそひそと哲夫の話をしている声が聞こえてくる。<br><br>哲夫と出会ったのは、高校２年生でクラスが一緒になってからだ。哲夫と宏美と秀和と４人で過ごした１年間のことがつぎつぎに脳裏に浮かんでは消えて行った。<br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/yoshiro1981/entry-12019802877.html</link>
<pubDate>Tue, 28 Apr 2015 03:22:10 +0900</pubDate>
</item>
</channel>
</rss>
