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<title>クジラとゾウが世界を創る</title>
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<description>クジラとゾウ。地球上で規格外に大きい彼らは、神話・民話に数多く登場します。異なる言葉・文化、遠く離れた場所、さまざまな壁を越えて世界中共通のイメージ。太古の昔から語り継がれてきた彼らの物語。そこには人、地球のルーツが隠されているのかもしれません。</description>
<language>ja</language>
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<title>シャチの国へいった男</title>
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<![CDATA[ <p>　一人の猟師が皮舟に乗って漁に出たときのこと、沖でクジラを曳いている舟を見つけました。ふしぎなことに猟師が彼らのすぐそばまでいっても、誰ひとり彼に気づきません。彼らのあとからついていくと、クジラ撃ちたちは見知らぬ岸に舟をつけました。</p><p>　人々が浜に集まってきてクジラの解体をはじめましたが、どれも知らない顔ばかりです。猟師は彼らの間を歩きまわり、肘でつつきましたが、それでも誰ひとり彼に気づくものはありません。彼の姿は誰にも見えないのです。そのうち一人の男が、クジラの肉を一片切りとって妻の足もとに投げました。姿の見えない猟師がその肉を踏みつけると、女はきょろきょろ探しまわります。猟師が女の背中にクジラの肉をはりつけると、女は背中が痛いといってさわぎはじめました。</p><p>　猟師は、今度は一軒の家に入りこんで、この家の女房に向かって、「肉をくれ」といいます。女房が驚いて、「おや、なにやら耳鳴がする。肉をくれという声がしたのに、誰もいない。なんて不思議なこと…」といいます。猟師は驚いている女をしり目に、肉をたいらげてしまいました。</p><p>　猟師は姿が見えないのをいいことに、このほかにもいろいろいたずらをしたうえ、一軒の家の前にやってきました。中から女の人のうめき声が聞こえてきます。この家では、シャーマンやまじない師が手を尽くしても、女房の病気が治らず困っているところでした。そのとき、家の入り口に立っている猟師のほうへ一人の男が近づいてきて、「あなたは誰ですか、どこから来たのですか」とたずねました。この男にだけは猟師の姿が見えるのです。猟師がこれまでのことを話してきかせると、男はこの家の病人を治してくれれば、家へ送りとどけてやろうといいます。猟師が病人を見ると、それは彼がクジラの肉を背中にはりつけた、あの女の人でした。男が背中の肉をとってやると、女はすっかり元気になりました。</p><p>　さてその翌日、猟師はこの村の男たちのこぐ舟に送られて故郷の浜に帰ってきました。男が浜におりたって後ろをふり返ると、もう舟も男たちの姿もなく、沖をシャチの群れが泳いでいくのが見えるばかりです。あの国はシャチの国だったのです。</p><br><p>　シャチに襲われたクジラが浜に打ち上げられることから、沿岸に住む漁師たちは、クジラを届けてくれるシャチを自分たちの守護神（海神）として崇拝しています。海神は自分たちの国にいるときは人間の姿をしていますが、人間の国を訪れるときはシャチの姿をしていると考えられています。</p><br><p>　エスキモー（アメリカ）の話　『ガイドブック世界の民話』（講談社）より</p>
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<link>https://ameblo.jp/zo-gei/entry-10227404711.html</link>
<pubDate>Fri, 20 Mar 2009 10:29:59 +0900</pubDate>
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<title>海の女神セドナ</title>
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<![CDATA[ <p>　むかし、ある村に、両親にどんなにすすめられても結婚しようとしない、セドナという娘がいました。ところが、ある日、一人の若者があらわれ、セドナを遠くの島へ連れ去っていきました。二人は夫婦になりましたが、やがて、セドナは、夫の正体がかもめであることを知って悲しみます。</p><p>　一方、セドナの父親は、娘の行方を追って、はるばるとその島へやってきました。そして、かもめを殺してセドナを皮舟に乗せ、家路を急ぎます。途中、嵐が二人を襲い、皮舟は大波にのまれそうになります。かもめのたたりを恐れた父親は、嵐をしずめるために、娘を海に投げ込みましたが、セドナは皮舟の縁にしがみつきました。そこで、父親は斧を使ってセドナの手の最初の関節を切り落としたのです。すると、海中に落ちた指先は、みなクジラになりました。セドナはまだ舟にしがみついていましたが、父親はふたたび斧でつぎの関節を切り落としたのです。それらは、みなアザラシになりました。残った指で、なおも皮舟にしがみつくセドナの手、その最後の関節を父親がたたき切ると、それらはみな魚になりました。そして、指をなくしたセドナは、海中深く沈んでいき、海獣や魚の女神になったそうです。</p><br><p>　エスキモーには、秋になると、まじない師をつうじて海の女神に感謝し、豊漁を祈願する「セドナ祭り」の習慣があります。</p><br><p>　エスキモー（アメリカ）の話　『ガイドブック世界の民話』（講談社）より</p>
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<link>https://ameblo.jp/zo-gei/entry-10227388027.html</link>
<pubDate>Fri, 20 Mar 2009 09:59:45 +0900</pubDate>
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<title>亀と象</title>
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<![CDATA[ <p>　亀と象が道で出会った。</p><p>　「やあ象さん。あんた、自分がほんとに大きいと思ってなさるのかね？」</p><p>　「そうとも。おまえ、おれのことを大きいと思わんかね？」</p><p>　「思いますとも。あんたは大きい」</p><p>　「だろ？」</p><p>　「ところであんた、いったい自分の頭を一度でも、その目で見なすったことがあるかね？」</p><p>　「なんだって？」</p><p>　「おいらのひとっ跳びで、あんたの頭を跳び越すぐらいなんですがね」</p><p>　「おまえの？」</p><p>　「へい、おいらの」</p><p>　「おまえはまるっきり、ちびだがなあ！」</p><p>　「もちろん」</p><p>　「なら、やてみな。おまえが跳びそこなうのを見てやろうじゃないか」</p><p>　「いや、一ぺん帰ってまたきますよ。今はくたびれてるんでね」</p><p>　「すると今度は、ほら吹きを見物させてもらうわけか」</p><p>　「ほら吹きだ？」</p><p>　「そうとも。おまえはほら吹きさ。だから逃げ口上を探してるんだろ。もともと、おまえに跳べるもんか」</p><p>　「よろしい。そんなら、明日きていただきましょう。ちょうどどここへ立ってくださいよ。そうすりゃ、おいらの跳ぶのを見物できますぜ」</p><p>　象はこれを聞くと帰って行った。亀は奥さんを呼びに行った。そして、奥さんを道端の草むらのなかに隠しておいた。あくる日、象がやってきた。</p><p>　「ようこそ」と亀は言った「ここに立って」</p><p>　象は真ん中に立った。片方に亀、もう一方に亀の奥さん。</p><p>　「さあ亀どん、跳んでみな」</p><p>　ぴょん。こちら側の亀は、いかにも跳んだような格好をして見せた。ストン！もう片方で奥さんがしぐさをした。象は、はてなと首をかしげた。「もう一ぺん、うしろを見てみよう」。するとそこには、ちゃんと亀がいる。「くやしいなあ。早過ぎるよ。もう一ぺんやってみておくれ。はっきりわからなかったぞ」。そこで亀の奥さんが「ぴょん！」と言う。象は「もう一方を早いとこ見なくちゃあ」と考えたが、そのときにはもう「ストン！」という音がして、亀がそこにいた。「わかった、わかった。おまえの勝ちさ。これにかけちゃあな。でも、走ることじゃあ、おれの方がうんと早いさ」。亀は「さあ、どうですかな。きっと、おいらの勝ちだと思いますがね」と言った。</p><p>　「じゃ、やってみようじゃないか」</p><p>　「いや、今はだめですよ、跳び過ぎて足が痛いんで。明日きてくださいよ」</p><p>　「わかった」</p><p>　「明日の朝早く起きて、ここへきてくださいよ。ここから走ることにしましょうや」</p><p>　夜のあいだに、亀は子供や、いとこや、親類じゅうの亀を呼んできて、ここに一ぴき、あそこに一ぴきと道端に隠しておいた。そして、「象がやってくるのを見たら、いいかい、いかにも駆けっこしてるふりをしとくれよ」と言った。</p><p>　朝になって象がやってきた。「おーい、亀どん」。「ここですよ」。「こっちへこいよ」と象「さあ走ろうぜ」そう言ったかと思うと象は駆け出した。どんどこ、どんどこ走った。だいぶん走ったな、と思ったから、どのくらい亀を引き離したかと「亀どん！」と呼んでみた。すると驚いたことに、ずっと前のほうから「ここですよ」という声がする。</p><p>　象はまた駆け出した。走って走って走りつづけた。もうだいぶん走ったので、友達とどのくらい離れたかと思って、「亀どん！」と呼んでみた。「ここですよ」と前のほうから声がした。こうして駆けっこでも象は負けたということだ。</p><br><p>　コンデ族（タンザニア）の話　『世界の民話 34 中央アフリカ』（ぎょうせい）より</p>
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<link>https://ameblo.jp/zo-gei/entry-10227358935.html</link>
<pubDate>Fri, 20 Mar 2009 08:08:01 +0900</pubDate>
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