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<title>yugamiuta</title>
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<description>一日一回７行短文。</description>
<language>ja</language>
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<title>ただ感謝</title>
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<![CDATA[ ――あの子はかわいいね。<br>そう云ったら、保護者のような立場だと推測される彼は目に見えて表情を引き攣らせ、噂に聞き及ぶ毒舌を必死に吐き出すまいとでもするかのようにぎゅっと唇を噛み締めた。<br>「最近、こういう料理が作ってみたい。これはどうやれば出来るのかって、色々と訊いてくるから、どうしたのって尋ねたら君に作ってあげるんだって。教えてくれたら無邪気にありがとうって。とても素直で、いい子だよね？」<br>なにをどうしたらそうなるんだと思わないでもないのだけれど、黒い前髪の下、青白い額は包帯で覆われていて、肌には薄っすらと痣が残る彼は今日も具合が悪そうだ。<br>「……つまり、あいつがやたらとこれを食えこっちも食べろ、血にいいらしいとわけのわからんことを云ってきたのは」<br>「君の為、だねぇ。素直にお礼を云ってあげれば、きっと喜ぶのに」<br>嫌がらせじゃなかったのか、とぼやく彼のズレっぷりに苦笑しながら促せば、ものすごく面倒そうな顔をされた。<br><br>＋＋＋<br><br>カズエ・アヤ<br>題名無き１００の、
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<link>https://ameblo.jp/yugamiuta/entry-12102626995.html</link>
<pubDate>Fri, 04 Dec 2015 14:00:09 +0900</pubDate>
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<title>愛を告げる前に</title>
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<![CDATA[ 「アイラ、」と彼が名を呼ぶ度に、本当は申し訳ない気持ちでいっぱいになる。<br>お互いを共犯者に仕立てあげるほどの仲でもなかったのに、こんなにも寄り添って、私の為に紡がれているわけでもない言葉を一心に受け取って。<br>「なぁに、テンマ。テンマは本当にアイラが好きだね。アイラが傍にいないとダメなんだね」そう云って、笑ってあげる。<br>それが、私に出来る精一杯で、他に許されることなどなにもなくて。<br>声を、言葉を、紡ぐ度。嘘で塗り固めたそれを告げる度。<br>その都度、彼は嬉しそうに笑って、苦しそうに微笑んで、小さく息を飲み込むのだ。心の準備をする為に。<br>「あぁ。アイラ、俺にはお前しかいないからな。アイラが俺を自分のものだと云ってくれる限り、そうでもなきゃ、俺は何処にもいられないよ」<br><br>＋＋＋<br><br>テンマ・アイラ<br>題名無き１００の、
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<link>https://ameblo.jp/yugamiuta/entry-12102624174.html</link>
<pubDate>Fri, 04 Dec 2015 13:48:51 +0900</pubDate>
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<title>溶けた鳥籠</title>
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<![CDATA[ 愛玩してもらえるとわかっていて籠から飛び立つバカがいるわけがない。<br>たとえそれがどろどろに溶け尽くして原型を保つのがやっとと云った状態の鳥籠であっても、なまぬるくやさしい世界に浸っていられるのなら余程にそのほうがしあわせだ。<br>つまるところ、この空間にはそういった惰弱な連中が勢揃いしていて、みながみな好きなように停滞し続けているということになる。<br>「……バッカみたいなくせにー、なかなかしっぽは掴ませないんだ。厭になっちゃうなー」<br>蕩けた鳥籠の中心にいる男を守るのは、狂信的な崇拝者。その目を掻い潜るのは困難だけれど、そいつはあの頃には関係がないから除外するとして。<br>「足りないなー。もっといい駒、見つけないとなー。……外に出られるようになれば、いいんだけどー」<br>自らもこうして捕らわれて、身動きが取りにくいからかなわない――諦めるつもりはまるでないけれど、と笑って、空飛ぶ鳥を睨めつけた。<br><br>＋＋＋<br><br>ツバサ
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<pubDate>Sat, 28 Nov 2015 19:20:08 +0900</pubDate>
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<title>一生に一度</title>
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<![CDATA[ 生まれたときから、ありとあらゆるものから命を奪って生きてきた。<br>母体の命、血縁者は端から死んでいき、当たり前のように稼業となった暗殺、当然だが生きるためには他の命を屠り摂取しなくてはならない。<br>故に、簒奪者であることに慣れきった自身に突如として舞い込んだ云い知れぬ感情はひどく奇妙で、奇異で、奇抜でしかなく。<br>「……ジ、ヨージ、どうしたの？」<br>「………………あぁ。いいや、少し考え込んでた。怪我の手当は不慣れだから」<br>指を切ったと薄く涙を浮かべる相手のしろすぎる手を掴み、普段なら手折るべきそれにやさしく触れている自分への葛藤――嘘ではない。不慣れなのは本当だ。<br>奪うことしか知らなかった存在が、たった一度きりでいいから、このちっぽけでいとおしい存在を守りたいなどと、慣れないことを考えるから。<br><br>＋＋＋<br><br>ヨージ・アズマ
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<link>https://ameblo.jp/yugamiuta/entry-12100284404.html</link>
<pubDate>Fri, 27 Nov 2015 22:30:31 +0900</pubDate>
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<title>どうか愛して</title>
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<![CDATA[ にこりともしない、凍りついた表情に心を惹かれた。<br>次に、笑って欲しいと思うようになって、すぐに俺に向けて笑いかけて欲しいと願うようになるのに時間なんてかからなかった。<br>ページを繰る神経質そうな指先が眼鏡を押し上げる仕草が気難しげに寄せられる眉が、なにもかもが愛おしいと感じてしまって、珍しく感情のとどめ方を見失う。<br>「好きだ」<br>「あの、」<br>「アンタが好きだ」<br>ストレートすぎるとか素直にも程があるとか、文句を云い募るアンタは知らないけれど、こんな気持ちになったのは初めてなんだ――どうか愛して、どうか、どうか。<br><br>＋＋＋<br><br>クミ・イツ<br>題名無き100の、 <br>
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<link>https://ameblo.jp/yugamiuta/entry-12098918322.html</link>
<pubDate>Tue, 24 Nov 2015 00:17:45 +0900</pubDate>
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<title>ではさようなら</title>
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<![CDATA[ 「まぁ今更確認することもねえだろうが、本当に――いいんだな？」<br>構わないと云っているにも関わらず再三再四の問いかけに苦笑い、それが仕事なのだから仕方がないかと思い直して頷いた。<br>「構わない。もう決めたことだからな、約束通り、『これ』は最終的に廃棄してくれるならどう使ってくれてもいい」<br>「約束じゃなくて契約な。これも商売だ。……っと、お前の家だとか当面の生活費だとかはそのまま継続して使っちまっていいらしいぜ。ユスラが云うには」<br>それはもう自分の名だと告げれば、男は僅かに口元を歪めて笑ったようだった。<br>さようなら、と頭を下げて鳥の案内で外に出ると、空には満天の星が輝いていていつの間にか夜になっていたらしい。<br>さようなら、もう会うこともないだろう、今までとこれからの時間を切り離して――今日俺は、死んで生まれた。<br><br><br>＋＋＋<br><br>ユスラ・テンマ<br><br>題名無き100の、 
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<link>https://ameblo.jp/yugamiuta/entry-12098440698.html</link>
<pubDate>Sun, 22 Nov 2015 20:08:54 +0900</pubDate>
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<title>タナトス</title>
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<![CDATA[ 「ここから落ちたら楽になれるかなーって、たまに思う」<br>日頃から何も考えてなさそうな奴が突然そんなことを云い出すものだから驚いたし、云う相手も間違えている気がしてならない。<br>ぐるぐると螺旋階段を登ったところで届くわけもないドームの内壁を眺めていたと思えば、急に地面へと視線を向けて告げてくる。<br>「……え、と。なに、お前、死にたいの？」<br>「んー？　これって、そういう意味になんのかなー。よくわかんねえんだけど」<br>落ちてみたい、と笑う顔が普段のそれとはまるで違って、どうすればいいのかわからない。<br>ただ、ましろい地面に咲くだろう赤い花は、きっと、どうしようもなく綺麗だろうと。<br><br><br>＋＋＋<br><br>ラスマ・キヅキ<br><br>題名無き100の、
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<link>https://ameblo.jp/yugamiuta/entry-12098202992.html</link>
<pubDate>Sun, 22 Nov 2015 01:54:32 +0900</pubDate>
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<title>かみさまのこどもたち</title>
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<![CDATA[ 生い立ちなどというものは覚えていないのだが、ただ、自分が「それらしくない」いきものだということはなんとなくわかっていた。<br>普通の人間は他人の感情を色で把握することなど出来ないらしいし、それでなくともこの体は生物としてのレベルが限りなく低いようだ。<br>「あまりにも脆弱すぎて、初めてカルテを拝見した時は何かの冗談だと思いましたよ」――とは、薄気味悪い現在の主治医の言である。<br>つまるところ、いきものとして間違っている、生きていることこそが、おかしい。<br>「そんなことはない。ミユキの存在はとても意味のあることだ。俺は、お前みたいな子供がもっと増えればもっといいと思うよ。――だって、」<br>不意にこぼした愚痴にも満たない言葉に、何故だか彼は澱んだ深海色の瞳を細めて微笑んで――とてつもなく、気持ちの悪い言葉を吐き出した。<br>「おまえは、かみさまのこどもなんだから」<br><br>＋＋＋<br><br>ミユキ・クナリ<br>題名無き１００の、
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<pubDate>Tue, 28 Apr 2015 16:53:24 +0900</pubDate>
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<title>星屑</title>
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<![CDATA[ 「ゴミでもぶちまけたような空ですね」<br>情緒もへったくれもないようなことを云ったところで、別段誰も気にはしない。<br>ただ見上げた空が塗り潰したように黒くて、散りばめられた星屑がその名の通り塵屑みたいに瞬いている。<br>「面倒くさいのでこのまま眺めていたいところなんですけども、やっぱり帰んなきゃダメですかねー？」<br>「捨て置いて構わないなら喜んでそうさせてもらうが」<br>「連れて帰る気もねぇくせにそれっぽいこと云ってんじゃねぇですよ腹立つなぁ。起きりゃぁいいんでしょーまったくもう」<br>無理矢理に体を起こせばつまらなそうに吐き捨てられる――悪かったな、まだまだ生き長らえられそうで。<br><br>＋＋＋<br><br>ロコ・アヤ<br>題名無き１００の、
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<link>https://ameblo.jp/yugamiuta/entry-12025763370.html</link>
<pubDate>Mon, 27 Apr 2015 16:52:26 +0900</pubDate>
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<title>止まった時計</title>
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<![CDATA[ 秒針も短針も長針も、動きを止めて久しい。<br>そもそも動いていたのかさえ覚えていない程の、埃を被ったそれを眺めて、クナリはゆるりと首を傾いだ。<br>こんなものをどうして、未だに部屋に置いていたのだろうか――不思議でならない。<br>普段ならば余りしない思考の逆行を、つまりは思い起こすという作業を強いた結果、辿り着いた解に「あぁ、」と呻き声のようなものが漏れる。<br>自分らしくもない、これは感傷だ。<br>「……カヤマ。すまないがこれを捨てておいてくれないか。何処か、俺の見えないところで」<br>だから必要ないのだと呟いて、それ以上を打ち切った――この庭に、時間など存在しなくて構わない。<br><br>＋＋＋<br><br>クナリ<br>題名無き１００の、<br>
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<link>https://ameblo.jp/yugamiuta/entry-12025763047.html</link>
<pubDate>Sun, 26 Apr 2015 16:51:15 +0900</pubDate>
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