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<title>楽しんで小説書こう！</title>
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<description>主に短編小説を書いていこうと思います</description>
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<title>占いサイト（ショートショート）</title>
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<![CDATA[ <font color="#FF0000">ちょっと昔に書いたので、オチが今ではちと厳しいお話</font><br><br><br>　<font size="3">彼女は占いが大好きだ。どのくらい好きかというと、とある携帯サイトで数時間おきに更新される〈あなたの今の運勢〉とやらのコメントを基盤にして生きているほどだ。ほんの二十字足らずの文章に従い、彼女はラッキーカラーの服を着たり、デートコースを決めたり、食事のメニューを選んだりする。<br>　<br>　彼女によれば、僕との出会いも占いが導き出した結果らしい。初めてのデートで、僕はそのことを明かされていた。<br><br>「飲み会や合コンなどで正面に座った人が吉、ってあったのよ」<br><br>　つまり、そうでなければ僕のような冴えない男に声などかけなかったというわけだ。<br>　<br>　高嶺の花という印象を、僕は彼女に対して今でも強く抱いている。彼女には僕程度の遊び相手ならいくらでもいるし、本命だと噂されている男も知っている。高学歴で、金も地位もあるくせに、ルックスもスタイルも服のセンスもさほど悪くはないという羨ましいかぎりの男だ。なぜその男と結婚しないのか、愚かにも訊いたことがある。<br><br>「ラッキーイベントに、結婚の２文字が出ないから」<br><br>　それが答えだった。ならばさしずめ僕は、ラッキーアイテムの一つといったところか。今日彼女から連絡があったのも、僕の名前が幸運を呼ぶイニシャルと一致したためで、僕らがバーにいるのはそのおかげなのだ。<br><br>「今夜のラッキーナンバーは３ですって。この数字が使えるもの、あなた知らない？」<br><br>　アルコールでほんのりと目の周りを赤く染めた彼女はそう言うと、携帯電話のディスプレイから視線を僕に移した。<br><br>　地下にあるこのバーの中では、携帯電話の電波がいっさい届かないことを僕は知っている。<br>　そして僕のアパートの部屋番号は、３号室である。<br><br>　はたして彼女はそのことを知っているのだろうかと、僕は頭の中が真っ白になった。</font>
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<pubDate>Sat, 20 Sep 2014 22:48:43 +0900</pubDate>
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<title>フェイク　（ショートショート）</title>
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<![CDATA[ <font size="3">　学校からの帰り道、マキはとある店の前で足を止めた。いつオープンしたのだろう、『ざつかや』という看板が掲げられていて、なんとも古めかしい雰囲気が漂っている。<br><br>　店先に置かれた花かごの赤いバラに、ゆらゆらと飛んできたモンシロチョウが誘われるようにとまった。<br><br>「間抜けなチョウ」<br><br>　マキは呆れながらつぶやいた。きれいな色ではあるけれど、チョウがとまったのは造花の置物だったからだ。しかも花びらの造りは大ざっぱで、糊もあちこちはみ出て固まっているような、できの悪い代物だ。<br><br>「この店の品物は、特別ですから」<br><br>　つぶやきを聞かれたらしく、さわやかな笑みを浮かべた店員がマキに話しかけてきた。<br><br>「ちょっと見た目は悪いですけど、このチョウは本物だと信じきっているんです。その証拠に、ほら」<br><br>　店員はチョウを指さした。なるほど、蜜を吸おうとストロー状の口を花の中央に伸ばし、中を懸命にさぐっている。<br>　マキはひらめいた。<br><br>「わかった、ハチミツがぬってあるんでしょう」<br><br>「いいえ」<br><br>「じゃあ特殊な匂いか、何かの薬が仕込んであるとか」<br><br>「いいえ、何も細工はございません。そうですね、しいて言えば、この花には作者の愛情がこめられている、ということでしょうか。深い愛情がこもった作品とは、本物と変わることなく、きちんと心が通い合うものなのですよ」<br><br>「なにそれ」<br><br>　店員は笑顔をくずさない。そのとき、いきなり誰かがマキの背中をたたいた。<br><br>「マキってば、なにブツブツ言ってんの、気持ちワルっ」<br><br>　同級生である。<br><br>　チョウが羽を広げて飛び去った。<br>　気がつくと、マキの前には手作り感あふれるブサイクな等身大の人形が置かれているだけで、店員の姿はどこにもなかった。</font><br>
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<link>https://ameblo.jp/yukimushi18/entry-11927070953.html</link>
<pubDate>Fri, 19 Sep 2014 09:19:37 +0900</pubDate>
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<title>tomorrow land</title>
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<![CDATA[ <font size="3">振り返ると、幽霊がいた。<br>　<br>  いつものように暇を持て余した浩平が、川べりの遊歩道をぶらぶら散歩していたときのことだった。唐突に「あの、」と高くうわずった声を背後から投げかけられ、振り返ると、そこに少女の幽霊が立っていたのだ。<br>「あたしのこと、見えますか？」<br>　おそるおそるといった感じで上目遣いに浩平を見つめる少女は、はっきり言って彼好みの顔立ちだった。ぷにっとつい指で押したくなる焼きたてパンのようにふっくらした頬に、少しだけ目尻がさがった大きな瞳、とどめが小作りなわりに厚めの下唇ときた。<br>「見えるよ。幽霊――だよね」<br>　内心どぎまぎしながらうなずいた浩平である。彼にとっては、実際に生きている人間と、生きているようにしか見えない幽霊との違いなど、犬と猫とを見分けるくらいごく簡単なことなのだ。<br>「よかったあ。あたしが幽霊だってことも、わかってくれてるんですね」<br>  小さな胸の前で指をからめつつ愛らしい笑みを浮かべられ、くらりとくる。なんてツボにはまるしぐさをするのだ。左にだけできた片えくぼがまたたまらない。柔らかそうな頬をほんのり赤く染めた少女は、ただでさえ動揺している浩平に、さらに追い討ちをかけた。<br>「迷惑かもしれないけど、聞いてもらえますか？　あの世に行く前に、どうしてもこれだけは言いたかったんです。――あたし、あなたのことがずっと前から好きでした！」<br> たとえ幽霊であれ、ひたと見つめられながらいきなり告白され、平然としていられる男がいるだろうか。しかもこんなかわいい女の子に、だ。さらに付け加えるなら、こうした事態は十六年という彼の人生で初めての体験でもあったのだ。<br>「本当は、死ぬ前にちゃんと言いたかったんですけど……。毎日ランニングしている姿が、とてもすてきでした。一度でいいから、あたしも一緒に走りたかった」<br>   ランニング……<br>   見知らぬ美少女に密かに慕われていたのかと、それこそ天にも登る思いでいた浩平は、彼女の大きな勘違いに気づき、登りきる直前で奈落の底まで突き落とされた。<br>「……あのさ。せっかくだけど、ぼく、ランニングなんてしたことないんだよね」<br>　浩平の言葉に、え、と少女は目をしばたたいた。カールした長いまつげが妙に悔しい。<br>「毎日汗まみれになって走ってるのは、ぼくの兄貴の駿平だよ」<br>「ええっ、違うんですか？　でも、そんなはず、だって――まさか、双子？」<br>「そ、一卵性双生児。ぼくは弟の浩平。兄貴なら、とっくにここを通ったはずだけど」<br>「はい、通りました。必死で追いかけたんだけど、あたしの声が聞こえなかったみたいで、そのまま行っちゃったんです。でもまたここで見かけて、だから戻ってきてくれたのかと思って慌てて声をかけたのに。そっかあ、あの人じゃないのかあ、がっかり」<br>　彼女は大きく肩を落としたが、浩平のほうこそがっかりだった。喜ばせておいて、あんまりである。双子でありながら、兄貴とはどうしていつもこう差が出るのか。<br>「あの……ごめんなさい」<br>　消沈している浩平に気づいた少女は、実に申し訳なさそうに両手を合わせた。なんとなく、縁起が悪い。だが、こんな間違いをおかすドジな幽霊もいるのかと思うと、どうにも憎めなかった。もちろんそれは、容姿に左右された甘い判断では、断じてない。<br><br>　少女はミキと名乗った。享年、十四歳。死んだのはなんと昨日だという。<br>この遊歩道はペットの柴犬の散歩コースで、ふた月ほど前、さわやかな春風のように駆け抜ける駿平（ミキ談）とすれ違い、ひとめぼれしたらしい。以来ずっと思いを胸に秘め続けていたミキは遂に昨日、告白を試みたものの、俊足駿平を呼び止めることができなかった。焦った彼女はどんどん遠ざかる駿平を見失うまいと追いかけ、夢中で車道に飛び出し――車に轢かれた。<br>「あたしってトロいから。でも、ちっとも痛くなかったんですよ、即死って言うの？　頭はぱっくり割れちゃったけど、わりときれいな死体だったみたい」<br>　明るく笑う、死にたてホヤホヤなミキの頭には、どこにも傷など見当たらなかった。<br>「でも、あれだね。事故で死んじゃうなんて残念だったね。兄貴は今フリーだから、きみみたいなかわいい子、声かけてたら絶対うまくいったと思うのに」<br>「あたし、かわいくなんかないです」<br>「そんなことないって、かわいいよ、すごく。少なくとも兄貴好みなのは間違いない」<br>浩平好みということは、すなわち駿平好みでもあるのだ。ミキは兄弟そろってファンである超人気アイドル、マユリンに雰囲気がそっくりだった。<br>ところが彼女は、急に沈んだ空気を漂わせながらうつむいた。<br>「違うんです……ずるいんですよ、あたし。せっかく幽霊になったんだし、ちょっと気分転換っていうか、変装というか……実は、今はあたしがずっと思い描いていた理想の顔になっているだけなんです。本当はめちゃめちゃブスで、だからずっと声がかけられなかったんです。小学生の頃からひどいあだ名が付いてるくらいで、本当のあたしの顔は――」<br>「ああっ！　いいよ、そのままでいい！　別に、変身したままでいいから！」<br>　今にも元の姿に戻りそうな気配を見せたミキを、浩平は必死で止めた。その気持ちは彼にも痛いほどよくわかった。幽霊には生前の姿などあってないようなもの、彼女は理想の姿で好きな男の前に現われ、告白を果たしてから消えたかったのだろう。<br>「あたし、真剣なんです。返事なんてどうでもいい、あの人にあたしの気持ちを伝えることができたら、あとはもう思い残すことはないんです。あとちょっとだったのに、道路さえ渡りきることができたら、あの人に声が届きそうだったのに――」<br>「うん。わかるよ、そういう気持ち」<br>「本当ですか？　だったらお願いです、あたしに協力してもらえませんか？」<br>　それはあまりにも意外な誘いだった。<br>「あたし、できたら走っている彼を呼び止めて告白したいんです。でも、ひとりじゃまた失敗しそうだから、サポートしてくれると助かります。浩平さん、お願いします！」<br>こんなかわいい顔で必死に『お願い』されて、断ることのできる男がいるだろうか。美化された顔だと知らされても、かわいいものはかわいいのだ。<br>幽霊でよかったと浩平は思った。生身だったら、男としての誘惑に打ち勝つことができたかどうか自信がない。<br>「わかったよ。役に立てるかどうかはわからないけど、手伝うよ。どうせ暇だし」<br>「ありがとうございます、あたし、明日こそがんばりますから！」<br>　ミキのはずんだ声が、浩平には少々切なかった。<br><br><br>　翌日、浩平が出すタイミングに合わせてコースに飛び出したミキは、かなりの余裕を持って憧れの男を待ち受けることができた。が、淡々と運動メニューをこなす駿平は彼女の存在にはまるで気づかず接触、何事もなかったように走り去ってしまった。<br>「ち、やっぱりだめだったか」<br>　ミキには聞こえぬよう、舌打ちする。正直、予想通りの展開だった。<br>「兄貴のやつ、運動神経はずば抜けて高いくせに、霊感がちっともないんだよな」<br>一卵性双生児は離れていても互いのことがわかるなどとよく言うが、あれも絶対に嘘だと浩平は思う。少なくとも、自分たちの間には一度も存在しなかった。今だってそうだ。こんな近くにいた弟に、兄貴ときたら勘づきもしない。<br>「行っちゃったな、兄貴。全然役立たずでごめん」<br>  満面の笑顔の横に片手を挙げたままの格好で固まっていたミキは、無視された事実よりも、空気同然に身体を通過されてしまった現象にショックを受けていた。<br>「あたし……あの人の身体と重なったのに、何も感じなかった……そうですよね、あたし幽霊なんだもの、通せんぼしたって意味ないですよね」<br>　走っている駿平に気づいてもらえないのは、自分のゼロに近い運動能力のせいだと考えていたミキにとって、その現実はかなりの痛手だったようだ。引きつった笑顔は見る間に崩壊し、唇を震わせながら瞳を潤ませた。<br>「ちょ、ちょっと、泣くなよ」<br>「泣いてなんかいません！」<br>　慌てて駆け寄る浩平に反論したミキは明らかに涙声だったが、洟をすすりながらなおも続けた。<br>「こんなことでへこたれたら、せっかく幽霊になった意味がないもの」<br>　おそらくは、幽霊というものには死んだ人間すべてがなるわけではない。あくまで想像でしかないが、この世に対するそれなりの強い思い入れがあって、初めてなれるものなのではないだろうか。それを普通、ただの未練、と呼ぶのかもしれないが。<br>   歯を食いしばり、必死に涙を止めようとしているミキを見ているうちに、浩平は本気で彼女を応援したくなってきた。彼女の強い意志があれば、あの霊感ゼロの駿平が相手だろうが何とかなるかもしれない。<br>しばらくして、ミキが打開策を提案した。<br>「お寺の前っていうのはどうかしら。車にはね飛ばされたとき、お寺の鐘が見えたの。そういうところだったら霊感も高まって、気づいてくれると思わない？」<br>　浩平は大きくうなずいた。こうなったら、とことん彼女につき合おうと決意した。<br>「よし、じゃあ次はそれでいってみよう。兄貴に幽霊の意地を見せてやれ！」<br>　今度こそ、兄貴に霊の存在を気づかせてやろうじゃないか。ミキとともに拳を空に突き上げながら、浩平は固く胸に誓った。<br><br>  ミキの努力と根性は実にすばらしいものだった。寺がだめなら鳥居の前、それでもだめなら教会と、さまざまな宗教を渡り歩いた。駿平のランニングコースにはそれらがもれなく網羅されていて、他にもお化け屋敷と囁かれている廃工場や小学校のトイレのそば、はては霊媒師と名乗る胡散臭いババアの門前と、彼女は果敢にチャレンジした。<br>「あのオバサン、ほんとうに霊能力なんてあるのかしら」<br>　玄関前で待ち伏せしていたミキは、白装束の霊媒師にバケツの薄汚れた水をぶっかけられたせいで、その後しばらくご機嫌ななめであった。もちろん実際に水を浴びたわけではないので実害はなかったのだが、こういうのは気分の問題なのだ。<br>　駆けぬける勇姿にこだわる彼女は意地でも『疾走中の駿平』に告白しようと必死だったものの、それがどうにも叶わぬようだと悟ると、遂には寝込みを襲うことを表明した。<br>　止めるべきか否か、こればかりは浩平も悩んだ。万が一この作戦が成功したとしても、兄にとっては身の毛もよだつ恐怖体験にしかならないだろうと容易に察しがついたからだ。<br>　だが、結果は浩平の杞憂に終わった。部活の練習と自主トレーニングで疲れきっているスポーツマン駿平は、たとえ大地震が来ても起きないのではないかと思われるほど爆睡したままだったのだ。それでも駿平の枕元で寝顔を見つめるミキは少しも落胆したようすはなく、逆になんだか嬉しそうだった。<br>「浩平さんの部屋も見てみたいな。あ、散らかってて、幽霊の女の子には見せられない？」<br>　久しぶりに見る片えくぼは、暗闇の中でもしっかりと見えた。<br>「いや、見せられるよ。だって、ぼくの部屋じゃなく、元ぼくの部屋、だからね」<br>  本当に、彼女はドジな幽霊だ。未だに犬と猫との区別もつかずにいたのだから。<br><br>「毎日つき合わせちゃって、ごめんなさい」<br>　結局もとのスタンダードな方法に立ち戻ったミキは、並んで立つ浩平にそう言った。<br>　明日で最後にします――浩平の部屋を見学した後、ミキは何かを決心したように見えた。彼は止めなかった。<br>「こちらこそ。つき合ってもらっていたのは、もしかしたらぼくの方かもしれない。ずっと退屈だったから、きみと会えて、毎日楽しかった」<br>　だったらよかった、とミキは声をあげて笑い、浩平の顔をのぞき込んだ。<br>「浩平さんは、どんな心残りがあったんですか？　三ヶ月以上もこうしているっていうことは、きっとあたしよりも強い思いがあるんでしょう？」<br>　もうそんなに経っていたかと、指折り数えて浩平は驚いた。<br>「浩平さんが散々試してだめだったのに、あたしがうまくいくはずがないのよね。早く諦めろって、止めてくれればよかったのに。かげでこっそり笑ってたんでしょう」<br>「違うよ、きみならうまくいくんじゃないかって期待してたんだ。本当だよ」<br>「ねえ。もしもお兄さんに気づいてもらえたら、浩平さんは何を伝えたかったの？」<br>　浩平は即答した。<br>「マユリンの写真集を返せって言いたかった。知ってるよね、マユリン」<br>「パラダイスガールズの？」<br>「そう。マユリン初のソロ写真集で、しかも限定ものなのに、兄貴が棺桶から抜き取りやがったんだ」<br>　母がせっかく気を利かして浩平の胸の上に置いてくれたものを、駿平が「あ、それおれのだ。浩平ったらまたおれの物を借りっぱなしにして、危なく燃やされちゃうところだったよ」などと言ってまんまと手に入れてしまったのだ。<br> 呆れ顔で見つめるミキを、浩平は軽く睨み返した。<br>「何か文句ある？　青春のほとんどをベッドの中ですごした人間には、ただの写真集だって大事なものなんだからな」<br>「うん、そうだね。……そっか、だからお兄さんは、いつもあんなにがんばって走ってるんだね」<br>　不意打ちを食らい、浩平は言葉を失った。だからって、何がだからなんだ？<br>　遠くに駿平の姿が見えた。まっすぐこちらに向かってくる。<br>「あたし、本当の姿になろうかな。ね、浩平さんもそうしない？」<br>　昨夜、当時のまま残されている部屋に招いたので、ミキは浩平の本当の姿を知っていた。まだ体調が悪化する前の、比較的見栄えのいい写真が机の上に飾られているのだ。<br>「ぼくはいいよ、骨と皮だけでみっともないから。あの写真よりずっと悲惨なんだ」<br>「あら、あたしなんてあだ名がマントヒヒだったよ」<br>「それはなんていうか……すごいな」<br>「でしょ。だから一緒に、ね」<br>　正面を見据えた駿平の地面を蹴る音と、規則正しい息遣いが聞こえてくる。迷っている時間はなかった。<br>  <br>  兄と同じ姿を真似ていた浩平は、元の自分に戻ってみた。最後は自分ひとりでは寝返りもうてないほど痩せてしまっていたけれど、さすがは幽霊、今は少しも苦しくない。<br>「兄貴」<br>  こうして呼びかけるのも、久しぶりだ。<br>  駆けてくる駿平と身体が重なった瞬間、浩平はひどく懐かしい気持ちになった。自分がかつては兄とひとつの同じ塊だったことを思い出す。同じ完成品になるはずだったのに、なぜか生まれた瞬間から大きく差がついてしまっていた、もう一人の自分。<br>  健康で、好きなことが何でもできて、時間は今も順調に流れていて、少しの不安もなく明日を迎えることができる、これからもこの世界で生きていける、双子の兄。<br>  浩平は、遠ざかる駿平の後姿を見送った。一度も振り返ってはくれなかった。<br><br>「行っちゃったね」<br>　しばらくしてミキがつぶやいた。浩平も同じ言葉を口にした。けれどいつもとは違う、すっきりとした気分だった。きっとミキも同じ気持ちでいるに違いない、浩平は初めて対面する彼女の顔を見つめながらそう思った。彼女は決してマントヒヒのようではなかったし、彼女もまた、浩平を見て眉をひそめたりはしなかった。<br>　見つめ合っているうちに、あれほど執着していたアイドルの写真集など、もうどうでもいいかと思えた。本当は、初めからどうでもよかったような気がする。そもそもあれは、自分の形見に駿平にあげると約束していたものだった。半分冗談だったのに、兄貴は顔を真っ赤にして怒ったっけ。<br>「行こっか」<br>　ぽつりと、ミキが言った。浩平はうなずいた。<br>「うん、行こう」<br>  初めてミキと手をつないだ。身体がほんのりと暖かくなって、今まで感じたことのない幸福感に満たされた。<br>  ――こういうのも、案外悪くはないかもな。<br>  浩平は薄れていく意識の中で、自分にはもう訪れることのない明日に別れを告げた。</font><br>
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<link>https://ameblo.jp/yukimushi18/entry-11926714168.html</link>
<pubDate>Thu, 18 Sep 2014 14:27:11 +0900</pubDate>
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<title>一念発起</title>
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<![CDATA[ 今更ながら、ブログ初心者です。<br>ランキングどころか、誰もアクセスしてくれないかもしれない可能性、大！<br><br>だってブログなんて初めてだし、最近仕事なんかにかこつけて<br>文字打ち込むのなんて食べログぐらいだったし。<br>小説家になりたかったのに、もう5年以上なにも書いてない！<br><br>ま、その昔何度か応募して撃沈してるんでね、<br>自分の技量はわかっているつもり……だったんだけど……<br><br>久々に小説書きたい熱が再燃してきました。<br>長編もね、書きたいけど、まずは短編からでしょ。<br>でもその短編すら、なまった腕とぼけてきた頭ではどうにもならないのね、実際。<br><br>というわけで、リハビリも兼ねてネット上に書き込んでいこうと思います。<br>三日坊主にならないように自戒を込めて。<br><br>もしも偶然このブログにたどり着いて、暇つぶしにでも読んでくれた方には<font color="#FF0000">感謝<font size="2"></font></font>です。<br><br>で、今日思い立ったばかりなので新作はいつになるやら……なので、<br>むか～し書いた短編を載せておきます。<br><br>載せ方も勉強しないと（汗）<br>
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<link>https://ameblo.jp/yukimushi18/entry-11926708349.html</link>
<pubDate>Thu, 18 Sep 2014 14:07:56 +0900</pubDate>
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