YURIKAの囁き
https://ameblo.jp/yurika00/
欧羅巴映画主体に独断と偏見で語っていきたいと思います~
ja-jp
-
「危険な関係」
https://ameblo.jp/yurika00/entry-10006803802.html
’88 アメリカ映画 121分 18世紀フランス革命真っ只中の、パリ貴族社会の堕落とインモラルな世界を描いた秀作。贅の限りを尽くした貴族たちって、もう欲しいものが無いのか、あとはただ只管退廃的な生活を送るだけ、ということを余日に描かれていて、こういう世界は呆れるばかりです。だけど、コスチュームプレイとしては『アマデウス』よりは、こちらのほうが素晴らしい。 社交界のお局的存在のメルトイユ伯爵夫人は、愛人のバスティード伯爵が若い処女の娘と結婚するらしいという噂を聞き、心中穏やかではいられない。そ
2005-12-05T22:03:41+09:00
-
「ライフ・アクアティック」
https://ameblo.jp/yurika00/entry-10006733396.html
’05 アメリカ映画 118分 ウェス・アンダーソン監督といえば、『ロイヤル・テネンバウムズ』という作品を以前に鑑賞したけれど、どうも印象が薄い映画だったのか、監督の【色】みたいなものが掴めなかった。だけど、この監督の作品『天才マックスの世界』、『アンソニーのハッピー・モーテル』と先出の『ロイヤル・・・』と合わせると、映画評論家や映画通の間では、一部に熱狂的なファンもいるほどの監督らしいです。 物語はというと、世界的に著名な海洋探検家兼ドキュメンタリー映画監督のスティーヴ・ズィスー(ビル・
2005-12-03T20:28:17+09:00
-
「はたらく一家」
https://ameblo.jp/yurika00/entry-10006733293.html
’39年、日本映画、65分 プロレタリア文学は壊滅し、左翼作家たちの一部は転向しながらも辛うじて労働者の生活の貧しさを描くことによって抵抗していた、そういう時代背景の中で書かれたと言う徳永直の小説が原作。 成瀬巳喜男監督は、当時としてはギリギリ、貧しい人々の生活をよりリアルに描くことによって、抵抗の姿勢を示したのでしょうか。 物語は、年老いた印刷工の父は、息子たちが進学を志して上京しようとする意志を、家の家計が苦しいことを理由に断念してもらいたい。しかし、息子たちの将来性に富んだ人生を、自分
2005-12-03T20:24:58+09:00
-
「海を飛ぶ夢」
https://ameblo.jp/yurika00/entry-10006733221.html
’04 スペイン映画 125分 実在したラモン・サンペドロ氏の手記を映画化。ラモンは引潮だったにも関わらず浅瀬に飛びこんだことで頭を強打し脊髄を損傷。これにより、四肢が麻痺してしまう。25歳の時だった。それから26年間、家族の支えにより生き長らえてきたけれど、尊厳死を考えるようになり、尊厳死を法的に認めよと訴えている団体の協力と、ラモンの尊厳死を支持する弁護士らによって、計画は進むようにみられた。しかし、訴えは却下。一時は、ラモンは女性弁護士と密かにある計画も立てたが、それも頓挫してしまう。
2005-12-03T20:22:02+09:00
-
「河内山宗俊」
https://ameblo.jp/yurika00/entry-10006642928.html
’36年 日本映画 山中貞夫監督 82分 山中貞夫監督という人物、すでに故人ではありますが、生きていれば、黒澤、溝口、小津などと並ぶ、天才肌の監督になっていたはずの人だそうで、兎に角絶対観るべし、と日頃から言われ続けていました。しかし、実はこんなにも古い作品って、観るのに少し抵抗がある。まず、なんと言ってもフィルムの状態の悪さなどからくる煩わしさ、聞き取りにくい音声、どことなく芝居がかった台詞廻し。現代の映画に慣れ親しんでいるせいか、荒削りな古い映画には、抵抗感があって不思議は無い。 しかし、
2005-11-30T21:44:00+09:00
-
「ヴァージン・スーサイズ」
https://ameblo.jp/yurika00/entry-10006611426.html
’99年 アメリカ映画 98分 5人姉妹の末っ子セシリアが、聖母マリアの写真を抱きながら剃刀で自殺未遂をした。1970年代のミシガン州のとある住宅街。ハイスクールに通うリスボン家の5人姉妹。セシリアの自殺未遂から数日後、今度はセシリアは自宅の窓から投身自殺を図り、彼女は帰らぬ人となった。この事件を機に、さらに4女ラックスも事件を起こし、ついに彼女たちは、親により軟禁状態を余儀なくされる。そして、彼女たちを家から救おうとする少年たち。 原作は、1993年に出されたジェフリー・ジェニデスの小説『
2005-11-29T22:25:33+09:00
-
「グローリー」
https://ameblo.jp/yurika00/entry-10006610331.html
’89年 アメリカ映画 122分 近代アメリカのターニング・ポイントとなった南北戦争。北軍に実在した黒人部隊という知られざる史実を確かな考証で描いた作品が『グローリー』です。 1861年に始まった南北戦争は黒人奴隷をめぐる対立として語られることが多いなか、現実にはイギリスに対抗して保護貿易で工業化を進めたい北部と、奴隷制プランテーションによる綿花の輸出を自由貿易で増加させたい南部の経済戦争でした。1868年の奴隷解放宣言は戦争の名目として必要な建て前にすぎなく、映画では、北軍内部の黒人蔑視
2005-11-29T22:00:22+09:00
-
「エゴン・シーレ」
https://ameblo.jp/yurika00/entry-10006573226.html
’80年 オーストリア/西ドイツ 94分 画家の伝記映画というのは割りと多い。ロートレックの『赤い風車』、『炎の人ゴッホ』、モジリアーニの『モンパルナスの灯』、『情熱の生涯ゴヤ』、『ピロスマニ』。しかし、この『エゴン・シーレ』は他の伝記映画とは次元的に異色なものがあります。 20世紀初頭に起きた芸術運動【表現主義】は、絵画、彫刻、文芸、演劇、映画、音楽に及び、作家の内面における生命、自我、魂の主観的表現によって感情を表出する。ウィーン表現主義の画家であったシーレは、短い生涯に性と死を見つめ、
2005-11-28T19:56:30+09:00
-
「セックスと嘘とビデオテープ」
https://ameblo.jp/yurika00/entry-10006519087.html
’89年、アメリカ映画、100分’89年のカンヌ映画祭で、審査委員長だったヴィム・ベンダースが「映画の未来に大きな信頼をもたらした」と絶賛し、その年のグランプリを獲得したこの作品は、一方では、辛口のスパイク・リーにして「審査員は全員人種差別主義者だ」という言葉をも導き出しました。この映画の感想記事などを色々と検索してみても、そこには【愛の不毛時代の寓話】だとか、【人間が持ち得た愛の勝利】だとかいうように、捉えどころ無く語られているのは少し寂しく感じます。 もしこの作品が、何かの不毛を描いてい
2005-11-26T23:52:45+09:00
-
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」
https://ameblo.jp/yurika00/entry-10006475045.html
’84 アメリカ映画 227分映画の構成は複雑です。1923年、1933年、1968年という3つの違う時代背景を織り込んだもので、以下に説明するように、思慮深いヌードル(ロバート・デ・ニーロ)と衝動的なマック(ジェイムズ・ウッズ)率いるユダヤ人のギャングスターたちの、人生と宿命を描いた作品。物語のあらゆる個所で登場し、盛り上げてくれるのは、ヌードルの幼馴染の恋人で後に有名なブロードウェイ女優になるデボラ(エリザベス・マクガバン)、マックスのガールフレンドとなる賢くてセクシーなキャロル(チュー
2005-11-25T16:36:00+09:00